鉄火のはじまり 後編その2
- 248 1/16 ◆LiWish2aKA [] 2010/02/26(金) 18:34:25 ID:i7ib2yqw0
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┌──────────────────────────────────――─────―――─┐
| 目まぐるしい業務をこなしながら、高い安全性と信頼性を確保してる組織ってのには、相応の工夫がある。 .|
| 例えば、そうだな……そういうテーマを対象に取り扱ったモンで俺が少しでも知ってるのとなると、 .|
| バークレーチームによるHRO(High Reliability Organization=高信頼性組織)研究ってモンがあるが…… .|
└──────────────────────────────────――─────―――─┘
【 救急医療現場 】
∧_∧ ∧_∧ _∧
,-(';ミ "i;:,o"ミ,.,-('` ;.)≦ ;liミ ~~)― 、 ∧∧
( /⌒⌒*∵; と .):::y::::::ヽ⌒⌒⌒\ ミд゚liミ
\\ ;'’;,;: ・(_、_) ,__つ \ u:::::::::>
\\_*__*_)\二二二二ヽ二二二二ヽ u u
`─────'`─────'`────' 【 航空機・船舶 】
∧∧ ∩__∩ i'ヽ
(lil ) (゚ il .) /.::i|
( ). < l> ヽ// ヾ ||//_________/_'i,___
-‐─── 、 ,.-ーー─┴───・=二;))三));;:;;:ヾ;:;_\ \\,_______ ,i!''"
: : : : : : : : : l /,iコiコiコ †“DRAGON AIソ|iヽ,,..-''''" ̄// ̄ ̄ ̄ ''"==━
: : : : : : : : : | 【 軍事組織 】 _..,k-ー''"~ []i []l []i []l []i []i //[] | ̄| |[]i iコ/
--───-r==、 < ー─==============─//─--J┬' ─=/
|-‐ ' \_______________( ̄ ̄ ̄ノ___ ,,...ト|ー''゛
: | ,、 ヽつ) ii;;ii `'''‐((8) ト|
::. / ∩∩ ∧∧ ∧_∧ /V\
‐- 、 ‐r- '__∧д゚ )∧_∧゚*)_ ∧∧∀- )∧_∧・ ) ∧
_ ヾ ∀・ )/_<`д´/ >fー ミ゚Д゚,,ミ (´Д` )_l'ー、 (゚
::..:.... ̄ ` ‐- 、 /_lー/_l'ー、r/_lー/_l'ー、 r /_lー/_l'ー、 r/_ 【 他、原子力発電所、消防、海難救助など 】
:.:.:.:.:.:.:... : . : ., `\' >= / f<レ' >=i / f <レ' >= i | /
┌──────────────────────────────────────―┐
| これは、組織・テクノロジーの卓越した安全性のルーツは何かって問いに基づく研究だ。 |
| 事故社会学やリスク研究の分野にかなり近いが、認知人類学なんかの領分でもある。 |
└──────────────────────────────────――――─┘
- 249 2/16 ◆LiWish2aKA [] 2010/02/26(金) 18:35:11 ID:i7ib2yqw0
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┌────────────────────────────────―┐
| HRO研究の成果は多岐に渡るんで、ちょいと俺も語りきれないんだが―― |
└─────────────────────────────────┘
【組織の中央集権と権限分散のバランスの、状況に応じた柔軟な変化】
○ → ○
| /|
○ → / ○―┬―┬―┐
/|\ / / | | |
/ | \ → / / | | |
○―‐○ ○ ○―○ ○―○―――‐○―○―○
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○ ○ ○ ○ ○ ○ ○―○―○―○―○―‐○
【失敗事例への徹底的な分析+失敗事例報告者を賞賛する慣習】
/i ?? ∧∧
(。。 ;> (,,^д)
[失敗]とi [: 」っ[成功] / つ /i
ノ i 〈 /__,〈 (ー ゚*>
し`J し`J (_,,)~
- 250 3/16 ◆LiWish2aKA [] 2010/02/26(金) 18:36:06 ID:i7ib2yqw0
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【あらゆる部署での問題点を発見するための、複雑なコミュニケーション経路】
[問題発生!]―┬――┐
| | |
. [問題発生!]―――(――――○ |
│ | | |
├―――――○―――○――┤
|. ├─┐.. ↓
[問題発生!]――○―┴――→[報告]
/ ↑
[問題発生!]―――――┘
┌―――――――――――――――――――――――――――─────────―――――――┐
| といった要素を、高度の信頼性を要求される組織は総じて備えてるってことだ。 |
| 「1人の重傷者の背後には、同じ原因で29人の軽傷者があり、さらには300件の無傷の事故がある」 |
| って言葉があるが、それを自分で洗い出せる組織は、十分な信頼性を保持できるわけだ。 |
└─―─────────────────────────────────――────――┘
※……「」内はアメリカの技師ハインリッヒの言葉。「ヒヤリ・ハットの法則」とも。
- 251 4/16 ◆LiWish2aKA [] 2010/02/26(金) 18:36:49 ID:i7ib2yqw0
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┌―――――――――――――――――――――――――――─────────――――――――――
| 例えば救急医療なら、緊急度別にトリアージをして、可能な限り負担を分散することでパンクを防いだり。
| 混乱状態の現場で患者への措置の過誤が発生することを見越して、情報統括役の設置がなされたりな。
└────―───────────‐v─────────────────────――────――
∧∧
(;゚Д゚) i i i
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く;;;;;;;;;;;;;;;;\;;\|;;;;|
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/ / > ) \ ノノノ
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し' (_つ / /
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こういう先端組織の全体構造を分析する類の研究は、文化人類学のフィールドワークとの関わりが深いものもある。
俺の専門は民族考古だが、民族考古は文化人類学と縁が深いため――ギリギリ専門領域の端に引っ掛かっている。
人類学も、もうふらっとやってきた研究者が、部族集落に住み着いて三年、といった研究ばかりの時代ではないのだ。
- 252 5/16 ◆LiWish2aKA [] 2010/02/26(金) 18:37:53 ID:i7ib2yqw0
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┌――――――――――――――――――――――――――――――――――――─
│ だがまぁ、俺にできる近代的な組織論はこんなモンがせいぜいだ。あとは他で頼む。
| 俺ぁ元より考古屋だからな、近代的な認知論だの構造論だのは専門外なんだよ。
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で、そんな論をぶちながら俺が何をしているかと言えば、たたら炉の地下構造作りだ。
炭焼き跡の穴に灰が溜まっているのを見て、それを利用することにした。 鍬で穴を広げ――
┌───────────────――――────────────
| あとは中を打ち固めたら、重ねて灰を敷き詰めて炉の組み上げだな。
| 暫く晴れるそうだし雨は心配ねぇんだから、水気は持ち込むなよ?
└──‐v────────────────――――─――───――
┌――――――――――――――
| 水気があると、どうまずいの?
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∧∧ ∧_∧
(;゚Д) || =3 (−・ ;:;;),||
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`"''"'^´''"''"'"'^´''"''""`'"'"'"
- 253 6/16 ◆LiWish2aKA [] 2010/02/26(金) 18:39:06 ID:i7ib2yqw0
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| 湿気水気の類があると、まず熱を奪われて炉の温度が上昇しにくくなる。.|
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熱〜|| ||〜熱
|| 炉 ||
熱〜|| ||〜熱
/ `ー―一' ヽ
´''"''"'^´''"''"'"'^´''"''""`'"'"'"^´''"''"'
↓ ↓ ↓
熱 熱 熱
┌―――――――――――――――――――――――――――───────―――┐
| もちろん、十分な温度が確保できない限り、質の高い鉄――鋼鉄は得られない。 |
| まぁ、できそこないの海綿鉄(※)程度でも、ここじゃ貴重だ。その程度ならいいが…… |
└────―───────────――――――――――─────――――――┘
※……低温で融解せず還元された鉄鉱石。スポンジ鉄。
酸素が抜けた事でスポンジ状に穴が多く、不純物を多く含む。
- 254 7/16 ◆LiWish2aKA [] 2010/02/26(金) 18:39:57 ID:i7ib2yqw0
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| 最悪、炉のそばに水なんかが溜まっていたら―― |
└───────――――――――――───――┘
【炉の高熱に熱せられ、土に閉じ込められた水が水蒸気となると、】
熱〜|| ||〜熱
|| 炉 ||
熱〜|| ||〜熱
/ `ー―一' ヽ
´''"''"'^´''"''"'"'^´''"''""`'"'"'"^´''"''"'
熱熱熱
↓↓↓
熱→┌─┐←熱
熱→|水|←熱
熱→└─┘←熱
※……これはごく端的な模式図です。
- 255 8/16 ◆LiWish2aKA [] 2010/02/26(金) 18:42:35 ID:i7ib2yqw0
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【水と水蒸気の体積比は1対1700。1700倍に膨れ上がった蒸気が逃げ場を無くして弾ける、すなわち――】
┌────────―――─――――――――――┐
| 水蒸気爆発なんかが起こって、面倒なことになる。 .|
└───────――――――――――───――┘
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/ ̄ ̄7\ _从;:;:;....... .. .;;;:从_ / ̄ ̄ ゙\
v,w,.vw,.vW 〈: __/ .:〉  ̄ ` .,.,,.、.,. .、.,. ,,/´\:: /\
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――まぁ、そんなこんなで高熱の必要なたたら場に、水は厳禁だ。
- 256 9/16 ◆LiWish2aKA [] 2010/02/26(金) 18:44:34 ID:i7ib2yqw0
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┌────────────────────┐
| んじゃ、それを念頭に置いた上で作業行くぜ。 |
└────────────────────┘
1.砂利、草の灰、木の灰などで異なる層を作り、地下への熱伝導を防ぐ。
∧∧ ∧_∧
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し`J .ヽ==' (___,)__,) ヽ=='
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`"''"'^´''"''"'"'^´''"''""`'"'"'"
- 257 10/16 ◆LiWish2aKA [] 2010/02/26(金) 18:45:52 ID:i7ib2yqw0
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2.粘土を用いて直径1m、高さ1mほどの炉を組み上げる。
∧∧ ソウソウ
∧__∧ コウ? (Д^,,)
i`;:^;:^;:^;:'^;;'^;:i ( ´・ω) d|[::::::|
|;: ;: ;: :; :;: ;: ;: :|とと ヽ_ ノ;i;;;;;;ゝ
/;:;:;:;: ;:; :; :; ::;:;:ヽ (_)、__,) し`J
"`"'"^´''"''"'"'^´''"''""`'`' ̄`ヽ"::'::'"::"::`::'::"::'::"::'::"::"::''::"::"::`::'::"::"/` ̄`´''"''"'^´''"''"'"'^´''"''""`'"'"'"^´''"''"'
;ヽ;;:;:ヾ;:;:;:;:ゞ;:;:ヾ;:;:ゞ;:;:;:;:;:;:;:ゞ;:;:ヾ;:;:;ゞ:;/;
;\;:=;:==;:;==;:;=;;:=;:==;:;==;:;=;;:=;:/;
`"''"'^´''"''"'"'^´''"''""`'"'"'"
発掘された遺跡などを見るに、日本も弥生〜平安くらいまではこの程度の炉で製鉄をしていたようだ。
構造図は本で見たし、おおむね覚えている。 ――理屈の上では問題ないはずだ。
- 258 11/16 ◆LiWish2aKA [] 2010/02/26(金) 18:47:03 ID:i7ib2yqw0
-
だが、理屈が分かっていても実践は別だ。 一介の大学生である俺に、鉄を作った経験などは無い。
作りながらも、うろ覚えの記憶に戸惑うこともある。 不安で、少し胃が痛くなる。
――果たして、これで鉄ができるのか?
2.送風口、廃滓口の作成。鉄滓(または不純物、スラグ、ノドなどとも)の排出路を作る。
【炉:断面図】
この部位を崩して排出 ∧∧ ξ
/ (д-;)
i`;:i i;:'i |/ ∞[:::|
|;:;:| !、|  ̄ ノ;i;;;;;;ゝ
この部位から風を入れる→ ,'==、___,へ:;l し`J
"`"'"^´''"''"'"'^´''"''""`'`' ̄`ヽ"::'::'"::"::`::'::"::'::"::'::"::"::'':: ̄ ̄"`ー-、 /''"''"'"'^´''"''""`'"'"'"^´''"''"'
;ヽ;;:;:ヾ;:;:;:;:ゞ;:;:ヾ;:;:ゞ;:;:;:;:;:;:;:ゞ;:;:ヾ;:;:;ゞ:;/;`ー''―''´
;\;:=;:==;:;==;:;=;;:=;:==;:;==;:;=;;:=;:/; ↑勾配を利用し、ここに流し込む
`"''"'^´''"''"'"'^´''"''""`'"'"'"
- 259 12/16 ◆LiWish2aKA [] 2010/02/26(金) 18:47:57 ID:i7ib2yqw0
-
どんなに悩んだ所で、結局は信じてやるしかない。
しかし、“自分を信じろ”などというのは良くある言葉だが、言う分には簡単だ。
┌─────────────────────────────┐
| よーし、今日はここまでだ。 手伝ってくれた皆、ありがとな! .|
|. 明日はでかい作業をするんで、全員来てくれ! 以上、解散! |
└―――――――――――――――――――――――――――――┘
――実際に自分を信じ切ることは、凡人には意外と難しい。
- 260 13/16 ◆LiWish2aKA [] 2010/02/26(金) 18:51:03 ID:i7ib2yqw0
-
3.炉を形成する粘土を乾かすため、延々と火を焚く
(;
);: (;: ∧∧ アチー
,,,;;人,,;;从, (Д゚;)
i`;:^;:^;:^;:'^;;'^;:i |[::::」つ==
|;: ;: ;: :; :;: ;: ;: :| ノ;i;;;;;;ゝ
/;:;:;:;: ;:; :; :; ::;:;:ヽ し`J
"`"'"^´''"''"'"'^´''"''""`'`' ̄`ヽ"::'::'"::"::`::'::"::'::"::'::"::"::'':: ̄ ̄"`ー-、 /''"''"'"'^´''"''""`'"'"'"^´''"''"'
;ヽ;;:;:ヾ;:;:;:;:ゞ;:;:ヾ;:;:ゞ;:;:;:;:;:;:;:ゞ;:;:ヾ;:;:;ゞ:;/;`ー''―''´
;\;:=;:==;:;==;:;=;;:=;:==;:;==;:;=;;:=;:/;
`"''"'^´''"''"'"'^´''"''""`'"'"'"
だがそれでも、凡人だろうが天才だろうが、やらなきゃいけねぇことがある以上、
――やるしかねぇのが現実の辛い所だ。
失敗したらそん時ぁそん時。 男としちゃ、腹を括るしかないだろう。
- 261 14/16 ◆LiWish2aKA [] 2010/02/26(金) 18:51:47 ID:i7ib2yqw0
-
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
| っし、炉の乾燥は、あとはたまに木材継ぎ足して燃やしっぱなしにしときゃいいとして、
| しぃ、でぃ。 ちょっといいか? 悪いが例のヤツを今日中に仕上げたいんだが……
└――――――――――――――――――――――‐v――――――――――――――
"゙ "゙" "゙"゙ "`'"'"'"^´''"'' "'"゙"゙"
" ゙"゙" ゙"゙"゙"゙"
,,, ∧_,,, ゙"゙"゙ ∧∧ / ''""`'"'"'"^´''"''"'
(#゚;;-゚)/ (*゚ー゚) -
" |;:;:つ、0 ーと | ∧∧
(;;つ0/ヽ /}0と ) (゚,, )
<三} / ( ( ( {三> と[:::::::| ''""`'"'"'"^
=======' `=`======= ノ;;;;;;;ゝ
し`J
''""^´''"''"'
''""`'"'"'"^´''"''"'
次はふいごのほうだ。 こっちは大雑把な構造を説明して、しぃとでぃに頼んでおいたんだが……
- 262 15/16 ◆LiWish2aKA [] 2010/02/26(金) 18:54:55 ID:i7ib2yqw0
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┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
| 袋状に、空気を吹き込めるものを作ってくれ、っていうのだよね? できてるよ?
└―――――――――――――‐v――――――――――――――――――――
┌―――――――――――――――――――――――――――――
| もう? 作業量的に、てっきりまだできてないと思ってたんだが……
└――――――――――――――――――‐v――――――――――
┌――――――――――――――――――――――――――――
| 急ぎみたいだったから、でぃと二人で先に片付けたの。はいっ。
└――――――――――――‐v―――――――――――――――
"゙ "゙" "゙"゙ "`'"'"'"^´''"'' "'"゙"゙"
" ゙"゙" ゙"゙"゙"゙"
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(#゚;;-゚)/ (*゚ー゚) -_ (゚,, )
" |;:;:つ、0 | つつ(;:;:;:;:`=と[:::::::|
(;;つ0/ヽ /}0と ) `ー' ノ;;;;;;;ゝ
<三} / ( ( ( {三> し`J ''""`'"'"'"^
=======' `=`=======
''""^´''"''"'
''""`'"'"'"^´''"''"'
こりゃ、ずいぶん気をまわして貰っちまったな。
しかも俺の水筒を参考にしたのか、内臓製か。 ん、こりゃ良い出来だ。
- 263 16/16 ◆LiWish2aKA [] 2010/02/26(金) 18:56:13 ID:i7ib2yqw0
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┌──────────────――――――┐
| しぃも、でぃも、――なんつーか、ありがとな。 |
└―――――――――――─────────┘
┌―――――――――――――――――――――――┐
| 気にしない気にしない、なんだかんだでお互い様よ。 |
| ――あ、そうだ。 今日の晩御飯、何がいいかな? |
└―――――――――――――――――――――――┘
┌――――――――――┐
| ん? 別になんでも┌―――――――――――――――――――――――┐
└――――――――| なんでもいいは駄目。作る方だって迷うんだからっ。 .|
└―――――――――――――――――――――――┘
┌────────────────────────┐
| んじゃ、川魚と山菜の煮込みで頼む。 |
| まだあの、煎じると香ばしい実とかも残ってたよな。 .┌――――――――┐
└―――――――――――――――――――――――| ん、じゃあそれで。|
└────────┘
┌―――――――――――――――――――┐
| え、ト……アの、作業、頑張テ、くだサい。 .|
└―――――――――――――――――――┘ ┌──────――――――┐
| ……ん、頑張ってくるぜ。 .|
└――――――――――――┘
さぁて、明日はいよいよ本番だ――せめて銑鉄でいい。できてくれよ……!
――――つづく