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 退廃の宴



巨大な朱塗りの柱が整然と屹立する大広間は、王のためのものだった。
 金箔で埋め尽くされた豪奢の極みのような玉座には、ひとりの男が気怠げに足を投げ出している。
 長い黒髪は艶めいて美しく、黄色い肌は瑞々しさに溢れていたが、黄金色の瞳だけは奇妙なほど年老いていた。
 小柄で、少女のように線が細い。たっぷりと布の取られた袍の色は、人民の血涙を搾り尽くして染め上げた
のに違いない、目の眩むような真紅。そこに、金糸を惜しげもなく使って羽ばたく鳳凰の刺繍が施されている。
 頭から爪先まで、男は華美と端厳と暴戻によって彩られてた。
 男に名はない。ただ「中国」と呼ばれていた。
 中国はこの世の全てがつまらないとでも言いたげな不機嫌そのものの顔で、だらしなく肘をついている。開
いた足の間に、女が蹲っていた。
 女もまた、名を持たない。人々は彼女を「ベトナム」と呼ぶ。
 ベトナムは全裸だった。
「ん……っ、ぺちゃ、ぺちゅ……ぅ、はむ、うく、んんっ」
 彼女の紅い唇には、中国の萎えた一物が含まれている。腰まである長い髪を乱し、健康的に日焼けした素肌
も露わに男根にしゃぶりつくその姿は、人間というよりは獣じみて見えた。
 竿に舌を這わせ、亀頭をねぶり、喉奥まで咥え込む。
 そこまでしても、中国の用物はいっかな反応を示さない。
 彼は傍らに侍した宦官から煙管を受け取ると、ゆったりとそれを吸い込んだ。
 ベトナムの顔面目がけ、煙を吐き出す。
 その苦い黒煙に彼女は僅かばかり顔を顰めたが、咥えたモノは離さなかった。
 離すことを許されいないからだ。
「下手糞」
 中国の小作りな唇から、実に端的な罵りの言葉が投げかけられる。彼の表情と同じように、投げやりに。
 ベトナムは無言を通した。ただ反論するように、口腔での奉仕をし続ける。
「そんなんじゃ勃つもんも勃たねぇあるよ。もっと舌使うよろし、このど下手糞が。おめーに比べたら場末の
娼婦のがまだ上手ぇある」
 退屈の二文字を表した表情を微塵も変えぬまま、中国は言葉でベトナムを嬲り続ける。
 ベトナムはひたすら沈黙を守っているが、その内心では、
(……この、糞爺が……っ)
 と呪詛を吐いていた。

 中国の一物が反応を示さぬのは、なにもベトナムの性技が稚拙なためではない。まして中国が不能であるわ
けでもない。もっと単純に――『中国自身にその気がない』というだけの話だ。
 外見だけならせいぜい二十そこそこ程度の中国だが、その実態は幾千の年を経た神仙である。神仙であれば
こそ、体内の気を以て性衝動を抑えることなどいとも容易い。
 何をしようが絶対に勃たぬ陽物に奉仕させている理由は簡単だ。
 ベトナムを詰り、嘲り、辱めるためである。
「もっと喉の奥まで咥え込むよろし。唇で締めろ。口ん中を全部性器にしてしまえ。そんな使いもんになんねぇ
舌なら、引っこ抜いて豚にでも食わせちまうあるか?」
 酷い言葉で罵られる度、ベトナムは必死になって男根にしゃぶりついた。もし自棄になってやめたりすれば、
彼は自らの文言通りにベトナムの舌を抜き、家畜に食わせてしまうだろう。目の前の男であれば、それくらい
のことは平然とやってのけるに違いない。
「うぷっ、……はふ、くぽっ、くぽっ、ちゅうぅ……んっ、んっ」
「感じねぇ。全然感じねぇあるなあ……越南。豚みてぇに鼻息荒くしてもっと真剣に奉仕するよろしよ。おめー
の口は、それっくらいにしか役に立たねぇあるからなあ」
「ぐぷぅッ、んおぉ……、ぱく、ちゅぶ……ちゅぼぉぉっ」
 どれだけ舌を使っても、どれだけ奥まで咥え込んでも、中国の男根は全く大きくはならない。自分のせいで
はないと知っていても、情けなくて涙が滲む。
 それに……勃たせなければ、犯してもらえない。
 ベトナムの女陰には、中国に使える宦官どもによって、強力な媚薬が塗り込められていた。王宮秘伝の秘薬
であり、その効果は調合者の中国曰く「一塗りすればどんな聖女も娼婦に変わるし、二塗りすれば象でも発情
する」という代物だ。
 彼女の陰部には、今その薬がたっぷりと塗られ、おまけに巨大な張り型が根本までズッポリと挿れられていた。
 強制的に発情させられた陰部は燃えるように熱く疼き、絶え間なく溢れ出す淫液がしとどに太腿から尻穴ま
でを濡らし、足下にまるで粗相をしたような水溜まりを作っていた。
 気が狂いそうになるほどの快楽。それなのに、恍惚の頂には手が届かない。膝を擦り合わせ、尻を左右に振る。
こんなにイきたいのに、突っ込まれただけの動かぬ張り型ではどうやってもイけない!
 咥えさせられた中国の一物だけが、この地獄から抜け出すことができる唯一つのか細き蜘蛛糸だった。
「さあさ、越南。我を勃たせることができたなら、ちゃあんと犯してやるあるよ。我のモノでお前を突き上げ、
陰道を抉って、子宮に精を注いでやるある。イかせて欲しくば舌を動かせ。犯して欲しくば喉で扱き上げろ。
奉仕の仕方は我が昔、ちゃんと教えてやったあるな?」
 中国の冷淡な声が頭上から降り注ぐ。

 そう――思い出す。ずっとずっと昔、今よりうんと幼く小さかった少女時代のベトナムを“女”にしたのもま
た――いま咥えさせられているコレだった。
 わけもわからぬまま裸にされ、未発達な肉体に無理やり雪崩のように快楽を覚え込まされ、呆気ないほどア
ッサリと純潔の証を奪われた。寝台の上にしか存在することを許されず、気をやればすぐに叩き起こされ、膣
も口も尻穴までもう後戻りができないほど徹底的に犯され尽くし、そして――ひと月もせぬうちに飽きられた。
 ベトナムにとっては忌まわしい記憶だ。
 そのはずなのに、今はその記憶が彼女の肉体を焦がしている。
「ちゅぼぉ……ッ、勃ってぇ……んおっ、んむ……ちゅぱ、勃ってよぉぉ……んっ、ん」
 あの頃のように愛されたい。
 昼も夜もなく、中国の黄金の瞳と寝所の天蓋しか見ることの叶わなかったあの日々のように。
 犯され、穢され、嬲り尽くされたい!
 熟れた尻たぶを妖しく揺らめかせ、勃たぬ男根に必死でむしゃぶりつくベトナムを見下ろし、中国は天井に
向けて煙を吐いた。
 ――中国は、飽きやすい。
 宦官の差し出す盆にカツンと煙管を叩きつけて灰を落とすと、蹲っているベトナムの華奢な肩に足を乗せ、
無造作に――蹴った。
「あっ!」
 まったく無防備だったベトナムは、そのひと蹴りで簡単に引っ繰り返る。
「……もういい。下がるよろし」
 今のベトナムにとって、その言葉は死刑執行の合図に等しかった。
「ま……待って! お願い、待ってぇ! こ、このままじゃ……あたし、おかしくなるッ!」
 思わず中国の足に縋り付く。
 中国はそんなベトナムを迷わずもう一度蹴転がした。童女のようにあどけない面相に、世に倦みきった千年
の老翁の色を乗せた、いつも通りの顔はぴくりとも動かなかった。
「そうあるな……我も鬼じゃねえある。おめーが誠心誠意、真摯に“お願い”するなら……聞いてやらなくもねぇ
あるよ?」
 中国の意図は明白だ。ベトナムは心中であらん限りの罵詈雑言を並べ立てたが、やはりそれに抗うだけの気
力はなかった。
 股が疼く。
 体中が熱くて熱くて堪らない。
 めちゃくちゃに蹂躙されたいと子宮が訴えている。
 その暴風のような淫欲の前には、理性も誇りもまったくの無力だった。
「……おね……がいしますっ。この……ぅ……っ、卑しい、豚めを……犯して下さい!」
 心の中で、血の涙が流れた。それでも体中を支配する熱には勝てなかった。舌を噛み切って死んでしまいた
いくらい、イきたくてイきたくて堪らないのだ。
 中国は実につまらなそうな顔で――ああ、これがもう少し獣欲や愉悦に満ちた表情であれば、いくらかマシ
だったのに――優雅に、気怠げに足を組み替えた。
 右足を、ベトナムに向けて突き出す。
「面倒くせぇから足で犯してやるある。股を広げて我の慈悲を請うよろし」
 中国の左右には、能面のように表情を変えぬ宦官どもが侍っている。
 ベトナムは唇を血が滲むほどに噛み……羞恥と屈辱を殺して、彼らの眼前で大きく股を開いた。
 はしたなく涎を垂らし、張り型を咥え込んだ淫らな女陰が露わになる。
「ど、どうぞ……ご慈悲を……ッ! 色情狂の雌豚めの淫乱まんこに、中国様の高貴なおみ足でグチャグチャ
に犯して頂ける名誉を賜り下さいませぇ!!」
「――しゃーねぇあるな」
 ベトナムが血を吐く思いで言った言葉にやる気のない溜息ひとつで応え、肘をついただらしない姿勢のまま、
中国は彼女の膣内に埋め込まれている張り型を踏みつけた。
「あヒッ! はひぃぃぃぁああ!!」
 全く力加減のない踏みつけ方だった。
 押し込められた張り型がゴリッと音を立てて子宮口を抉り、ベトナムはその一突きだけで早々と達した。尿
道から勢いよく潮を噴き、海老反りになる。
「ああーッ! あッ! アッ! ひぃぃ……ッ、ァアあン!!」
 中国の足使いは、乱暴なくせにどこまでも巧みだった。
 黄河と共に四千の年月を生きるこの怪仙は、女体を随まで知り尽くしている。
 まして彼自らが開発し、女にしたベトナムだ。張り型を踏みにじるだけで絶頂に送り込むことなど、彼にとっ
ては実に簡単なことだった。
 ベトナムは小さな絶頂を繰り返しながら、より高みへと昇り詰めていく。
 張り型の大きくエラを張った部分が膣襞を擦る度、目の奥でチカチカと火花が散った。
 自らの指で乳房を捏ね回し、中国の足裏で喘ぐ彼女には、もはや宦官どもの侮蔑の視線など気にもならない。
「……イくときはちゃんとそう言うよろしよ」
「はいッ! はイィッ! イきます……ッ、あたしイきますぅ! あ、イっちゃ……ああ――ッ!!」
 中国が大きく欠伸をしながら、今までで一番強い力で思いきり――踏みつけた。

「イく……ッ、イッくううぅぅぅッ!!」
 頭の中が真っ白に塗り潰されるほどのオーガズムを感じながら、ベトナムはビクビクと痙攣した。
 ――その鼻先に、淫水でびしょびしょに濡れた絹織りの靴が突きつけられる。
「汚れたある。綺麗にするよろし」
 ベトナムはもはや何かを思考するだけの力もなく、従順な犬のように、中国の靴を舐め始めた。

 ……

 長い長い追憶から目覚めたベトナムは、薄く瞼を開け、砂塵に霞む地平の彼方へと視線を向けた。
 風を受け、黒髪がたなびく。アオザイに包まれた肢体は、女豹のようにしなやかな女戦士のそれだ。
 戦場だった。
 この地平の向こうには、忌むべき侵略者どもが――そしておそらくは彼が――いる。
 そうとも、いないはずがない。所詮は彼も自分も同じ生き物。血臭と怒号と欲望を喰らって生きるケダモノ
なのだから。
「報告します。砲兵の配置、完了しました」
 下士官の一人がベトナムの足下に膝をついた。
「うん、ご苦労さま。……ああ、それから……敵軍の中に長髪の若い男がいたら、生きたまま捕らえるよう、
全部隊に指示を出しておいて欲しい」
「……は、長髪の若い男、ですか」
「そう。少しくらいなら傷を負わせても構わないけど、決して殺すな。生きている状態であたしの元に連れて
来い。……いいね?」
「はっ。了解致しました、我らが祖国!」
 それきり下士官を下がらせると、彼女はどこか懐かしげな瞳で空を見上げた。
 亜熱帯の空は、どこまでも蒼い。
「ああ……楽しみだよ。今度こそあたしが貴方を屈服させる。手足をもぎ取って舌を抜き、あたしの夫として
飼ってあげる……」
 陶然とした声音だった。
 彼はベトナムが自らの手を離れることを決して許しはしない。常に服従させ、支配していなければ気が済ま
ない。その狂的な執着を、愛と呼ぶ者は誰もいないだろう。
 けれど、ベトナムは狂喜した。胸を灼く憎悪や憤怒と共に、確かに愛情としか表現できない何かを抱いた。
 指揮者のように、両手を広げる。戦いの火蓋は落とされている。
「さあ、愛し合いましょう――中国“兄さん”」
 朗々と響き渡る愛の唄は、血と硝煙の臭いに満ちていた。




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