ブリ天様の奇跡・後編
「ん、ふ、ぅ…」
「…ん、」
くちゅ、と深いキスを繰り返しながら体勢を入れ替えて、今度は私がシーツに背中をつけた。
熱に浮かされるように、両脇に手をついて私に覆い被さってくる体勢はいつもの通りなのに、
イギリスさんだけがいつもと違っている。
私が今着ている服は、カジュアルだけどドレスコードもクリア出来る、薄青色のワンピース。
大人のあなたの好みで、あなたが私に買ってくれたんですよ、って目の前の彼に言ったら、どんな顔をするだろう。
「んぅ、あ」
絡めていた舌を解くと、彼はそのまま唇を滑らせて、二つに結ってある私の髪のリボンを、歯と唇で
器用に解き始める。
うわあさすが未来のエロ大使。
そうして、解けた私の黒い髪の束を、今度は指先で掬い上げて、目を伏せ唇を寄せる。
手の甲にキスする時みたいに。はわああ。
やば、ぶっちゃけ言うとときめきました…キスより恥ずかしい。照れる。でもかっこいい。
…やっぱこの人、小さくても紳士だ。 エロいけど。
スカートを触りながら「…あのさ、これ、どうやって脱がすんだ…?」なんて可愛いコトを聞いて来る
もんだから、ああ、ワンピースとかなかったのかな?と思って、背中にあるファスナーの場所を教えて、
脱ぐのを手伝ってもらったりして。
時代考証なんてわかんねーですよ。
こくんと喉が鳴る音が聞こえて、彼も興奮してくれてるんだなあと思うと、すっごく嬉しくなったり。
飲み込み切れなくて顎を伝ってく唾液を、彼がおずおずと舐めとっていく感触がくすぐったくて笑う。
いつも、大人の彼にはリードされっぱなしだから、何か楽しい。
手練手管がとにかくすごすぎて、私の方がいっぱいいっぱいになっちゃうんですよね、あの眉毛との場合…。
…ええどーぞ、淫乱と言って下さって結構ですよ!悪いのはあのエロ眉毛だし!私は悪くぬぇー!
彼の首筋にちゅうと吸い付いて、軽くキスマークをつけてみると、相変わらず余裕なさげだと思っていた
小さなイギリスさんが、負けじと私の耳を甘噛みして来て、うひゃあっと肩を竦める。
…ほんとに初めてなのかこの人?とちょっと思っていたら、イギリスさんがこちらの考えを読んだみたいに
「まるっきりやり方まで知らないわけじゃ…、」と照れたように囁いた。
荒くなった吐息と切羽詰まった表情が、必死さを物語ってる。 うん、可愛…いやいや。
そういえば大人の彼も、やたらめったら時間かけてキスしたり視姦したり、脱がせたりすんの好きなんだよなあ…
…どう見ても変態です、本当に以下略。
あああでも、私ももう人のこと言えないっす。
目の前の小さな彼が、熱っぽい目で私の身体をじっと見てることにドキドキする。
何より、その変態眉毛野郎に惚れてる時点でもう、ね。うん。察しやがれですよ!
小さなイギリスさんが着ているのは、例のキモノっぽいものになった白い布一枚なので、合わせからするりと
手を差し込めば、簡単に脱がせることが出来た。
下着も何もつけてない、滑らかな腰やわき腹を直接撫でると、驚いたようにふるっと震える身体。
(余談ですがブリ天の時からノーパンでした。もうほんと誰向けを主張したいんすかあの眉毛は。
…私向け?冗談じゃねーですよそこは断固として文句言いますよ!
誰が好き好んで恋人のハダカを他人に見せたがりまkwせdrftgすいません電波が乱れました)
小さなイギリスさんも、外見の歳相応に均整の取れた身体つきをしてる。
大人の彼よりは、もちろんまだまだ成長過程っぽい、けど。あ、この頃からもう腹筋割れてたんだ。
前々から、筋肉ついてるけど白くて細い人だなあ、とか思ってたけど、昔はもっと細かったんですねぇ。
素肌を直接合わせて抱き合うと、彼のものが私の脚に触れて、それはしっかり熱く硬くなって存在を主張してる。
触れたことに彼がびくっと身体を竦ませて、あああもう反応がいちいち可愛いったら!
私の身体で反応してくれてるんだと思えば、それは素直に嬉しい。
そんな気持ちのまま、問答無用、とばかりに手で撫で上げれば、「ぅあっ…」なんて高い声上げるし!
イギリスさんは、思わず声を上げてしまったのを誤魔化すみたいに耳を赤くして、私の胸元に顔を埋めて来る。
ぷふふ、仕草が一緒。やっぱり同一人物なんだなあ…。
指で輪を作って、彼のものをそっと包んでみる。んー、大きさはやっぱり、今の彼の方が大き…当たり前か。
形に添って手を上下させると、滲んだ先走りがちゅくちゅくと音を立てて私の手を濡らし、イギリスさんの
身体の震えが大きくなってくる。
「…あ、ちょっ…せー…しぇる、…んっ、」
あ。名前呼んでくれた!声変わりしきってない声で呼ばれるのが、少し不思議な感じ。
わざと、やらしい音を立てるようにして手の動きを早めると、息を乱して頬を赤らめ、太い眉を寄せて
切なげな顔をする小さな彼。むあー可愛いなあ…!
…あっ、誰ですか今痴女とか言った人。イギリスさん限定なんだから勘弁するのです。
ていうかあの眉毛が諸悪の根源なんですぅー!
と。
小さなイギリスさんが、はぁ…、と、何とも色っぽくてエロいため息をつき。(将来有望すぎてこえーですいろんな意味で)
私の褐色の肌とは対照的な白い頬を、そうっと胸に寄せて来て。
鎖骨を舌でなぞったと思ったら、不意に片手で胸を揉みしだかれて、乳首を舐められる。
「ふ、…ゃあっ!」
思わず身体を仰け反らせて声を上げてしまった。うああ胸弱いんですよぅ…!
まだ頬を赤くしたまま上目遣いのイギリスさんが、にい、と笑う。 あああ、何かちょっと見覚えある表情。
そのままぢぅ、と激しく吸われ、もう片方は指でぐりぐり弄られて、思わず扱いてた彼のものから手を離して身悶える。
「や、あぁっ…!!」
うううちくしょう、折角優位に立ってたのに、これじゃいつもと同じ流れになっちゃう…!
可愛い顔して、フロントホックの外し方にも戸惑ってたくらいなのに、この子エロいですよー!
小さいけどさすがイギリスさん、とか言っとくべきですか?
「…ふ、柔らかいのに、ここだけ、硬くなって来た」
「あんんっ!」
いやあああ吸いつきながら喋んにゃあああ!
「気持ち、い?」
「ぁ、んっ…」
「むね、おっきいな…」
余裕ぶってた私が乱れるのが面白いのか、小さなイギリスさんは、嬉しげに笑ったまま、尚も胸をむにむに弄り続ける。
やああ、声止まんない。おっぱい揉まれるの、気持ちいいよう…
くっそうやっぱ本人か!イギリスさんおっぱい魔神だもんな!
私、あのエロ眉毛と付き合い出してから、ブラのカップサイズ2つは上がったんですよ。
(フランスさんがセクハラ紛いにからかってきたので、何気なく報告したら、何か男泣きされました…)
奴の手はマジパネェですよ伊達に世界のお色気担当名乗ってねーです…って何言ってんだろ私。
柔らかい舌が器用に動き回り、絶妙なところをぞろ、と舐められ、気持ち良くて身体が勝手に震える。
おまけに、いつも彼を迎え入れてる場所が、じわ、と疼く。多分濡れて来てる。
ううう、すげーやらしくなっちゃったなー私…。
そこへ不意打ちのように、ちゅくちゅくと音を立てて乳首を吸われ、慣れた音の筈なのに顔が熱くなる。
おおお、さっき音立てた仕返しですかちび眉毛…っ!?よろしい、ならば戦争だ。えーと性的な意味で!
胸を弄ってたイギリスさんの手を取って、人差し指と中指を揃え、ぱくりと銜えてみる。
なるべく、エロそうな顔を意識して。
「ぅ、わっ?」
さっきまでと打って変わって、ぱあっと赤く染まる頬。うんうん、この反応はやっぱ初々しくて可愛い。
大人の彼のものにいつもするみたいに、唇を窄めて舌でなぞり、唾液を絡めてちゅぷちゅぷ、と吸い付く。
目が逸らせないのか、すっごく見つめられてる。
彼のも舐めてあげたら、こんな風に吃驚して真っ赤になるかな?それともまだ刺激強いかな、とか、
ピンク色に染まった頭で、埒も無いことを考える。
こんな可愛い反応するなら、全身舐めてあげたいなあ、なんて。
指を舐めながら、膝を立てて脚をM字に開いて、動かないイギリスさんの身体を両脚で挟み込む。
そうして、濡れた音を立たせて唇から引き抜いた、唾液の糸を引く指を、そのまま私の脚の間に引っ張っていく。
わあああ我ながらすっごい恥ずかしいことしてる…!対眉毛ならば、確実に私死亡フラグ!
「え、ちょっ、あの、」
でも、目の前にいる、動揺のあまり、あうあう、と意味不明なことを言いながらじたばたするのは、
小さくて可愛いイギリスさん。 おああ可愛いなあ新鮮だなあ…!いつもは逆だもんね!
つつ、と、彼の指を使って、襞をなぞる。
くちゅ、とやらしい音が響いて、ふああ、どうしようやっぱすごい濡れてるよう…。
「ここ、女のコの、一番大切なところですよ…」
身長が同じくらいになったからか、いつもより距離が近いイギリスさんの耳元に、
はあっと吐息を吹きかけて、囁く。
水揚げされたカジキみたいに、びくん、と身体が跳ね上がった。よし、ダメ押し。
「…ね、さわって…?」
ナカに、つぷっと細めの指が埋まるのを感じながら、手を伸ばして、硬さを増したイギリスさんのに指を絡める。
今度は抵抗されなくて、むしろ逆に、手に押し付けるようにされた。可愛い。
「ぁ、」
「ぅんんっ」
部屋の中に、濡れた音が響き出す。
「…中、アツい、な…っ」
「イギリス、さん、のも…」
「ぬるぬる、してる…」
ちゅくちゅく、ぐちゅぐちゅ。
えっちな音が大きくなるにつれて、お互いの呼吸も荒くなって来てる。ううう、きもち、い…
小さなイギリスさんの頬は相変わらず赤くて、翠の瞳は快感にぼんやり溶けていて、感じてる、えろい顔。
私もおんなじような顔してるかな。だんだん私の頭もぼーっとして来た。
心臓はずっとドキドキ鳴ってて、すっごくヤラシい気分。
はあはあ、と荒い吐息で色づいた彼の唇に、同じものをすり寄せてちゅうと吸い付くと、
すぐにエロい舌が絡んで来て、くちくち、と粘着質な音が増える。
不意に私のナカをかき回す指が抜き取られて、両肩を掴まれた。
ぷあ、と唇を離したイギリスさんが、眉根を寄せてぎゅうっと目を瞑る。手の中のものが震える。
「ん、……せー、しぇ……も、出る、から…っ!!!」
「うん、イって…?」
縋りつくような可愛い仕草に、私は扱く手を早める。えへ、すごく気持ち良さそうで嬉しい。ぐちゅぐちゅ。
「く、ぁ……んんっ…っ!!!」
高く擦れた声と同時に、ドプ、と吐き出された白濁のもので、手の中が熱くなった。
イく瞬間の顔もばっちり見ちゃいました。可愛い…!
そのままきゅぷきゅぷと扱いて、残りも出させてあげる。
熱を開放したばかりなのに、まだまだ硬いまま。
目を潤ませて、全力疾走した後みたいに、ぜえはあと荒く胸を上下させるイギリスさん。
「ご…め、俺…だけ、…さき、に、」
真っ赤な顔のまま、涙目で、眉を下げた恥ずかしそうな顔…
我慢して押さえてた何かがぷつっと切れた。ふわああもうダメ、身体がアツいよ…!
「イギリスさ、イギリスさんっ」
小さな背中に腕を回して、ぎゅうと縋りついた。彼の細い腰に両足を絡めて、濡れた内腿を擦り付ける。
「いぎりすさんおねがぃ、…わたし、ナカ欲しいのっ、…挿れて下さ…っ」
あうう、とうとう言ってしまった。
我ながらこれは流石に恥ずいぜ…!淫乱って思われたかな…
でも、相手は小さいとはいえ、イギリスさんだもん。しょうがないよね。
身体の奥がじくじくと疼いて、全身が彼を欲しがってる。気持ちイイの、欲しいよう。 あああ。あ。
「…っ、セーシェルっ…!」
切羽詰まった高めのイギリスさんの声。
今までにない乱暴な仕草で、両膝を大きく開かされる。
覗き込んで来た翠の瞳がキレイ…、と思った瞬間、
身体のナカに、溶かした鉄みたいに熱くて硬いイギリスさんのが、容赦なくずぷずぷはいってきた。
「ぁ、あっ、ふああああああ…っ!!!」
思わず声が出ちゃう。…えと…、
あんまり良くて、挿れられただけで軽くイってしまいました…あうあう。
でも、目の前のイギリスさんも、すっごく無防備に気持ち良さそうな顔してる。うわ、嬉しい。
そのまま勢い良く揺さぶられ、奥までずんずん突かれて、気持ちよくて勝手に口から声が零れてく。
「あ、あんっ…あぅ、ぁっあっ!」
「っ、セーシェル、セーシェルっ」
「あはっ、あ、あっんんっ!」
大人の彼なら、私が落ち着くまで動くのを待ってくれるんだけど、そんな余裕はないみたいで。
イギリスさんも、やっぱ初めては全然余裕なかったんだなあ…。
体全部で求められてるみたいで、何だか胸がいっぱい。
「あ、あっふ…ぁっ」
ナカをぐちゅぐちゅ掻き回されると、声が止まらなくなる。
「あぅ、ん、は、…んんっ」
濡れた音に絡まって、肌がぱちぱちぶつかる音がやけに性急で、私の身体もだんだん溶けてく。きもち、いい。
抱かれるたびにいつも思う。繋がったところから、一つに溶けてしまえればいいのに。
「セイ、セーシェルっ…」
イギリスさんのちょっと震える声。ん…何か不安になったの、かな?
自分の初めての時を思い出して、私は、大丈夫、と彼に微笑んでみせる。大人の彼にしてもらったみたいに。
「…ふ、ぅ…、…気持ち、い…です、か?」
「っん、すご、…イイ、け、ど、」
こくこく頷くけれど、へにょ、と必死で泣きそうな顔。息は荒くて、くちくち、と音を立てて動き続けてる腰。
「…ごめ、せー、しぇ、…おれ、止めらんな、…」
…、私の心配をしてくれてたみたい。 …あああもぉー!可愛いなあー!
「…だいじょ、ぶ、ぁ、わたし、も、すっごく、…イイです、から、」
囁いて、思いっきり抱きしめると、また揺さぶる動きが早くなる。
耳の中を舐められて胸の先っぽもまたぐりぐりされて、
繋がってるところのすぐ上にある芽もきゅうっと摘まれて、あ、あ、や、それ、だめぇ、ああああ。
「セーシェル、せーしぇるっ…!」
「あっ、ん、イギ、リス、さっ…あああああああっ!!」
一番てっぺんまで上り詰めて、頭の中が真っ白になるのと同時に、身体の一番奥で、熱いものがどくっと弾けた。
いつもの、じんわりした甘い甘い倦怠感。
はふ、と肩で荒く息をつきながら、繋がったままのイギリスさんに軽く口付けると、同じように息を乱した
彼がすり、と擦り寄ってくる。
重なった胸から、どくどくと鼓動が速いのが伝わってる。
「…これ、…こんな気持ちい…なんて…知らなかった」
「ふふ、…そう、ですか?」
こくり、と麦わら色の頭が上下する。近くで見ると、びっくりするくらい睫毛が長い。
ああー…イギリスさん、こんな素直で可愛い良い子だったんですねぇ…。
それが今や立派(?)な変態エロ眉毛紳士だし、時の流れってもぐもぐ。
思わず髪に触れて撫でていると、彼の輪郭が、おぼろげに光を帯びて来た。
「あ…、」
そろそろ、“奇跡”のタイムリミット。
「…せーしぇる、」
「はい。なんですか?イギリスさん」
リミットが迫ってることに、彼も気がついたようで。
迷子になった子供みたいな顔で、小さなイギリスさんが顔をあげる。
そして、意を決したように、
「…大人の、俺って、…幸せに、なれてるかな…?」
ああ。私、ちゃんと笑えてるかな。泣きそうな顔なんて見せたくないのに。
大丈夫、大丈夫ですよ。溢れる想いのまま、耳元に囁く。
過去の彼に届けられるように。
「…未来で、待ってますから」
潤んだ翠の瞳を驚いたように瞬かせた小さなイギリスさんは、やっぱり、ん、と頷いて、
ふにゃりと酷く子供っぽい笑顔を見せた。
愛しさに駆られて、目の前の彼を再び抱きしめる。
小さなイギリスさんは、そのまま光に包まれた。
「あ…っ!」
眩しさに思わず目をぎゅうっと瞑る。
と。
「…ぅわっ!?」
耳に届いた、聞き慣れた大好きな低い声。
それと同時に、腕を回していた身体が、背中が、広く大きくなり。
私のナカにいた彼のものも、物理的に相対的に、ずくっと太く大きくなって。
「あんんっ!」
…思わず喘いでしまいました。
……うん、えーとえーと、すいません。不可抗力とはいえ、やっぱ私も変態決定。 死にたい。
「…ぁ、れ?セーシェル?…え、あ?何、俺、なんで…?!」
光が収まり目を開ければそこには、大人に戻ったイギリスさん。
ほんの数時間の間の出来事なのに、すごく久し振りに逢った気分。
ぽかんとした顔の彼の後ろには、多分「ドサクサ妖精」が大根持って大量に通り過ぎてる。
――え、それ何って?「魔○陣グルグ○」でググれ。ですよ。
そりゃーそうですよね、イギリスさんの認識的には、アメリカさんの誕生パーティー会場にいたのに、
気がついたらいきなりホテルのベッドの中(しかもえっち真っ最中)にぶっ飛んで来た、ってとこですもんね…
…ブリ天仕様のおかげで素っ裸はデフォでしたけど。
あああいやいや、そこは今問題でなくて、えーと、何て説明しよう。
ことのあらましを、筋道立てて考えようとした私の思考は、――イギリスさんが思わず腰を引いたことで霧消する。
繋がったままだったところが、ぐちゅん、とやらしい音を立てて、や、う、待って、動かないで、さっきまでのが…っ
「ふぁっ!…いぎり、すさっ、ぁっ」
「…んっ、せ、ーシェル、お前っ、?」
思わずナカでぎゅう、と彼を締め付けてしまうと、瞬く間に硬さが増した。うにゃああぁ、と変な声が漏れる。
さっすがエロ眉毛紳士、だけど、ちょ、待って、やん、ぉ、おっきくしないでぇええ…!
再び霞みがかった頭で、回したままだった腕で彼を引き寄せ、抱きしめる。
馴染んだ彼の吐息、背中の広さ。
小さなあの彼は、大人になったらこんなに大きくなるんだ、と思ったら、何だかたまらない気持ちになった。
このヒトは、あの小さな彼じゃないけど、とにかく伝えたい。
ごめんなさいイギリスさん、私これから意味不明なこと言いますよ。
「やっと、会えました、ね…」
大好きな人の耳元で、そんな風に囁く。
抱きしめた拍子に、彼のものがまたずく、と最奥を叩いて、ふぁあと甘い声が零れた。
イギリスさんはやっぱりあったかくて気持ち良くて、からだがまた、中心からどろどろに溶けてく。
すると、突然がばっと身体を離されて、シーツに両肩を押し付けられた。
や、ちょ、待って、そんな急に動いたら、いやあぁ…!
絶賛エロエロ方向に溶けた頭で、うにゃうにゃと悶えていると、ぱたた、っと上からほんのり暖かい水が降って来た。
…う?あれ?ここ室内…と、ピンクがかった思考が少しだけまともになる。
不思議に思いながら目を開けると、
大人のイギリスさんが、泣いていました。
……うええええええ今度は何ーーーっ!?
「…え、え?いぎりすさん…?」
無表情のまま、透き通った翠の瞳から、ダムが決壊したみたいにぼろぼろぼろっと大粒の涙を零すイギリスさん。
頬がだんだんと赤く染まっていく。その顔が、表情が、さっきまでの小さな彼と、重なる。
…え、?…まさか……?
「……夢だけど、夢じゃなかった」
酷く掠れた小さな声で囁いたイギリスさんは、そこでくしゃっと顔を歪めて、体全部でむぎゅうと抱きついて来た。
…………おおおあああえええええそれって!!!??? イギリスさんは、夢だと思って、…えええっ!!?
ってことは、えーっと、つまりその、
あの小さいイギリスさんは、マジで昔のイギリスさんだったってこと!?ていうか私ト○ロですか!?
神様それ一体どんな原理!?ブリ天の奇跡って何!!?
自分で自分を幸せにしちゃったってことですか?!!これぞまさしく「1人楽しすぎるぜー!」状態!!??
多分私の周りでも、ものっそい量のドサクサ妖精が大行進してました。絶対。
ひくっと小さくしゃくりあげて、泣き虫で寂しがりで恥ずかしがり屋の彼が、顔をあげる。
頬は真っ赤で、涙でぐちゃぐちゃ。デジャヴ、と呼ぶには、新しすぎる記憶。
小さな彼なら可愛いけど、大人の彼だとそりゃー気味悪いんだろな、なんて思ってたけど、
そんなこと全然なかった。うん、可愛い。
照れくさそうに鼻をすすったイギリスさんは、私の耳元で「俺の童貞喪失はお前だよ、エロセイ」と囁いて、
子供みたいに無邪気に笑う。
「一目惚れの初恋だったんだぞ。責任取れ」なんて。
えええ。…えええ?本当、に?
あの小さな男の子は本当に、目の前にいるこの大好きな人だった?
でも、でも。…嬉しい。良かった。
ツンデレで不器用で、ずっとずっと独りぼっちだった、小さなイギリスさん。
彼に伝えたかった言葉は、随分回り道をしたみたいだけど、ちゃんと全部伝わってた。
イギリスさん。イギリスさん。
小さなあなたも大人のあなたも、大好きですよ。愛してます。イギリスさん。
そんなめいっぱいの私の告白は。
ナカで再び動き出したイギリスさんに甘く口付けられて、絡めた舌の合間に紛れて消えてしまった。
後で、1人照れまくるイギリスさんをつついて聞いてみたところによると。
私とのことは、とてもリアルな夢だと思ってたんだそうで。
世界観(近代的なニューヨークの街並みとか)が不思議過ぎて、当時の時代背景とリンクしなかったしって。
確かになあ。
それに、「思い出すと幸せだったけど、その分現実が辛くなるから、無理やり忘れるようにしてた」って…ううう。
もー!そこは素直に信じとけよこのムッツリ眉毛!フェアリーテイルはあっさり信じるくせに!
自虐趣味も大概にしやがれですよ!
でも、私に好きだって言ってくれたのは、やっぱりその夢があったからだとかで…うう、う。う。
…「夢だったけど、幸せな気持ちをくれた“初恋の人”に似てたから、お前を口説いたんだ」、なんて、
もー喜んでいいのか怒ればいいのか…やっぱりここは喜んどくべきですか?
それと、ブリタニアエンジェルを発動しようと思った理由は、イギリスさんにも良く分からんそうです。
変な電波でも受信しちゃったんですかね。「ちっこいアメリカさん見たい」ってのもあながち嘘でもないだろうし、
妄想世界に弱い人だs…むぐもぐ。
元祖・一人楽しすぎる彼に、神様がくれたご褒美だったのかなあ。
神様的には、私とのことはノーカンどころか予定調和だったとか?なあんつって。
そうそうそれから。
結果的に片棒を担がされた(?)形になったアメリカさんには、イギリスさんと2人で、もう一度沢山
誕生日プレゼントを贈りました。
「全く人騒がせだなあ君は、迷惑なんだぞ!」なんて言いながら、ほっとしたように笑ってました。
素直じゃないだけなんですよね、アメリカさんも。
そんなとこ、良く似てると思います。元お兄ちゃんに。2人して即行で全否定するけど。仲良しだなあ。
…うんまあ。
眉毛が幸せなら、私も幸せです。―――面と向かっては、あんまり言ってやらねーですけど。
盛大にデレてもらったので、たまには、ね?
…あっ。
なんか今、ものすごく大変なことに気がついてしまいました…
―――彼を変態エロ紳士にしてしまった原因は、もしかして、もしかしなくても、…私なんでしょうか。
………………。
……いやあああああ嘘だと言ってよバーニィ!! じゃなくて!絶対私じゃねーです!!ねーですってば!!
鶏が先か卵が先か?なんて哲学的なこと分っかんねーですよ!!!誰か教えてエロい人ぉお!!
おわれ
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