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 そして虹はかかる

367 :名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 21:02:07 ID:yw8bCjQ2
いっそ、天敵であるプロイセンの服を無理やり着させられるのも乙だと思うぞ。 

あんたの服なんて着たところで、なんの萌えも得られないじゃない! 
とか声にだして主張するも、心の端っこで 
『(腕、とか、ぶかぶか…。いつの間にかプロイセンのやつ、こんなに大きくなったのよ…。)』 
とかもやもやした感情を抱えるハンガリーさんとか。 

>>367に萌えたのは自分だけか? 
ってことで、プロイセンの服を着るハンガリーもの。 

【メインCP】 プロイセン×ハンガリー
【傾向】 >>367ネタ。少女マンガ的な部分と、少年漫画的な所があるいちゃいちゃもの…というべきか?
【その他】 たまにはプロイセンが幸せです。
NGは『そして虹はかかる』でよろしくです。



最悪! 最低で最悪! 本当についてない!
上司の命令で、赤字を埋めるためにいろんな国に頭を下げ、
気分が落ち込んでいる時に、まさかの土砂降り。
もちろん傘なんてものは持っておらず、雨にうたれ、走り続ける。

途中、どさまわりでろくな結果も得られなかった事を思い出し、慌てて帰っても、
あの上司の残念そうな顔を見る時間が早くなるだけと、足の動きを止めた。
もうここまで濡れているんだもの。走った所で意味は無いわね。
降りしきる雨。容赦なく私を打ちつけ。

「何やってんだ? ハンガリー」
急に降り注ぐ雨粒が消え、頭の上から誰かの声が聞こえた。
それも、聞きたくない声。
反射的に1歩後ろに飛び、体勢を整え……
「ひゃんっ!」
整える事なんてできずに、大きな水溜りに足をとられ、盛大に突っ込んでしまった。
あーもう情けないったらありゃしない!
更に同情した顔で見下ろしてくる馬鹿……プロイセンの目が痛い。

――家は赤字だし、皆の生活は大変だし、雨は降るし、馬鹿は現れるし、転ぶし。
何もかもがいやになってくる。
冷たい水溜りにしゃがみこんだまま、ぼんやりと空を見上げた。
灰色の空がまるで私の心の中のようで。
ああ、本当に惨めすぎる……
「笑えば? 指さして笑いなさいよ。
そんな無言で見下ろさないで。むかつく。本当にむかつく」
八つ当たりだとは思う。でも、あまりにも惨め過ぎて、誰かに当たらないと心が持ちそうに無い。
これだけいえば、あの馬鹿は怒るか……本当に指差して笑うかどちらかだろう。
そうすれば私も言い返して、それで口喧嘩して。

でも、期待していた言動は見られない。
眉をひそめ、頬を指で掻き、傘をたたんで。
え? 嘘! ちょっ!
視界が高くなる。馬鹿の顔が近くなる。あいつの手が私の肩と膝に触れる。
……いわゆるお姫様抱っこをされてしまったという事だ。
「馬鹿! 離しなさいってば! あんた何かに触られたくない! えっちヘンタイ!!」
「馬鹿はどっちだ。イテ! 蹴るな噛み付くな!」
じたばたと抵抗して見るが……悔しい事に効果はない。

昔はあんなにちっちゃかったのに。私の方が体格よかったのに。
私の体を軽々と抱き上げる馬鹿の姿に……少しだけ胸の奥でちりちりとしたのは……
うん、きっと雨のせいよね。

「ほれ、風邪引くからシャワー浴びて来い。替えの服は俺の服適当に持ってけ」
馬鹿につれてこられたのは、ドイツちゃんとあいつの家。
ソファーの上にそっと下ろされた時、少しだけ身の危険を感じもしたけれど、
意外にもあいつは紳士的で、背中を向け、自らの身体を拭き始めた。
薄いブロンドの髪。男の癖に妙な色気のあるうなじ。
濡れて張り付いたワイシャツを脱げば、華奢……ではないが、程よく引き締まった身体。背中全体に広がっている小さな傷跡。
ああ、そういえばあの傷跡、確か昔喧嘩したときのだったわね。
「……えっち。じっと見るな。このヘンタイ」
「なっ! あ、あんたなんて見てない!」
からかうようなあいつの声に、クッションを投げつけ、慌てて浴室へと向かった。
……うん、ちょっと元の調子にに戻ってきたかな。

熱いシャワーが身体を包む。
夏とはいえ、雨に長時間うたれていたから、身体も冷える。
こういう時は、少々熱めのシャワーが気持ちよい。
「にしても、あいつんちでシャワー浴びるだなんて」
ポツリと呟く。少しだ頬が赤くなった。
浴室をかり、シャワーを浴びる。そんな事がまるで恋人同士のように思えて。
しっとりとした肌。ほんのりと赤い頬、濡れた髪を優しく撫でベッドに押し倒され……
「もう、違う違う! あんな奴、どうでもいい!」
もしあいつがそんな事してきたら、まずは急所を一撃。それから蹴りを入れて。

ん?

背後から近づいてきた足音。ははーん、まさか覗く気で来たわね。あいつらしいわ。
気配を殺したつもりでも無駄。胸元をタオルで隠し、手元にあったシャンプーを握り締める。
もし入ってきたならば、それをぶんなげて。
脱衣所のドアが開く音。影がしゃがみこみ、
「服、洗濯するからな」
ただそれだけ。
浴室のドアを開けるわけでもなく、下着にハァハァするわけでもなく、濡れた服だけを淡々と手にし、脱衣所を後にした。
あまりにも予想外の行動に、肩の力が抜け、床にへたれ込んでしまった。
それなりに豊かな胸。傷跡はあるけれど、手入れは丁寧にしている肌。
くびれもそれなりにあるし、ふっくらとしたお尻は結構色っぽいと思う。
それなのに。
こんな美味しい場面でちょっかいをかけてこない馬鹿。いや、ちょっかいかけられても困るけど。
「……そんなに魅力ないのかな」
何か少しだけ……少しだけ……なんだろ。わかんないけど、ああもう、全部アイツが悪い!
そういう事にしたら少しすっきりした。

タオルで身体を拭い、あいつのクローゼットから適当に取り出した服をちらりと見た。
本当はアイツのなんか着たくも無いけど、服が乾くまで裸のままでいるわけもいかないし。

服を広げ……懐かしさにため息を一つついた。
適当に取ってきたはずの服は、昔あいつが着ていた軍服。
オーストリアさんのために戦っていた時、あいつがこれを着ていて。
あの時に手にしていたら、問答無用で切り裂いていただろう。
でも、今は何となく懐かしい。
きゅっと抱きしめると、アイツの匂いがする。
あの頃は大変だったけれど、結構充実していたな。
ブラウスに袖を通す。あは、ぶかぶかだ。
昔は私の方が体格良くて、腕っぷしも強くて、よくあいつをぶん殴って。

……いつの間に抜かされちゃったんだろ。男ってずるいな。
こんな胸なんかいらなかったのに。そのかわり、もっと強さがほしかったのに。
ブラウス一枚で済まそうとしていたのだけれども、さすがにうっすらと突起が透けている状態であいつの前に出るわけもいかない。
紺色の上着を羽織り、しっかりと前を止める。
本当は下着もほしいとこだけど、さすがに男物の下着はつけられないし。
何も身に着けない状態で、ズボンに足を通す。
ウエストも足元もぶかぶか。これじゃあ歩けない。
ブラウスや上着も丈が余っているから、お尻までしっかりと隠れるし、これでいっか。
少々心もとないけど、仕方が無いので素肌にブラウスと上着だけ羽織って、私は浴室を後にした。

「ん、お風呂ありがと」
「あ、ああ」
部屋へと戻ったら、あいつは本を読みふけていた。
一応お礼をいうが、心ここにあらずといった様子。
ドイツちゃんと一緒で、何かに夢中になると周りが見えなくなるというやつかな。
ま、こっちを意識されても困るからいいけど。
何となく本を手元によせ、ページをめくり。

沈黙。

雨音だけが部屋の中に響き渡る。
いつもはあんなに煩い奴が、こうも静かだと気になるじゃない。
そんな夢中になる本なのかな?
気がつかれないよう、あいつの背後に回り、肩口から覗き込んで。
あれ?
「ななななな、何だよ! 近寄るな見るな」
慌てた様子で本を閉じ、私から距離を置いた。
床に落ちていた本に躓き、派手に転んだあいつ。しゃがみこみ、首を傾げて見せる。
「……あんた、本さかさまに見て楽しい?」
「あ? えあ楽しいぞそりゃ」
視線が妙に泳いでいる気がする。不審に目がきょろきょろと動き、少しだけ頬が赤い。
もしかして。
「ふーん、それえっちな本だったんでしょ。だからそんな慌てて」
慌てる様子が楽しい。だから、悪戯心が浮かんでしまった。
あいつの見ていた本に手を伸ばす。必死に抵抗する馬鹿。
そんなに抵抗されちゃうと、もっとからかいたくなるでしょ。
「ほら、貸しなさい。もう、んーっ」
「馬鹿野郎! そんな腕にしがみつくな! ああもう!」
本を上にあげ、私の手の届かないようにしているつもりなんだけど。
それくらいで取れなくなるとでも思ったら大間違い。
腕にしがみつき、無理やり本を手の届く位置まで下ろす。
更に抵抗するあいつ。
「おとなしくしなさ……ふぁ? うあっ」
バランスを崩し、あいつが私を押し倒すというような形で二人ともソファーの上に倒れこんでしまった。
馬鹿の顔が私の間近に迫り、

「……お前が悪いんだからな」
え……?
唇に触れる何か。目の前にはあいつの顔しか見えない。
口の中に何かが入ってくる。ぬるりとした生暖かい物体。それが口の中を蹂躙し。
「……んぅ…むぅ」
あいつの顔が少しだけ遠ざかった。肩で大きく息をする。
頭が働かない。
「お前が悪い。俺は頑張ったのに」
あいつの手が私の足を。
「やっ! あぅ…」
走る刺激。上着のボタンを外し、ブラウスの中に進入される。
胸の突起を指でつままれる。
「そんな格好で誘惑するのが悪い」
無防備な大事な所に迫る手。身を捩じらせ、抵抗を試みるけれど。
あいつの手は私より大きくて。あいつの腕は私より強くて。
「こんな甘い香りを漂わせて、こんな姿で俺の前に現れて。
雨にうたれている時だってずいぶんと我慢してたのに」
濡れた音を立て、指が中に進入してきた。
甘い刺激が脳を麻痺させる。
「やぁ…ん、やめなさ…ばかぁ」
「俺の名は馬鹿じゃねぇ! プロイセンだ」
もう一度、あいつの顔が近づいてきた。荒々しく重ねられる唇。
閉じる唇を割って、中へと入ってきた。あいつの舌が私の口内を支配する。
自分の領地を守るため、必死に抵抗し……口の中に広がる鉄の味。
唇が離れた。唇の端から血を流すあいつの顔は、昔のようで。
「そうだな。抵抗された方が楽しめる」
腕をつかまれる。ブラウスのボタンがはじけ飛ぶ。胸が露になる。
肩に歯を立てられる。足を開かせられ、すでに濡れた大事な所に、アイツの凶器が進入し。
「やだ! やっ! やぁぁぁっ」

やべぇ……
俺の下で、意識を失っているハンガリーを見て、罪悪感が俺を責め立てた。
でも、お前が悪いんだぞ。
雨の中、あんな寂しそうな顔して。熱い視線で俺の背中見て。
ブラウスと上着はおっただけで、魅惑的な足を見せびらかして。
なおかつ、折角視界に入らないようにしていたのに、俺の前に出てきやがって。
俺の動揺に気がつかず、胸を押し付けやがって。
柔らかい胸が、甘い香りが、俺の感情を高ぶらせて。
いつも鈍感だって言ってくるくせに、一番鈍感なのは誰だよ。

「ん…馬鹿ぁ」
「馬鹿はどっちだ」
気持ちよさそうに寝返りを打ったハンガリーの鼻をつまんでやる。
少し苦しそうな表情になり、顔が青ざめ、
「ぷふぁ!」
勢いよく起き上がり、大きく呼吸をした。不機嫌な顔で俺を睨みつける。
「このヘンタイ」
怒ってはいるが、恐怖は抱いていない事に、気がつれないよう安堵のため息をつく。
同時に心の中からあふれ出した感情により、もう一度押し倒した。
ま、感情うんぬんというよりは、ただむらむら来ただけだが。
そりゃそうだろ。俺の大きなブラウスを着て、胸元を隠そうとせず、睨みつけている姿を見て、ムラムラ来ない男はいない。

「馬鹿! 離しなさいって!」
「イヤだ。お前なんかに従う義理なんてねーよ」
でかい胸にしゃぶりつき、抵抗する手を強く握り締める。
唇を奪い、口の中を楽しむ。
目はとろんとしてきたくせに、まだ抵抗をしようと手足をじたばたとさせている。
全く、相変わらずだな。
こういうところは昔からかわらない。
どんなにぼろぼろにしたって、傷だらけになっても、起き上がってきて剣を振り回し、挑みかかってきた。
そうそう。あいつが女だってわかった後も、動揺している俺を良い機会だっていってぼろぼろにしやがって。

……そーいや。
「俺の童貞を奪ったのは、どこのどいつだったっけ?」
耳元で呟いてやると、途端に顔を赤らめた。目が泳ぎだし、
「……えっとそれはあの」
とろりと精液が流れ出す秘所に指を突っ込んでやる。ぴくりと身体を震わせ、潤んだ瞳で俺を見てきた。
「覚えているか? ガキの頃、『ちんちんが生えないのは、穴に栄養がないからだ』とかいって、
ぼろぼろにされた俺の上にのしかかって」
「やだ! アレは子供の頃の過ちで! もう忘れかけていたのに!」
「俺の服剥いで、羨ましそうにちんちんいじり倒して、『へにゃへにゃじゃはいんねーよ』とかぺしぺし叩きやがって
どこでそんな事覚えてきたんだか」
「あれはマジャールさんが女性とそういう事しているのを偶然見ちゃって……
そんな事はどうでもいいから、さっさと忘れなさい」

顔を真っ赤にする姿が非常に可愛い。ちくしょう。やっぱこいつ好きだ。
二回戦開始してやる!
もう臨戦態勢の整ったモノを押し付ける。
「大きくなったちんちんをつかんで、お前が上になって無理やり押し込んで」
あの時と同じようにモノを中に進入させる。
二回目だというのに、まだぎゅうぎゅうと締め付けるのはさすが騎馬民族というべきか。
「ん…あぁ…あ、あんただって、『俺のちんちんが食われた』って、涙目になってたじゃない」

ぐっ! そんな事まで覚えてやがったか。アレは……そりゃ、そういう知識が無かった子供だったし、しょうがねぇよな。
「襲ったのはお前だろ! まだ精通もしてなかったのに、無理やり食いやがって! 
で、滅茶苦茶に腰動かして! 折れそうで痛かったんだぞ!」
「煩い煩い!! じゃ、今はどうなのよ! ガキみたいに腰を動かすしか脳がなくて! 
ふぅ……んっ! そんな適当に動かしたって! ……ふぁ…気持ちよくなんて無い……んだから」
そうはいいながらも、罵倒する声に甘いものが混じっている。
濡れた音、腰を打ち付ける音。荒い息遣い。
大きい俺の服を身にまとい、白い腕を俺の首に回す姿。熱い吐息。
これで口喧嘩する声さえなければ、エロいんだろうが。
「馬鹿馬鹿馬鹿! ヘンタイ! あんたなんか嫌い!」
「安心しろ。俺は好きだ」
ぴたっと動きが止まったあいつの唇を素早く奪う。きょとんとした顔。そしてすぐに耳まで真っ赤になり。
顔を逸らす。震える唇が小さく動く。
「やっぱ……あんたなんか嫌い」

うん、それでこそ、俺のハンガリーだ。

雨音の聞こえなくなった窓をちらりと見る。すでに雨は止み、空には大きな虹がかかっていた。
洗濯物もそろそろ乾いた頃だろうが……
気がつかない振りをして、俺はもう一度大きな胸に顔を埋めたのだった。




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