神ならざる身の連想ゲーム
- 49 ( ´∀)・∀),,゚Д)さん [sage] 2010/02/15(月) 19:06:51 ID:rrmi/1BJ0
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!| i| i| |i !| i ! i
i i| ! i i |! i ! ! i i
i| ! i i ! ! i |! i| !
!| i| |i !| i ! i
i i| ! i i |! i ! ! i i
i| ! i i ! ! i |! i| ! i|
調査を兼ねたちょっとした散策の途中 ! i
i i| ! i i |! i ! ! i i
i| ! i i ! ! i |! i| !
|i ┌──────────────────────
!| │…やれやれ、とんでもない土砂降りになったもんだ ! i
i i| .└────────────────────── i
i| ! i i ! ! i |! i| !
!| i| |i !| i ! i
i i| ! i タイミングの悪いことに、大雨に見舞われた
i| ! i i ! ! i |! !
|i l ! l ! i i !| i
i ! i |! i |i i| i!
i! i! i i| i i ! i! i!
!i i| !| i! |i i!
!| i i |! i! |i i!
- 50 2/27(↑1/27) [sage] 2010/02/15(月) 19:08:12 ID:rrmi/1BJ0
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傘無い程度の文明だ。濡れない為には雨宿りする以外に方法はない
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ッ; ッi ;ッ/゛ ゛;ッ; ッ; ッ゛; ; ゛ ;゛゛;゛゛; i| ! i i !
l | ッ; (ゝ)゛_;ッ; ッ; ゛ ;゛ ; ッ; ッ;゛ |i l ! l
ッ"ッl"ll|ッ ゛ ;ッ; ッ; ゛ i ! i |! i |i
| l i |/ "ッ.゛;ッ !i i| !| i! |i
i | ..l|!| i |! i! |i i!
| i| l|
゙| │ l| i| ! i i ! ! i
i l l || |i l ! l !
│l | l | ∧ ∧ i ! i |! i |i
i |||| (,,゚Д゚) i! i! i i| i
│i | || :|::::::] !i i| !| i! |i
i | l |ヽ. ノ;;;;;i;;ゝ 、 !| i i |! i!
,r';,人 (ヾ、\し`J,
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
もっとも、この荒れようでは傘などさしたところで何の役にも立ちはしないが
- 51 3/27 [sage] 2010/02/15(月) 19:08:53 ID:rrmi/1BJ0
-
バケツをひっくり返したみたいに降った後は、さっさと止むだろう
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ッ; ッi ;ッ/゛ ゛;ッ; ッ; ッ゛; ; ゛ ;゛゛;゛゛;; i| ! :
l | ッ; (ゝ)゛_;ッ; ッ; ゛ ;゛ ; ッ; ッ;゛ | : ピカァッ!!
ッ"ッl"ll|ッ ゛ ;ッ; ッ; ゛ i |! : ゴロゴロ…!
| l i |/ "ッ.゛;ッ i| !| :
i | .l|!| |! i! ' ,
| i| l| ┌───────────────────────
゙| │ l | │…近いな。森に落ちて、火災なんか起こらなきゃいいが
i l l || └───────────────────────
│l | l | ∧ ∧
i |||| (,, ゚Д) i| ! i i
│i | || :|::::::] |i l ! l
i | l |ヽ. ノ;;;;;i;;ゝ 、 i ! i |! i
,r';,人 (ヾ、\し`J, i! i! i
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
激しい雨音と、時折混じる轟音を聞きながらそれを待つしかない
- 52 4/27 [sage] 2010/02/15(月) 19:09:34 ID:rrmi/1BJ0
-
雷鳴が響き、雷光が視界を染め、世界が震える
Α_Α ∧∧
(メ; ∀ ) と(Д゚;)
/ ;;; ]つG[二二二> ヽ'三ミ0
く_;・;ノヽ_〉 /;;;i;;;;;ゝ
(__/ ヽ__) (,/ ヽ)
それを五感で感じながら…ふと思い出した言葉に
│l | l | ∧ ∧
i |||| (,, ゚Д) i| ! i i
│i | || :|::::::] |i l ! l
i | l |ヽ. ノ;;;;;i;;ゝ 、 i ! i |! i
,r';,人 (ヾ、\し`J, i! i! i
気がつけば、意識の大部分を奪われていた
- 53 ( ´∀)・∀),,゚Д)さん [sage] 2010/02/15(月) 19:10:15 ID:rrmi/1BJ0
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short story of History
「神ならざる身の連想ゲーム」
┌─────────────
│ハーニヤ…雷光…"雷"、か
└─────────────
- 54 6/27(↑5/27) [sage] 2010/02/15(月) 19:11:07 ID:rrmi/1BJ0
-
あの男だけでなく、この村の人間も「電気」のことを知ってはいる
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
,@-@、 ,;" ゙:、
,@ミA=Aツ@ ( ミ=A=彡. )
@((´^ω^`))@ ヽ(´・ω・`)彡ノ
ゞ つ。 。つ くノ0。 。0ゞ
,;:"⌒⌒⌒⌒゙;,.. .,;"⌒⌒⌒⌒゙:;、
,;:,,,,'''' ;;;;'''' ;;;) (;;;;;;;;; '''',,,,:;、;;;;;
,;:,,, ;;;;;; ;;;;; ,,) (,,;;;;; ;;;;;; ,,,:;、
゙゙〜,,,,,,〜,,,,ノ ゞ,,,,〜,,,,,,〜""
! // ! ゚ ! ! // ! ゚ ! !
! \\ ! ! \\ ! ゚
// ! ! / / ! !
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身近に代表的な放電現象…「雷」があるからだ
- 55 7・27 [sage] 2010/02/15(月) 19:11:48 ID:rrmi/1BJ0
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だが、同じく神聖視されていた「火」とは違い、雷を人間が扱うのは困難を極める
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「雷」という現象は、端的に言えば「大気の絶縁を破壊する」程の
「電位差」による「電荷の移動」によって発生した「電流」だ
- 56 8/27 [sage] 2010/02/15(月) 19:12:29 ID:rrmi/1BJ0
-
つまり移動が終わり、電位差がなくなってしまえばそれまで
まさに「稲妻のような」一瞬で始まり、そして終わってしまう
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
付き合い始めの恋人のように引き合い. │
────────────────―┘
ΛΛプラスクン、ダッコー Λ Λ
(*゚ー゚) ギコハハハ (゚Д゚*)
/ - つ と + |
━━サルのように求め合う二人━┓
┗━家庭という名の安定状態 ━
ΛΛ Λ Λ
ヘ(o- *) ナァ…久々ニサ… (Д^ ;)
("-)と/´ ̄止メテヨ、イイ年シテ (( と/´ ̄ヽ
/ ̄ ̄" l /´ l
┌─────────────────
│倦怠期に陥った夫婦のように停滞する
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
原始的な生活を送っていた人類がそれを「利用」する発想に
至ることが出来なかったのも、当然と言えるだろう
- 57 9/27 [sage] 2010/02/15(月) 19:13:10 ID:rrmi/1BJ0
-
実際、紀元前600年頃、ターレスが琥珀と毛布の摩擦によって「なんらかの引き寄せる力」が発生する
ことを発見するまで、そして発見してから実に2000年以上経つまで、電気に関する大きな発見はない
::::::|
::::::|
::::::| タ-レス Λ_Λ
::::::| __ ( ・∀) (´∀` ;)
::::::| [二二] <::::::::l:::つO と一般 )
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| /::::::::::::::| | | |
|______| /:::::::::::::::::ゝ (_(___)
そのタレスにしても、その「力」が雷と同じ「電気」によるものだと認識してはいない
…それほど「雷」は、「電気」は未知の力だった
? タ-レス ギル
(・∀・;) (д゚,,)
Oとl::::::::> とl:;;;U
/:::::::::::::ヽ、 <;;;;;;;;;ゝ
/::::::::::::::::::::ゝ し J
1600年、ウィリアム・ギルバートがこの現象を「電気」によるものと定義し、磁力に関する研究と共に
ヨーロッパ史上初の科学書と言われる「磁石及び磁性体ならびに大磁石としての地球の生理」を執筆し
電磁気学における偉大な先駆者として名を残すことになる
- 58 10/27 [sage] 2010/02/15(月) 19:13:51 ID:rrmi/1BJ0
-
そして、1752年… i ! ! i |! !
━━━━━━━━━ l ! i i !| i
i! i! i i| i i ! i! i!
!i i| !| i! |i i!
|! i! |i i!
==========================================
おい、ベンジャミン!無茶するな、降りてこい!!
==========================================
i| ! i i ! ! i |! !
i ! i |! i |i i| i!
i! i! i i| i i ! i! i!
!i i| !| i! |i i!
!| i i |! i! |i i!
- 59 11/27 [sage] 2010/02/15(月) 19:14:36 ID:rrmi/1BJ0
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===================================================
ホークスビーの実験を聞いただろう、雷は「電気」なんだ! |! | | ! l |! .l l
それなら、この「ライデン瓶」に蓄える事が可能な筈なんだ! l |!| | ! l |! .l
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| ! l | ! l |! | \ |! l |!| !l | ! ! | ! l |! | |! l
!| l !ll |! l !| | ! l \ i __________________
| ! l | l | !| ! l | .\ ベンジャミン^7 ^7 ^7 ^7 ^7 ^7 ^7
!l |! !! l !l |l |! l |! l |!\ (´Д` ,,) ^7 ^7 ^7 ^7 ^7 ^7
! l |! | | ! l |! .l l |! / ヽ。⊂ ⊂ ) ^7 ^7 ^7 ^7 ^7 ^7
! l i !i li | ! l ! / ^7 」 < く く ^7 ^7 ^7 ^7 ^7 ^7
| ! l | !l |! ! | ! li / ^7 [__] (_(_) ^7 ^7 ^7 ^7 ^7
| ! | ! l | !l |! ! / ^7 ^7 ^7 ^7 ^7 ^7 ^7 ^7 ^7 ^7
| ! l | ! l |! | / ^7 ^7 ^7 ^7 ^7 ^7 ^7 ^7 ^7 ^7
! l | ! l |! |  ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
! | !ll |! l |!| | ! . |二二二|二二二|二二二|二二二|二二二|
l | !l |! ! | | ! |二二二|二二二|二二二|二二二|二二二|
- 60 12/27 [sage] 2010/02/15(月) 19:15:16 ID:rrmi/1BJ0
-
┏━━━ [ライデン瓶] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
ライデン瓶(ライデンびん)は、電気を蓄える装置
静電気を貯める装置であり、1746年にオランダのピーター・ヴァン・マッシェンブレーケによって発明された
オランダのライデン大学で発明されたため「ライデン瓶」の名がある。ガラス瓶の内側と外側を金属でコーティングしたもので
内側のコーティングは金属製の鎖を通して終端が金属球となっているロッドに接続される。通常、電極とプレートで構成され
これらが二つの電気伝導体となる。これらが誘電体(=絶縁体。例えばガラス)によって切り離され、そこに電圧をかけると
電荷が貯まることになる。原理的にはコンデンサと同じである
O
┃
┃
_人_
-=ニ___ ニ=-
| .^T^. |
/ .8 ヽ
:| .8 |
:|-=ニ_ 8._ ニ=-|
:|  ̄ |
:| l
.`ー − -- − ´
当初は、ガラス瓶の中に電気が溜まると考えられていたが、実際には上に示したように絶縁された2つの導体の表面に
溜まっているのであって、その間の空間には電気エネルギーが溜まっていることなる。一般に静電容量は現在の電子回路に
使われているコンデンサと比較すると、それほど大きなものではない。しかし、高い電圧を加えることによって多量の電荷を
蓄えることが可能で、使い方によっては感電を生じさせるほどの威力を持っている
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
- 61 13/27 [sage] 2010/02/15(月) 19:15:57 ID:rrmi/1BJ0
-
ベンジェミン・フランクリンが雷を伴う嵐の中で、命を掛けた行った実験
,@-@、 ? ,;" ゙:、 ? 「ライデン瓶」にワイヤーで接続した凧を
,@ミA=Aツ@ ( ミ=A=彡. ) 雷雲の中に突入させ、雷の正体を明らかにする
@(( ´^ω^))@ ヽ( ´・ω・)彡ノ
ゞ つ。 。つ くノ0。 。0ゞ
,;:"⌒⌒⌒⌒゙;,.. .,;"⌒⌒⌒⌒゙:;、
,;:,,,,'''' ;;;;'''' ;;;) (;;;;;;;;; '''',,,,:;、;;;;;
,;:,,, ;;;;;; ;;;;; ,,) (,,;;;;; ;;;;;; ,,,:;、 ┌─┐
゙゙〜,,,,,,〜,,,,ノ ゞ,,,,〜,,,,,,〜"" │凧│
! // ! ゚ ! ! // ! ゚ ! ! ト―-\ ヽ
! \\ ! ! \\ ! ゚ \ ヽ
// ! ! / / ! ! \
無謀と思えるその行動は、しかし確かな準備と知識、理論に裏打ちされた物だった。結果…
- 62 14/27 [sage] 2010/02/15(月) 19:16:40 ID:rrmi/1BJ0
-
ついに人は、「雷」を手にした
━━━━━━━━━━━━━━
┌──────────────────────── !
│…人類が誕生し、「雷」を知ったのが紀元前のはるか昔 l
└────────────────────────|i
| l i |/ "ッ.゛;ッ !i i| !| i! |i
i | ..l|!| i |! i! |i i!
| i| l|
゙| │ l| i| ! i i ! ! i
i l l || |i l ! l !
│l | l | ∧ ∧ i ! i |! i |i
i |||| (,, ゚Д) i! i! i i| i
│i | || :|::::::] !i i| !| i! |i
i | l |ヽ. ノ;;;;;i;;ゝ 、 !| i i |! i!
,r';,人 (ヾ、\し`J,
┌/l ───────────────────────
│ようやくその手に収めたのが、時代は移ろい18世紀…
└────────────────────────
- 63 15/27 [sage] 2010/02/15(月) 19:17:21 ID:rrmi/1BJ0
-
電灯が生まれた。電球が生まれた。電信が生まれた。電話が生まれた
へ
/ .: l
./..::..: | ./ | ┌────────────――――─────────
/:.:. .: |_ / :.: | │…「電池」が生まれたのは、それからたったの半世紀、か
/:. :. :..: "´"'' ., | /─────────────────────────
/:.:. :..: .: .`\
i::. :. :. : i
|. :. :. .: ─ O | 俺のいた文明は、"電気"の上に成立していると言っていい
i:.. :..: :. .i
l.::.:. _ |
r゛ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙l \─────────────────────────
l.: : . : . : . : .: . : . : . : . : . :.. :.. :| │フランクリンの時代からたった300年足らずで「現代」とはな
//  ̄  ̄ ̄ ̄  ̄ ゛ - r―ー´ ヽ、 └─────────────────────────
//,;,;, ;, ;, ;, ;, ; ,; ,; ,;, ;, ;,:┃・;, ;; :,;,; ,;ヽ
人類史上において、火に匹敵するブレイクスルーだったのだ、"電気"は
- 64 16/27 [sage] 2010/02/15(月) 19:18:03 ID:rrmi/1BJ0
-
仮にそのブレイクスルーを、今、この世界で起こせるとすれば
あるいは数千年単位で、文明の歩みを進めることが出来るのではないだろうか
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ッ; ッi ;ッ/゛ ゛;ッ; ッ; ッ゛; ; ゛ ;゛゛;゛゛; i| ! i i !
l | ッ; (ゝ)゛_;ッ; ッ; ゛ ;゛ ; ッ; ッ;゛ |i l ! l
ッ"ッl"ll|ッ ゛ ;ッ; ッ; ゛ i ! i |! i |i
| l i |/ "ッ.゛;ッ !i i| !| i! |i
i | ..l|!| ┌────────────────────────
| i| l| │…発電自体は、畑違いな俺の知識でも出来るんだよな
゙| │ l| /────────────────────────
i l l || |i l ! l !
│l | l | ∧ ∧ i ! i |! i |i
i |||| (,, ゚Д) i! i! i i| i
│i | || :|::::::] !i i| !| i! |i
i | l |ヽ. ノ;;;;;i;;ゝ 、 !| i i |! i!
,r';,人 (ヾ、\し`J,
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
例えば、車のバッテリー等に使われている「鉛式電池」などはどうだろう
- 65 17/27 [sage] 2010/02/15(月) 19:18:43 ID:rrmi/1BJ0
-
材料として必要なのは、極板に使う鉛、ニ酸化鉛。電解液として希硫酸
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
陽極(+) 陰極(-)
ニ酸化鉛(PbO2) 鉛(Pb)
┃ ┃
┃ ┌┴┐ ┌┴┐ ┃
┃ (PbSO4) (H2O) │ │ ┃
┃ │ │ (PbSO4) .(+) │ │ ┃
┃ │ │ (-) │ │ ┃
┃ | (-) | (+) 硫酸イオン│ │ ┃
┃ │ │ 水素イオン. │ │ ┃
┃ │ │ (H) │ │ ┃
┃ │ │ 鉛の溶解( (-).│ ┃
┃ │ │ (+) (-) │ │ ┃
┃ └―┘ └―┘ ┃
┃ 希硫酸 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
金属鉛があれば、製鉄と同じ加熱処理を利用し、一酸化鉛も精錬出来る
- 66 18/27 [sage] 2010/02/15(月) 19:19:24 ID:rrmi/1BJ0
-
そこからニ酸化鉛を作る為には酢酸…"酢"が必要だがこれは何とかなるか
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
│i | || 、 !| i i |! i!
│l | l | i ! i |! i |i
i l l || |i l ! l !
│l | l | ∧ ∧ i ! i |! i |i
i |||| (,, ゚Д) i! i! i i| i
│i | || :|::::::] !i i| !| i! |i
i | l |ヽ. ノ;;;;;i;;ゝ 、 !| i i |! i!
,r';,人 (ヾ、\し`J,
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
いや、まず前提から行こう。そもそも鉛、そして硫酸を入手できるかだ
- 67 19/27 [sage] 2010/02/15(月) 19:20:06 ID:rrmi/1BJ0
-
鉛は硫化鉱物である方鉛鉱から精錬出来る。硫酸はニ酸化硫黄から
精製するとして、方鉛鉱から金属鉛を作る過程で入手することは可能な筈だ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
方鉛鉱 +酸素 →鉛 + ニ酸化硫黄
PbS +O2 → Pb +SO2
ニ酸化硫黄+ニ酸化窒素→三酸化硫黄
SO2 + NO2 → SO3 + NO
三酸化硫黄 + 水 → 硫酸
SO3+H2O → H2SO4
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
方鉛鉱は火山活動の多い日本でよく見かけるメジャーな鉱物だが、この辺ではどうか
- 68 20/27 [sage] 2010/02/15(月) 19:20:46 ID:rrmi/1BJ0
-
火山活動が行なわれた形跡が見つかれば入手できる確率は格段に上がるのだが
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
│i | || 、 !| i i |! i!
│l | l | i ! i |! i |i
│l | l | ┌─────────────────
i l l || │…赤土があるんだよな、この辺りには
│l | l | ∧ ∧ /─────────────────
i |||| (,, ゚Д) i! i! i i| i
│i | || :|::::::] !i i| !| i! |i
i | l |ヽ. ノ;;;;;i;;ゝ 、 !| i i |! i!
,r';,人 (ヾ、\し`J,
- 69 21/27 [sage] 2010/02/15(月) 19:21:27 ID:rrmi/1BJ0
-
仮にあの赤土が、関東ロームのような火山灰が酸化したものだとすれば。しかし…
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ッ; ッi ;ッ/゛ ゛;ッ; ッ; ッ゛; ; ゛ ;゛゛;゛゛; i| ! i i !
l | ッ; (ゝ)゛_;ッ; ッ; ゛ ;゛ ; ッ; ッ;゛ |i ┣━┃┃
ッ"ッl"ll|ッ ゛ ;ッ; ッ; ゛ i ! i |! i. ┗━ ╋┓|i
| l i |/ "ッ.゛;ッ !i i| !| i! ┃ ア ┃┃
i | ..l|!| i |! i! |i ・ ・
| i| l| ┌───────────────
゙| │ l| │うおっ…!?今のは凄かったな…
i l l || /─────────────── !
│l | l | ∧ ∧ i ! i |! i |i
i |||| Σ(; ゚Д) i! i! i i| i
│i | || :|::::::] !i i| !| i! |i
i | l |ヽ. ノ;;;;;i;;ゝ 、 !| i i |! i!
,r';,人 (ヾ、\し`J,
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
一際大きな雷鳴が、俺を現実に引きずり戻す。同時に、自分の考えに苦笑した
- 70 22/27 [sage] 2010/02/15(月) 19:22:08 ID:rrmi/1BJ0
-
そもそも、仮に電力を手に入れたとしてどうする?
┌────────────────────────────
│…まだ製鉄すら成功してない段階で何を考えているんだろうな俺は
│益体もない妄想をしている場合じゃないだろうに…
└────────────────────────────
工学の知識については流石に自信がない
生み出した電気を利用する術を俺は持っていないのだ
- 71 23/27 [sage] 2010/02/15(月) 19:22:48 ID:rrmi/1BJ0
-
┌───────────────────────
│…お、どうやらさっきの雷が最後っ屁だったらしい
└───────────────────────
|\ |\
|:: \ | \ サァッ…
|:: \-―- ヽ.
|::: | /
|::: | ―
|: :: ○ |
|.:: |
ト、 / ̄l ノ.
/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ "'r
ト- ― ―- 、_ ノヽ、
/,; ,; ,; ,; ,;;,;,;;;,;,, l ,; , ,;, ,;ヽ、
./,; ,; ,;;l ,; ,; ,;:,;,; , |・,;,;, ,; :,; ,ヽ
/:.::..:.:.:.:ト、,; ,;,;;,:,; |・ ,;イ ;;;,;/
ト.:.::.:.:.,;;,;, ] ),;,:;,,;;|・,;, l_/.
- 72 24/27 [sage] 2010/02/15(月) 19:23:30 ID:rrmi/1BJ0
-
トライアンドエラーで検討していけば、なんとかなる可能性は…ある
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ッ; ッi ;ッ/゛ ゛;ッ; ッ; ッ゛; ; ゛ ;゛゛;゛゛; i|
l | ッ; (ゝ)゛_;ッ; ッ; ゛ ;゛ ; ッ; ッ;゛
ッ"ッl"ll|ッ ゛ ;ッ; ッ; ゛ i
| l i |/ "ッ.゛;ッ !i
i | ..l|!| i
| i| l|
゙| │ l| ! i
i l l || i
│l | l | ∧ ∧ i
i |||| (,, ゚Д) i
│i | || :|::::::] !
i | l |ヽ. ノ;;;;;i;;ゝ 、 !
,r';,人 (ヾ、\し`J,
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
けれど今の俺は指導者の立場にある。現状ではとてもではないが
手を出している余力は無い
- 73 25/27 [sage] 2010/02/15(月) 19:24:10 ID:rrmi/1BJ0
-
┌─────────────────────
│さあて、やる事は山積みだ。とっとと帰るとしよう
└───────────────l/ ─────
i | ..l|!|
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i l l ||
│l | l | ∧ ∧
i |||| (,, -Д)
│i | || :|::::::]
i | l |ヽ. ノ;;;;;i;;ゝ
,r';,人 (ヾ、\ (( (/ J,
- 74 26/27 [sage] 2010/02/15(月) 19:24:51 ID:rrmi/1BJ0
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: . ┌──────────────────────────── : :.
: . │…あ、そういえば近くに竹林もあったな。エジソンが白熱電球を
. : │作った時、フィラメントの素材として日本の竹を使ったらしいが…
:: └──────────────────────────── .:.:.::....
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- 75 27/27 [sage] 2010/02/15(月) 19:25:32 ID:rrmi/1BJ0
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神ならざる身の連想ゲームは続いていく
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もし、仮に電気を作れたら…
いやしかし、ガラスの球が…
いや待てよ、確かガラスの素材は…
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始まった文明が、いつか自分に追いつくまで