学ヘタ普洪
プールの更衣室が改修工事で使えなくなってしまったために、水泳部員はそれぞれ着替えの場所を確保しなければならなくなっていた。
ハンガリーが着替えの場所に選んだのは今はもう使われなくなって物置と化している第三会議室だ。
周囲にも人の出入りがある部屋はないし、カーテンもある。
なにより鍵がかかっていないから教師や生徒会の許可なんて面倒なものを取らなくても勝手に出入りできるから、都合がよかったんだろう。
今日も授業が終わり、ハンガリーが着替えにやってきた。
彼女が入室したのを確認して、プロイセンは物陰から出て扉の前に移動する。
そっと物音をたてないよう気をつけて鍵穴を覗きこんだ。
「ふはははは。またのこのことやって来たな、ハンガリー」
プロイセンは中腰になって会議室の扉に張り付き、まるで悪役かのようなセリフを口にする。
誰かが通りかかったら確実に警察が呼ばれることだろう。誰がどう見ても不審者だ。
窓のカーテンをさっと閉めたハンガリーは、一枚一枚制服を脱いでいく。
シャツのボタンを外していき、あらわになったブラジャーは黒のレースだ。
「今日はフロントホックじゃねーのか」
ホックを外した瞬間にぷるんと飛び出る胸を凝視するのが史上の楽しみだったのだが、残念だ。
というか、今日のブラジャーは初めて見るそれだ。
なんだ、おニューか。
えらく色っぽい下着だな。
あれか、勝負下着か。
……おいおい、まさかあの坊ちゃんと……いや、それはないな。
あの坊ちゃんにそんな度胸があるわけない。
ハンガリーは背中のホックに手を伸ばそうと胸を反らせる。
いい具合に成長したおっぱいが黒いレースと一緒に揺れた。
あれくらいあると満員電車では確実に当たるだろう。
痴漢とかどうなんだろうな。
女って痴漢されたりしててもなかなか言い出せないらしい。
気が強いあいつに限ってそんなことはないだろうが、それでも女だからな。
夕方の満員電車の中、帰宅途中の学生やサラリーマンが周囲を囲んで身動きが取れない。
はじめは気のせいかと思っていたけれど、どうにも意識して臀部を触っている手が一つ。
制服のスカートをめくり上げるようにそれが動いて、下着越しに筋を撫でられる。
「ひうっ……!」
びくんと身体を震わせて文句を言ってやろうと振り向くハンガリーの口を塞いだそいつはハンガリーの耳元に甘い声で囁いた。
「お静かになさい、お馬鹿さん」
なんと痴漢はオーストリアだったのだ。
痴漢の犯人が坊ちゃんだと知ってしまってはハンガリーは反撃できない。
オーストリアはシャツの中に腕を忍ばせ、ブラジャーをめくると直接ハンガリーの豊満に育った胸を揉みしだく。
さらにはパンティーをずりおろされて花びらを捏ね繰り回されている。
ハンガリーは涙を浮かべて声を殺し、ふるふると身体を震わせるだけだ。
「安心なさい、最後までは致しません」
そう言いながら坊ちゃんは身体をすりよせて興奮した息子をハンガリーの尻に押し当てる。
「お、オーストリアさぁん……」
顔を真っ赤にさせてそう吐息を洩らすハンガリー。
オーストリアは陰唇から膣へ指を滑り込ませる。
そこはぬるりと涎を垂らしていて、オーストリアはメガネを光らせ上品に笑った。
「ふふふ。どうしたんです、ハンガリー」
好意を寄せるオーストリア相手に暴力なんて振るえない。
声を上げて痴漢として突き出すなんてできない。
膣から漏れる愛液が坊ちゃんの細い指を伝って床に落ちていく。
ハンガリー絶対絶命のピンチを颯爽と救うのが、
「おい、やめろよ」
俺だ。
俺は坊ちゃんの腕を振り払い、ハンガリーの腕を引いてちょうど到着した駅に降りる。
ハンガリーを柱の陰に隠すように立って、服装の乱れを直すのを待った。
「お前、嫌なら嫌だっていえよ!」
「そんな! だって、オーストリアさんだったんだもの……!」
恋する乙女はこれだから手に負えない。
電車の中であれ以上エスカレートしていったらどうしたんだよ。
「……あっそ。じゃあな」
後輩のセーシェルでも呼んで二人で帰れよ。
そう言って歩き出した俺の背中を、ハンガリーはとっさに掴む。
ん?と振り返ると、頬を染めて瞳を潤ませるハンガリーが、股をすり合わせながら俺を見上げた。
「わ、私、さっきので、その……おさまりつかなくって、だからっ」
見てはいけないとわかっていながら視線を下ろしてスカートから延びる太もものあたりを見てみれば、てらてらと光る液体がどんどん下に伸びていき、ソックスを湿らせている。
「あー、その、だな。……ト、トイレ……行くか?」
こくんと頷いたハンガリーをトイレの個室に連れて行き、便座のカバーを下ろして腰をかけさせた。
ハンガリーはさっき坊ちゃんにいたずらされたせいかもうすでに出来上がっている。
「ねぇ、プロイセン」
ハンガリーは目の前に立った俺のボトムのベルトの金具を外してうっとりとした眼でファスナーを下ろしていく。
下着をわずかに持ち上げるそれを見てふふふと微笑んだハンガリーは誉れ高いプロイセン国旗をプリントされたトランクスの上から口ではむはむと息子を刺激する。
「もう、いいかな?」
いいともー。
あらわになった俺のポケットモンスターを両手で掴み、舌で亀頭をちろちろと舐める。
大きく口をあけてそいつを中に入れると、どう?と言わんばかりの表情でハンガリーは俺を見上げた。
年の割に幼い顔つきのハンガリーが俺のものを銜えて見上げてくるという画だけでもういろいろと爆発してしまいそうになるが、そこをぐっとこらえる。
「も、もういいぞ」
ハンガリーを便座の給水タンクにもたれかけさせ、シャツのボタンもブラジャーのフロントホックも外す。
スカートをめくり上げてパンティーは片足だけ脱がせた。
右手でおっぱいを揉み、左手で足を広げさせ、ずっと愛液を滴らせていたそこに亀頭をぴとりと触れさせる。
「ああっ……!」
いくぞ、ハンガリー。ぐっちょん、ばっこん、パンッパンッパンッ。
という内容のエロゲを作ってくれ、日本。
頼むから、マジで。
しばし妄想にふけっていたプロイセンだが、水着に着替えようと背中のホックに腕を回すハンガリーの様子がおかしいことに気づいた。
「んーっ。どうしよう!?」
ブラジャーのホックが長い髪に引っ掛かってしまっているのだ。
さっきからぴょんぴょん跳ねては胸を揺らしたりしてせわしない動きをしている。
「このままじゃ部活に遅れちゃうな。仕方がない、この部分だけ髪切ろう……」
そう言って鞄から鋏を取り出すハンガリー。
おい、ちょっと待て。切らなくてもいいだろう。
そのふわふわカーブな髪に萌えている男子生徒がどれだけいると思っている。
女の髪を守るのは男の使命だ。
謎の使命感に身を熱くさせたプロイセンは勢いよく会議室の扉を開けてハンガリーが着替えているその室内に入った。
「待て、俺がほどいてやるから切ったりするな!」
「……は?」
とっさのことにハンガリーは頭が回らないようだ。
まあ無理もない。いつも反発しあってばかりの俺がいきなり助けに来たとなっては混乱もするだろう。
「か、勘違いするな! お前が困ってるから助けに来てやったんじゃなくて、ここにいたのは俺のためなんだからな! 俺がお前の着替えを覗くためなんだからなっ!」
フライパン、襲来。
「ちょ、待てよ! お前ツンデレ萌えとか言ってたじゃねーか!」
「どこがツンデレだ、ボケェエエエエエエエエエ!!!!!!!」
振るわれるフライパン。
揺れる黒レースに包まれたおっぱい。
遠ざかる意識。
フリッツ親父、俺は今、幸せです。