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  スプートニク




スプートニク1号…1957年に打ち上げられたソ連が開発した世界初の人工衛星。
弾道ミサイル用に設計されたもので、その打ち上げの成功は、
激しさを増す東西対立の中において、アメリカを震撼させた。
スプートニクとは「旅の道連れ」(Спутник)という意味のロシア語。



+++
(何か、懐かしい夢を見たような気がする)

クレムリン宮殿の一室で、ウクライナは目を覚ました。

窓の外を見ると、モスクワには早めの雪が降っていた。
ウクライナがソビエト連合の一員としてロシアで働くようになってからずいぶん経つが、
未だにこの宮殿の一室には慣れない。
これはロシアから割り当てられた大きな部屋で、他のソ連構成国家と比べたら破格の待遇なのだが、
ウクライナはこの部屋があまり好きになれなかった。
部屋の広さは孤独を感じさせるし、この建築の持つ古さは過去を思い出させる。

(なんか、誰かと星を見てたような、夢、だった)

むくりと起き上がり少しの間ぼぅっとした。
曇り空からくる窓の光だけでは、朝といえど部屋は当然ながら薄暗い。
法令で電気が使える時間は決められていて、いくら暗くてもこの時間帯には点けられなかった。

(誰だっけ)

思いだそうとすればするほど記憶はぼやけていった。
諦めて着替えをしようとした矢先、

こんこん!

ノックの音が響いた。
ウクライナは驚き、霞がかかっていた頭が一瞬で目覚める。
慌てて布団から出ようとしたが、ウクライナの返事を待たずにドアは開けられた。

ふゅー、息を吐きながらと重そうなトランクを引きずるその人物に、
ウクライナは目を見張った。

「ポーランドちゃん」
唐突にドアから入ってきた不法侵入の少年は、ウクライナの方をみやると
トランクをどすっと降ろし、

「よ」

とまるで毎日会ってる友人に道端でするような、軽い挨拶をした。
ここは女性の寝室で、会うのは数百年ぶりだというのに。

「モスクワ寒すぎるしー!マジお前の弟オーボーだし!」
ポーランドはこちらの戸惑いを気にするそぶりもなく、マフラーを外し
黒いコートの肩に乗った雪の粉を払う。
いや、何もなかったかのような明るい声は、敢えてなのかもしれない。
「どうしたの」
「どうしたのってお前・・・。お前の弟に呼ばれたから来たんだし。
今日、衛星の打ち上げ式するんだろ?東側の晴れ舞台だから、来いっていわれたんよ」

ああ、とウクライナは思い出した。
今日は、弟とアメリカ君の宇宙競争の結晶・衛星スプートニク1号の打ち上げの日。
そういえば、記念式典には私も来いって言われてたっけ。

「ねーちゃんのお前が忘れてどうするよ」
そう言ってポーランドはくくっと笑い、コートを脱いでフックに掛けた。
着ているものは違えど、その笑顔は三百年前と全く変わっていなかった。

どう接するものか迷ってるうちに、自分が寝巻き姿であることに気付いた。
姿勢も、上体は起こしてはいるが体の下半分はまだ布団の中に入ったままだ。
「あっ、ごめんねこんなかっこで」
ようやく普通に言葉が言えた。
気にしないしー、とポーランドは笑ってウクライナのベッドにどすんと腰を降ろした。
ウクライナの方を向くと、いたずらっぽい視線を投げかけた。
「それに、ウクのそういう姿は俺、見慣れてるし?」
その言葉に、ウクライナは年甲斐もなく顔を赤くした。
「あ、あの頃はまだ子供だったでしょー・・・」
昔と変わらず語りかけてくるポーランドに、ウクライナの口もかつての調子を取り戻す。

「へー、あの頃からあんなことしまくってたけど、まだ子供だったん?」

「!」

ウクライナが動揺した隙に、ポーランドはウクライナのベッドの中に潜り込んだ。
「なっ・・・、ポーランド、ちゃん・・・?」
一人用のベッドなので、二人だとかなり狭い。ほとんど体が密着する形になった。
上半身は起しているウクライナに対し、ポーランドは全身をすっぽりと布団の中に入れた。
「おおー、ベッドん中、ウクの体温であったけぇー!」
子供のようにはしゃぐポーランド。つい今程まで外にいたその体はひやりと冷たく、
薄い寝間着越しにその温度がウクライナに伝わってきた。
「あ・・・当り前だよ。さっきまで寝てたんだもん」
ウクライナは照れながらそう答えたが、起こしていた上体を再び横にし、
ポーランドに寄り添う形に寝そべった。
「ね、懐かしいね。昔も良くこうやって一緒に寝てたよね」
寄り添ってみて気付いた変わらない彼のにおいに、ウクライナは昔を思い出していた。
「だしー」
声も、瞳も変わらない。少し背が伸びたが、ウクライナもその分成長したので、
身長差はほとんど過去のままだ。
ウクライナは愛しげにポーランドの髪を撫でた。
彼と同居してた時代は、ロシアから離れて暮らしていたせいか、この少年をもう一人の弟のように可愛がった。
しかし、いつのまにやら弟以上の関係になってしまったんだけども・・・。

そこまで思い出したところで、腹部へ突然謎の感触がウクライナを襲った。
「ひゃん!?」
「指がまだ寒いしー」
ポーランドがウクライナの寝巻きの中に手を突っ込み、腹を触っていた。
「つ、冷たいよぉっ」
抗議したが、ポーランドはいたずらっぽい笑みを浮かべたまま、ウクライナの腰のあたりをまさぐり続けている。
こういう愉快犯的なとこがあるのだ、この少年は。
呆れ、したいようにさせていたが、その手がウクライナの乳房にまで近づいてきた。
「きゃ、あぁっ!?」
不意をつかれたのと、依然として冷たいポーランドの手から来た敏感なところへの刺激に、
ウクライナは思わず大きな声をあげた。
「うるさいしー」
「だって、だって・・・」
「心臓のあたりが一番あったかいっていうの、知らんの?」
そう言ってウクライナの乳房を触り続けるポーランド。
その愛撫は、手の温度のせいで普通のそれより刺激が大きく、下がどんどん濡れていくのを感じる。
「ん・・・でもそっち右胸だから心臓ないよぉ・・・?」
ウクライナは上気しつつある頭を振り絞り、冷静な突っ込みをした。
あ、と間抜けた声を出すポーランド。
ばかだなー、と微笑むウクライナ。
しかしポーランドは手の動きをやめ、急に真面目な顔になった。
「え・・・ポーランドちゃん・・・?」
「ウク」
ポーランドは似合わない低い声を出す。そして一瞬の沈黙の後、口を開いた。




「・・・
・・・・・・
・・・・・・・・おっぱいおっきくなりすぎだし」



どどいーん。ポーランドの珍しく真剣な表情に身構えてたウクライナは、思わずずっこけた。
「しっ、しらないよぉっ!そんなの!
第一、私の胸がどんどんおっきくなったの、ポーランドちゃんといた頃からだよ?!」
本当だった。もとから少女のわりに発育の良かったその胸は、
ポーランドとの同居時代にみるみる大きくなった。
「まぁ身に覚えがなくもないし」
そういうことしてたかんなー、とけらけら笑うポーランド。
しかし急に声を止め、一瞬見つめあう。
薄く笑むと、ポーランドはごく自然な動作でウクライナの寝巻のボタンを外し始めた。
「きゃ」
ウクライナは反応したが、ポーランドがベッドに入ってきた時から
こういうことになるのは予想してたので、抵抗はしなかった。
ぷちぷちぷちと素早く手を動かすポーランド。あっという間にウクライナの前がはだけ、
豊満すぎる胸が露わになった。
ポーランドはその胸に、ぱふっと顔を埋める。
「ん・・・」
顔を左右に動かすポーランド。乳房の感触を目一杯味わう。
やがて啄ばむようなキスを始め、胸に埋めていた顔をゆっくりと動かし、乳房の中心へ連なるように舌を這わせていく。
「きゃん」
ポーランドの唇が乳首を噛んだとき、ウクライナは小さく叫んだ。

(変わらないな)

じゃれあうようにセックスしていたあの頃。
お互いまだ若く活力に溢れ、節度を知らずに毎晩のように行為を繰り返していた。

そのころからポーランドはウクライナの乳が好きだった。
前儀は入念な乳房への愛撫から始まるのがお約束だった。
子供っぽいポーランドなので、自分に母親を求めてるのかな、と勝手に思っていた。

「んふぅ・・・変わらないね、ポーちゃん」
ウクライナはすっかり火照った声で言う。
「ウクもだし。セックスになると、余裕なくなって俺のことポーちゃんって短く呼ぶの」
えっ、そうだったの!?今さら明かされた自分の恥ずかしい癖に、ウクライナの頬はますます赤くなった。

「あと、感じ方も」

そういってポーランドは指でウクライナの乳首を強くひねった。
「きゃ、やあん!」
たまらず大きな声を上げてしまった。ウクライナを見上げたポーランドの顔が意地悪そうに笑んでいる。
ウクライナは恥ずかしそうに顔をそむけた。
その可愛らしい姿に気を良くしたあと、ポーランドは愛撫を再開した。
「あっ、あっ」
片方の乳房は手で揉みつつもう片方には吸ったり噛んだりで刺激を与えてやる。
豊満なウクライナの乳房の中に、ポーランドの指はほとんど埋もれていた。
顔の方も、息苦しそうにときどきぷは、と息継ぎをしながっら行為を続ける。
十二分に長い時間愛撫し、ウクライナのその土地に降る雪のように白い肌の乳房を赤い線で
跡だらけにした後、ポーランドは赤子のようにウクライナの乳をちゅ、と吸った。

(あ、来るな)

ウクライナがそう思った瞬間、ポーランドは勢いよくウクライナの茂みに手をつっこんだ。
(やっぱり)
乳房への愛撫の最後は乳吸いなのもお決まりだったのだ。
ポーランドは遠慮なくウクライナの中に指を進めていく。
勝手知ったる我が家というように、良いところだけピンポイントに弄ってやる。
ウクライナの赤い蕾がたわみ蜜が溢れる。
「あああ、ああ!」
ウクライナは歓びの声をあげ上体を反らし激しくよがった。
しがみつくようにポーランドの背中に両手を回す。
「めっちゃ濡れてんよ」
手を引き抜き、指先にたっぷりついた愛液を見せつけた。
「だって・・・ポーちゃん、私の体、わかりすぎ・・・」
「ん。だって俺ウクと何千回やったと思ってんの?」
そうなのだ。お互い国という間柄、共有していた時間はそこらの人間よりはるかに長い。
しかも若さゆえに、かなり頻繁にしていた。
「う・・・そうだけどぉ・・・」

別れの時が来るとあっという間に感じられた同居生活。
しかしやはりその数百年という年月は、気の遠くなるほどの時間だったのだろう。
こうして、お互いの体で触ったことが無い部分はない、と言えるほど。

楽しそうにウクライナの秘所を攻め続けるポーランド。
その全ての動きがウクライナを至高の快楽へと誘い、
ひとつひとつの突きに応じてウクライナは「あ!あ!」と嬌声をあげた。
もはやウクライナの秘部はとろとろで、シーツには淫らな染みができていた。
激しい動きの後、最後の仕上げと言わんばかりに、ずず、と強めに指を動かされた。
「あぁあああぁあ」
ウクライナはもうほとんど達しそうで、力が抜けポーランドの首にしがみつけていた腕をゆるゆると解いた。
悦びで涙目になった顔でポーランドを見つめると、ポーランドもこちらを見ていた。
お互い汗ばみ息が荒い。
しばし見つめあっていたが、ポーランドは首を伸ばしてウクライナの唇を奪う。
激しく舌を絡め合った後ゆるりと唇を離したが、それが合図とばかりに一気に濡れた秘部へ挿入した。
「あああああああああ」
イイどころの話ではなかった。自分の肉壁の中を動くそれの全てが完璧で、ウクライナはすぐに意識が飛んだ。
ウクライナが達するのを見るとポーランドは一旦自身を引き抜き、ウクライナの意識が戻るまで待ってやる。
彼女の頭がしっかりしてきたのを見たら、仰向けになる。
ウクライナは無言でポーランドの求めることを察し、ポーランドに跨りそれを挿入し、腰を動かす。
「んん・・・」
「ぅ・・・」
ポーランドがウクライナの良いところを知っているように、
ウクライナもどうしたらポーランドが悦ぶか知っていた。
前へ、後ろへ。貫かれる快感に頭をぼやけさせながらも、ウクライナはかつての動きを思い出し
懸命に腰を振り、股を動かし締め付ける。
「くっ」
ポーランドが小さく呻くと、ウクライナの内部に放出した。
こういうことをしても国という特殊な体である自分たちには子供ができないというのは、過去の経験で知っている。
「ん・・・」
ウクライナはポーランドを悦ばせられて安心し、腰の力を抜く。
するとポーランドは繋がったままがばっと体を起こし、再びウクライナの口を吸いあげ、乳を揉む。
ウクライナはポーランドの腿の上に乗っかった形になる。
自分の体重はお世辞にも軽いとは言えないので、この体勢はかなりポーランドの負担になるのを知っているが、
ポーランドの意思を尊重してそのまま続けた。
ウクライナがポーランドに覆いかぶさるように抱きついた。
ウクライナの肩に顎を乗せ、ポーランドもウクライナの背中に腕を回す。
二人の体が隙間もないほどぴったりとくっついたが、さらなる結合を求めお互い腰を動かした。

(こうしてるとひとつの国みたいだよね、と言っていた頃があった、確か)

ウクライナはぼんやりとそんなことを思い出したが、迫りくる絶頂に思考が途切れた。



(子供だったな。甘かったな)



そう思った瞬間にお互い果てた。


++++++++


「朝っぱらから激しいのしちゃったね」
目覚めると胸を枕にしぼーっとていたポーランドに、ウクライナは呟きかける。
結局あの後、二人とも疲れ果てて眠ってしまった。
「ん、んなこと言ってももう夜だし」
ポーランドは手元にあった懐中時計を手元に引き寄せ、気だるそうに時間を見た。
え?とウクライナは一瞬呆けると、慌てて窓の外を見遣った。
外はすでにとっぷりと日が暮れ、夜空に星が瞬き始めていた。
「あ――――――ッ、打ち上げ記念式典が――――――っ!!!」
「別にいいんじゃね?俺らがいなくてもロケットは飛ぶし」
「でもそうだったら、あなたがなんでここに来たのかわからないじゃないのよぉー」
ウクに会えたから別にいいしー!とポーランドはあっけらかんと答え、けらけら笑った。
その表情には、セックス中の真剣な面持ちのかけらもない。
「うう、ごめんロシアちゃん・・・」
と窓を見ながら泣くウクライナ。その刹那。

一本のロケットが夜空に向かい、光の筋を残して消えていった。

「・・・飛んだ」
「・・・飛んだし」
「・・・ホントに飛んじゃったね」
「何、ウク、お前その言葉、ロシアの上司に聞かれてたら資本主義の回し者!って粛清されてたし」
きゃー怖いこと言わないでよぉ、とウクライナは本気で怯えた。
その姿がおかしくて、ポーランドは再び笑む。

「それにしても」
ポーランドは言う。
「時代の流れってすごいと思わん?昔、お前と一緒に見上げて、
神様がいるとか言ってた場所に、人の作ったもんがぶちこまれるんよ」

(あ、そうか)
夢の中で星を一緒に見てたのは、彼だった。
工場の排気ガスの無い綺麗な大空、満点の星の下で。
星座を数え、神々の物語を語り合った。
(なんで、忘れてたんだろう)

時代は移る。人は変わる。過去は残る。思いは重なる。


変わらないものはなく、時間という絶対的な力に、人は、歴史は、ただ動き続けることを強制される。

ポーランドとは、別れた後幾度となく傷つけあった。
その間お互い直接に顔を合わすことはなかったが、その過去は決して消えることはない。

今日のかつてのまま変わらないように見えるポーランドは、おそらく違う。
彼は昔のままなのではなく、昔のように振る舞ってくれたのだ。この再会のために。
意識したものではないかもしれない。今の彼と昔の彼に、それほど大きな違いはないのかもしれない。
しかし今日は、お互い過去を回顧し、なるべく昔どおりにセックスを行おうとしていたのは明白だった。
昔の輝いていた時間を、行為の最中だけでも取り戻したくて。
あの後二人は、もう二度と相容れぬ過去を作ってしまったのだから。

ウクライナは起こしていた上体をどすん、と横に倒しベッドに再び転がった。
ポーランドに背を向け、シーツを被り体を丸めた。
ぼんやり窓の外を見ていたポーランドがウクライナに視線をやると、
彼女の異変に気付いた。


「ウク」
ポーランドが呼びかける。








「何、泣いてるんだし」



++++

そのころ、「旅の道連れ」という意味をもつ衛星は、人類の業の結晶として、
名前とは反して孤独に宇宙空間を彷徨っていた。


続き 390-393: 続きの言葉


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