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 愛しい君へ



そんな…プレッシャーかけないでおくれやす
普洪でエロ無し。萌え…?あるかわからない。ツンデレ風味なハンガリさんにしようと思ったけどできなかった残骸。
苦手な人はID又はタイトルNGにして下さい(特別出演:みんなのリヒたん)
プー視点だったり第三者視点だったりします


「プロイセンさんはハンガリーさんがお好きなのですか?」
広いソファーの隣にちょこんと腰掛けたリヒテンシュタインが聞いた。
今日はエイプリルフールだからそんな感じのことを聞かれるのは心のどこかで分かっていたから、
俺は業とらしく飲んでいたコーヒーを吹き出してみせ、
「はぁ?何でだよ」
と言った。
「いえ、いつも楽しそうにお喋りなさっているので…てっきりそうなのかと」
リヒテンシュタインは可愛らしく首をかしげてみせる。
「バッカお前、誰があんな女男好きになるかよ!あいつが好きとか相当の物好きだろ」
「はぁ… 」
「お前の方が好きだな、素直だし可愛げもあるし」
なんてな、というつもりだった(その後に素直に俺はあいつが好きだというつもりだった、)
「なんウボァ!」
「え!?」

背後から鉄の塊が後頭部にヒットするのを感じた。
「ちょっとアンタプロイセン!リヒちゃんになんて事言ってんのよ!この変態!リヒちゃん大丈夫?」
その声はまぎれもないハンガリーの声だった。
「わ、私は大丈夫ですが…あの、」
リヒテンシュタインのオロオロした声も同時に聞こえた。
「うおおおおお…おまっ、何す… うおお… 」
「ほんっと最低よねアンタ」
バタンとドアの閉まる音がする。顔をあげるとリヒテンシュタインの心配そうな表情とこんにちはをした。
「大丈夫ですか?」
「…慣れてる」
「はぁ、」
ハンガリーさん、声少し震えてましたけど。
少し泣いていたようにも見えましたが。

さっきの大丈夫ですか、はハンガリーに対してのことか。

冷や汗が流れるのを感じて俺はリヒテンシュタインにすまんと一言残してあいつの後を追った。

****************

「…えーと、あの」
目の前には俺に背を向けて体育座りをしてなにやらゲームをしているヤツ。
そして困りはてたかっこいい俺様。

「いやホラ、アレだってエイプリルフール!
お前あんくらいで落ち込むなって、な!」
「知ってるバーカ」

…。

そりゃ、そうだよな。
毎年こいつのリアルすぎて鳥肌たちそうなウソに振り回されてた俺がこいつを騙すなんて出来ないよな…。

不機嫌。

いや、いつも俺言ってるよな…女ってずるいと思った。

「だーかーら悪かったって言ってるだろ!飴やるから機嫌直せって」
「言ってない」

相変わらず俺に背を向けてゲームをしたまま。

今日のところはハンガリーの気を逆撫でするのもアレだと思い、回れ右をしようとしたその時。
「何よ、帰んの?」

まだまだ不機嫌モード全開のハンガリーの声が聞こえた。
「は?」
「私に言うことあるでしょ」

…謝れってことか?

「ごめん」
「違う」

…何なんだよ。

「何だよ、え?」
俺はどかっとハンガリーの隣に腰を降ろした。
するとハンガリーは別に嫌がる素振りも見せなかった(ただ体を回転させてそっぽは向いたが)

「プロイセンは私が嫌いなんだ?」
「はぁ!?」
いきなりの問いかけに驚いた俺はハンガリーの顔を覗きこんだ。
一の字に結ばれた口。ほんのり赤みのかかった頬。

「私は可愛くないのね」
「んな事言ってねーだろ!」
「じゃあリヒちゃんが可愛くないって言うのね。リヒちゃん可哀想」
(こいつガキか)

勿論ハンガリーが業と言っているのは分かっている。
ただ今の俺には何て言葉をかけていいのか分からなかった。
(あのお坊ちゃんとかフランスの野郎だったら分かるんだろうな)

ぼんやりとそんな事を考えながら何気なくぽんと片手を肩に乗せた。

びくっ。

大げさすぎるようにハンガリーの肩がはねる。

「…は、ハンガリー?どうしたよ」
相変わらず無言のまま。俺の問いには答えない

「言うことあるでしょ」
ごめんとかじゃ、なくて
小さい声が聞こえた。

ははぁ。
何となく察した俺はにんまりと笑って言った。

「いやー…分かんねーなぁ。
ハンガリーが教えてくれたら良いんだけどなぁ。」
「は?馬鹿も休み休み言え」

まぁオチは分かってたけど面と向かって言われるのは結構悲しいものだった。


「あんたが私のこと嫌いなのぐらい知ってるわよ」
ぽつりと漏れた言葉。咄嗟にそれを否定しようとして口を開きかけたのをハンガリーがまたも制した。
「でも何も他の女の子の前で言う事ないでしょ」
声が震えている
「別に気にならないけど。それでも少しだけ傷ついたのは確かよ」

呆然とする俺を置いてどこかへ行こうとするハンガリーの腕を俺は慌てて取った。
「や、ほんと悪かったって冗談だって!」
「そうね冗談ね」
埒があかない。そのまま引っ張って華奢なその体を腕の中に閉じ込めた。

「ごめん」
「…」
「ごめん、ハンガリー」
「…」
「お前が世界で一番可愛い」
「今日はエイプリルフールね。即ちそれは私が世界で一番可愛くないってこ、っん」
また訳の分からない事を言いそうだったから口を塞ぐ。
暫くそのままで、少し経ってから顔を離した。
ハンガリーは目を見開いて、頬を更に紅く紅潮させた。
「ちょっと黙ってろ」
正面から抱きしめるように体を回転させ、そのまま床に座る。

「いいか、黙って聞けよ。
エイプリルフールとか抜きで言う。俺はお前が可愛いと思う、そうやって拗ねるとこも」
腕に力を込める
「だからな俺は、お前を」

あ、い、し、て、る。

言ってしまってからものすごく俺は後悔することになる。

とりあえず今の現状がこれだ。

正座する俺の前にはニマニマと笑っているハンガリー。
向かって左は必死に笑いを堪えているフランス。
右にはやったな☆と親指を突き立てているトマトことスペイン(その笑顔が限りなくムカつく)。
フランスの隣にはあきれ顔のお坊ちゃん。
それからスイス、リヒテンシュタイン。

「…お前らの楽しみの為に我が輩の妹を使うというのは納得できん。帰る。」
口火を切ったのはスイスだった。はい、と言ってぺこりと小さく会釈をしてリヒテンシュタインとスイスは
部屋から出ていった。

「…それで」
漸く笑いが収まったフランスが言う。
「プロイセン君はほんとにハンガリーちゃんにお熱だったわけね」
「フランスー、可哀想やでやめときってー。ほらプロイセン君てば顔真っ赤やないのー」
お前等は後でシメる
「御馬鹿さん、それならそうとハッキリ言ってしまいなさい」
お前は黙ってろ


愛してると言った後。
ドアがガチャッと開いてまず出て来たのは満面の笑みのリヒテンシュタイン。
それから仏頂面のスイス、ニマニマ顔のフランス、爽やか笑顔のスペインにあきれ顔のお坊ちゃん(いつもだよな)
ドッキリでしたー!と知るのは数秒後。

でも最後に聞いたドッキリは多分俺以外知らない、
「す、ご、く、う、れ、し、い」

「あ、り、が、と」



「でも私が好きなのオーストリアさんだし」

オチは分かってたけど面と向かって言われるのは結構悲しいものだった。


おわり








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[ハンガリー][プロイセン]

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