仏英列ちちいぢり
「あの…フランスさん」
少女は不安げにフランスを見上げる。
本当は今すぐ止めて欲しいのだろう、少女の葛藤を見抜きつつ、フランスは彼女の頭を撫でてやった。
彼女の兄がよくするように。
少女−リヒテンシュタインは少しだけ安堵したように目を細めた。
「だーいじょうぶ。お兄さんに任せなさい」
幼子にさとすような口調とは裏腹に、フランスの手のひらはリヒテンシュタインの左胸をやらしくまさぐった。
ふぁ、とリヒテンシュタインは息を漏らす。
「は、恥ずかしいです…」
彼女は自らの格好から目を背けるように顔をそらした。逆にフランスは目の前に広がる素晴らしい光景を、舐めるように鑑賞した。
少女は椅子に座っている。濃紺のドレスは上だけ乱されて、白の華奢なブラも外されている。下は全く乱れていないのがかえってそそる。
あらわになった慎ましやかな胸を男の掌がおおっている。
何より恥じ入りつつ耐えるその表情。
全くもって絵画にして残したいくらい素晴らしい情景だ。
おにーさんつるぺったん属性は無かったはずなんだけどな!
新しい扉拓いちゃいそうだよ!
たぎる欲望を身の内に感じつつ、フランスはそれをそのままぶつけるような真似はしなかった。
あくまで優しく、かつ、やらしく。
ねちっこいほどゆっくり胸を触る。
胸の回りを円を描くように指先でつうっとなぞったり。
「…ふぅ、あっ…」
焦らすようなやり方で段々と相手の情感を高めていく。
目を潤ませたリヒテンシュタインに、フランスはいやらしく囁きかけた。
「なあ、どんな感じがする?」
フランスの吐息にも感じてしまったリヒテンシュタインは体をぶるりと震わせたが、それでも律義に返答した。
「あっ…へんな、かんじです…。あたま、ふわふわして、…やぁっ…」
「それが気持ちイイってことだよ。」
「きもちいい…?で、でも、すごく、はずかしい…」
「恥ずかしがることなんかないぞー?…ほら」
「…あぁっ!」
「おにーさんがもっともっと気持ちよくしてやるからなー」
左胸全体を揉み上げる手に従順に鳴く少女にフランスは笑みを深くした。
だが。
「ひぅっ!」
リヒテンシュタインは大きく身を反らした。
フランスからではない、別の人物からの刺激によって。
リヒテンシュタインは右胸を強く揉んだ人物に涙目で訴えた。
「い、痛いですわイギリスさん…」
「わ、わりぃリヒテンシュタイン!」
頭を下げたイギリスをフランスはニヤニヤ笑いで見下した。
「エロ大使の名折れだねえ坊ちゃん。
女の子の胸はデリケートに扱わなきゃダメよー?」
「うっせえキモいんだよ髭!」
フランスのからかいに毒舌を吐き捨てたイギリスは、真摯な顔でリヒテンシュタインに向き合った。
「リヒテンシュタイン」
「……はい」
それはもう紳士に相応しい誠実な顔と声で、イギリスは厳かに言う。
「強い力で揉むほど胸は大きくなるんだ。お前はそれに耐えられるか…?」
駄目だこのアホ紳士早くなんとかしないと。
どんびいたフランスをよそに、リヒテンシュタインはきらりと目を輝かせた。
しばらく躊躇ったのち、大層恥ずかしそうに口を開く。
「は、はい。もっと、もっと強く揉んでくださいまし」
その台詞にSスイッチが入ったのか、イギリスはぎりりといたいけな胸を掴んだ。
「ひぃっ、あっ、あぁっ」
痛いほどの刺激を与えたあと、打って変わってちろちろと優しく胸の頂きを舐める。
強弱の激しい愛撫にリヒテンシュタインはフランスの時以上に感じ入っていた。
恥ずかしげな表情をしている癖に、胸を舐めしゃぶるイギリスの頭を押さえ付けているのがいやらしい。
初めかわいらしいピンク色だった頂点は濡れて赤く色づいていた。
「もっと、もっとおねがいします…」
譫言のように切れ切れに言う嘆願が悩ましい。
はっきり言ってフランスは面白く無かった。
エロ大使を譲ったとは言え、この若造に技巧で後れを取るなどありえないし許せない。
愛の国舐めるんじゃないよ!
フランスの手がスカートに隠された秘密の場所に伸びる。
「ああっ!ダメ、ファドゥーツ触っちゃだめー!」
「てっめえフランス!下は無しって話だったろが!!」
少女の悲鳴も隣国の怒声も、むしろ鼻唄でも歌いたいような心地でフランスは聞き流した。
ショーツの中はぐっしょり濡れていて、ぬるりとした愛液がフランスの指に絡み付く。
ぬちゃりぬちゃりと音を立てながらフランスはリヒテンシュタインの秘所を弄んだ。
「あっ、あっあっあっ、だめ、許してくださいましっ、あああっ」
イギリスはお前ずりーよと口では言わず目で訴えてくる。
さすがにフランスは少女の処女まで奪うつもりは無かった。
十二分に濡れた指を引き抜くと、その指でリヒテンシュタインの胸を撫でた。
液を塗りたくるように胸を揉む。
「えっ……」
フランスの行動の意図が分からず彼女はフランスを見つめた。
戸惑う彼女にフランスは告げる。
とびっきりの秘密を教えてあげるよ、と親切な男のふりをして。
「女の子が気持ちよくなった液を胸に塗るとね、早く胸が大きくなるんだよ」
お前、それは無いわー…とイギリスは冷め切った声で言った。
だがしかし、リヒテンシュタインの顔を見てごくりと唾を飲んだ。
彼女は快楽にとろけきった女の顔で二人にねだる。
「なら、もっともっと、気持ちよくしてくださいな」
たっぷり塗ってくださいね、と言うかわいらしくもいやらしいお願いを、愛の国とエロ大使が断るはずもなかった。