■ BreakingHeart〜狂心〜 ■

[あとがき]




委員長の復讐が終わってから、俺はまた変わらぬ日常を生きていた。

朝、迎えに来たあかりと学校に行き、志保や雅史と雑談し、授業中は窓の外を見たりして時間を潰す。

だが、俺にはもう、以前のような変わりのない、平凡な日常が楽しいと思えなくなっていた。

それは、やはり陵辱という物を経験してしまったからだろう。

あれほど、刺激的なことをしたのだ。ほかの物事が、抜け殻のように感じるのも仕方がない。



「ふう…」



そんな日常のある日の昼休み、俺は大きな溜め息をついていた。



…もう一度、陵辱がしたい。女をいたぶって犯して、泣き叫ばせたい…



そんな強い思いからだ。



「どうしたの?浩之。」



雅史がそんな俺に声をかけてきた。

俺が何も言わずにもう一度、溜め息をついたら雅史は、周りを窺って俺に耳打ちをした。



「浩之。陵辱が忘れられないんでしょ。」



「…ああ…」



嘘をついても仕方ないので俺は、正直にそう答えた。

軽く顔を歪ませた雅史がさらに言葉を続ける。



「あれは、病み付きになるよね…実は、僕も忘れられなくてね…」



「ああ…」



「…だれかを…犯る?」



雅史の言葉に俺は、迷っていた。もう既に良心などは捨て去っていたが、陵辱が発覚してブタ箱行きになるのは嫌だ。

以前は委員長が後始末をしてくれたが、今回は俺たち自身が上手く後始末をしなければならない。

確実にばれないようにすることが必要だった。雅史に確実に犯せる当てでもあるのだろうか。



「だれか、知っているのか?」



「いや…どれもイマイチだよ。浩之の知り合いの方が可愛くて犯しがいがある娘が多いんじゃない?」



「まあ、そうだが…俺の知り合いか…」



「うん。」



雅史の言葉に俺は、思考を巡らせて見る。

確かに俺の知り合いは雅史の言う通りな女が多い。

その中でも、気が弱くて、俺たちが犯しても抵抗したり、逃げ出したりしないような女がいい。

それらの条件にあう女は……いた。



「姫川琴音」だ。



「…どう?いい子、いる?」



「ああ、いるぞ。」



「そう。」



俺の答えに雅史も嬉しそうだ。

無邪気な満面の笑みを浮かべている。

この笑顔が雅史の人気の秘密なのだろう。

…俺から見れば、冷たい笑みだが。

そんな雅史の笑顔を見てこのクラスの中の雅史ファンから黄色い声があがっている。

そんな一片の価値もないブス女の声援を完全に無視して雅史は俺の話に耳を傾ける。



「手順としては…」



「……」



「…と言う感じだ。」



「浩之。残酷だね…」



「おめえも人のこと言えねーだろう。」



「はは…そうだね。」



俺と少しばかり軽口を叩き合って、雅史はすぐに自分の席に戻っていってしまった。

雅史は、警戒しているのだろうがこれは残念だ。もう少し陵辱について話をしていたかったんだがな。

まあいい。放課後が楽しみだ。



「くく…」



「浩之ちゃん?」



「…!?」



唐突に俺に話し掛けてきたあかりの声に思わず、俺の表情と身体がこわばる。

…まさか、話を聞かれたりしてないだろうな…。



「何だ?あかり。」



「何でもないよ。最近、浩之ちゃんの様子が変だから気になってたんだよ。…でも、よかったぁ〜。

最近元気ないみたいだったから。」



「…?」



「さっき、笑ってたよね。」



「…!?ああ…俺なら大丈夫だぞ。」



「そうだよね…」



「……」



何故かあかりと話して俺は、ばつが悪かった。

やましい隠し事をしているからだろうか。



(あかりの奴が、俺が女を犯して喜んでいるのを知ったらどんな顔をするかな…)



頭の中であかりの顔を想像しかけて、無理やりやめた。

そこからは何も考えないようにした。

…陵辱の事以外。





そして、放課後。





放課後、俺は早めに教室を抜け出して琴音を待っていた。

通り過ぎる生徒達が、「校門で女を待つ。」という古典的ラブコメまがいの俺の行為を見て、時おり俺に視線を送ってくる。

…う〜む、これは少し恥ずかしい。校門で待つのは失敗だったか。

そんな事を考えていると。



「あれ…?藤田さん。こんな所で何をしているんですか?」



獲物が罠にかかりに来た。俺は心の中でほくそ笑む。

俺は、琴音の前に移動して気さくに話し掛けた。



「あっ、琴音ちゃん。俺は琴音ちゃんを待っていたんだよ。」



「私を、ですか?」



「ああ。しばらく会ってなかったから、どうしてるかなって思ってな。」



「そういえば、ひさしぶりですね。ふふ…」



俺とひさしぶりに会って琴音は心なしか嬉しそうだ。

明るい表情で、俺との会話を楽しんでいるように見える。

端から見れば仲のいいカップルにでも見えるだろうか。



「…で、どう?力の方はコントロール出来てるか?」



「…はい。適度に力を発散させる事でコントロールできてます。」



「そうか。それはよかったな。」



「はい!藤田さんのおかげです!」



「…そんな事、ないって。それより、立ち話もなんだから、いっしょに帰ろうか?」



「あ…はい。」



校門前で立ち止まって話をするのも気恥ずかしい。

夕陽が辺りを赤く染め上げる中、俺と琴音は校門を出た。



「そういえば、あの犬はどうなったんだ?」



「浩之さんですか?元気ですよ。」



「だから、その名前はやめろって。」



「ふふ…いやです。」



取り留めのないような事を話しながら歩く。



話し続けていると、どうしても話は琴音の力の話になる。

この話になると琴音は、力をコントロールする事が出来たのは、俺のおかげだといって譲らない。

よっぽど、俺に恩を感じているらしい。



「…でも、本当に私がこんなに変わることが出来たのは藤田さんのおかげです。」



「だから、そんな事ないって。琴音ちゃんが頑張ったからだよ。俺は何もしてないぜ。」



「それでも、藤田さんが居たから、私は頑張れたんです。藤田さんがいなかったら、私…」



「そうかなぁ…?」



「そうです!」



語尾を強めながらそう言って琴音は、俺に微笑みかける。

俺は気恥ずかしくなって、顔を逸らしてポリポリと頭を掻いた。

そんな俺を見て、琴音は優しい顔で俺を見つめる。



(藤田さん…私…あなた事…)



「ん?俺の顔に何か付いてるか?」



「あっ…いえ!何でもないです。」



俺を見つめていた琴音はそう言って顔を赤らめながら俯いてしまった。

くくく…どうやら琴音は俺の事が好きらしい。こいつは陵辱が楽しみだな。



その後もくだらない事を話しながら歩いた。

そのうちに琴音ちゃんと別れる道に来ていた。



「では、藤田さん、私はこれで…」



「琴音ちゃん。俺の家に寄って行かないか?」



「えっ…藤田さんの家…ですか。」



「ああ…嫌か?」



「いえ!…そうですね。じゃあ…」



俺が誘ってやると、琴音は、笑顔で快諾した。

嬉しさを滲ませている。



これが、罠とは知らずに…



「琴音ちゃんは俺の家に来た事なかったっけ?」



「あっ…はい。中に入るは初めてです。」



「まー普通の家だけどなぁ」



「そんな事ないですよ。藤田さんの家…楽しみです。」



「…楽しみ…か。」



「はい!」



元気よく、そう返事した琴音は足取りも軽い。

俺の家に来るのがそんなに楽しみなのか。



…これはたっぷりと楽しませてあげないと、悪いな。



「…と、ここだ。」



「はい。知ってます。…ふふふ…」



「じゃあ、中に入ってくれ。」



がちゃり…玄関横の植木鉢の下から鍵を取り出して、ドアを開ける。

…関係ないが、鍵の隠し場所と言えば、ここか郵便受けの中と相場は決まっているだろう。



「ただいまー」



「失礼します。」



「って、誰もいないけどな。まあ、こういうのは気分の問題だよな。」



「そうですよね。」



何が嬉しいのか、先ほどから琴音はにこにこしている。



「じゃあ、その階段から二階に上がっておいてくれ。俺もコーヒーを入れたらすぐに行くから。」



「私も手伝いましょうか?」



「いや。先に上がっておいてくれ。すぐに行くから。」



「はい。」



…トントントン

琴音が階段を上がっていき、俺の部屋に入った。

それを確認して、玄関から雅史が入ってくる。



「打ち合わせどおりだね。」



「ああ…もう少しだ。」



「うん…楽しもうね。」



「絶望の果てに叩き落としてやるぜ。」



「ふふ…」



お互いに笑いあって、俺はコーヒーを入れるとそれを二階に運ぶ。

雅史はしばらくの間、下で待機だ。



「…まった?」



「いえ…待ってないです。」



「…コーヒー、角砂糖は一個でよかったよな…」



「はい…」



しばらく、お互い無言でコーヒーをすする。狭い部屋に男女が二人きり。

その状況が気まずさを生み出して発言をしにくくさせ、お互いを意識させる。

もっとも、そんな純な気持ちなのは琴音だけだ。俺のは完全に芝居。

沈黙が辺りを包み、部屋の中はHな雰囲気になった。

琴音の方を見ると顔を赤くして、時おりちらちらとこちらに視線を送っている。



(よし…仕上げだな…)



「…琴音ちゃん…」



「はい…」



「好きだ…」



「えっ…んんっ…!?」



俺は、いきなりの告白とともに琴音の唇を奪ってやった。

琴音はいきなりのキスに驚き、俺を押しのけようとする。

が、俺が慈しむ目で見つめてやると琴音は目を瞑り、俺のキスを受け入れた。

俺は琴音の身体を抱き寄せ、さらにキスを続ける。



(くくく…もうしばらく、芝居を続けてやるよ。もう少し少女漫画のヒロイン気分に浸ってるんだな。

その方がおもしろいからな。幸せの絶頂から絶望の果てへ…くくっ…そん時の琴音の顔が楽しみだぜ。)





後編へ。







[あとがき]




Breaking Heart3(前編)いかがでしたか? 鬼畜ばりばりHは後編へおあずけ。

早く読みたい人はメールか掲示板で早く書いてくれ〜と催促ください。

多少は早くなりますよ。

別に意地悪をしてるわけじゃなくて、執筆速度低下への対応策としてこういう形を取っただけです。

では〜〜。


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