圧倒的な物量が身体に入り込んできて、グレイは思わずうめいてしまった。
暗闇に慣れた目で見上げると、男が、ガラハドが、心配そうな顔でこちらを覗き込んでいる。
グレイは内心舌打ちする。
中途半端に攻められてかえって辛いというのに。男は身体を動かすのを止めてしまった。

もしここで自分が、止めてくれ、と懇願したなら男は素直に身体を離すだろう。そして謝りながら自分の身体を労わるだろう。この男はそういう男だ。

笑ってしまう。この男は何故、自分を壊れ物の様に扱うのか。
突っ込んで動いて、吐き出してしまえばそれで終りだというのに。

男はグレイの強張った身体をあやすかの様に額と瞼に唇を寄せ、胸の突起を丹念に舐める。いつもは抑える嬌声もこの男の前では自然とこぼれる。
ただ触られるだけなのに、異様に気持ちが良かった。
もっと触って欲しいと、男の頭にしがみ付き、せがむ。胸元に寄せた唇は次第に首筋へと上がり、そしてグレイの薄い唇へと辿ってきた。
薄い唇を舌でこじ開けられ、グレイは何か戸惑うかのように、恐る恐る唇を開け、舌を受け入れる。吸い付くような口付けに酔い知れる。
口付けとはこんなに気持ち良い物なのか、と初めて気付く。
ふと目を開けて男の表情を見ると、眉を寄せ、グレイに丹念に口付ける男の表情があった。普段の精悍な表情とはまた違う、雄々しさがあった。

そしてグレイはこの男の表情を見て、理屈抜きにこの男が好きなのだ、という事を確信した。



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