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 繋ぐ体、分かち合う心

  破瓜表現注意



 帰ってきた頃には、日がとっぷりと暮れていた。
海に囲まれたイスタンブールも、内陸国の自分には趣が感じられたが、
やはり自分を育んだ土地は安らぎを与えてくれる。
 そして、ここが今日から私たちの、私たちふたりのための家となるのだ。
主従関係時代のような単なるひとつの生活場所ではなく、
家族としてのふたりの居場所になるのだ。
 傍らの女性に目を向ける。夜の帳が、かえって彼女の長いブロンドを映えさせていた。

「どうかしましたか? オーストリアさん」
 視線に気づいた彼女が顔を上げ、私を見た。
 碧緑の大きな瞳が、純粋に美しいと思った。

「いえ……。
 1日でトルコと往復でしたので、お疲れではないかと思いまして。
 もしそうであれば……」
 ぎゅ。
 言い終わらないうちに、絡められた腕の力が強くなる。
「全然……平気です」
「ハンガリー……」
「夜は長いんですよ?」
「……そうですね」
「でも、私、オーストリアさんのそういう優しいところ、好きです」
 碧緑の双眸が細められた。無垢な笑顔が、かわいらしいと思った。



 バスローブを羽織って寝室へと足を運ぶ。
 部屋には、先に汗を流した彼女が待っていた。
心なしか、空気が張り詰めているような気がして、
「……怖いですか?」
 そう訊いてみた。
「へ、平気です。ただ、ちょっと……緊張していて……」
「そうですか」
「す、すみません……」
 彼女が腰かけているベッドの縁の、その隣に自分も腰を下ろす。
 ゆっくりと彼女の肩に手をまわした。びくっと強張った反応が返ってきたが、
かまわず抱き寄せた。
「緊張するのは、特におかしいことではありませんよ。
 少しずつでかまいませんので、心の準備ができたらおっしゃってください」
 言って、頭をなでて、髪をすく。
 湿り気の残る髪。桜色に上気した頬。落ち着かない鼓動。
信頼するようにもたれかかる、その重み。
それら全てが愛しいと思った。
 しばらく頭をなで続けていると、おもむろに彼女が口を開いた。
「あの、オーストリアさん。もう……大丈夫ですから……」
 もたれていた頭を上げて、上目遣いに言う彼女。
 潤んだ瞳を見つめたらそっと閉じられたので、何も言わずにキスをした。
最初はまぶた、次に頬、そして唇。何度かついばむようなキスをして、
それから舌を差し入れた。
「んっ……」
 ゆっくりと咥内を愛撫する。そのうち遠慮がちに、だがしっかりと
彼女の舌が求めるように動いてきたので、応えるように絡ませた。
「んむ、ぅ……ん、ふ、はぁっ」
 唇を離すと、甘い吐息がもれ、二人の間に銀糸が引かれた。

 息を整える彼女に頬をすり寄せ、今度は首の方へキスを落としていく。
「ふ……あっ」
 同時に、肢体への布越しの愛撫も開始する。
肩、腕、腰、足。
やわらかな肌の感触を手のひらで十分に味わっていく。
 唇が鎖骨を通って、ふくよかなふくらみにさしかかると、
今度は私が彼女にもたれるような格好になった。
「……っ」
 両腕で頭をかかえてくる彼女。
その意図は、愛しさの表れなのか、それとも抵抗になっていない抵抗なのか。
あるいはその両方かもしれない、と思った。

 唇がバスローブの合わせ目に到達したところで、一旦引き上げる。
向かい合い、見つめあって、もう一度キスをかわすと、彼女を思い切り抱きしめた。
それから、彼女のローブを肩からすべらせ、上半身をはだけさせた。
「あっ……」
 瞬間、彼女の体がちぢこまる。
 抱きしめたまま行ったので、自分の視界には彼女の背中が見えているだけだ。
もっとも、それですら十分に官能的ではあるけれど。
「……ハンガリー。これから、貴方を愛します。今までとは違った仕方で。
 この先に踏み込んでしまえば、おそらくもう歯止めがききません。
 ……よろしいですか?」
「……っ」

 沈黙。一瞬の間。そして、小さな、けれどしっかりとした返答。
「お願い……します。好いて……愛して、ください」
 直後、彼女をシーツの上へ引き倒した。
「きゃっ」
 自分は覆いかぶさるような体勢をとり、彼女を見下ろす。
胸部にそそがれる視線に、思わず彼女はたじろいだ。
「あ、あの……な、なにか、変……でしょうか?」
「とんでもない。美しいと思います。……とても」
 言い終わるか終わらないかのうちに、愛撫を開始した。
「ひぁっ!」
 指で、口で、直接肌に触れ、桜色の突起を刺激した。
 あいているもう片方の手は、ローブの裾から中に差し入れ、
ふとももの内側に這わせていく。
すべすべとした触感を愉しみながら、やがて指先が秘所へと到達する。
「あ、や……んくっ、ぅあっ!」
 秘裂の入り口と、その周りの柔唇を丁寧に愛でる。
「ふああっ! あっ、だめ、だめです! あ……っん!」
 シーツや私のローブをつかんで、羞恥と快感に震える彼女を
視界の端に捉えながら、それをもっと見ていたいと思った。

 愛撫を続けていると、やがて彼女の媚肉から透明な蜜が
したたってきた。
ちゅくっ、ちゅぷっと、指を動かすたびに水音が響く。
「い……あ、ふぁっ、んん……!」
 よがる彼女の身じろぎが艶かしい。
 クレバスの先端のつぼみに触れる。
「んああぁんっ!」
 ひときわ高い嬌声が、彼女の口からもれた。
「はぅ……っあ、オーストリアさん……オーストリアさん……!」
 熱にうかされるように私の名を呼ぶ彼女。
 愛しさがこみあげてきて、手での愛撫は続けたままに口づけた。

「んっ……ふは、あ、あの、オーストリアさん……もう……」
 かすかに涙を浮かべながら、彼女は切なげな声で求めてきた。
「それでは……一度、体を起こせますか?」
 そう言って腰を抱き上げると、バスローブを取り払った。
同時に自分も脱いでしまう。

「……え?」
 すると、彼女が頓狂な声をあげた。
「ど、どうかしましたか?」
 思わず動揺してどもってしまった自分にどうかと思いながら、
彼女に訊き返す。
「オーストリアさんこそ、どうしたんですか?
 こんな赤くなって……」
 言って、彼女は私の腕を取った。
 そこには、タオルを思い切りこすりつけた、あの赤い跡。
「あ、ああ……。これはトルコの家で……」
 歓迎と称して(?)、すごく痛い垢すりをされたことを説明した。
「な、なんてことするのよ、あの国……。
 あの……ごめんなさい、オーストリアさん。
 私があんなのと関わってたせいで……」
「あ、貴方のせいではありませんよ。
 余計な責任を感じるのはおやめなさい」
 お風呂の直後には、責任をとってもらおうなどとも
思っていたのに、彼女に泣かれて落ち込まれるとこれだ。
 我ながら、ほだされているなと思った。

「わかりづらいかもしれませんが、彼も私たちのことは
 祝福してくださいました。
 愛される国、ハンガリー。私は貴方をめとったことを
 誇示こそすれ、後悔などするつもりはありません」
「オーストリア……さん……」

 彼女を抱き寄せた。
 あたたかい。
 肌と肌が触れ合う感覚が心地よい。

 そのまま倒れるようにふたりでベッドに横たわる。
 髪をなで、肌をなで。
 そして、熱をおびた欲望を、彼女の秘部に這わせた。
花びらがそのあふれる蜜で熱い自身を濡らしていく。

「……力を抜いていてくださいね」
「あ、は、はい……っ」
 先端を肉唇の中心にあてがう。
「うぁっ……」
 くちゅり、と音をたてて花園の入り口が広がる。
 彼女を抱きしめながら、ゆっくり、ゆっくりと挿入していった。
「はぅっ、ぐ……ぅくんんっ!」
 彼女の口から苦しそうな息がもれる。
涙がぽろぽろとこぼれて私の頬ごと濡らした。
背中にまわされた腕は強張り、爪が肌に食い込んだ。
赤い肌に痛みが走る。
「……っ!」
 我慢していればいいものを、呻き声をもらしてしまった。
「あっ……ごめ、んなさい……うっ、い、痛かったですか……?」
 私の数倍、数十倍……いや、それ以上の痛みに耐えているであろう
彼女が、私の痛みを心配してささやいた。
「御馬鹿さんですね……。それは、こちらの台詞ですよ……」
 我ながら情けない。
 肉体的な痛みに留まらず、精神的なそれをも彼女に負担させるなんて。
現実は小説のように甘美にはいかないものだ。完全に快楽にひたってしまうには
弊害が多すぎる。それでも、

「私なら…っは、う……大丈夫、です。
 痛くない……って、言ったら、嘘ですけど……
 はぁっ……今、すごく、しあわせですから……っ」
「ハンガリー……」
「だ、だから……このまま……」
 彼女の腕に力がこもる。
 抱きしめ合ったままでいたい、という意思表示。

 現実は小説のように甘美にはいかない。
 それでも、少しでも痛みを分け合うことができるというなら、
それを幸福と呼ぶことに抵抗はない、と思った。

 返答の代わりに、こちらも彼女を抱きしめる力を強くする。
 腰を進めるたびにおそってくる、快楽も、背中の痛みも、
言い知れぬ幸福感も。
 その全てを神に感謝しよう、と思った。

 自身が完全に彼女の中に埋もれると、そのまましばらく抱き合っていた。
 そして、彼女の呼吸が落ち着いた頃を見計らい、私は切り出した。
「そろそろ……大丈夫でしょうか?」
 頬に手をそえながら訊く。
「は……はい」
 その手にさらに手をそえ返して、彼女は肯定の返事をした。
 期待と不安に潤んだ瞳が私を見つめる。
「優しくしてさしあげますから」
 もう一度抱きしめ、頭をなでて、そう告げた。

 剛直をずるりと引き抜く。シーツの赤い染みが広がった。
「ぁくっ……!」
 涙混じりの声が痛々しい。けれど行為はやめない。
精一杯の遅さで抽送を続けた。
 ずぶずぶと埋め込む。また引き抜く。埋める。抜く。
「はっ、はぁ……っあ、あん!」
 徐々に喘ぎ声に艶が混じってきた。
 様子を見ながら、腰を動かすスピードを調節する。
「ふあぁっ! あ、な、何か…あっ! 頭、と、とんじゃいそうです……っ!」
「それは、気持ちいいんですよ」
 結合部のすぐ上にある真珠を、捏ねるように刺激する。
「ひぁっ! んぁ、はぅぅっ! そ、そこは、ああぁんっ!!」
 こんこんと流れ出る愛液が、ピストンのたびにじゅぷじゅぷと音を立てる。
「あっ、そんな、ひゃんっ! んううぅぅっ!」
 ドナウの真珠は本当に美しいものだ。指の腹で珠をくりくりと転がしながら、
頭のどこかでぼんやりと、そんなことを思った。

「あうぅっ、うくぁっ! はぁ、あっ! ああぁっ!」
 彼女の声音は、すでにほぼ快感一色と化していた。
あふれる涙も、痛みが理由ではないだろう。
 ああ、もうふたりは愛と悦楽を分かち合えばよいのだ。
肉体的な悦びと精神的な喜びとが、全身を熱くとろけさせる。
「んううぅんっ……んぁっ! あぁっ、ふぁ、オ、オーストリアさぁん……っ!」
 愛しさが募ったか、快楽に翻弄される恐怖か、彼女の手が私を求めて宙をさまよう。
その手をしっかりと握りながら、もう一方の手で彼女の腰を引き寄せ、
グラインドしながら自身を躍動させた。
「はうっ、ああぁぁっ! あぅんっ! ふあぁぁんっ!!」
 ぐちゅっ、ずぶっ、ずちゅっ、じゅぶっ。
水音が際限なく部屋に響き渡る。
 もう、後はひたすら昂まりを打ちつけるのみだった。
「っ、ハンガリー、愛しています……。かわいい、かわいい、私の妻」
「あっ、う、うれしいです……っ。ん、わ、わたしも……あぅ!
 愛して、ます……あっ、好き、大好きですっ! はあっ、ああぁぁ!!」
 お互いに愛を確かめ合う。
 深く、激しく、彼女を中から突き上げ、かきまわす。
 跳ねるように、何度も何度も。
「はふ、うあっ! あうぅぅんっ! あつ、あ、も……っうくぅぅんっ!!」
 言葉になっていない言葉を発しながら、動きに合わせて彼女が喘ぎをもらす。
熱い肉洞の内壁をこするたび、ぬめる蜜壷の奥をたたくたびに、綺麗な叫び声が
耳に届く。
「くふぁっ! ひぅっ! あんっ、あ、んぁっ! んっ、んんんっ!
 な、何か、あっ、くる……うぁっ! や、あ、こわ……あぁっ!
 やぁ、オーストリアさんっ! オーストリアさんん……っ!!」
 ぐずる子どものように、いやいやと頭を振りながら、彼女は私の手を
両手でしっかりと握ってきた。
 快楽の波に呑まれて理性がとびかけているのだろう。
だから、安心させられるように、私も手を強く握り返した。
「あああっ! はうぅぅんっ! ふあんっ! あ、やあぁぁっ!
 もうっ、もうぅぅ……! あふ、やっ! うああぁぁんっ!!」
 限界がすぐそこまできている。
粘膜と皮膚がこすれあい、肌と肌がぶつかり合うたびに、ぐちゅぐちゅと音をたてながら
キラキラした雫が飛び散る。
 彼女の腰をさらに強く引き寄せ、強く、深く、彼女の中に押し込んだ。
「んあっ! あっ! ああっ! んくぅっ……っ!」
 彼女は、一瞬ひくっとわなないた後、
「ふっ……うぁっ、あああああああああぁぁぁぁっっ!!!!」
 しなやかにのけぞった体から、ひときわ大きな叫び声の尾を引かせた。
 同時に、ざわめいていた肉襞が熱い杭を締めつける。
「ぅくっ……!!」
 しびれるような快感が背中を通って脳天へと駆け上ると、次の瞬間、
どくんっ、と自身が脈打って、灼熱の液体が彼女の体内に注ぎ込まれた。
「あ……はぁ……は……っ、はぁ……」
「はっ……ふぅ……」
 剛直はいまだに弱い脈動を続けていたが、ふたりは脱力して重なり合うように
ベッドに身を沈めた。

 絶頂後の虚脱感に身をひたしながら、しばらく互いの温もりを感じ合っていた。
 少し落ち着いた頃、名残惜しい気もしながら、彼女から自身を引き抜いた。
とろり、とこぼれ落ちる、桜色の液体。
 何とも言えない気分になって、彼女を見た。
 彼女は、目に涙を浮かべたまま微笑んで、
「夢、みたいです。あなたと……ひとつになれたなんて。
 すごく嬉しい……すごく、幸せです」
 つぶやいて、私を抱き寄せた。
 再び彼女と抱き合いながら、あたたかなまどろみに落ちていく刹那、
この至福の時が、永遠に続けばいいのにと思った。


ENDE.






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