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 ムキムキとツルペタを一室に閉じ込めてみた「女王様編」



気がつくと、一室に閉じ込められていた。
……この状況に既視感を覚えたのは気のせいだろうか。
いや、気のせいにしておこう。あの日の事はあまり思い出したくは無い。
このままベッドに横たわったまま、黒幕の出現を待つという手もある。
油断したところで一網打尽というわけだ。
だが、その為には現状把握が必要だ。
どこにどのような道具があり、武器になりそうか。
何かあった時に身を守るための道具はありそうか。
とりあえずベッドから身を起こし……
……身を起こし……
起こし……
 起 き れ ん

不覚だった。両手足はベッドの柵にしっかりと結ばれていたのだ。
あがいてはみるが、どうやら特殊な結び方がされており、びくともしない。
よくよく見れば、縄自体も強固なもので、そう簡単には切れそうに無い。
――どこの誰がこんな事を。
思いをめぐらせる。が、思い当たる人物は山ほどいる。
いすぎて……考えるのを放棄したぐらいだ。
「まあ、なるようにしかならんか」
諦めて、ベッドに身をゆだねる。
監禁場所にしては結構高級感のあるベッドだ。シーツもしわ一つ無く、質も良い。
このまま目をつぶれば、心地よい夢を見られること間違いないだろう。
いっその事、このまま寝てしまおうか。

そう覚悟した時だった。
「ご機嫌麗しゅう。ドイツ様」
清らかな笑顔で俺の前に現れたのは、リヒテンシュタインだった。
「リヒテンシュタイン!! ちょっ、なぜお前が!!」
……情けない。予想外の出来事とはいえ、ここまで取り乱してしまうとは。
だが、脱出する手段は見出された。少女に助けをも求めるのは些か気が引けるが、ここで体裁を気にしていてもしょうがない。
「良かった。この縄を切ってくれ! 頼む!」
「それはできませんわ」
……え?
思いがけない返事に俺は言葉を失う。傍から見てると、池の鯉のように間抜けな姿なのだろう。
そんな俺の姿に口元を手で隠し、優雅に笑うと、縄につなぎとめられている俺の右手に唇を落とした。
「せっかく私が結んだんですもの。お楽しみはこれからですわ」
頭の中がフリーズした。
今ならば、イギリスの料理がフランスに認められたといわれても素直に信じてしまうことだろう。
言葉が出ない。頭も動かない。
なのに、彼女はあくまでも優雅に俺の身体をまさぐっていく。
服の上から身体のラインをなぞり、唇を這わせ、的確に快楽を生み出していく。
「く……はぁっ」
「そうです。その声が聞きたかったんです。もっともっと聞かせてくださいまし」
無垢なのに、娼婦のような微笑。あまりのギャップに頭がくらくらしてくる。
彼女の手は俺の服の中まで進入してきた。柔らかい手が俺の身体を嘗め回す。
ハニーブロンドの髪が胸をかすめる。甘い香りはシャンプーなのか。それとも彼女自身の香りなのか。
もう何も考えられない。この快楽の海に全てを投げ出したい。
「ふふっ、もうダメですの? もっともっと……貴方の声が聞きたいのに」
妖艶な笑みが近づいてくる。
唇が重なった。舌が進入してきた。拙い動き……とは言いがたい。むしろ引き込まれるような舌の動きだ。
前に身体を奪ったとき、あんなに幼い行為しかできなかったはずなのに。
「あの時から、私はいろいろ勉強いたしましたの。ドイツ様が喜ばれるよう、そう、いろんな勉強を」
ドレスの腰紐がほどかれる。白い肌が露になり、発展途上の可愛い胸が露になった。

……そうだったら、どんなに救われたことだろう。

先に弁明しておく。俺はどちらかというとSだ。いわゆるサディスト。
勘違いしないでもらおう。泣き叫ぶ女が見たいわけではない。迫り来る快楽に心が追いつかず、泣き叫ぶ姿を見るのが好きなだけだ。
そのような行為の目的はあくまでも快楽なのだから。
その手段として束縛や鞭が使われるだけだ。
確かに拷問には強い。それは訓練による賜物だ。けして趣味や性癖ではない。
そう、俺は攻めるのが好きなのだ。

だから――俺は何でこんな目にあっているのだろうか――


「ふふふふっ、気持ちよすぎて声もでませんか? とても可愛いですわ。ドイツ様」
嬉々として鞭を振り下ろすリヒテンシュタイン。
鞭裁きは見事なものだ。ただ痛めつけるのではなく、痛みと快楽の合間を縫うよう鞭を振り下ろす。
白い肌に黒いボンテージが妙に妖艶だ。あのスタイルに合うものは市販されていないだろう。きっと手作りではないだろうか。
短い期間でここまで女王様を演じられるとは、やはり努力の賜物なのだろうか。
普段の彼女からは想像できない、見事なSぶりだ。
だからか、もうすでに俺の下半身ははちきれんばかりに主張をし始めている。
――認めたくは無いが。
「あらあら、ここもかまって欲しいみたいですわね」

気づかれた!
「ちょっ、待てそれはダメだやめ!!」
抵抗空しく、ズボンからモノが引きずり出された。彼女のあんな姿を見せられて、立たない男はいないだろう。
目の前で元気に主張しているモノに、少しだけ息を呑む。こういう瞬間は可愛いと思えるんだか。
躊躇無くモノを手で握り締めると、上下運動を開始した。
「くっ! あぁ……」
「ああ、素敵ですわ。その快楽に抵抗しようとする顔。あああ、それだけで私……」
潤んだ瞳で身悶える。とうとう穢れのない唇にモノが吸い込まれるように収まってしまった。
「ぁああああああっ!」
温かい感覚。急激に迫り来る射精感。このままでは彼女の口の中で果ててしまうのだろうか。
自らの意思ではなく、彼女によって導かれて。そんなの俺の意思が許さない。俺はSのはずだ。サディストのはずだ。
……だが、もう耐えられない。
悪魔がささやく。もう楽になってしまえと。
ああ、楽になってしまおう。プライドなど、犬にくれてやろう。
押さえつけていた理性を解きはなち、精を放出し……ようとしたときだ。
モノに加わる新たな力。今まであった射精感が何かによってせき止められている。
彼女の手には真っ赤なリボン。手元をみれば、モノの根元をリボンで結んでいる姿があった。
まるでプレゼントを包むかのような、幸せそうな笑顔で。
「まだです。まだ早いですわ」
否、その笑顔は淫魔の笑みだ。可憐で純粋な悪魔の笑みだ。
「もうやめてくれ……あの時は俺が悪かったんだ。俺が悪かったんだ」
「何でですの? 私は嬉しかったです。ドイツ様がドイツ様風の愛し方をしてくれたのですから。
だから、今度は私が答える番です」
幸せそうに微笑む彼女。

――ああ、無垢というのはこんなに恐ろしいものなのか――

そして……俺は一瞬だけ意識を手放したのだった。


次に気がついたのは、尻に痛みが走った時だった。
下半身がじんじんと痛い。まだ熱は冷めていない。
何となくイヤな予感がして勢いよく起き上がった。
手足は自由だ。自由に動く。
そうか、あれは夢だったのか。そう、熱がさめないのはズボンできついだけなんだ。
きっといつものようにイタリアがベッドに入り込んでいて、それを俺がどなりつけて。

「目が覚めましたか?」

無垢な悪魔の声。いや、きっと空耳だ。そう、空耳なんだ。気のせいなのだ。

まだ全身裸なのも。モノに赤いリボンがくくりつけられているのも。首に首輪があるのも。尻に違和感があるのも。

ん? 首輪? 尻に違和感?

違和感の正体を探ろうと、自分の尻に手をやる。

なんてことだ。尻尾が生えている。
俺は犬になってしまったのか。だが、まだ耳はある。そう、四つもある。
……四つ?

「なんだこれはぁぁっ!!」
「ドイツ様、犬がお好きでしたよね。良かったですわ。イギリスさんから犬になれる道具をいただきましたの」
彼女の手には太い鎖。無論、その鎖は俺の首輪にしっかりとついており。

――ああ、もう、この淑女はどこまで暴走してくれるんだか――

そして、俺はそれ以上考えるのをやめた。
俺は奉仕する。目の前の純粋可憐な女王様に。

ボンテージにはご丁寧にも、秘所を覗くための穴が開いていた。
そこを舌だけで奉仕する。犬なのだから、手は使えない。
濡れきった場所に舌をねじ込み、溢れてくる愛液をすすり上げる。
「あぁ……んっ、そ、そこは……んぁっ」
ぷっくりと主張するクリトリスを唇ではさむと、軽く吸い上げる。
尻に入っていた尻尾が振動し、リボンに包まれたモノが強く反応した。
「ふぅ……ん、まだ出しては……いけません」
可愛い声を出しながらも、まだ瞳からは女王の光は消えていない。
棚に手を伸ばし、何やらスプレーを取り出すと、モノに絡まっていたリボンを解き、すぐさまそのスプレーを噴射した。
もう限界にまで達していたはずなのだが、射精の欲求は徐々に減っていく。
ただし、まだ萎えてはいない。更に元気になっている自覚はある。
「はぁ……コレもイギリス様からいただきましたの。射精を抑えるスプレーということですの。
……これで私の膣内にたっぷりと出してくださいまし。中を動いて、溢れるぐらい満たしてくださいまし」
女王様は後ろを向き、尻を突き出す。割れ目を手で開き、濡れそぼった秘所を見せ付ける。

まさに犬の交尾だ。

ああ、俺は犬だ。発情した犬だ。発情した女王様に従う犬なんだ。

「あああああああ、リヒテンシュタイン様、女王様愛している。愛してる!! 壊したいほど愛してる!!」
「私もですっ! ああっ、もっと強く! あぅ! ドイツ様! ドイツ様! 
ドイツ……もっと突きなさい! 私が良いというまでもっと突いて壊れるぐらい突き壊してくださいまし!」
もう羞恥や誇りや理性などどこかにおいてきた。
今はただ、快楽という麻薬に蝕まれている2人がいるだけだ。


「……私の攻めはいかがでしたか?」
腕の中、先ほどの女王様の表情とはうってかわって、年齢相応な恥ずかしげな顔で彼女は微笑んだ。
この二面性が妙に愛おしくて、頬にキスを一つ。
「感想はノーコメントだ。
しかし、あんな事、どこで覚えたんだ?」
やっている最中から気になっていた疑問を口にする。
変態紳士であるイギリスの名前は出ていたから、彼は関係していそうだ。
だが、それだけでは説明がつかない。
「えっと……イギリスさんからいろんな道具をいただきましたし、日本さんにいろんな映像をお借りしました。
練習は……その、お兄さまに付き合っていただきました」
イギリスは予想はしていた。しかし、あの日本が手を貸したのか。侮れない。
そして……スイスが最近引きこもっている原因がわかった気がする。
冷や汗をかいている俺には気がつかず、乙女の表情でもじもじと言葉を続けた。
「お兄さまも最初は訓練ということで、快く承諾してくださったのですが、途中でどこかへいってしまいそうになったので縄で少々……
あ、私、縄の使い方もうまくにりましたの。今度、ドイツ様にも披露させていただきますわね」
「いや、結構だ」
「残念ですわ……でも、他にもいろいろ覚えましたの。今度もまた楽しみましょうね」

――嗚呼、暴走ロリ淑女はどこへ行こうとしているのか――
新たな頭痛の種を抱えてしまい、俺は頭を抱えるしかできなかった。


続き 63-71: 〜スイスのブラコン日誌〜



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[リヒテンシュタイン][ドイツ]

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