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 ブリタニアエンジェル様の奇跡

【メインCP】子供化イギリス?×セーシェル
【傾向】ラブラブ+アホエロを目指して挫折気味、今回はちゅーまで。
【その他】
>>144のネタを使わせて頂こうと思ったら、アメリカが暴走して何故かイギリスが子供化(15〜6歳)したブリ天ネタです。
学ヘタ台本要素あり、ラブラブだけどアホい。 
あとセーちゃんが、イギリス好きすぎてアホシモい。なんかごめん。



 「…なあ、お前、一体俺のなんなんだよ?」

 少し高くて耳慣れない、でも不思議と聞き覚えのあるような声に、私…セーシェルは、軽く瞬きをした。
目の前には、ベッドに座り少し不機嫌そうな顔をする、明るい麦わら色の金髪に翠の瞳の男の子。歳は15、6、くらいの。
顔は…イギリスさんという人をそのまま小さくしたかのような…えーとすいません、ぶっちゃけ彼本人です。
この男の子、子供の頃に戻ってしまったイギリスさんなんです。

どうしよう、これ。


 7月4日。
世界一の大国・アメリカさんのインディペンデンスデイ。
彼の独立…誕生日を祝う会場の入口で、私はぼとり、と、リボンの巻かれたお祝い品の冷凍カジキマグロを取り落とした。
私のみならず、会場中の誰もが、騒ぎの中心をあっけに取られた顔で見つめる。

 「ちょっと君、一体何を考えているんだい!?」
ドン引いた顔でどたばたと会場中を走り逃げ回るのは、本日の主役であるアメリカさんその人。
そして、それを追い掛け回しているのは、
 「べははははは!!祝いの余興に、奇跡、見たいよな!!!」
背中に羽根を生やして、金の輪っかを頭に乗せ(っていうかあれ浮いてる)、神話でしか見ないような白い一枚布を
肩から流して器用に纏い、編み上げのサンダルを履き、先っちょに星のついた変なステッキを掲げ持った、

―要するに、スタンダードな天使そのものの格好で、物凄くいい笑顔を浮かべた、
……こっ、…恋人の、イギリスさんの姿だった。 どうしよう死にたい。


 イギリスさんという人は、私の元宗主国で、…いろいろあって、今は私の恋人。(現状リアルタイムでは全力で否定したいけど)

 元弟であるアメリカさんの独立記念日が近づくこの季節になると、毎年盛大に体調を崩していて、
付き合うようになってからは、べそべそに凹んでいる彼を何とか宥めすかして甘やかして、
パーティー会場に引き摺っ…もとい、連れ立って行くのが例年の習慣になっていたんだけど、
今年は少し具合の良さそうな顔で「今回は大丈夫だ」と笑ってたんですよ。
気持ちに整理がついたのかな、と少し安心して、今年は会場で落ち合うことになっていたのだけれど。

 「ブリタニアエンジェル様の奇跡舐めんなよ!! お前をちっちゃくて可愛かったあの頃に戻してやんぜぇええ!!」
 「や〜なこった☆ っていうか頭は大丈夫かい君!?」

 私や他の植民地だった国(ひと)たちと違って、文字通り小さな頃から育てたアメリカさんの独立は、彼の最大級の
トラウマになってしまっているようで。 どうやら彼の思考は、整理がついたのではなく、凹む余り右斜め上23.4度、
残念な方向にきりもみ大回転を起こしてしまったらしい。あああ。

 天使化した彼の、ある意味切実な叫びを聞いた各国の人々も、微妙ーな表情で、生温い視線を向けている。
でもってその視線は、何となく私にも向けられている気がする。っていうかすごく向けられてる。
こっちは何か気の毒なものを見る目で。
拝啓、おじいちゃん。お元気ですか。私は元気です。でも今、ものすごく切実にそっちに帰りたいです。
遠い目で思わず現実逃避をした私を、誰が攻められようか。いや、ない(反語)
今、公衆の面前で天使の格好して(しかもちゃんと羽根がぱたぱたして若干地面から足浮いてるし、一体どういう仕組みだ)、
元弟を追い掛け回してるあれが、私の恋人なんです…なんて言えない。…結構周知の事実なんだけど。
穴があったら入りたい、無くても掘って埋まりたいとはこういうことか。…ああああああンの馬鹿眉毛ぇえええ!!
私ってばなんであの人好きになったんだろ…ううう。

 そして、…悲劇はそこで終わりませんのですよ…。

 「観念しやがれ!!ほぁたっ!」
 「HAHAHA甘いよッ!ヒーローバリアー!!」

 何とも気の抜ける掛け声に呼応するように、星型のステッキから光が吹きだす。
(あれ魔法…なの?マジで?)
咄嗟に会場の隅にあった予備のテーブルを跳ね上げて、その後ろに素早く隠れるアメリカさん。
(突っ込んじゃいけないんでしょうが、…その、…ヒーローバリアて。)
テーブルの表面は、鏡のようにつるつるの滑らかさで、そのきらきらした光を弾き、弾かれた光は放った本人の元へ。

 ぼふんっ!!!

驚いた顔の天使の彼が、そのまま七色の煙に包まれた。

 「イギリスさんっ!?」
 「…あれ。い、イギリス…?」

 思わず叫んだ私に、見守っていた各国の皆さんも、一様に息を呑む。
テーブルの陰から顔を出したアメリカさんが、頬をひくりと引き攣らせる。…すごくすごくアレな予感。
不可思議な色の煙が薄れると、其処には果たして、

 「…なんだ?どこだ、ここ?」

裾がずるずるになった白い布を辛うじて身につけた、少年の姿になったイギリスさんがいた。

 (ちょ、…イギリス、おま、ぶははははははははははは!!!!)
 (セーシェル!君の恋人だろ、悪いけどこの元馬鹿兄の面倒見てやってくれよ!!)
 (以前、韓国さんのときは効力は数時間でなくなりましたし、心配ないですよ。
イギリスさんもあなたと一緒の方が落ち着くと思いますから)

 調理場を手伝っていたところで騒ぎを聞きつけ会場にやって来て、現状を見るなり爆笑するフランスさん(小さなイギリスさんが
唯一認識出来た相手らしく、すぐさま「なんだよ笑うなばかぁ!!」と、身軽な飛び蹴りをお見舞いされていた)、
自らが起こした予想外の事態に、らしくなく慌てるアメリカさん、孫を見守るかのような優しい瞳で微笑む日本さん…彼らに促され、
私は訳が分からない、という顔をした小さなイギリスさんの手を引いて、ざわつく会場を後にし、ホテルの部屋へと逃げ出した。
体良く面倒を押し付けられた、んだけど、まあ元から同じ部屋割りだったし、傍にいたかったし、というか…ごにょごにょ。

 ちなみにイギリスさんの服は、天使の時の白い布を、日本さんとハンガリーさんがその場で繕い、魔改造して、
即席のキモノのように仕立ててくれました。ニューヨーク市街のど真ん中でキモノは場違いだろうけど仕方ない。
パーティー会場からホテルが近かったのも不幸中の幸い。
それまで着ていた服は多分会場の何処かにあるんだろうけど分からないし。
っていうかどこで天使にジョブチェンジしたんだろうこのアホ眉毛。 はあ。

 「…イギリスさん、着きましたよ」
 「っ、いい加減離せよ!」
 部屋に着くなり、引っ張っていた手を振り払われて、私は改めて、彼を振り向く。
むすっとした顔は、当然ながら彼の面影がありまくりで。
割と問答無用な感じに引っ張って来たから、多少なりとも混乱してるんだろうなあ。記憶ないっぽいし。
普段なら、私よりも頭一つ分くらい高い彼の身長は、外見上の歳相応に縮んでいて、今は私とちょうど同じくらい。
うわあ、目線が合う…すごく、新鮮です…!
 「何で俺の名前知ってんだよ!お前誰だ?!」
警戒心剥き出しで怒鳴る姿は、何と言ってもイギリスさんだし、今は子供の姿だしであんまり怖くない。
ていうか、威嚇のために毛を逆立てて、全身けばけばしてる仔猫みたいで可愛…、 
…末期ですね分かります。そうですよベタ惚れですよちくしょー。ちょっと死にたい。

 「私はセーシェルっていいます。あなたと同じ「国」ですよ」
まあ彼が子供になったのは、回り回れば自業自得だし、日本さん家で良くあるタイムトリップものじゃないし、ってことで自己紹介してみる。
 「セーシェル?…聞いたことないぞ。何処だ?っつか、何であのワイン野郎訛りなんだよムカつく」
訝しげな表情。ああ、私が生まれる前まで若返ってるらしい。うーん、でも実際どのくらいの頃なんだろう?彼の歴史はとても長い。
長生きな分、いろいろなことがあったのは私も分かってるし、割り切ってるつもり……女性遍歴とかもね。
何人と関係してよーが気にしてねーですよ!!世界に誇る(や、誇れないけど)変態エロ眉毛紳士だしキスが上手い国1位だし!
でもこちとらアンタが初めてなんですよこんにゃろーめ!!

 …すいません話がそれました。閑話休題。
現状を喋ってもいいのかな。…本人が若返ってるだけだし、教えることで歴史が変わるとかはないよね。うん。
 「あなたはもう大人で、だけど今は…えーと、ブリタニアエンジェル…?の力で、若返ったんです」
 「若返っ…?」
 「はい。今のあなたの認識で例えてみたら、ここは未来の世界…ってことですかね」
考え込む小さなイギリスさん。ブリ天へのジョブチェンジはもうこの頃から出来てたんだろうか。
そういえば、生まれたばかりの頃から妖精は見えてたって言ってたなあ。
アホだと思うけど、彼の不思議な能力は一応認めてあげてるんですよ。ブリ天はねーだろって思うけど。
でも、今のこの姿でなら天使の姿も可愛いかm…エフンエフン。

 ぽすり、とベッドに腰掛けた小さなイギリスさんが、「なあ」と再び私を呼ぶ。そして、冒頭の台詞。

 「…なあ、お前、一体俺のなんなんだよ?」

 えーと。
改めて本人に言うのはちょっと、いやだいぶ恥ずかしい。 ええと、うん。けどまあ、一応。
あんなアホなことしてなければ、…<小声>好きなんです、イギリスさんのこと。黙ってればかっこいいし。</小声>
あんなアホなことしてなければ。あんなアホなことしてなければ。
ブリ天とかパブってGO!とかほんとアホじゃないですか。大事なことなので3回も言っちゃいました。

…だから、子供になった、私の知らない時代のイギリスさん見れて、ちょっと、いや結構、得したっていうか。
 「私は…あなたのことが大好きな、あなたのこいびと、ですよ」

 えへへとはにかんで呟く。あーあもう、何だかんだで末期過ぎるだろ私ってばよ!
言ったそばから恥ずかしくなって、照れ隠しに部屋に届いていたイギリスさんのスーツケースを、勝手知ったる何とやらで開ける。
流石に布切れ1枚は何とかしてあげたい、けど、今の彼に着られるような服はあるかなあ?と探すつもりで。
…あれ、反応が返ってこない。んん?
不思議に思って小さなイギリスさんを振り向くと、


彼は、林檎やトマトもかくや、という勢いで、耳まで真っ赤になっていました。


 「…えええいいいいぎりすさん???」
 ちょ、その反応は想定外ですよ!天下の大英帝国、イギリス様ともあろうものが、何でこんな一言でそんな照れるんですか!?
止めて下さいよこっちまでつられて照れるじゃないっすか!!

 でも、その照れた気持ちは、小さなイギリスさんがおそるおそる、といった風に発した言葉で、どこかへ飛んでいってしまった。


 「お、お前、俺…俺の、こと、…好きに…なってくれる、のか…?」

 あんまり不意打ち過ぎて、胸がぎゅうっとなる。ああ、もう。
思わず、彼の隣へ駆けて、その勢いでむぎゅっと抱きつく、というか、抱き締める。
「うひゃあ?!」と酷く慌てた声が上がったけど気にしない。
腕を回した、いつもの大人の彼なら広いその背中が、とても小さい。
今なら、私と同い年くらいに見てもらえるのかな。外見年齢だけだけど。

 昔、フランスさんから少しだけぽつりぽつりと聞いたことがあった、イギリスさんの過去。
周りはいつも敵だらけで、お兄さんたちからも受け入れてもらえなくて、彼はずっとずっと独りぼっちだったという。

 この小さなイギリスさんは、その頃、の。

 その後にやっと出会ったのが小さなアメリカさんで、イギリスさんは独りを怖がるように彼を愛して、愛して。
愛し過ぎて押し付け過ぎて、独立されてまた独りになって。
今度は、自分から周りを遠ざけて、孤立して。

それは、また独りになるのが怖かったから、ですよね? 人一倍の寂しがり屋のくせに。

そして、それら全てのことを飲み込んで、その上で、私を好きだと言ってくれたイギリスさん。


 「このばかまゆげ」
 「えっ?」
小さなイギリスさん(キレイな翠の瞳が少し潤んでる)のおでこに、少し伸び上がって、ちゅうと口付けると、
ぶわああっと首元まで赤く染まる。 ああもう眉毛のクセに可愛いなあこのやろー!!
 「あなたは私と初めて会った時、初対面でいきなり人の首に首輪つけやがったんですよ」
 「はあ?く、首輪!?」
 「こき使われまくりで、何度下克上してやろうと思ったか。対人関係築くの、不器用にもほどがありますよ」
 「えええ、?」
 「でも、あなたのおかげで美味しい紅茶の淹れ方を覚えました。…好きだって言ってもらえて、嬉しいと思う気持ちももらいました」
今の彼よりも大きな瞳をぱちくりして、驚いた顔をする小さなイギリスさん。
老大国である彼を支えるには、歴史も浅い小さな国の私ではとても役不足かもしれないけれど、そんなこと今は関係ない。
今は魔法で小さくなっただけでも、過去の彼にも届くように、と、精一杯の想いを告げる。
 「未来を信じて下さい。心配しなくても、私が沢山、目一杯、あなたのことを大好きになります。なりますから」
大丈夫です。あなたは一人じゃないんですよ。イングランドくん。
そう囁くと、小さなイギリスさんは、また少し潤んだ目で、ん、と頷いて、…私たちはどちらからともなく顔を寄せ合って、キスをした。

 薄い下唇をそうっと舐めると、背中に回っている彼の手のひらがぎゅうっとなって、おずおず、といった感じで舌を絡め取られる。
気持ち良くて、背中の方がぞわぞわっとする。
キスの上手さはこの頃から健在ですか…何かちょっと癪かも、なんて思考もだんだんと散漫になってく。
ちゅく、と音を立てて唇が離れると、銀色のものがつうっと糸を引いて光るのが見えた。うわ、恥ずかしい…!
でも、目の前の彼の方が、もっといっぱいいっぱいな顔をしていて、そのギャップに目を瞬く。

 「あ、の、俺、…こういうことすんの、は、初めて、…なんだけど」

 うっそだあ〜冗談ぽい子ちゃんですよ初めてでこんなキス…ってえええええええええええええ!!???
驚いた勢いで、思わず肩を押してベッドにぼっすう!っと押し倒してしまった。彼は目を白黒させている。

 「わ、悪かったなばかぁ!今までそういう相手いなかったんだよ!」
 「いやいやいやそうじゃなくて!え、ちょ…マジですか!?」
 「何度も言わせんじゃねーよばかぁあああ!!」

あ、涙目。可愛い…じゃなくて。
これしちゃってもいいのかな、歴史変わったりとかしねーですか!?

 「お、お前は…何か、見た目の割に、慣れてそう…だけど、よ…」

 恥ずかしそうに目を逸らす、小さなイギリスさん。
普段の彼ならば気味悪いことこの上ない仕草も、今の小さな彼がやると以下略。
いやいやいや、えっと、私の初めても、ココまでいろいろ仕込んでくれたのも間違いなくアンタですよ眉毛。勿論今じゃないけど。
こちとら初体験だってのに、最初から最後までクライマックスでエロいことされまくりましたが何か。
今現在私がこんなにエロいことにリベラルになってるのも確実におめーの影響ですが何か問題でも!?
……と思ったけど、恥ずかしそうな彼が存外可愛いので、それは言わずにおく。
処女崇拝だとかそんなキモい思考は勿論ないですけど、ものっそい年上のイギリスさんの『初めて』を奪えるとか、
これはなんかすっごいことじゃないですか!?
あ、ちょっとわくわくしてきた…実際の彼が未来に来てるわけじゃなし、これはノーカンですよね神様!

 うふふふふ、と口から漏れた笑いに、イギリスさんがちょっとびくぶるしてる。わあ可愛い。

 「だいじょぶです、私と一緒に、気持ち良くなりましょう?」

 再び、耳まで赤く染めあげた彼が、こくりと頷く。
うあーもーイギリスさんにもこんな初々しい時代が…!という妙な感動で、私は再び彼をむぎゅっとした。




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