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 正しいイタリア人のもてなし方



「あれ? リヒテンシュタインだけ? スイスは?」
 その日、チーズを輸入するためスイス宅を訪れたイタリアを出迎えたのは、スイスの妹分であるリヒテンシュ
タインだった。
 イタリア人はパスタとトマトとオリーブオイルと同じくらい、チーズをこよなく愛している。イタリアがこ
うしてわざわざ国境を越えてやって来たのも、全ては極上のエメンタルチーズを手に入れんがためである。確
か、一ヶ月ほど前からの約束であったはずだ。
「すみません、イタリア様。兄は急用ができてしまいまして、外出しております。お約束のチーズの件は私が
承っておりますので……」
「ああ、ううん、いいんだー。スイスも忙しいもんね。それに俺としては、怖いスイスより可愛いリヒテンち
ゃんに出迎えてもらえた方が全然嬉しいよー」
 無意味にパタパタと腕を振りながら、イタリアは全身で喜びを表現してみせる。体を動かさねば喋れないの
はイタリア人共通の病気である。
 ともあれ、イタリアの邪気のない振る舞いに、リヒテンシュタインはホッと安堵の息を漏らした。
(兄様はああ仰っておられたけど……イタリア様って優しそうな良い方です)
 やむを得ず家を空けることになったスイスは、出掛けの際、大切な妹にこう言い残していた。
 ――いいか、リヒテン。男という生き物を信用するな。男はみな畜生だと肝に銘じておくのである。
 特に今日来る予定のイタリア……あやつは女と見れば誰彼構わず言い寄る発情期の犬並みのケダモノだ。
 用件が済み次第、即座に追い出すのである。何があろうと決して家の中に入れてはならんぞ――
 護身用にと渡されたスイス製のアサルトライフルは、トリガーを引けば即時発砲できるように弾が詰められ
ていた。
(でも、そんな心配は要らないようです。それに折角こうして来て下さったお客様ですもの……おもてなしも
せず返しては兄様の名が堕ちますわ)
 今日のリヒテンシュタインはスイスの代理人である。
 彼女は使命感に燃えていた。



 イタリアが手土産にとケーキを持参して来ていたので、二人は少しだけ遅いティータイムを取ることにした。
 ドリンクはもちろん本格エスプレッソ・コーヒー。ケーキはイタリア自作のトルタ・アル・リモーネ。リヒ
テンシュタインはフォークに乗せた一口分を口に入れた瞬間、思わず目を丸くした。

「――美味しい!」
「ヴェー! でしょでしょ? 俺、スイスやドイツみたいに戦ったりするのは苦手だけど、料理ならちょっと
自信あるんだー」
「本当に美味しいです……! レモンが甘酸っぱくてさっぱりしてて、タルト生地はサクサクで……いくらで
も食べられちゃいそうです」
「えへへー、嬉しいな。まだあるからさ、もっと食べてね」
 この光景を第三者が見たなら、そこかしこの空間に飛び交うお花やら点描やらが見えただろう。
 はじめは兄の代理という重責に固くなっていたリヒテンシュタインも、美味しいケーキとコーヒーの香りに
段々とリラックスしていった。
 ふと、空になったイタリアのコーヒーカップが目に入る。
「コーヒーのおかわりをお持ちしますね」
「ヴェー、ありがとー!」
 腰を浮かし、カップを下げようとしたところで、リヒテンシュタインは不意に動きを止めた。
 二人はテーブルを挟んで向かい合わせに座っていたので、中腰姿勢になったリヒテンシュタインの目線には
丁度イタリアの頭がある。
 リヒテンシュタインが動きを止めたのは、目の前のイタリアのその――“くるん”――が映ったからだった。
(な……何なのでしょう、これ? 髪……いいえ、触覚? この部分だけ不自然に長くて、しかも先っぽが丸
まっていて……)
 イタリアの頭部から生えているソレを何と表現すべきなのか、リヒテンシュタインは思わず真面目に考え込
んでしまう。見れば見るほど変てこだった。考えれば考えるほど不自然極まりない。
 そんな彼女の不躾な視線に気付いたイタリアが、顔を上げた。
「??? どうしたのー?」
「え? ――ああっ、いいえ、その――な、なんでもありません! すみません!」
(いけないわ、リヒテンシュタイン! 今のあなたは兄様の代理……そしてイタリア様は兄様の大事なお客様
……駄目よ、そんなことを考えては……そんな――)

(あの“くるん”を力いっぱい引っ張りたいだなんて!!)

 リヒテンシュタインのそんな葛藤も知らず、イタリアは上機嫌でコーヒーのおかわりを口にしていた。“く
るん”は相変わらず彼の頭部に生えている。

 一度謎に感じてしまえばもはやそれが頭から離れることはなく、リヒテンシュタインは煩悩した。元来、知
的好奇心の強いたちである。気になったものは徹底的に調べ尽くさねば気が済まない。
「……ね、ホントにどうかした? もしかして気分悪いの? 俺、お邪魔だったかな?」
 先程からソワソワと落ち着きのないリヒテンシュタインに、さしものイタリアも空気を読んだ。
「――はッ! いいえ、そんな! だだだ大丈夫です、ゆっくりしてらして下さいまし!」
「んー……でもリヒテンちゃん、さっきから変だよ? もしホントに調子悪いならさ、俺に気を遣わなくても
いいから……」
「い、いえ、あの、その……っ」
 リヒテンシュタインは両の目をギュッと瞑り、瞼の裏側に敬愛する兄の姿を思い浮かべた。
 厳格な兄。誇り高い兄。今日の自分はその代役なのだから――客人への無礼など絶対にあってはならないのだ。
 ……しかし。
(兄様……、そしてイタリア様……っ)
 リヒテンシュタインは心中で呟くと、弾かれたように立ち上がり、身を乗り出した。
 目標はすぐ目の前。ポカンと惚けたように口を開けていて、逃げる素振りもない。
「ごめんなさいまし!!」
 叫び、腕を伸ばし――そして、掴んだ。

「へ――? ぁう、ふわ、ふゃああッ!?」

 イタリアの口から、困惑と衝撃に充ち満ちた――何だろう――情けないというか、悩ましいというか、妙に
艶めかしい声が漏れた。
 リヒテンシュタインは、
「ごめんなさいまし! ごめんなさいまし! ごめんなさいましーっ!!」
 と捲し立てながら固く目を閉じ、イタリアの“くるん”をギュムギュムと引っ張りまくっている。
「ぁやっ、……やぁ……ッ、あ……っ、んんッ」
「ごめんなさいまし! ごめんなさいまし!」
「やっ……あっ、ちょ……やめ……ぇ」
「ごめんなさいまし! ごめんなさいまし!」
「それ、ひっぱっちゃ……ダメ……っ、やぁあ……ッ」
「ごめんなさいまし! ごめんなさいまし!」
 ――だいたい5分くらいの時間が流れただろうか。
 リヒテンシュタインが我に返ったとき、イタリアは真っ赤な顔で目尻には涙を滲ませつつ、ぐったりとソファ
に沈み込んでいた。
「い、イタリア様!? いやあッ、どうしましょうどうしましょう……わ、私ったらなんてことを……!」
「……ぅ……っ、ぐすっ、ごめ、なさぁい……っ」
 取り乱すリヒテンシュタインの見ている前で、イタリアははらはらと涙を零す。
 ポロポロ次から次へと溢れ出すアドリア海の真珠を前に、リヒテンシュタインは更にテンパった。イタリア
は泣きやまない。
「ごめん……ごめんなさい……っ、ワザトじゃないんだよ。だって俺童貞だし、ホントそんなつもりなかった
んだ……!」
「そ、そんな……イタリア様が謝られることなど何ひとつ御座いませんわ! 全てはこの私の責任です!」
「ヴェー! 本当にごめんなさい心から謝るよ神に誓ってもいい本当の本当に変なキモチなんてなかったんだ
あー! 俺はいいイタリア人だよ! シャーンに親戚がいるんだ!」
 滝のような涙を流し続けるイタリアは、リヒテンシュタインの言葉など何ひとつ聴いてはいなかった。
 そしてリヒテンシュタインは――気付く。気付いてしまう。
 顔を耳朶まで紅潮させ、濡れた瞳で許しを請うイタリアの、腰から下の顕著な変化に。

 イタリア中部、アブルッツィ州北部を南北に走るアペニノ山脈の最高峰、コルノ山。標高2914メートル。

 ズボンを固く押し上げるソレは、正しく大噴火直前の様相を呈していた。
 リヒテンシュタインは絶句し、硬直する。淑女としては概ね正しい反応である。イタリアは滂沱し、北部訛
りのイタリア語で謝罪らしき文言をひたすら捲し立てていた。
 涙の滝と早口のイタリア語で埋め尽くされたそのカオス空間で、先に思考力を取り戻したのは――リヒテン
シュタインだった。
(こ、これはその……ぼ、ぼ、ぼぼぼぼぼ……勃起……という状態なのではないでしょーかッ!?)
 リヒテンシュタインは、およそ知識の上でしか男の生理現象を知らない。彼女が知り得る性的知識といえば、
昔ハンガリーの部屋でこっそり読んだ、男同士のやたらお耽美な薄い本によるものだけである。
 その(多分に偏りまくった)知識によると――目の前のコレは男の性的興奮を示している。
 そこまで考えが至った瞬間、リヒテンシュタインは大いに焦った。イタリアが何故ここまでフルボッキして
いるのか。それは、そう、他ならぬリヒテンシュタインがあの“くるん”を弄んだからに違いない。
「す、すみませんイタリア様ぁ! 私、私がなんとかいたします!」
「ふぇ? ――ちょ……ッ、うわあ!?」

 リヒテンシュタインはソファの下、ちょうどイタリアの足の間に膝をついた。
 ……大丈夫。こんなときどうすればいいのかは、ハンガリー愛蔵の薄っぺらい本で読んで知っている。
 喚き、暴れるイタリアを無視してズボンのファスナーを下げると、熱を持ったヴルストっぽい物体が待ちか
ねたようにボロンと飛び出し、リヒテンシュタインの頬を叩いた。
「わひッ!? あひぁッ、○×△$#¥!!?」
「わああーッ! ごご、ごめんなさいー!!」
 生まれて初めて見る生ペニスに、リヒテンシュタインは思わず奇声を上げた。
(こ、これが……おペニス!)
 実のところ、イタリアのソレはそう大した代物ではない。大きさはドイツと比べるまでもなく、硬度では日
本に負けていた。しかも包茎だった。
 しかし幸いと言おうか何と言おうか、リヒテンシュタインにそこまでの知識はない。彼女は目の前でビクビ
クと動く醜悪な肉塊に恐怖し、息を呑んだ。
「あ、あのさ……」
 そんな彼女に、イタリアは消え入るような声をかける。
「あの……俺、トイレを貸してもらえれば自分でなんとかするから……だから……」
 イタリアは童貞である。こんなシチュエーションでどう振る舞えばいいのかわからない。とりあえず泣きた
い(泣いてるが)。
 一方、使命感に燃えるリヒテンシュタインはイタリアの話なんか聞いちゃいなかった。
 わしっ、と柔らかな手でペニスを掴んだかと思うと、
 ぎゅっ、と固く目を瞑り、
 ぱくっ、とソレを口に咥えた。
「ぁひあッ!? わああ……ッ、んッ、やぁあ……っ!」
 イタリアのソレは別に立派でも何でもない上に皮かむりだったが、リヒテンシュタインの小さな口には大き
すぎるほど大きかった。
 熱くてぬめっていて柔らかい口中に捕らわれて、イタリアは甲高い嬌声を上げる。童貞にいきなりフェラは
刺激が強い。主に視覚的な意味で。
「や……ッ、やめ……ふぁっ、あー!」
「んんっ……ちゅう、ちゅぶぅッ、んく……っ」
「ダメ……だってば……! あっ、ん……ッ!」
 リヒテンシュタインは夢中で吸い付く。元より技術などない。ただひたすらにイタリアの表情と声とで具合
を推し量りながら舌を動かし続けた。イタリアはボロボロ涙しながら嬌声と拒否の言葉を繰り返している。

 ――こういうときのための台詞を、リヒテンシュタインは知っていた。
 例によって例の如く、ハンガリー所有の愛書。その中で責め立てられる眼鏡の青年(何故かオーストリアに
酷似)が投げかけられていた言葉。
「……ひょ、ひょんなことをおっひゃっても、ココは正直でふわよ。こんにゃにピクピク震えて……ひやらひ
いお汁を零ひてまふわっ」
 口の中に暴れ回るペニスがあるせいで、なんだか間抜けな響きになった。間抜けだったが――イタリアには
それで充分だった。
「……あ……ダメ、だ……ッ! リヒテンちゃ……ごめ――ッ!!」
 ドプッ!……と熱の塊が喉奥で弾け、リヒテンシュタインは思わず咽せた。
 口から放たれたヴルスト(皮多め)は白く生臭いモノを噴射しながら暴れまくり、必然としてリヒテンシュ
タインの髪と言わず顔と言わず、いろんなところに被弾する。無力なイタリアにそれを止める術はない。ない
ったらない。
 というわけで、イタリアが弾幕シューティングのように気持ち良く放出し終えた後には、頭から白濁漬けと
なったリヒテンシュタインが目の前にいたワケである。
「ヴェ、ヴェー!!」
 イタリアは悲鳴を上げたが、リヒテンシュタインはうっとりとトリップ中であらせられた。
「……ぁ……凄い、です……こんな……、熱いの、いっぱい……っ」
 なにしろヴィンテージものの童貞である。発射された精液はリヒテンシュタインの小さな顔など覆い尽くし
てしまうほどに大量で、ところどころ固形の塊が混じっているくらい濃厚だった。
 にしても、早い。早すぎる。口に含まれてから僅か1分で発射である。スピードキングにも程がある。
 しかし幸いなことに、リヒテンシュタインがイタリアの早漏ぶりを咎めることはなかった。何故なら――
彼女もまた、処女であったから。
 顔面を精液まみれにしたリヒテンシュタインの艶姿に、イタリアのフィッリオ(息子)が再充填される。
 熱い視線を絡ませ合う童貞と処女の二人に、もはや言葉は必要なかった。
 人類発祥から幾万年、星の数ほど繰り返されたように――男は女の体をそっと押し倒し、女は男の腕を従順
に受け止める。
「……リヒテンちゃん……俺……っ」
「はい……優しくしてくださいまし……」
 そんな台詞を開始のゴングとして、初心者二人の愛の営みが――

 ――始まる様子はまだもうちょっとなかった。

(ど……どうしよう……!?)
 リヒテンシュタインのスカートの中をまさぐり、可憐なショーツの端っこに指をかけたところで、イタリア
はストップしていた。
 挿れる穴がわからんのであった。
(ドイツー! 助けてドイツー! 俺いまやっと童貞卒業しようとしてるんだよー! それなのにどこに挿れ
たらいいか判らないんだよー!!)
 心中でいつものようにムキムキマンに助けを求めてみるも、もちろん返答はない。てゆーか、ドイツも童貞
だし。
(ええいっ、いいやもう! 下半身に空いてる穴っていったら――お尻の穴しかないよね!!)
 で、童貞イタリア人はものすごい結論に達したりする。
「あっ……ううッ」
 リヒテンシュタインの清楚な肛門に人差し指を埋め込むと、彼女は眉を寄せて苦しげな呻きを漏らした。
 イタリアにスカートをたくし上げて中を見てみる度胸があれば、あるいはトロトロの愛液を垂らして花開か
んとするヴァギナの入り口を見つけることができたかもしれない。しかしヘタレの代名詞のような彼にそんな
勇気があるはずもなかった。
 そしてリヒテンシュタインの方もまた――
(ん、ああ……っ、く、苦しい……っ。これが……破瓜の痛みなんですのね……っ)
 ――性知識ゼロの処女であったので、ドコでどーやってヤるのかとゆーことを全然まったく知らなかった。
彼女の性知識ソースであるところの801本ではフツーにソコでヤっていたので、まったく疑問にも思わない。
「リヒテンちゃん……ごめん、痛い……?」
「く、う……っ、い、いいえ……大丈夫、です。続けて下さいまし……っ」
 かくして、ツッコミ役不在のままハジメテ同士の珍妙な性交は続行される。

――10分経過――

 念入りに愛撫を重ねた結果、リヒテンシュタインの肛腔はイタリアの指二本を飲み込めるくらいに解れてき
た。努力の結晶であった。どうせなら戦時にもそのくらい努力して欲しいと、ドイツならそう思ったであろう。
 試しに差し込んだ二本の指を動かしてみると、ぐにぐにと柔らかく広がった。
「いやぁ……っ、恥ずかしい……!」
 リヒテンシュタインが朱に染まった顔を両手で覆う。
 ……もう大丈夫だろう。もう始めても構わないはずだ。……いいよね? いいよね爺ちゃん!?

 なんとなく天国の祖父に確認を求め、当然だが了承を得られないまま、いきり立つペニスの先端をひくひく
と息づく未開発の蕾に――宛がった。
 アリーヴェデルチ、童貞の俺。そしてボンジョルノ、未知なる世界。
「いくよ、リヒテンちゃん……!」
「は、はい……っ、来て……下さいまし!」
 ――端的に言うならば、リヒテンシュタインのアナルは無茶苦茶キツく、べらぼうに狭かった。
 当然である。そこは出口であって、入り口ではない。
「く……そぉ……! き、つぅ……ッ!」
 括約筋が最初の試練であり、最大の難関だった。
 少女の小さな小さな窄まりは頑なで、無粋な侵入者をあくまで拒んでいる。食い千切られそうにペニスが痛い。
 一方で、リヒテンシュタインもまた、襲い来る苦痛と戦っていた。
「……っ、……ッ……!」
 息ができない。悲鳴すら許されない。身を引き裂くようなとんでもない異物感に、ただ涙だけがボロボロと
零れ落ちる。
 みちみちと僅かな音を立てて、固く閉じられた肉が押し開かれた。やがて――貫く。
「う……ッ、はあ……っ!」
「ふゃあんッ!」
 最初の環をくぐり抜ければ、後は一気だった。
 リヒテンシュタインの肛門は、門の肉環はギチギチに締め上げてはくるが、内部はつるりとした熱い腸壁に
ねっとりと包み込まれているようで……わかりやすく言うなら、ものすごく、気持ちが良かった。
 イタリアが根本まで全てを挿入し終えると、アナルを刺し貫かれた苦痛で呼吸を乱しているリヒテンシュタ
インの前髪をそっと掻き上げ、白い額に浮かぶ玉のような汗を拭ってやった。
「リヒテンシュタインちゃん……大丈夫?」
「……っ、ぁ……は、い……最初はちょっと苦しかったですけど……もう、大丈夫です」
 そう言って、健気に微笑んでみせる。
 胸が詰まった。
「イタリア様……動いて下さいまし……」
 その言葉に背を押され、イタリアはゆっくりと抽送を開始した。
「んっ、ん……っ」
「く……は、あ……っ、んッ」
「ハァハァ……リヒテンちゃん……っ」
「あっ、あっ、イタ……リア、さまぁ……ッ」
 はじめ緩やかであったピストンは、やがて早く激しいものへ変わっていく。
 その頃になると、苦しげであったリヒテンシュタインの声にも、甘く蕩けるような色が混じりだしていた。
「ああッ、あんッ、お尻の穴ぁ……っ、気持ちいいです……イタリアさまぁ……ッ」
 スイスが聴いたら卒倒してそのまま昇天しそうな台詞を、恥ずかしげもなく叫ぶ。
 イタリアもまた、必死だった。一心不乱で腰を振った。ギュウギュウと局所的に締め付けてくる肉環の圧力
は痛いほどで、膨らんだ亀頭が直腸を擦る感触はどうしようもなく射精感を煽った。
 容赦なく腸内を抉られ、淫らな快楽がリヒテンシュタインの全身を燃えるように焦がしている。出るときは
ズルリと排泄感にも似た快感を得、挿れるときは逆に締め付けっぱなしの穴を半ば無理やりに犯された。
 激しく抜き差しを繰り返す度、空気を含んだ下品な音が二人の結合部から鳴り響く。
 それすらも既に恥ではなく、むしろ二人の性感と興奮を掻き立てた。
「いやあっ、いや……ッ! お尻の穴壊れる……っ、壊れてしまいます、わたくし……わたくし……っ、ふや
ぁッ、やッ、キモチイイのぉ……! お尻の穴がめくれて……ズボズボされてぇ……っ、お尻気持ちいいんで
すぅ……ッ!」
 もはやリヒテンシュタインは自分が何を口走っているのかわかっていない。これを聴いたらスイスはたぶん
吐血して死ぬ。間違いなく死ぬ。
 そんな彼女のあられもない嬌声に煽られ、イタリアは絶頂を迎えつつあった。
 ……一瞬ほど、考える。やっぱり外に出すべきかと。妊娠させてしまうかもしれないし(するワケない)。
 けれど少女の処女膜を破り(破ってないが)、その胎内を全て自分のもので満たすという雄の原始的欲求に
は抗いがたく――
 ――イタリアは、内なる声に導かれるまま直腸のひときわ奥まで亀頭をねじ込むと、そこで爆発した。
「あッ、ああーッ!!」
「ふや……ッ、ひぁああーッ!!」
 直腸内に注がれる熱い迸りを腹の奥で感じ取り、リヒテンシュタインもまた、イタリアの後を追うようにし
て達した。
 そのとき未だ手つかずの秘裂からプシッと潮が噴き出したが、二人が知る由もない。
 ともあれ、そうして二人の、初体験にしては随分な変態プレイは事後の強烈な虚脱感と共になんとか終了し
たのだった。


「リヒテンシュタイン。イタリアに不埒な真似はされなかったであるか?」

 その夜、帰宅したスイスは玄関をくぐると同時に開口一番、そう訊いた。
 家を出る際に渡しておいたライフルの残弾数を確認する。……一発も撃たれていない。
「いいえ、兄様。イタリア様は紳士でいらっしゃいました」
 リヒテンシュタインは内心の揺らぎを兄に悟られぬよう、努めて優雅に微笑んでみせる。
 昼間イタリアのモノを受け入れた肛門はヒリヒリと痛み、火がついたように熱かったが――それ以上に、熱
を持った唇の方が気になった。
 あの後――つまりそれは事後の気怠い空気の中――「そうだ、忘れてたよー」とちょっと眉尻を下げて微笑
んだイタリアが、啄むように落としたキスの味。それがリヒテンシュタインの小さな胸を淡くときめかせている。
 兄には言えない。イタリアとの二人だけの秘密だ。言ってしまったら最後、なにか大変なことになりそうな
気がするし。(セダーン的な意味で)
 怪訝そうに首を傾げるスイスを誤魔化すように、リヒテンシュタインは愛らしく笑って見せるのだった。




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