オールドキャッスルへ行くというので、最寄のウソで宿を取った。 ここは文化も建物もローザリアの都会と比べるとだいぶ遅れている。 宿も薄い石壁で出来ており、部屋には扉代わりの厚手の長い布切れが一枚。 ベッドも硬い。サソリが出てもおかしくない感じだ。 俺はいいけど、女性陣には辛いんじゃないかと思われたが、そんな彼女達は文句一つ言わずに自室へ入って行った。 死と隣り合わせの毎日だから、これくらいで文句が出る訳もないか。 俺も質素な一室に入り明日の攻略に向けて武器の手入れをしていると、衣擦れの音がした。手元を照らしているランプの明かりしかないから、その人物の全身を照らす事は出来ないが、その細身のシルエットを見れば誰だかすぐに判る。 「よ、グレイじゃないか」 明るく声をかけてみたが、これからの事を考えると、我ながら白々しい物言いだ。 … ズボンの前だけをくつろげる。グレイもズボンだけ脱ぎ、後はそのまま。細身の身体をベッドに横たえ、ぐい、と足を掴んで両足を広げてやる。奥が丸見えになっているこの体勢にもグレイは嫌がる素振りも見せない。どこか冷めた様な表情だ。 薄い肉付きの尻を辿って奥の入り口をなぞり、まず指を一本入れる。内部は熱く、とろけるようだ。それから次第に指を増やし、3本入れた所で、空気が洩れるような音がした。グレイが口を両手で塞いで必死に声を抑えていた。 本当は声あった方が良いけど、この安普請ではどこまで声が届くか判ったものじゃない。 そういえば。 お互い身に付けている服を見て、少し気になる事があった。 「なぁ、中に出して良いよな?」 「…っ!」 耳元でつぶやくと、小さな悲鳴が洩れた。 我ながら情けない事聞くよなぁ。女が相手なだまだしも、男相手にこんなこと聞くとは。一瞬萎えかけたくらいだから、こんな事聞くのは心底嫌なんだと我ながら思う。 まぁ、お互い服着たままだし、服の上に吐き出す訳にも行かないから中に出すのは想定内なんだが。 しかし、グレイは顔を思いっきり横に振って拒否しやがった。服が汚れる方を取るというのか。明日は早いから洗濯する暇もないし、ここは着替えを売っていそうな店もない。でも、涙目で拒否しているグレイを見たら(自分の息子が)ちょっと元気になった。 普段は絶対見せないそんな弱々しい表情を見せられたらたまらない。本人は判ってないんだろうか。 でも、嫌がっている割には、指を内部でぐるりと動かせば締め上げてくる。逃れようとしたから腰をがっしり掴んで固定する。俺を引き剥がそうにもその両手は口を塞いでいるから使えない。 ここまで追い詰められていて、なおも嫌がるのは、単純に気持ち悪いというのと後の処理が大変だからだろうな。 そろそろ俺自身の余裕も無くなってきた。 グレイの両足を肩に乗せ、身体を密着させ、それから自信を2、3回しごいてから、慣らしたそこに深く沈めた。良さそうな箇所を擦り上げると内部は複雑に蠢く。グレイは身体を震わせ、力無く顔を横に振っている。 それを無視して腰を動かす。肌のぶつかり合う音と水音が部屋に響いていて、もしかすると音が外に洩れてるんじゃないかと思うが、構わず腰を打ち付ける。 身体の間で立ち上がっているグレイ自信を握り、動きに合わせて上下にしごく。手のひらに、どろり、とした感触がしたかと思うと、内部がぎゅう、ときつく締め上げてきた。あぁ、やばい。 「ーっあ、ごめ、出っ…」 「っは…はぁ、熱っ…!」 一気に持っていかれ、たまらず俺も限界を迎えて腰を震わせて精を放った。 その瞬間にぎゅっと一方的に抱きしめてやる。服を着たままだというのが、行為の愚かしさを語っているようだった。 身体を離し自信を抜くと、グレイはぐったりと力無く寝転がった。意識飛んでいるらしい。 そんなグレイの額に口付ける。 唇には口付けない。 … 俺はこうしてグレイと繋がる訳だが、そこには愛情とかいう類の感情は無かった。お互い気持ちよくなって、吐き出して、それで終りだった。 ただ、抱きしめて奴の身体の体温を感じると、もしかすると、という感情が沸きあがってくる。 俺達の関係は、グレイが軍から離れた時点で終わった筈だ。 筈なんだが…。 外が薄ら明るくなっているのが見える。 短い睡眠を取る為に、俺は再び床へ入った。 |