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 エスウク

  連時代、エストニアが中二くさい


二人きりだ。珍しい。いや、むしろ初めてだ。

クレムリン宮殿の一室、彼女と僕は横に机を並べて、ともにカタカタと書類をタイプしている。
もう日はとっぷりと暮れ、窓にはインクを流したかのような闇が広がっている。
しかし照明規制のせいで電気は点けられず、明かりは二人の机の間に置いてある大きなランタンだけだった。
そのため二人の体はおよそ半分ずつが暗い影になっていたが、
逆に灯りのあたる部分がひどく明るく、互いの体は非現実的な存在感を持っていた。

なんでこのような状況になっているのかというと、今日ウクライナさんに、
彼女の不得意なタイプライターを使う仕事がどっさり与えられたのだ。
それをタイピングの得意な僕が、手伝いましょうかと何の気なしに言った。
しかし予想外にリトアニアもラトビアも自分の仕事を早く終えて帰ってしまい、
部屋には僕と彼女だけが残った。

そして、彼女と二人というこの状況のせいで、僕は得意なはずのタイピングでうまく指が動かず、
こんな時間になった。

ただ、それだけのこと。


カタカタカタカタ。暗い部屋にはその無機質な音が響いてたが、
どうやら僕の心臓は同じくらいの早さで鳴っているようだ。

しかし顔は平静を装ったいつも通りの表情。
感情を隠すのは慣れている。優等生とはそういうものだ。

悟られてはいけない。絶対にいけない。
僕が彼女に抱いている気持なんて。
悟られてはいけない。絶対にいけない。
今、僕が彼女を使ってどんな淫らな妄想をしてるかなんて。


「エストニア君」

びくぅっ!
本当に自分の心臓の音が聞こえてしまうのではないかと思った。
まさに脳内で、彼女にアレを挿入してた瞬間だったから。

「お仕事、終わんないねー・・・。ごめんね、手伝ってもらっちゃって」
彼女はそんな僕の動揺に気付かずにいるようだ。
ばくばくと鳴る心臓を鎮めながら、いえ、と短く答える。

貴女のためなら、何でもしますよ。

―――そんなこと、言えるわけないけど。

「疲れたよね・・・。少し、休憩しようか」
そう言って彼女は椅子を動かし、僕の方に体を向けた。
僕もそれに倣って彼女の方に椅子ごと体を向ける。
正対することで、ぼんやりとした灯でも彼女の柔らかな微笑みがはっきりと見えた。


ああ、ウクライナさん。

貴女は、僕の救いです。
薄暗く、赤い色ばかりが赤いこの世界で、貴女の存在だけが唯一の光でした。
人々の魂さえも凍てついている寒々しいこの世界で、貴女の微笑みだけが太陽のようでした。

どうか、あなただけは汚れないで。
どうか、あなただけは、いつもそのまま。
ほほえんでいて、下さい。


「・・・君、エストニア君」

ああ、あなたを使って毎晩淫らな妄想をしている自分を許して下さい。
その美しい顔に、嬌声を喘がせているのを許して下さい。
その清らかな体に、僕の欲望をぶちまけていることを許して下さい。

「・・・君、エストニア君ったら・・・」

ああ、あなたは、今までの宗主国たちとは寝たんですか?
モンゴルとは?ポーランドとは?

・・・もしかして、ロシアさんとも寝たんですか?

こんな下品な邪推をしてしまう僕を許して下さい。
でも、考えずにはいられないんです。
貴女の、その魅力的な体を、男たちは放っておかないと思うから。

ああ、でも、あり得ないと思うけど、もし貴女が純潔だったら。
本当はそうであってほしいと、思ってるんですが・・・。
いったいどうなんで

「エ ス ト ニ ア 君 っ た ら !!」

大きな声でようやく自分が長く自分の世界にいたことがわかった。
彼女は心配そうに眉をひそめ、僕の顔を伺い見る。
「大丈夫?ずいぶん長いことぼーっとしてたよ。
 やっぱり疲れてるんじゃない?いいよ、後は私だけでも出来ると思うし」
「い、いえ、大丈夫ですから」
そんな。この時間を、終わらせてなるもんですか。
「そう?でも、今のエストニア君面白かった。
 いつも冷静だから、そういう顔もするんだってなんか安心した」
そう言って彼女はくすりと笑った。

・・・いや、自分、よくラトビアァとか叫んでるような気がしますが・・・。

僕のそういう部分はこの人には見えてないのだろうか?
けっこうイメージで世界を捉えてる傾向があるからな、この人。
マイワールドを持ってると言うか。
・・・それとも僕の方が、彼女の前では無意識に冷静をつとめようとしてるのか?


「ね」
彼女の笑みがいたずらっぽいものに変わった。小首をかしげ上目づかいになる。
「・・・何です?」
「眼鏡、取ってみて」

彼女の唐突なお願いに、僕は少し動揺した。
「だめですよ」
「えー、なんで?エストニア君の眼鏡とったとこ、見たいなー」
「何でですか。全然話が繋がってないですよ」
「繋がってるよー。眼鏡外した方が、もっとよく見えると思うの」
「何がです」
一拍間が空いた。彼女が薄く笑んだ。
「・・・エストニア君が、いま、どんな顔してるのか」

ぞくり。
その言い方はいつになく魅惑的に聞こえ、その瞳はいつになく娼婦的に見え、
僕の心臓は再び早鐘を打ち始めた。

「ね、取ってみていい?」
なぜか逆らえず、こくりと頷いてしまった。
彼女が近づき、僕の顔からゆっくりと両手で眼鏡を外す。
彼女の指が顔に触れ、そこから蒸発するかと思った。
僕の眼鏡を外し終えた彼女。わあと明るい声を出す。

「エストニア君って、やっぱり、綺麗なお顔してるよね」
「・・・それはどうも」

自覚はあるので否定しないでおく。

「伊達なんでしょう?なんで付けてるの?」
「ああ、これはですね」
自分なりの理由がある。
「レンズ一枚隔てることによって、世界を客観化できるんです。
視界を矯正するというか。自分を理性的でいさせるためのツールですね」
「へえ、そうなんだー。視界を矯正・・・そんなものかなあ」
「まあ、おまじないみたいなもんです」

―――そう、だから。
眼鏡を返して下さい。
それを外した今、貴女に対して理性的でいられるかどうかわかりませんから。

彼女が僕に眼鏡を手渡そうとした、その時。



世界が闇に転じた。


一瞬戸惑ったが、ランタンの灯りが消えたのだと理解した。
古いものを寄こしたのか。あの守衛め。
「きゃあ?!」
一拍遅れ叫ぶ彼女。ガタ!と椅子を揺らす。
「大丈夫です。今新しいのに取り替えに行きますから」
我ながらやけに冷静だった。椅子から身を離しランタンの方に向かおうとした。

その時。

むに。

と、ありえない角度からありえない感触が足に伝わった。

「!?」
ブラックアウトした時なんかよりずっと驚いて、その感触がした方を見る。
そこには床に這いつくばり僕の足にしがみついてる彼女がいた。
不思議な感触は、僕の足に押しつけられていた彼女の胸だった。
「ご・・・ごめんね・・・ちょっとびっくりして・・・」
ちょっとどころじゃないでしょう・・・。
いったいどう慌てたらこの短時間でそんな体勢になるんですか。
「いえ・・・。じゃ、燃料を取りにいきますから、離して」
口調は冷静だが、心臓はばくばく言っている。きっと顔に出てる。暗闇でよかった。
足に押しつけられている彼女の胸の感触は自分の妄想以上に柔らかく、更に僕の感情を高ぶらせる。

「・・・」
彼女が反応しない。
「・・・ウクライナさん?」
呼びかけると彼女は絞り出すような声を出した。
「ごめん・・・もう少し、こうさせて・・・」
「!?」
僕のほうなら大歓迎ですのでどうぞお気の済むまでと答えれば良かったのかもしれないが、
彼女の腕から震えが伝わり不埒な思考は消しとんだ。
彼女はさらに強く僕の足を自分の胸に押し付け(うわっ)頭をもたれた。

「怖いの・・・暗闇が、怖いの。いろいろ、思いだして」

・・・いろいろって、なんですか。ウクライナさん。
・・・暗闇で何をされたんですか。

こういう下品な想像しかできない自分をお許し下さいね・・・。
僕は頭の中で苦笑した。

いや、いつもこうなわけじゃないんですよ。今日が異常。普段はむしろ淡泊なほうなんです。
こんな禁欲生活だというのに女遊びもそうそうしませんし。
自分の中でなんでも処理するのが得意なんでしょうかね。性欲もね。
だからこそ貴女に惹かれたのかもしれませんね。
絶対に手に入れられない存在だから(・・・怖い弟さんのせいでね)。
自分の中で聖母だと祭りあげて。そして、それを穢す背徳を脳内で楽しんでる。

僕はゆっくりと膝を折り、腰を落とした。
そして(すごく勇気がいったが)赤子にするように彼女の背中をさすった。
もしかして自分から触るのは初めてじゃないか?

彼女は顔をあげ、僕の方を見た。
暗闇に目が慣れ、このくらいの距離ならお互いの顔が見てとれた。
目が潤んでいるようで、闇の中で瞳が光っている。
その瞳は逸らされず僕を見つめ、唇は物欲しそうに軽く開かれていた。

・・・もしかして、誘ってる?

いやいやまさかそんな。
それは僕がいつも彼女を変な眼で見ているから。
あの彼女が。聖母が。そんなこと。

「ね」
彼女が小さく呟いた。

「エストニア君、今は、理性的じゃないんだよね?」

ふつっ。
僕の中で何かが切れた。

やっぱり眼鏡無いと駄目ですね。
彼女を脱がせながらそんなことを思った。
いや、あるから駄目なのかな。取ったらこうも簡単に切れてしまうような体になってしまった。
道具の弊害ってやつかな。

はあはあと息は荒く体は熱いのに頭がやけに静かで、こんな状況なのに冷静に自己分析をしていた。
見た目は冷静だったのに心臓ばくばくだったさっきとは逆かな。
人間って切れるとこんなもんか。

「んふ・・・」
まだ上も取り去りきってないが、我慢できずに彼女の唇に口付けた。
歯列をなぞり舌を絡める。あまりに僕が欲張って長くしたので、彼女が「はぁっ、はぁっ」と息を荒くする。
ようやく離すと、二人の間を唾液の糸が引いた。
彼女の口の周りについたぬめりとした液がほんとうにいやらしい。

再び服を脱がす作業に移る。ブラウスのボタンを外し終えると、その闇の中でも白い体が外気に晒される。
背後にホックがあるので難しかったが、ブラジャーを若干乱暴に奪い去った。
地味なブラジャーだ。ま、今綺麗なブラジャーなんて手に入りづらいもんな。

すると、そこには自分の妄想の中のものよりもずっと美しい彼女の乳房が、確かな存在感を持ってそこにあった。
感動を覚えつつもゆっくりとそれに向かって手を伸ばす。
掌で揉み指で乳首をいじると「ひゃん」と可愛らしい声をあげた。
彼女の首筋に軽く噛みつきながら胸を揉みしだく。指がほとんど胸に埋まった。
彼女は動きに合わせて「ああぅっ、んっ!」と体を震わせる。

・・・胸、弱いんですね。こんなに大きいのに意外だなあ。
・・・ま、僕の妄想の中でも貴女は胸をいじるとすぐ啼きましたが。

動きを変えるごとに形を変形させ、深く指に食い込む豊かな乳房は、いくら揉んでも飽きなかった。
しかし彼女があまりに啼くので、どのくらい濡れてるのか確かめたくなり、下も脱がせようとする。
するとなされるがままだった彼女が上体を起こし、僕の上着のボタンに手をかけ始めた。
「エストニア君も、脱ぐでしょ?」
「まあ、脱ぎますが」
僕の上を淡々と脱がしていく彼女。
それは彼女が裸じゃなくてぼくが青年でなかったらまるで子供のお着換えを手伝うお母さんのようだった。
手慣れた様子で僕の上を外し終えると、彼女はズボンに手を伸ばした。
「いえ、そこは」
「何言ってるの、今さらだよ」
そう言って彼女は僕のズボンのチャックに手をかけると、僕のものが固くなってるのに気付いたようだった。
「たってるね」
花がきれいだねと言うのと同じような調子で言った。
「・・・まあ、そりゃ」
「して、あげようか」
「えっ」

答えを待たず、彼女はかちゃかちゃとチャックを降ろし手慣れた仕種で僕のそれを取り出した。
指で軽くなぞりしごかれる。
「んんっ・・・」
僕はこらえきれず呻いた。ヤベ、巧い。
彼女は僕の表情を上目づかいで確認すると、それを持ち直しためらいなく口に含んだ。
ずるずる。ずるずる。
白い肌と桜色の唇の中にグロテスクな肉がゆっくり引きずりこまれる。
脳内で何度も繰り広げられた光景のはずなのに、僕はなぜか途方に暮れた気持になった。

なんだ?これ。
なんなんだ?

聖母が、僕のアレを咥えてる。

これは、いったいどういったことなんだ?

けっこう深くまで咥えこむと、彼女は咥内でペニスを舐め回した。
筋を舐め亀頭をくすぐる。前後に動かし、じゅぷじゅぷといやらしい音が立ち始めた。
ちろちろと這いまわる巧みな舌の動き、ぬるりとした生暖かい粘膜の感触に感覚が支配される。
「ふ・・・!」
僕は堪え切れず呻いた。彼女はそんな僕を見て、咥えながら満足そうに微笑んだ。
その顔は娼婦のようでも母親のようでもあり、ぞくりと腰が震えた。

あ。

「ちょ、ちょっと」

出る。

僕は慌てて彼女から自身を引き抜こうとしたが、堪え切れず彼女の頬にぶちまけてしまった。
呆ける彼女。僕は恥ずかしさのあまり目を合わせられない。
「別に口に出してくれても良かったのに」
そう言って彼女は頬を拭った。すいません、と謝る僕。
「謝ることじゃないよ」
と言って彼女は微笑んだ。その笑顔は、普段見る笑顔と変わらなかった。
なぜかそれが、たまらなく悲しくなった。なぜだろう。後で考えてみるか。

不器用に彼女の下を脱がす。下着は適度に湿っていた。
試しに一本指を入れてみると、スムーズに入った。中で動かすと「んんんっ!」と彼女は少し大きい声を出した。
「あんまり声出すと、人来ちゃいますよ?」
なんだかさっきから彼女のペースなので、言葉責めってのをやってみようとする。
「あ、だいじょうぶだよ、この時間、もうこの階自体外から入れなくなってるし」
華麗にスルーされた。

仕方ないので性感帯を探すことに専念した。指を増やして内部を探る。
「んんんっ!あはぁ・・・」
彼女の中は恐ろしく開発されていて、そんなに巧くもない自分が適当に動かすだけで嬌声をあげた。
はっきりいって、淫乱だ。今まで抱いたどの女の子よりも。
商売女だって、こんなに啼いたっけか。


指を増やして動きを激しくする。ある箇所を刺激すると「ァァあん!」とひときわ大きな声を上げたので、
そこを重点的に攻めるようにした。
「あぁあ・・・そこ・・・い・い・・・!」
彼女が自分の首に腕を回し、腰を震わせて欲しがった。
瞳にうっすらと涙をにじませ悦楽の表情を浮かべている。

うわ、すっげーエロい顔。

正直、おっぱい見たときよりも勃った。

むくむくとたちあがる僕の股間。堪え切れなくて訊いてみた。
「もう挿れていいですか」
「ん・・・どうぞ。っていうかそういうこと、きくもんじゃないよ」
サーセン。


正直ちょっと萎えたが、訊いた手前僕は腰を落とし彼女に挿入した。
僕の赤黒い肉棒が、彼女の白い体に入り見えなくなっていく。
「んあああ!あ・・・ああああ!」
彼女があられもなく啼く。背中に回された腕が爪を立てていた。
もっと深く腰を落とす。子宮の壁に当たった瞬間、彼女が
「ぁぁあぁあああああアアア!」
とひときわ大きく叫んだ。
彼女の内壁はちょうど良い狭さで、動くたびに引っ張られるような錯覚に陥った。
ぎちぎち、ぐちゅぐちゅ。彼女の蜜と先走りの汁が合わさり卑猥な音が響く。
「んふ・・・いいよ、エストニア君、上手ぅ・・・!」
褒められて嬉しいやら悲しいやらだったが、返事をする余裕は無くなっていった。
どんどんピストン運動を速める。彼女もこっちのリズムに合わせて腰を振っていた。
締め付けられる。持って行かれる。

「くは・・・あ・・・あああああ」
「ふぅ・・・は・・・ウクライナさん・・・!」

快楽が増していき、いつ達するかもわからない状態なのに、なぜか心の片隅に理性が残り、
それが悲しみの声を上げていた。


聖母だったのに。
救いだったのに。


――――犯してしまった。

「あはぁ・・・もっとぉ・・・!も、すこし・・・で・・・!」
彼女は僕の葛藤など知る由も無く、悦楽に酔い浸り淫猥な笑顔を浮かべていた。
その顔は普段の清楚さなどかけらもなく、完全なる雌の表情だった。


(ごめんなさい)

「ふぅう・・・っ!」

(今まで、夢見てて)

「ひあ・・・あ、ああああ!」

(あなたは――――ただの)

ただの、あなたでした。

「はああああああああっ!!!!」

射精した瞬間、お互い果てた。


「エストニア君、どうしたの」
裸のまま膝を折りうつむいている僕を心配し、彼女が呼びかけた。
彼女のほうはどこから見つけたのか毛布にくるまり、情事の後で火照った体を包んでいた。
「いえ、何でも」


―――聖母を犯してしまった。
―――聖母はいなくなった。

―――いや、聖母は、初めからいなかったんだ。

しばらく俯いていたが、彼女が擦り寄ってきた。
「ね・・・まだ元気ある?もう一回しようよ」
「・・・いいですよ」
この人ホント好きなんだなあ・・・と思ったが、それは言わなかった。

「すいません、眼鏡取ってくれますか」
「うん、はいどうぞ」
眼鏡をかける。彼女が再びレンズ越しの世界に収まった。
しかし、もう二度と彼女を前と同じように見ることはないだろうと思った。


続き 81-85: エスウク後日談



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