雪はとける
時代にそぐわないものが出てきます
「はぁんっあんっ…!」
世界会議の休憩時間は、空き部屋で彼女を犯すのが習慣になっていた。
「ほら、もっと腰揺らして」
「あっあっ…!」
「最近、君やっと女の子の友達ができたんだってね」
最奥でぐりぐりと刺激を与えてやる。
「ああんっ!もっイっ…!」
「その子たちはこんな君を見たらどう思うかな」
「!!」
膣内が締まる。本当いやらしい身体だ。
「ああ、見られたいのかな。見られた方が感じるんだよね、淫乱は」
「ちっちがっ…!」
そんな事言いながらも、僕の言葉に反応して彼女の中はどんどん締まりが良くなっていく。
狭くなった膣内を無理やり広げながら突いてやった。
「ああっ…!いっいいっ…!」
「出すね」
快楽に溺れていた彼女が、一瞬正気に戻った。
「嘘っ…!やっやめっ」
休憩時間には中にださないようにしてたんだけど。
「やああっ!やっやめっ…!」
こんなに淫らな彼女を見ていたら欲望を吐き出したくなった。
「ああああああんっ!」
果てた彼女の中から自身を引き抜くと、くぷっという音と共に精液と愛液の混じったものがこぼれた。
「はあ…はあ…」
「あ、あと10分で会議始まっちゃうね。このままだと僕の下着が汚れちゃうんだけど」
僕は立ち上がった。そして、寝転んでいる彼女の手をとり跪かせる。
惚けている彼女の口元に萎えたものを持っていき、目で合図する。
彼女は背中を伸ばしそれをくわえこんだ。
「はふっ…ふあっんんっんっ…」
一度口を離し、今度は右手を添えて根本から舌を這わせる。
丁寧に舐めとりながら、彼女は左手を下の割れ目へと持っていった。
「ふっあっああっ…!」
口元が緩む。
精液を取り出さんと指を激しく動かす必死な様子は、自慰となんらかわりない。
そして彼女は、僕のをくわえながら自分の胎内を弄ぶ事にとてつもなく感じているのだ。
腰がまた揺れている。
「ん、上手になったね。もういいよ」
「あっ…は、い…」
「よくできました。良い子にはご褒美をあげなきゃね」
僕はさっきまで着ていたコートの内ポケットから、あるものを取り出した。
彼女は困惑した表情で僕を見つめる。
「知ってる?これ。君まだやり足りないみたいだから、会議中はこれに相手してもらってね」
僕のより少し小さめなそのおもちゃを、彼女の窪みに差し込んだ。
「やあっああんっ!」
十分に濡れていたため、彼女はあっさり最後まで呑み込んでしまった。
「強さが5段階あるんだよ、これ」
スイッチを入れると、胎内におさまっていたそれは振動しはじめた。
「ひゃっ…!ぬっ抜いっ…」
「これが一番弱い段階。ああ、勝手に抜いたらどうなるかはわかるよね?」
僕は素早く服を着て、彼女の頭を撫でる。
「会議が終わったら僕が相手してあげるからね」
それじゃ、と僕はドアノブに手をかけた。
「先にいくよ。君も遅れないようにね」
会議の後半は退屈せずに済みそうだ。
「よし!それじゃあ会議を再開するぞ!」
彼女は下を向いて震えていて、相変わらずのまとまりのない発言は全く耳に入っていないようだった。
振動の強さを1つあげるとびくっと身体が動き顔をあげる。
顔を赤らめて、今にも泣き出しそうに瞳が揺れている。
「ロシアはどう思う?」
「うん、それでいいんじゃないかな」
だけど意外と辛抱強い。
周りに気付かれずに、彼女はずっと堪えていた。
20分程経っただろうか。
彼女の顔は未だに赤かったけれど、身体はあまり動かなくなった。
僕はそれを見て面白くなくなり、一気に強さを2段階あげた。
「あっ!!……んんっ!」
思わず出してしまった声に何人かが彼女の方を向く。
彼女は急いで手で口を覆った。
「セーシェル!具合が悪いんじゃないか?ここはお兄さんに任せて、休んでおいで」
「そうだよセーちゃん。休んでた方がいいよ〜。」
「おま、本当きつそうだぞ?」
男たちが群がる。もっと面白くない。
「ここはヒーローの出番だろう!さあ!俺の背に」
「僕が連れてくよ」
ざわざわとしていた空気が静まった。
傍に行き、差しのべた手に顔を真っ赤にした彼女が素直に応える。
彼女を抱きかかえ、僕はいつものように微笑んだ。
「それじゃあ、また」
部屋を出ると、顔を伏せていた彼女が僕を見上げた。
「気持ち良かった?」
「…っ!ロシアさん…!」
身体をおろしてやると、彼女は壁に寄りかかった。
足ががくがくとしているのを見ながら、僕はスイッチを最大の強さにする。
「あっあああっ…!んんっ…」
嬌声を出している途中で口を塞いだ。
「んっん…」
舌をとらえて吸い上げると、もう限界だったようで彼女は僕に身体を預けて意識を失ってしまう。
「3回位はもう楽にこなせるようになっちゃったね」
僕は自分では全く動かずに、彼女が1人で腰を動かすのを見上げて楽しんでいた。
「あっあっあっ…!動いてくださっ…」
「嫌だよ。ほら頑張って」
彼女は乳房を揺らしながら一生懸命腰を上下させていた。
「下から見てるからかな。大きくなったよね」
両方の乳首を指で弾くと彼女が気持ち良さそうに声をあげた。
それでも達することはできず、僕に何度も動くように請う。
「しょうがないな」
わざと彼女の動きとずらして腰を浮かすと、彼女が叫んだ。
「やぁっ…!ロシアさんっ!意地悪しないでっ…」
「意地悪って?ほら、ちゃんと言わないと」
「…もっと、奥…まで…突いて…ください」
ついこの間まで処女だったとは思えない。
彼女は僕にすっかり従順になってくれた。
確かな支配力を感じながら、激しく身体を動かして僕らは同時に果てた。
行為後はいつも無口になる彼女が、初めて声を出した。
「ロシアさん」
ベッドに座ったまま彼女の方を向くと、小さな手が頬に触れて唇が重ねられた。
「ロシアさん。好きです。好きなんです」
急に何を言い出すんだ。
そんな事を言う権利は君にはない。
君は黙って僕に従っていればいいんだ。
そうすれば僕はずっと君を愛していけるんだ。
僕は過去の経験で学んでいる。
言葉なんて何の意味も持たないことを。
だから信用しちゃいけないんだ。
力をもって支配する事が、一番人とのつながりを強くするんだ。
「君に僕の何がわかるの?」
僕は彼女の細い首を手でつかんだ。
力を入れてしまえばすぐに折れてしまいそうだ。
「僕が味わってきた苦しみも知らずに、そんな事を言うな!!」
彼女は怯えもせず僕をまっすぐに見る。
「はい、わかりません。今まであなたがどれだけ傷ついてきたか、どれだけ人を傷つけてきたかなんて、南の島でぬくぬくと生活してきた私には全くわかりません」
僕はあまりに堂々としている彼女にひるみ、思わず手を離した。
「でも願ってしまったんです。何もわからないのに、いつも表面上でしか笑わないあなたがいつか本当に笑ってくれることを。それで私、それからセーシェルにひまわりを植えはじめたんです」
「………?」
「私は無力です。あなたの力になんてなれません。でも直接ロシアさんたちと争いを経験していないからこそ、私はロシアさんに提供することができると思いました」
「何を…?」
「一時戦争のことを考えずにすむ場所…です」
「問題解決にはならない、ただの現実逃避かもしれません。これは私のエゴです。それでも私は、ひまわりでいっぱいになったセーシェルで、ロシアさんが一時でも笑って過ごせるなら幸せなんです」
「………」
何も言わなかった。いや、何も言えなかった。
僕はひどく混乱している。自分の事に関してこんな風に考えてもらったことが今までなかったから、どう返事をすればいいかわからない。
「ロシアさんにどうしても幸せになってもらいたくて、いろいろ考えたのに、私にはこんな事しか思いつきませんでした。腹立たしかったらごめんなさい」
そう言って彼女は僕の手を自分の首へともっていった。
「覚悟はしていますから。あなたを傷つけてしまったなら、手をかけてください」
穏やかな顔で、今彼女は全てを僕に委ねている。
「僕は、人を完全に信用することなんてできない。君さえも」
「…はい」
ゆっくりと手を離す。
「それでも…争いに疲れた時に…君の所に行っても…いいのかな?」
「はい。待ってます!!」
初めて出会った時のように君は無邪気に笑って即答するから、参ってしまう。
僕は彼女をゆっくりと抱きしめた。
込み上げてくるこの感情が伝わるように。
強く、強く。