75mlの行方
- 133 1/16 ◆VjTTYkUuRQED [sage] 2009/12/15(火) 23:14:52 ID:jy3mKrNY0
-
|ヽ <;;;;;;;;;;>
レ ゙ー一'l;;;;;;l ii
|- - `T 変態藪木沢教授のなんでも講義
、 Д 、、ノ /
/<n> `  ̄ ̄ ̄} )
〈_〉  ̄ ̄ ̄
, -───/i──────────────────
| エー、当然のこととして意外と説明されないことだが。
`ー────────────────────一'
- 134 2/16 ◆VjTTYkUuRQED [sage] 2009/12/15(火) 23:16:41 ID:jy3mKrNY0
-
┌――――――――――――――――――――――――┐
│ 消毒用エタノールが80%なのは、
│ 水・エタノール混合液の液化温度が
│ 最も低くなるのがそのあたりで容易に作れるからだ
└────┬──────────────────┬┘
│ 消毒の効果が高いのは60〜80%のため
│ まことに都合がよい
┌───┴────────────────┬─┘
│ とはいっても簡単に80%になるわけではなく
│ それなりの設備が必要だが
└────────────────────┘
- 135 3/16 ◆VjTTYkUuRQED [sage] 2009/12/15(火) 23:19:13 ID:jy3mKrNY0
- ┌──────────────────────┐
│ まあ、それはそれとして今回は諸般の都合により
│ 早速だがワイン蒸留実験を行う
└┬──────────┬──∨───────┘
│ 諸般の都合って・・・
└───∨──────┘
___
λ,,λ + ∧_■iii
彡;゚ー゚ミ + ('ヮ `*)h
ミ ミ * (<y> /
ミ ミ |__|
し`J し `J
- 136 4/16 ◆VjTTYkUuRQED [sage] 2009/12/15(火) 23:23:46 ID:jy3mKrNY0
- ┌――――――――――――――――――――┐
│ 量が半端(※)なので300mlだけ使うか・・・
└───―――――――∨―――――――――┘
___
/|/| ∧_■iii
(*・∀・) ('ヮ `*) π
( つ Цと<y> ) Ц
ワインハーフボトル 375ml
┌―――――――――――――∧―――――――――――――┐
│ こんなことは覚えても使わないと思うかもしれんが
│そのうち気の迷いでも災害や海外の貧困地域に救援に行き
│ 補給が遅れて消毒用エタノールを自前で作るときが…
│ この面子では無さそうだが来るかもしれない
└───――――――――――――――――――――――――┘
ワイワイ ガヤガヤ
┌──────────────────────┐
│ それなら蒸留1回ですむ蒸留酒の方がよくね
└──────────────────────┘
┌──────────────────┐
│ いやいや、ウオッカを希釈が最強だろ
└──────────────────┘
∧∧ ∧∧
( ,,゚) ナナカンバダシ (゚; ) ジジネタハ フウカスルカラ ヤメレ
(※)1樽=1バレル=60ガロン(375ml=1/10ガロン)
- 137 5/16 ◆VjTTYkUuRQED [sage] 2009/12/15(火) 23:25:11 ID:jy3mKrNY0
- ┌──────────────────────┐
│ いろいろ言いたい事があるのは判るが
│ あるものでやるのが今回の趣旨だ
└┬──────────┬──∨───────┘
│ 準備できました〜
└───∨──────┘
___
/|/| ∧_■iii
ニヤニヤ ( ・∀・) ||\ ('ヮ `*)h テマワシガイイナ
(| つ ○ ▽ (<y> /
| | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |__|
し `.J | .| し `J
∧∧ , -────────────────────
( ,,゚) < じゃあ、実験器具がなければどうするんですか?
`ー───────────────────一'
- 138 6/16 ◆VjTTYkUuRQED [sage] 2009/12/15(火) 23:28:04 ID:jy3mKrNY0
- ___ -────────────────
∧■iii ,/ 簡単なものなら空き缶2個に
('ヮ `*)h < ちょっとした工夫をすればできる
(<y> ノ | が、詳しくはAA作りが面倒なので省略
`ー───────────────一'
空き缶二体合体!これで蒸留するんじゃー!
______
/ ヽ
| ⌒ ⌒ |\
| ・ ・ |\\ ノーテンブッスリ
| ___ノ | \\
| _ | \\
| ┼ _ ├│\ | | \\
| / / _/.| \\
| | \\
ヽ_______/
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄"ヽ
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
ヽ_______/
※にわかづくりの為あまりAAの品質が低いです
当方ではAAの改善を他の方に頼みたいと考えております
(例)ttp://web.kyoto-inet.or.jp/people/sugicom/kazuo/neta/bake41.html
- 139 7/16 ◆VjTTYkUuRQED [sage] 2009/12/15(火) 23:30:21 ID:jy3mKrNY0
- ┌──────────────────────────┐
│ 最初に忘れずに液体の突発を防ぐため沸騰石を入れる
│ 実験の序盤に沸騰石の中にある気体が沸騰前に出てくる
│
│ この気体が液体をかき混ぜてくれることで、突沸を防げる
└───∨──────────────────────┘
∧■iii
('ヮ `*)h
━━━[四次元殺法コンビからの手抜きの言い訳]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
r ‐、
| ○ | r‐‐、 沸騰石は一度使ったら乾かしても同じ効果は期待できない
_,;ト - イ、 ∧l☆│∧
(⌒` ⌒ヽ /,、,,ト.-イ/,、 l そのことも説明したほうが良いかもしれないが
|ヽ ~~⌒γ⌒ ) r'⌒ `!´ `⌒ )
│ ヽー―'^ー-' ( ⌒γ⌒~~ /| 基本的なことは土器の話で既に説明されている
│ 〉 | | |`ー^ー― r' |
│ /───| | |/ | l ト、 | そんな訳で割愛させてもらう!
| irー-、 ー ,} | / i
| / `X´ ヽ / 入 |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
- 140 8/16 ◆VjTTYkUuRQED [sage] 2009/12/15(火) 23:33:14 ID:jy3mKrNY0
- ┌──────────────────────┐
│ さて、沸騰が始まったが最初は取らない
│ 厳密にエタノールの沸点78度付近まで待つ必要はないが
│ それ以前に沸騰するものは必要ないので集めない
│
│ この中には微量だが有毒なメタノールなどが含まれる
│ それに、この時点ではエタノールはないも同然だ
└──────────────∨───────┘
___
∧_■iii
||\ ('ヮ `*)h コーコーレベルダカラ
○ ▽ (<y> / ワカッテイレバ
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |__| キカナクテヨシ
| .| し `J
|\|\ ∧∧
(・∀・*) チョット トイレ (゚; ) ヤスミチュウニ イットケ
- 152 8.1/16 ◆VjTTYkUuRQED [sage] 2009/12/23(水) 21:04:14 ID:EPhrOwE40
- ┌────────────────────────────┐
│ 蒸留につかう冷却器はリービッヒ冷却器が有名だが、
│ リービッヒ冷却器は冷却水は下から上に流すと効率が良い
│ 理由は気泡を残しにくい、向流熱交換といったものがある
│ だが、冷却器による部分もあるので軽く流す
└────────────────────────────┘
混合物加熱(蒸発)側
\\__|↑|
入 \ ノ
\ \\ \ ついでに冷却は
\ \\ \ 蒸発させる機器内に
\ \\ \ 置かない方が効率的
\ \\ノ
| 人 \
|↑| \\
蒸留液収集(凝縮)側
┌──────────────────────────────┐
│ ただ、熱を移すには受け取る側が動いていた方がよい
│ 受け取った後に留まっていては効果が薄いということは判って欲しい
│
│ 身近なところではパソコンの空冷冷却でファンが活躍している
│ 先に挙げた突沸も熱の伝達が上手く行われないことが原因となる
└──────────────────────────────┘
- 153 8.2/16 ◆VjTTYkUuRQED [sage] 2009/12/23(水) 21:05:45 ID:EPhrOwE40
- ┌────────────────────────────────┐
│ ガラスは実験の状態が見やすいことや耐熱性などの理由で使われるが
│ 熱を伝えやすい金属の方が効率は良い
│ あと、冷却面に接する面積が多いほうが冷えるので
│ 細長い塔の部分が長ければ精度はあがる
└────────────────────────────────┘
| |
| |
| | ←ココ
| |
| |
| |
ノ λ
_.-= ′ ’=‐._
,.ィ ヽ
. ,ィ'´ ' 、 ┌───────────────────┐
. ; ´ \. │ついでに自作の注意点だが、
∧ ヘ │冷却が追いつかないと蒸発で増えた体積で
ん ハ │ 気体のまま押し出され一部を逃がしてしまう
. ハ い │
{ } │ だが、密封すれば良いともいいきれない
| | │ 機器の強度にも関わってくる
い ノ │圧力が強すぎて壊れてしまっては意味がない
∀ / └───────────────────┘
゙ 、 У
\ /
` 、 '
` -=_____=‐'´
- 154 8.3/16 ◆VjTTYkUuRQED [sage] 2009/12/23(水) 21:11:37 ID:EPhrOwE40
- ┌────────────────────────────────┐
│ また、蒸留塔の部分に凹凸を設け蒸発と凝縮を繰り返させる方法もある
│ これは一度で複数回蒸留したのと同じ効果がある
│ 今回の実験だと1回で済むようになり効率は上がるだろう
└────────────────────────────────┘
│ │
├┐┌┐┌┐ │
│└┘└┘└┘ │
│ ┌┐┌┐┌┤
│ └┘└┘└┘│
├┐┌┐┌┐ │
│└┘└┘└┘ │
│ ┌┐┌┐┌┤
│ └┘└┘└┘│
│ │
┌────────────────────────────────┐
│ が、回収量と純度は反比例する
│ 環境や方法は同じなので、蒸留回数を減らせても回収量は増えない
│
│ また、これだけの機器をそろている場合はその説明書を読んだほうがよい
│
│ 基本的には温度を見ていればよいが、
│ 期待できる回収量についても触れておく
└────────────────────────────────┘
- 155 おまけ ◆VjTTYkUuRQED [sage] 2009/12/23(水) 21:16:55 ID:EPhrOwE40
- 空缶蒸留器の下は別に空缶に限らず
さまざまなバリエーションが考えられるが…
_
|∵| コノツボハ イイツボダ
_| |_
}.... ̄::::{
,r'´ ヽ
,:' ......::::::::::::.'.
{, ,,;;,,}
ヽ、 ,,;:;:;:;:;:ノ
`''──''′
補足はこれくらいとして、終る
- 141 9/16 ◆VjTTYkUuRQED [sage] 2009/12/15(火) 23:35:58 ID:jy3mKrNY0
- ┌──────────────────────────┐
│ 濃度を厳密に測れない場合があるので
│ 今回は15度未満の表記を信じて14度程度と考える
│
│ 100ml内に14ml、300mlなら42mlほどエタノールが
│ 含まれていると仮定しよう
│
│ 水エタノール混合液の液体14度の沸点と
│ 気体50度の沸点が同じぐらいなので
│ およそ40〜50度程度の濃度が期待できる
└───────∨──────────────────┘
|ヽ <;;;;;;;;;;>
レ ゙ー一'l;;;;;;l ii
|- - `T
、 Д 、、ノ /
/<n> `  ̄ ̄ ̄} )
〈_〉  ̄ ̄ ̄
┌──────────────────∧───────┐
│ その濃度を期待できるのが先ほど言った42mlほどだ
│ それ以上集めても水の方が多く薄くなってしまう
│
│ これをもう一度行うい14mlの半分7ml程度を集めると
│ およそ60〜70度程度の濃度になる、それで十分だ
│
│ ・・・それはそれとして
└──────────────────────────┘
- 142 10/16 ◆VjTTYkUuRQED [sage] 2009/12/15(火) 23:37:04 ID:jy3mKrNY0
-
∧∧ ∧∧ λ,,λ
( ゚д゚ ) ( ゚д゚ ) 彡 ゚д゚ ミ
<;;;;;;;;;;> /|
ii l;;;;;;l゙' ー-\| , -───────
T |< こっちみんな!
\ 、、 ,ノ `ー──────一'
( { ’ ̄ ̄ ̄ ヽ
 ̄ ̄ ̄ (後)
- 143 11/16 ◆VjTTYkUuRQED [sage] 2009/12/15(火) 23:38:25 ID:jy3mKrNY0
-
∧∧ ∧∧
(ヮ ;il )゙) Σ (li ∀ )゙)
___ (゙ヽ ( ( , ノ ノつ ))
∧■iii , -────────────────
('ヮ `;)h < 頼むから実験装置の方を見てくれ
(<y> ノ `ー───────────────一'
┌──────────────────────┐
│ 実験に限らず火気の使用時は
│
│ 目を離さないようにしよう
└──────────────────────┘
- 144 12/16 ◆VjTTYkUuRQED [sage] 2009/12/15(火) 23:41:10 ID:jy3mKrNY0
- ┌──────────────────────┐
│ 今回は止めるのが遅く失敗したが
│ これでも3回やればどうにかなるだろう
│
│ 50%程度なら火を近づけて透明な火が付くことで
│ 確認したりするが、より高濃度になると
│ 当然だがそんなことをしては危険だ
│
│ フラスコの底がヤバイし替えもないので
│ 今回はここで中止
└──────────────∨───────┘
___
∧_■iii
||\ ('ヮ `;)h トイレ ガエリテイドデ
○ ▽ (<y> / オオゴエ ダスナ
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |__|
| .| し `J
/|/| ∧∧
( *・) ワタシハ カエッテキター (゚; ) モウオワッテルゾ
- 145 13/16 ◆VjTTYkUuRQED [sage] 2009/12/15(火) 23:42:09 ID:jy3mKrNY0
-
生徒Nの攻撃!
┌────────────────────────┐
│ そんなことより
│ 今回使われたワインのアルコール度数を調べたところ
│ 13度程度しかありませんでした!
└───∨────────────────────┘
/|/| ∧_■iii
(#・∀・) ('ヮ `;)h
と つ (<y> /
| | |__|
し `J し `J
- 146 14/16 ◆VjTTYkUuRQED [sage] 2009/12/15(火) 23:43:47 ID:jy3mKrNY0
- /| /| ) 教授は経費で買ったワインを (
/ | / | ヽ 自分が飲むために少しぬいて (
/ | / | ) 薄めておきましたね!!! (
/ | / | `V⌒V⌒WV⌒Y⌒VV⌒W⌒Y⌒`
/ | / |
/ |___/ |
/ _ |
/ `ヽ |
| ヽ ノ⌒ |
. | ● |___,/ ● |
| | / |
ヽ | / /
ヽ | / /
\ | / /
> |_/ /
/ < __ │ \\ │ ┃
/ _,,--ー"^` ___) ├── \\ / / ┃
.| ) │ / /| ┃
| ノ └─── ──" | ●
| _,,--ー"
- 147 15/16 ◆VjTTYkUuRQED [sage] 2009/12/15(火) 23:45:20 ID:jy3mKrNY0
-
教授の冷静な反撃!
|ヽ <;;;;;;;;;;>
レ ゙ー一'l;;;;;;l ii
|- - `T
、 Д 、、ノ /
/<n> `  ̄ ̄ ̄} )
〈_〉  ̄ ̄ ̄
, -───/i───────────────────────
| …その調査に使ったという液体はどうやって持ち出したのかね?
`ー─────────────────────────一'
- 148 16/16 ◆VjTTYkUuRQED [sage] 2009/12/15(火) 23:46:27 ID:jy3mKrNY0
- ┌──────────────────────────┐
│ その後、罪を認めた生徒Nは残液飲みの刑に処せられた
│ おかげで2回目の蒸留とかどうでも良くなった
│
│ ありがとう生徒N、さようなら生徒N
└──────────────────────────┘
ミ ̄ ̄\ / ̄ ̄ミ
ミ ミ >'"~ ̄⌒y'⌒ヽ ミ あの教授の講義は笑い話にしかならないと思ってたけど
ミ ミ/ } 〉 ミ
ミ / / / )ノ ト、ヽ〈ヽミ 役に立つこともあるみたいね
彡ノ / /ノ イ } ノノ)ノ 〉))
くフ 人ヽノ∠_,,}ノノ∠人ノノし
〈 / ノノ y‐:::r r:‐y〈((
ヽ ( ((  ̄ ,  ̄ {ソ))
)ハヽ.ヽ* ー 一 ノノノ( γ⌒ヽ
`ヽソノ ) イ(( ー= __,)
( `ー─―一')、 `ー‐' ______
,.r―─ く ー── イー--、 / ヽ
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`iー----一i´:.:.:.:.:.:.:.:.\. | ⌒ ⌒ |
./ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ | ・ ・ |
/ :.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| |:.:.:.:.:.:.:..y:.:.:.:.| | ___ノ |
――――つづく