ウク姉・EUと野球拳
「はあ?何言ってるんですか?遂にお脳の中身も紅茶の葉っぱの出し殻になったんですか?」
セーシェルも着替え中のウクライナから話のあらましは聞いている。
しかも自分は明らかに関係ない。
踵を返し部屋から出ようとするとイギリスが呟いた。
「言う事聞いたら、外貨やるぞ。」
端的でかわいげ0な宗主国の言い方にカチンときたセーシェルはそのまま出て行こうとする。
「やって勝ったら、なんでも言う事聞いてやる。」
・・・しばらく立ち止まり、セーシェルはくるりと振り向いた。
その顔は後ろに花を背負っている様な笑顔だった。
「本当ですね?バーバリーのワンピ買ってくれますね?」
「バーバリーでもプラダでもブルガリでもロレックスでも何でも買ってやる!」
イギリスは心の中で「言う事聞いてやるなのに・・・」と突っ込んだが今ここで水は差せない。
「やります。」
都会に出てきたばかりのセーシェルは物欲に弱過ぎであった・・・
で順番はその後のじゃんけんにより、
1・ロマーノ
2・セーシェル
3・ポーランド
4・ハンガリー
5・スウェーデン
に決定。
基本的に皆スーツなので男は上着を脱いだ状態からスタートという事になった。
そしてウクライナはいつものサロペットにリボンタイのブラウス、その上に同系色のジャケットの下にセーターとブーツだった。
「じゃあ始めようか。」
誰とも無く言った声で、ウクライナvsEUの野球拳対決はスタートとなった。
VSロマーノ。
ルール説明に日本に借りたVTRを流す。
日本のお笑い番組に色々な意味で各国釘付けになったのは言うまでもない。
「やーきゅ〜う〜す〜るならこ〜いう具合にしやしゃんせ〜〜アウト!セーフ!よよいのよい!!でじゃんけんだ。
で5回勝負でいくぞ、解ったな、ロマーノ?」
「うるせえ、解ってるよクソヴルスト。さっさと勝って剥いて楽しませてもらうんだよ。」
「・・・不安だ・・・」
ドイツの予感は的中した。
「さ〜それでは始まりました、ウクライナEU加盟をかけた野球拳勝負、実況は私ベルギーと」
「フランスで御送りするよ!」
〜〜〜〜〜※とりあえず歌は省略・皆で合唱〜〜〜〜〜〜〜〜
「アウト!、セーフ!よよいのよい!」
ロマーノ、パー。
ウク、チョキ。
「・・・ロマーノへの男性陣の目が涙が出そうなほど刺々しく背中に突き刺さってるなあ・・・」
「空気、読めよ・・・ロマーノ・・・しかもパー。」
「脱げば良いんだろ!脱げば!!!」
一回負けただけで既に半泣きのロマーノである。ロマーノはノーネクタイだったため、自らシャツを脱ごうとしたら、
「あ、ストップ。」
フランスが制止をかけた。
「ウクちゃん、脱がしてやって。そのかわりウクちゃん負けたら相手に脱がされるから。」
「え?あ、わかった。」
そう言うとウクライナはロマーノの前のボタンに手をかける。
但しそれはシャツでは無かった。
「いきなり下にいくかあああああ!!!ウクーーーーー」
ウクライナは何のためらいも無くロマーノのズボンをはぎ取った。
「xsrdxせdrcftvgyばぅんじmこ、lp。;l!!!!!」
目も口も全開でロマーノが叫ぶ。取りあえず、トランクスは脱げてない。
「ベルトはノーカウントでいいよ?ね?」
「そう言う問題っちゃうって・・・ウクライナ・・・まあええ、二回目や二回目。」
ウクライナの天然か腹黒か解らない攻撃に動揺したロマーノは立て続けに4回負けた。
「・・・人選ミスやね。」
「・・・そうだな・・・選んだドイツ、お前責任とれよ。」
EU側の空気が寒い。
そうフランスが言い放つとヴェネチアーノが嬉しそうにロマーノと同じ分、ドイツの服をはぎ取っていった。
ロマーノは最後になんとか一回勝利し、ジャケットだけはぎ取った。
「ちくしょおおおおおおお〜〜〜〜〜!!!!!!」
ロマーノは泣きながらパンツ一丁で部屋を飛びだしって言った・・・
一回戦終了・・・ロマーノ=パンツ1枚
ウクライナ=セーター・ブラウス・下着?枚・サロペット・ブーツ