目が覚めると、日はかなり高く昇っていた。窓から差し込む光に目を細める。
時計を見ると、すでに昼近かった。
腕の中の御剣に目をやる。逞しい腕に抱かれた、白く細い体はまだ休んでいるようだった。
今日は休日ということもあって、前の晩ずいぶん遅くまで乱れ合った。
その跡が御剣の体中に乾いて残っている。
糸鋸はまだ深い眠りの中にいる御剣の体を強く抱きよせ、肌に舌を這わせる。
むさぼるように舐め回しているうち、まどろみの中から御剣が目覚めたようだ。
「刑事…何…してる…」
まだ頭は起ききっていないようだ。
構わず愛撫を続ける糸鋸をか細い腕が押し返そうとするが、到底かなわない。
「朝から…やめろっ…ぁ…」
糸鋸がじゅるじゅると唾液を絡ませながら舐め回す小さな乳首は、
早くも赤みを帯びふっくらと膨らむ。そのあどけない顔には快感の色が浮かぶ。
糸鋸の腕に抱かれる御剣は、10歳に満たない少年の姿そのものだった。
あの日、糸鋸の携帯へ御剣の執務室から緊急の呼び出しがあった。
常に冷静沈着な御剣にしては珍しく、狼狽して上ずった声だった。
また、声の調子以外にもいつもと違う点があった。
語調や言葉遣いは御剣そのものなのに、まるで声変わり前のように高い声。
しかし電話を受けた時点では、その点に関しては糸鋸はさほど気にしていなかった。
慌てて執務室に掛け込んだ糸鋸は、御剣が姿を隠して自分をからかっているのだと思った。
御剣と同じ服をぶかぶかに着た、御剣に良く似た幼い子供が半べそをかいてソファの上にいた。
自分が御剣だと主張するその子供を、糸鋸はどうにか落ち着かせようとした。
しかしその子供―御剣の親戚か誰かだと糸鋸は思った―と話をしているうち、
にわかには信じがたい事であるが“御剣の肉体だけが突然若返った”という事実を
受け入れざるを得なくなった。
ひとまずは御剣の異常な姿を人目に触れさせないため、糸鋸の自宅アパートへ連れ帰った。
ただでさえ敵が多い御剣の事、このような事実が公になったら社会的にも肉体的にも
危険が伴う事が予想された。その日から2人の共同生活が始まった。
小さい御剣と暮らすようになってから、糸鋸に変化があらわれた。
検事・御剣怜侍とパートナーを組んで仕事をするようになって、始めは単純に上司としての
尊敬だった感情は次第に色を含み、やがて激しい劣情を抱くようになっていた。
それを何とか心の中だけにとどめていた糸鋸の精神力は、
幼くなった御剣との共同生活で脆くも限界を迎えた。
御剣の小さな体は糸鋸の一方的な欲から逃れる術を持たなかった。
ほぼ監禁状態で小さな御剣は来る日も来る日も犯された。
限界でせき止められていた糸鋸の欲望は関を切ったように溢れだし、とどまる事はなかった。
そんな日がしばらく続くうち、御剣にも変化があらわれた。
糸鋸の行為を拒まなくなり、それどころか自ら誘うようになるまでに至った。
行為の最中は様々な不安や恐怖から逃れられる、
その事が御剣をセックスに溺れさせて行った。
性に溺れた御剣は、糸鋸の心と体をますます夢中にさせた。
2人は寝食の時間を惜しんで交わり合った。
そんな暮らしを続けていた晩秋のある日、糸鋸は御剣を遊園地へ連れて行くことになった。
御剣がこれ見よがしに部屋に置いていた、トノサマンショーのチラシを見たからだ。
素直じゃない御剣の事、ハッキリと行きたいと言ったわけではなかったが。
秋晴れの休日という事もあり、遊園地は混雑していた。
「遊園地なんて久しぶりッス!」
「うム、私もだ」
「今の御剣検事と自分だったら、遊園地にいてもまったく違和感ないッスね!」
「そうだな、刑事は間違いなく父兄に見えているぞ」
「う…それは自分が老けてるってことッスか?」
「ふふ。それはどうかな」
これからトノサマンショーを見られるという興奮も手伝ってか、
御剣はずいぶんとはしゃいでいるようだった。それが却ってその外見には似つかわしいのだが。
乗り物には目もくれず、御剣は一直線にショーのステージを目指した。
もっとも、本来の年齢は遊園地の乗り物などに興じるはずもないので当然とも言える。
ショーの開始までにはまだ30分以上あるせいか、会場に人はまばらだった。
それでもステージの上に組まれたショーのセットや看板が、
早くも御剣の心を奪っているのは糸鋸の目にも明らかだった。
御剣はステージ中央の前列の方へずんずんと進み、ベンチに腰をおろした。
糸鋸も後からついて行き隣へ腰掛ける。
御剣の小さなほっぺたは興奮で赤く染まり、ステージを見詰める大きな瞳はきらきらと輝いている。
普段は薄暗い安アパートの、古びた蛍光灯の下でしか見る事のない小さな御剣の姿。
こうして屋外でその姿を見るのが妙に新鮮で、糸鋸に不思議な感動をもたらした。
「少し寒いな」
御剣が薄い肩を震わせた。
目の前の大きなステージが太陽の光を遮り、ちょうど日陰になっている。
昼間とは言え晩秋の風は冷たかった。
「キサマがこんな服を用意するからだ」
御剣がうらめしそうに糸鋸を睨み上げる。
今日御剣が履いているのは、剥き出しの太ももと膝小僧が寒そうな半ズボンとハイソックス。
“この方が子供らしく見えるッスよ”と半ば強制的に勧めたのは、
単に糸鋸自身が御剣にそれを履いて欲しかったからという理由だけなのだが。
「ショーが始まるまで、この中であっためてあげるッスよ!」
糸鋸は夏以外いつも着ている薄汚れたコートを開いて見せた。
「…断る」
「なんでッスか!あったかいッスよ!」
「…変態みたいではないか」
「そんなことないッスよ!どこから見ても仲睦まじい親子の光景ッス!」
それでも御剣はコートに入ろうとはしなかったが、そうしているうちに小さなくしゃみを漏らした。
「ああッホラ、風邪引くッスよ?風邪引いたらトノサマンショー楽しめないッス!」
「…うム…」
「ほらほら、入るッス」
糸鋸は半ば強引に御剣の体を引き寄せると膝の上に抱き、その体をコートで覆った。
小さな御剣の体を胸に引きよせて、コートの前を閉じる。
御剣の小さな膝小僧はコートに隠れ、白いハイソックスと靴が下から覗いている。
「ほら、あったかいッスよ」
「…確かにな」
不意に、御剣のうなじの匂いが糸鋸の鼻をかすめる。白い柔らかそうな肌が糸鋸の目の前にある。
途端に糸鋸の欲望に火がつく。コートの中、御剣の胸に手を這わせシャツの上からまさぐる。
「こ…こら刑事!やめないか!」
御剣が制するが、構わず続ける糸鋸。
押しのけようとする細い腕など意に介さず、無骨な指が御剣の敏感な部分を布越しに擦る。
「やめろっ、バカ者」
御剣が首を回して糸鋸の方を向き直ろうとするが、逞しい腕に体を固定され叶わない。
糸鋸からは赤く染まる耳たぶが見えている。
やがてシャツの上からでもはっきりと分かるくらい、小さな乳首はぷっくりと膨らむ。
「こ、公衆の、面前だぞ」
「大丈夫ッスよ。気付かれないッス」
「やめろ…やめ…ろ…っ」
膝の上の御剣がもじもじと身をよじる。
糸鋸の下半身にもじわじわと血流が集まり、御剣の尻を下から押し上げ始める。
御剣の腿に手を這わせれば、すべすべとした柔らかい肌が糸鋸の劣情を刺激する。
ついにシャツを捲り上げその素肌に指を絡ませた。
「やっ…んぅ」
「おっぱい勃ってるッスよ…検事…」
勃起した乳首を指先で弾くと、愛撫に合わせて御剣の細い体がぴくぴくと跳ねる。
か細い息が乱れ始める。
「や…やめ…ショー…が………んッ」
ショーの開演時間が近付いてきている事もあり、客席にはちらほらと親子連れや
子供のグループが集まりだした。
ステージ間近の席という事もあり、2人の近くにも他の客たちが陣取り始めている。
「エッチな声出すとバレちゃうッスよ?」
糸鋸が耳元で囁くと、御剣は薄い唇をきゅっと噛み締めた。
さらに執拗に乳首を擦り続けると、御剣の鼻孔からふうふうと吐息が漏れる。
手を下へずらし、半ズボンの上から股間をまさぐる。
小さな性器が精いっぱい勃起しズボンを押し上げている。
布越しに握ってやると、膝の上の御剣がビクンと跳ねた。
「やめ…て…」
蚊の鳴くような声が糸鋸の耳にかすかに届く。
「おちんぽ勃起しちゃったッスね…公衆の面前なのに、エッチッスね」
そういう糸鋸の性器も、今は御剣の尻に硬く押し当てられている。
ショーの開演が間近に迫り、会場にアナウンスが流れだす。
2人の周りはヒーローの登場を待つ子供たちの熱気で溢れている。
「ショーが始まるッスよ…検事」
語りかけながら、コートの下で御剣のズボンと下着をずり下ろす。
ぱんぱんに膨らんだ小さな性器を指で直に捏ねてやると、御剣はとうとう声を漏らした。
そんな御剣の反応が可愛くて、糸鋸は健気な勃起を手の中で弄ぶ。
「んッ…や…あッ」
けたたましいBGMが辺りに鳴り響き、子供たちの歓声が沸く。
それらの音に御剣の声はかき消される。
ステージの上では悪役の手下と思しき役たちが、悪事を働いている。
「ほら…もうすぐ、トノサマンが登場するッスよ…」
「はッ…ン…ぁん」
糸鋸の言葉など耳に入らないとでも言うように、御剣はその体を糸鋸の胸に擦りつけて来る。
コートの下、細い脚は糸鋸の膝の上で誘うように開かれている。
幼い勃起を指先で激しく扱き上げると、御剣はビクビクと痙攣して糸鋸の手の中に射精した。
糸鋸の胸に体を預け、はぁはぁと息を乱す御剣。
ステージの上では悪者の親玉が登場し、観客の子供たちはブーイングを口にしている。
「…イッちゃったッスね」
耳元に囁きかける糸鋸。御剣はまだ荒い息を吐きながら呆然としている。
そして糸鋸は手の中に吐き出された精子を、御剣の小さなアナルに塗りたくる。
御剣の体が再びびくりと浮く。
「や…やだ…やめろ…」
御剣の制止も聞かず糸鋸はその指を御剣の中に滑り込ませた。
ちょうどそのころ、一層激しいBGMが鳴り響く。トノサマンの登場テーマなのだろう。
客席の子供たちは総立ちになってトノサマンコールを口にする。
糸鋸の指は肛門の中を掻き混ぜ、御剣の精液が直腸の中でくちゅくちゅと混ざる。
「んぁ…やぁ…ッ」
糸鋸に慣らされて来た御剣の小さなアナルはすぐにほぐれ、
前立腺を擦られれば達したばかりの幼い性器もすぐにゆるゆると立ち上がり始める。
「検事のアナル…おちんぽが欲しくてたまらなさそうッスよ」
色とりどりの照明が激しく点滅するステージ上に、トノサマンが登場する。
客席は一気にヒートアップするが、御剣はもはやそれどころではない。
糸鋸はコートの中で不自由な姿勢ながらもズボンのファスナーを下ろし、
ヒクついて汁を垂らす巨大なペニスを取り出した。
「今、ぶっといの挿れてあげるッスよ…検事…」
糸鋸は御剣の体を、自分の勃起の先端に導くように抱きかかえる。
腰を引き寄せる。パンパンに勃起した糸鋸のペニスがぎちぎちと御剣の中へ消えていく。
「やっ…あ…ぁ…んッ…ん!」
コートの中、御剣の小さな手が糸鋸の腕をぎゅっと掴む。
狭い肉壁が糸鋸をぎゅうぎゅうと締めつける。
野外、しかもたくさんの人に囲まれているという状況も手伝って
その興奮がもたらす刺激だけで、糸鋸は達してしまいそうになる。
それでも、御剣の腰を抱いてゆっくりと回す様に動かす。
ペニスが性感帯を擦るたび、御剣は喉を反らして快感に悶える。
ステージの上ではトノサマンが華麗なアクションシーンを演じている。
子供たちの熱狂は最高潮だ。
「あ、んっ、んああ、はぅ」
糸鋸の膝の上で御剣もまた、高みに昇っていた。
はあはあと息を乱し、コートの中糸鋸にしがみ付き、時折ぴくんと痙攣する。
「御剣検事…トノサマン、かっこいいッスよ…見なくていいんッスか…?」
耳元で意地悪く囁いてみる糸鋸だったが、快楽に支配された御剣はステージを見ようともしない。
まるで全神経を性感帯へ集中させるかのようにうっとりと眼を閉じ、糸鋸を感じている。
野外での行為により異様な興奮を感じているのは、御剣もまた同様だったようだ。
糸鋸を締めつける強さで、御剣もまた激しく感じている事が分かる。
「ん、け、けいじ、もっと…もっとそこ、突いて…ぁん!」
自分のいい所をペニスの先端で刺激するように、御剣が自分から擦りつけて来る。
トノサマンが武器を振り回して敵を蹴散らしている。子供たちが必殺技の名前を叫ぶ。
「ああン、いい、もっとぉ、んぁッ」
夢中で喘ぐ御剣は細い体で身悶えながら、糸鋸にすがりつく。
「はぁぁン、い…いくぅ!んん…ああんッ!」
コートの下から覗くハイソックスがビクンと跳ねる。
再び吐きだされた体液が糸鋸のコートを汚す。
二度も続けて果てた御剣の小さな体は今度こそぐったりと脱力し、
ほんのり赤く染まったうなじを糸鋸の胸にもたせかける。
「はぁ、はあ、検事、じ…自分も…ああっ」
御剣の締めつけが糸鋸を絶頂へ導く。ビクンと体を震わせ、御剣の体内へ吐きだした。
射精の快感にうち震えながら御剣の体を力いっぱい抱きしめる。
そんな間にもトノサマンは悪役たちをなぎ倒し、最後の決めゼリフで締めくくる。
エンディングのBGMが流れ始め、大興奮の子供たちが大喝采の拍手を送っている。
やがてショーは終わり、興奮冷めやらぬ空気の中観客たちが立ち去ってゆく。
糸鋸はコートの中にいる御剣の髪を撫でながら言った。
「ショー…どうだったッスか?」
御剣が糸鋸の手の甲を思い切りつねる。
「い、痛いッス!」
「見たはずがないだろう!キサマのせいだぞ!」
「御剣検事、ずっとアンアン言ってたッスからね」
「うるさい!!」
「また連れて来てあげるッスから、ね?」
「………だぞ」
「え?聞こえなかったッス」
「絶対だぞ!」
そっぽを向いた御剣の耳が赤く染まっていた。