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 ハンガリーさんを女の子に目覚めさせたのは誰なんだよ派閥チャート





 オーストリア、プロイセン、トルコにギリシャと、ハンガリー何らかの形で関係してい
る四人が珍しくも一堂に会している。
 オーストリアは眼鏡のブリッジを押し上げながら残りの三人に書類を渡した。
「まずはこの参考資料をご覧なさい」


ハンガリーさんを女の子に目覚めさせたのは誰なんだよ派閥チャート
├― オーストリアさんだよ派(ヘタリア的ハプス帝国同居説派)
|   ├─ 52回以上フルボッコした相手に惚れるんだからそれなりのエピソードがあるはずだよ派(二重帝国成立へのフラグだよ派)
|   |   ├─ 貴族はパイタッチしなくても初めから気付いてたよ派(あんなんでも騎士だよ派)
|   |   └─ 実はパイタッチしちゃったんだよ派(プロイセンにだけ揉ませたりしないよ派)
|   └─ 女だと指摘したのがトルコさんで女だと自覚させたのがオーストリアさんだよ派(トルコによる文化的影響力考慮型貴族派)

├― プロイセンだよ派(ひとり楽しすぎるよ派)

├― トルコさんだよ派(歴史的土洪希同居説派)
|   ├─ 姐さんに温泉文化を教えたのはこの人だからだよ派(文化的考察派)
|   ├─ 割礼文化があるからだよ派(イスラムの神秘派)
|   └― オッサンと幼女に萌えるからだよ派(映画レオン派)

├― ギリシャだよ派(歴史的土洪希同居説派)
|   ├─ 回数が世界一だからだよ派(性的なことはエロス大国に任せるよ派)
|   ├─ 同居幼馴染萌えだよ派(アリストテレス派)
|   └─ 紀元前に戻って本気を出したよ派(タイムトリップ派)


 資料をひと睨みしたプロイセンが真っ先に声を上げる。
「おい、俺の派閥がひとつしかないじゃないか!」
「ひとり楽しすぎるのでしょう?」
 さも当たり前かのように言われるとむかつく。さらにこいつから言われると余計にむか
つく。プロイセンは歯軋りしながらオーストリアを睨み付けた。そんなプロイセンをオー
ストリアは鼻で笑う。
「あなたは『幼馴染という心地よい関係を崩したくなくてなにも言わなかったら、いつの
間にか他の男に取られていた』というありがちな破局型幼馴染設定がお似合いです」
「てめぇ、この野郎、言いやがったな!」
 くそこのリア充め、喧嘩弱いくせに口だけは達者だな。悔しい……でも自分でもなんだ
かそんな感じがするから強く言えないっ。喧嘩なら全戦全勝だというのにこの敗北感はな
んだろう。
「まあ、私はこの件に関しては大本命ですからね」
 プロイセンはオーストリアの誇らしげなその顔に落書きしてやりたいと心底感じた。
「ほお、言うじゃねぇか」
 仮面の下でトルコがにやりと笑う。
「まあ、きっとこんな感じです」

■ オーストリアさんだよ派(ヘタリア的ハプス帝国同居説派)
└─ 52回以上フルボッコした相手に惚れるんだからそれなりのエピソードがあるはずだよ派(二重帝国成立へのフラグだよ派)
└─ 貴族はパイタッチしなくても初めから気付いてたよ派(あんなんでも騎士だよ派)

 迫りくるオスマントルコの軍勢。今まで何度も多勢に無勢の戦いを強いられ、何度とな
く追い払ってきたが、今回のトルコは一味違った。ハンガリーの焦りがオーストリアにも
伝わってくる。
 トルコのけたたましい行軍にいてもたってもいられなくなったハンガリーは、剣を取ち
立ち上がった。オーストリアは今にも駆けだしそうなハンガリーを必死で掴んで訴えかけ
る。
「ハンガリー、もうすぐ準備が整いますから、私が援軍に行けるまで待っていてください
。ひとりであのトルコに立ち向かうなど無謀すぎます」
「うるせぇ! お前みたいなちんたらしてるやつを待ってられるか! 俺はもう行く!」
「無理をしてはいけません。だってあなたは、本当は……」
 ハンガリーはオーストリアを振り切って激しく怒号の飛び交う戦場へ姿を消してしまう
。伝えなければならないことがある。しかしその言葉がハンガリーの耳に届くことはなか
った。
「オーストリア」
 背後から声がかかる。時の上司、カール五世だった。
「待たせましたね、さて行きましょうか。あの子を助けたいのでしょう?」
「……っはい」
 幼い体に不釣り合いな重い剣を携え、オーストリアは静かにうなずいてハンガリーを追
った。

 剣戟の音に溢れる戦場のさなか、オーストリアはついにハンガリーを見つける。ハンガ
リーは無謀にもトルコと一対一で対峙していた。幼く小さな体のハンガリーと、妖しい仮
面に顔を隠した巨漢のトルコでは勝負にもならない。飛びかかったはいいものの、案の定
一振りで吹き飛ばされたハンガリーの身体が激しく地面に叩き付けられた。
「よお、坊主。これで終いだな」
「この野郎……!」
 地に伏しながらも吠えるハンガリー。半月刀を掲げるトルコ。
 振り下ろされる白刃は、しかしハンガリーには届かなかった。
「そこまでですよ、このお馬鹿さんが!」
 オーストリアはハンガリーの前に立ち、トルコの刀を受け止めた。
「お、お前、何で来たんだよ、よわっちいくせに!」
 傷だらけのハンガリーがなおも立ち上がろうとしている。オーストリアはその手を取っ
て、
「女性を守るのは、騎士の務めですからね」
 ハンガリーは目を丸めた。
「はぁ!? 女って……。お、俺はっ!」
 声を荒げるハンガリーの手に手を重ね、オーストリアは宣言する。
「ハンガリー、私があなたを守ります」
 混乱とわけのわからない羞恥に顔を赤く染めたハンガリーを背後に庇い、オーストリア
はトルコへ向かっていった。

「……とまあ、こんな感じですね」
 得意げなオーストリアにトルコが声をあげて笑う。
「おい、お坊ちゃん。オチがまだだぜ。その素敵なおじさまに立ち向かったはいいものの
、逆にぼっこぼこにやられてもちろんハンガリーを守れるわけもなく、ウィーンに籠って
ビクブルしながらピアノ弾いてましたってなぁ!」
「ぐぬううううううううう」
 哄笑するトルコに歯ぎしりするオーストリア。
 その様子に気を良くしたプロイセンは、
「いいぞ、オッサン! もっと言ってやれ!」
 とかなんとか煽りたてた。
 一人娘のような存在のハンガリーを取られたような形のトルコと、もはや理由は言うま
でもないプロイセンがオーストリアに口撃をたたみかけようというところで、ギリシャが
ぼそりとつぶやいた。
「オーストリアにしろプロイセンにしろ、そもそもゲルマン系の性癖とハンガリーは絶対
に合わないと思う。俺もそうだけど、回数は多くても内容は普通だから」
 仮面の下でトルコが眉をひそめる。
「おい、ギリシャ。どういうことでぃ」
「トルコは知らなかったのか。こいつら、すごいSM好きだ……」
 トルコの中で何かがぶちぎれた。会議室の長机をちゃぶ台のようにひっくり返す。
「おいこら、坊主どもォ! 俺の娘に普段なんてことやってるんでぇ! 正直に話やがら
ねぇと第三次ウィーン包囲やってやるからな!」
「イタリアから聞いた……。ドSで家にすごい本とかDVDとか、いっぱいあるらしい」
 さらにギリシャが投下した爆弾に、トルコは長年封印していた半月刀を取り出した。
「Sap?k!(サプック/変態!) Defol!(デフォル/消え失せろ!) もう許しちゃおか
ねーぞ……!」
 まるでスレイマン一世が降臨したオスマン時代のような闘志を漂わせるトルコにオース
トリアとプロイセンは一歩たじろぎ、ちょっと待てと二人でトルコを制止する。
「そのイタリアが言ったドSは俺の弟だ」
「そうですよ。確かにSMは大好きですが、女性に屈辱を与えて快楽を得るような性癖は持
ち合わせていません」
 トルコがほっとしたのもつかの間、
「むしろ縛られて吊るされて鞭で打たれることに快感を得ますね」
「侮蔑の目で見下されながらあそこを思い切り踏まれると興奮するよな」
「羞恥に顔を染めながらおっかなびっくりに蝋燭を垂らしたり、精一杯の罵り言葉をぶつ
けられると、もう他のことはどうでもよくなってしまいます」
「そうそう、なんも痛いことなんかしてねーよ」
 むしろその逆だ。トルコとギリシャはドン引きした。
「ダメだこいつら……早くなんとかしないと」
「ハンガリー、戻ってこい、ハンガリー……!」
 民族による性文化の違いはかくも恐ろしいものだ。
「ええい! 認めねぇ、絶対におめぇらがきっかけだなんて認めねぇぞ! 文化的に言っ
たら俺のほうが可能性たけぇんだからな!」

■ トルコさんだよ派(歴史的土洪希同居説派)
   └― オッサンと幼女に萌えるからだよ派(映画レオン派)

 戦いに敗北し、トルコの家に連れられたハンガリー。ハンガリーにとって異教の地は居
心地が悪く、針のむしろに座る思いだ。
 トルコが用意した風呂に入り、オスマン風のチュニックに着換えさせられたハンガリー
は、ハレムに囲まれた彼の寝所に向かった。
「なあ、トルコ」
「おう、なんでぃ」
 トルコは手を払ってハレムを退席させる。誰もいなくなったのを確認してから、ハンガ
リーは一歩トルコに近づいた。
「さっき風呂に入ってきた」
「そうか」
「……なあ、トルコ。お前、マジャールとも知り合いだったんだろ」
 確かにその通りだった。まだハンガリーが国ではなく遊牧騎馬民族の集合体で、今より
ももっと幼かったころの話だ。その時、彼らを率いていたのはマジャールというどこかア
ジアの空気を漂わせた豪快な男で、若かりし頃にトルコも彼とつるんでいた時期がある。
 顔を俯かせたハンガリーの小さな体を抱えて、寝台に寄りかかりながら腹の上に乗せた
。抵抗されるかと思っていたが、ハンガリーは意外なほどに素直だった。
「あのオヤジがどうしたってんでぇ」
 トルコはその大きな手をハンガリーの頬に添える。小さな顔はその手にすっぽり包まれ
てしまいそうだ。
「マジャールは俺に戦うことを教えてくれた。強くねーとダメだって。誰から狙われても
対抗できる力を持ってねーとダメだって。俺は、男なんだからって」
「……そうか。そうだったな」
「なのにお前なんかに負けちまった」
「これからは俺がうまいもん食わしてやらぁ」
「お前に負ける前からなんとなくわかってきたんだ。だんだん歳とっていくうちにあの坊
ちゃん相手にも力負けするようになってきちまったし、身体は丸っこくなってきちまった
し。……胸は腫れていてーし」
 ハンガリーは顔を歪めてうっすら涙を浮かべた。情けない顔をしている自覚はある。そ
んなものを見せたくなくて、ハンガリーはトルコの胸に顔を埋めた。トルコはそんなハン
ガリーの頭を撫でる。
「マジャールを責めてやるなよ。あいつぁ、おめーが周りの野郎どもに狙われることを心
配してやがった。どうすりゃいいか悩んだ結果が、男として育てるってことだったんでぃ

 あいつも極端すぎるよなぁ。トルコは努めて明るくカラカラと笑う。
「……トルコ。はっきり言ってくれ。俺は男なのか?」
 今にも泣きじゃくりそうな震えるその声に、トルコはいつにもなく真剣な顔になる。
「お前は女だ」
 そしてその幼い体をぎゅっと抱きしめた。

「……とまあ、おじさんにかかったらこんなもんよ!」
 風呂文化の伝来、イスラム特有の割礼文化、ハンガリーの国花のひとつのチューリップ
や食文化の代表であるパプリカを送り、考察によると遊牧民族的な意味でおそらくマジャ
ールとも面識のあるという、あまりにもフラグを立てている仮面の男はもはや自分が勝者
だと確信していた。いったい何の争いなのかは本人たちにしかわからない。
 オーストリアとプロイセンが歯ぎしりし、ギリシャがハッと鼻で笑う。
「トルコ、オチがまだだ。この話はやんちゃなハンガリーを御しきれず、事あるごとに構
っているうちに力が低下し、結果衰退の道をたどってしまうっていう、オチ」
 形勢は逆転した。
「女性ひとりを御しきれないのであってはあなたがきっかけという選択肢も消えましたね

「なんだよオッサン、情けねぇな。オスマンが聞いて呆れるぜ」
「ざまあwwwwwwトルコ氏ねwwwwwwwww」
「おい、ギリシャ。てめぇ、どっちの味方でぃ!」
「ん、トルコの敵」
「だろーなー!」
 先ほどトルコがちゃぶ台返しの要領で会議用の長机をひっくり返したためにいろいろな
ものが散乱している室内で、四人は火花を散らしながら仁王立ちしていた。
「というか、こういう座談会的なものはにこやかに話を進めるものでしょう。なぜこうも
ピリピリしなければならないのです」
「あったりめぇだ、バーローめ。昔ドンパチしあった連中揃えてニコニコ笑いながら話が
できるかってんだ。そろそろ俺をEUに加えてくれ」
「ん、それはない」
「無理ですね」
「俺にはその手の発言権すらねーからな。弟に言え」
 数分前の威勢はどこへやら、トルコは部屋の隅で項垂れる。
「やっぱり俺しか可能性はないと思う」
 今度は自分のターンだと言わんばかりにギリシャは続けた。


■ ギリシャだよ派(歴史的土洪希同居説派)
   └─ 紀元前に戻って本気を出したよ派(タイムトリップ派)

「……おい、何やってんだ」
 ハンガリーはなにやら布に包まれたギリシャを見つけて声をかけた。最近トルコの屋敷
で一緒に暮らすようになったギリシャだが、ハンガリーはまだ彼がいったい何者なのか測
りかねている。歳は自分と同じか少し年上くらいだが、のんびりでぼうっとしていること
が多く、何を考えているのかわからないのだ。
「ん、タイム風呂敷に包まれてる」
「タイム風呂敷ぃ?」
「そう。古代ギリシャの神ドラ・エモンヌスによる発明品」
「わけわかんねぇ……」
 そうこうしている間にチーンという音が鳴り、ギリシャはばさりと風呂敷をはためかせ
それを身体から剥いだ。しかしその風呂敷の中から現れたのはギリシャ彫刻を思い起こさ
せる肉体美の美男子。大事なところもなにもかも丸出した。その足元にギリシャが着てい
た子供用のチュニックが落ちている。
「…………」
 ハンガリーは言葉が出ない。当たり前だ。いきなり肉体年齢二十歳前後くらいの青年が
真っ裸で目の前に現れたのだ。
「びっくりさせてすまない。俺はギリシャだ。ちょっと紀元前まで戻って本気出してみ」


「はいはいはい! ちょっとお待ちなさい!」
「ねーよ、これはねーよ!」
「古代ギリシャの神ドラ・エモンヌスっていったいなにもんでぇ!」
「よりにもよってなぜ紀元前に戻って本気を出したよ派(タイムトリップ派)を選択する
のですか!」
「ん、重要なのは意外性だってソクラテスが言っていたような気がする」
「ソクラテスはそんなこと言いません」
「アポロンによる神託だったかもしれない。デルポイの神託は確実だ」
 神様だったら仕方がない。もはやツッコミは諦めた。
 延々と妄想をぶつけあった四人はすでに疲労していた。
「ああだこうだ言っても仕方ありません。もう誰がきっかけであるのかは静かに審判の時
を待ちましょう」
「ん、じゃあ、帰って寝る」
「おう、じゃあな、坊主ども。俺の娘になんかしたらただじゃおかねぇからな」
 オーストリア、ギリシャ、トルコが退室していった会議場の中、プロイセンはひとり佇
む。初っ端に真っ向から可能性を否定されたことを引きずっているのだ。
「ちぇっ、なんだよ。俺だって幼馴染で胸まで揉んだんだぞ、このヤロー。……ん? な
んだ、これって裏面まであるのか」
 そういえばおかしなところでチャートの線が途切れている。プロイセンは資料を裏返し
た。


├― 姐さん本人だよ派(自分で自覚したよ派)
|   ├─ プロイセンに胸を揉まれたときに実は気付いたんだよ派(プロイセンがフラグを立てないなら代わりに姐さんが立てるよ派)
|   ├─ やっぱり普通自分で気付くよ派(経年成熟派)
|   └─ 趣味の本を読んでたら気付いたよ派(メッカだよ派)


「趣味の本? あいつの趣味ってなんだ。あの男女のことだから格闘技とかレスリングか
何かか。まあ、そりゃそういう本読めば身体の構造の違いは自覚するよな。経年成熟派っ
て夢がねぇな。それから……」


■ 姐さん本人だよ派(自分で自覚したよ派)
   └─ プロイセンに胸を揉まれたときに実は気付いたんだよ派(プロイセンがフラグを立てないなら代わりに姐さんが立てるよ派)


 プロイセンにポロリと弱音を吐いた城門の前で、ハンガリーはひとり佇んでいた。
 顔を伏せてぐっと胸のあたりを掴む。マジャールの言葉を鵜呑みにしていたが、なんと
なく気付いてはいた。あの時プロイセンに胸を触られた際、彼のその表情からそのことを
確信した。
「ああ、俺ってやっぱり女なのか」
 肩をすくめて苦笑いしながらその場に座り込む。空に流れる雲を見上げながら、背後か
ら伝わってくる気配に声をかける。
「おい、隠れてないで出てこいよ」
 居心地悪そうにしていたプロイセンがハンガリーの隣に腰掛けた。
「聞いてたろ、さっきの。それにお前もあの時気付いたんだろ」
 あっけらかんというハンガリーに、プロイセンはかける言葉が見つからない。ハンガリ
ーは続けた。
「もうお前と遠乗りするのも無理かな。女が剣持って戦場走りまわるのも変だよな。こん
な鎖鎧なんか着てちゃダメなんだよな。言葉遣いだって」
「そんなこと!」
 反射的に声を荒げたプロイセンだが、すぐに消沈してしまう。ハンガリーは無言でプロ
イセンを促した。
「……そんなこと、ねぇよ。今まで通りでいいだろ。お前がスカートはいてるところなん
て想像できねぇよ。馬に乗って剣振りまわす女だっていいじゃねーか」
 だから、今まで通り俺と一緒に。
 ハンガリーは笑った。晴れやかな笑顔とは言えない、どこか寂しそうな顔だった。
「そっか。そうだな。今まで通りでいいよな」
 二人の間に風が吹く。ハンガリーはふいと視線を泳がせて、
「ああ、胸が痛くて仕方ねぇや」
 そうつぶやいた声は少しだけ震えていた。


「……なんてな。って、あれ? 自分の妄想なのに自分でフラグへし折ってねぇ? まあ
、いいか。……ん? まだなんかあるな。付箋で隠してある。ええっと、最後の派閥は…
…」


└─ 実は俺だよ派(ハンガリーさんは俺の嫁派)



おしまい




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