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 『クリスマス撃墜のお知らせ』 フィンベラ編



 ――高い茂みの向こうに迷い込んだら、ナイフが飛んできました。

 フィンランドはナイフを投げた主である少女の片腕を抑えながら心内でそう考えていた。

 内風呂で身体を洗い、ほどよい温度の中でのんびりした気持ちが一気に薄れ行く。
 たとえばかつての戦いの中のような、そんな気持ちになりそうになる。

「ベラルーシ……さん?」
「……チッ」
 あからさまに舌打ちをする少女はトレードマークのリボンの代わりにタオルで髪をまとめている。
 タオルをして風呂に入るのを禁止されているはずなのにどっからナイフ出したんだとか、
 そもそも何で自分に狙いを定めてナイフが投擲されたのだとか、
 そんなことを考えていると目の前の少女の身体か崩れる。
「おひゃあ! べ、ベラ……」
「クソっ……さわ、んな」
 若干身体を動かす余裕を見せ、鋭い眼も向けられる。しかしその口調は弱く小さい。
 そういえば日本から貰ったパンフレットにのぼせた時の対処法があった、とフィンランドは思い立つ。
「そういうわけにもいかないし……ちょっと、ごめんなさい!」
 ベラルーシの身体を抱え、休憩スペースに移動する。

 若干胸が当った気もするがそこは耐えるフィンランドであった。

「ちょっとここで風にあたっててね」
 そう言いながらフィンランドは休憩スペースにベラルーシを寝かせる。
 たまたま手ぬぐいを頭に乗せて日本気分を味わっていたため、彼女の身体を覆い隠した。
 なのだが。
 何と言うか、若干塗れた薄布が彼女の身体をぴったりと覆っている。
 丸みを帯びた乳房の頂点にもぴたりと張り付き、何より下の、薄い茂みが見えそうになる。
 エロいのだ、要は。紳士的な行動をとったはずなのに変態という名の紳士になっているのだ。
「……こういうの、湯疲れっていうらしいですよ」
「……」
「どれくらい、入ってたの?」
「……夕飯後……」
「えっ!? それって結構時間経ってるのに」
 夕飯は七時ほどに終わり、それから時間は軽く三時間は経過している。
「だって……」
 か細い声で、彼女は搾り出すように言う。
「兄さん……露天風呂を楽しみにしてたんだもの……」
「……」
「もしかしたら、ここで待ってたら会えるかも……って」
 そのエロさを感じてから、何となくフィンランドは背を向けて話しをしていた。
 なので彼女の表情は見えない。それに何より、ベラルーシ自体が見られたくないであろう。
「(それでも……慰めてあげたいと思うのは……)」
 かつて「今度は負けない」と面と向かって言われるほど、おそらく警戒されている間柄のはずなのに。

 と、その時、フィンランドの背中に何か柔らかいものを感じた。
 急いで振り返ると、そこには割と無表情のままのベラルーシが居る。
「ゆ、湯疲れは……」
「寒い」
「へ?」
「寒いわ。すごく」
 北欧や東欧とはまた違う寒さではあるものの、雪の中裸で横になっていれば寒いであろう。
「まあ……温泉近いとはいえ外だったしね」
 自分でも的外れな回答をしている、とフィンランドは苦笑した。
 これで誤魔化せるほど、自分も彼女も子供では無い。
「違う。さっきまで、すごく寒かった」
「……ひとりだったから?」
 ギュッ、とまとわり着く腕に力が篭る。無言の肯定はフィンランドの理性を削っていく。
 無自覚なのか、それとも誘われているのか。

 ――どちらにせよ、タチが悪いことに変わりはない。


「ねえ、あんたサンタなんでしょ?」
 唐突にベラルーシはそう問いかける。フィンランドが頷くと彼女は変わらぬ口調で喋る。
「じゃあちょっと、目が覚めたら兄さんの傍にいられるようにしてくれない? クリスマスプレゼントで」
「……随分斬新だね」
「ちょっと気とか失わせたりとかして兄さんが心配してくれるならなおいいわ」
 彼女の表情が、妖艶なものとなる。彼女の求める『熱』が、自分のものと重なる。
「……子供じゃないから、少し対価を貰うけど……」
「安いものだわ」
 そう言いながらベラルーシはフィンランドの唇を塞ぐ。そしてそのまま、フィンランド自身に触れる。
「ぅあ……、ベラルーシさ……」
「ちょっと黙ってパイズリでもされてろ」
 素っ気無く下ネタを言うベラルーシにフィンランドは感動すら覚える。
 ああ、それでも彼女はあのお兄さんが好きなんだっけ、などと勘違いしないように気をつけつつ。




カテゴリー
[ベラルーシ][フィンランド][クリスマス企画]

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