もし…?シリーズ第一作目。
このSSは単行本九巻HINATA72~74「萌えよ剣」での景太郎と素子の間の、もし?を題材にしたものです。
単行本片手にこのSSを読まれるのも一興かな…と思います。
まあ、あくまでも作者的なもし?なんで、無理やりな展開やこれはおかしいという所があるかも知れません。
「私は、どうしたらいいんだ…私は、私は…浦島――…」
悲鳴をあげるようにそう言って、素子ちゃんが俺の胸に飛び込んで、そのまま俺の胸の中で泣き始める。
ぽろぽろと大粒の涙を流して、しゃくりあげながら。
(うわ、うわ、うわわ――!?モ、モ、モ、モトコちゃん!?)
いきなりの事と、俺の身体に押し当てられる柔らかい胸の感触とで俺は、パニックに陥りかけていた。
(あわわ…で、でも、こんなにふるえて…)
(あああ、胸の柔らかいのが…じゃなくてっ!!)
(うおぉ、だ、だきしめてあげたいっ!!)
俺は、途中まで手を伸ばすが、抱きしめる直前で躊躇する。
(ダメだー!!今、素子ちゃんは傷付いているから、俺に抱きついているんだ!人の弱みに付け入るような真似は…ここで俺が
成り行きで抱きしめたら、素子ちゃんは…ダメだ!そんな事したら、俺は最低の奴だぞ!)
「ひっく、ひっく、ひっく」
俺の葛藤をよそに素子ちゃんは俺の胸の中で未だに泣いている。
ぷるぷる…
宙に浮いたままの俺の腕が、痙攣する。
(ダメだー!!このままでは…何か…!何か、俺の正気を保たせるのは…)
精一杯の理性で辺りを見渡して、俺の理性を繋ぎ止めてくれそうなものを探す。
(あっ…あんな所に洗濯バサミが!!アレを顔に挟んだら…って、届かない!!)
悶絶する俺の胸の中、素子ちゃんが少し泣きやんで何かを呟いた。
「う、浦島…」
「…素子ちゃん…?」
俺は名を呼ばれて、何?という感じで平静を装って答えた。
相変わらず俺の頭の中は葛藤で混乱していたが、素子ちゃんは真剣なんだから俺も真面目に接しなくてはいけないと思ったからだ。
「私は…」
「……」
「浦島…なぜ…」
「ん…?」
「なぜ…私を、抱きしめてくれんのだ!?なぜ、温もりを私に与えてくれないのだ!?」
「素子ちゃん…」
悲痛な声でそう叫ぶと素子ちゃんはより一層俺に抱きついてきた。
きゅう…と、何かに縋るように必死に。
「なぜ、私の傷を癒してくれないのだ!?私は…」
「違うよ。素子ちゃん。俺だって素子ちゃんを抱きしめたいし、温もりを与えて傷を癒させてあげたい。」
「なら…!」
「でも、それはだめだよ…それをしたら俺は素子ちゃんを傷つけてしまう事になる。素子ちゃんが弱っているのを、
傷付いて助けを求めているのをいい事に抱きしめたら、俺は人として最低な奴になってしまう。」
「でも…私は、浦島が…!」
「違うんだ!素子ちゃん。素子ちゃんは、今、温もりがほしい。だから俺に抱かれようとしているんだ。
本当に俺の事が好きなのかはわからない!そんなのダメだよ。」
「私は、本当に…!」
「それに、俺は素子ちゃんの気持ちに答えてあげられない。なのに俺が素子ちゃんを抱きしめたら、素子ちゃんは傷…」
「…!?でも…それでも、構わない…!!」
言ってはいけない。言えば素子ちゃんが傷付く。と思いながらも彼女を思い止まらせるために言った俺の言葉でも、
素子ちゃんは止まらなかった。それどころか、素子は答えるようにゆっくりと優しい口調で俺への気持ちを語りはじめた。
「私は、浦島を目の敵にして、ひどい事ばかりしていたのに、お前は、いつも笑顔で私に接してくれた。
姉上に捨てられて落ち込んでいた時も、私を優しく慰めてくれた。あの時、私は本当に嬉しかった…
その時から…私は、お前に対する気持ちに気付いたんだ。私の気持ちは本物だ…」
「…素子ちゃん…」
「浦島が、なる先輩の事を好きなのはわかっている…」
「…ゴメン…」
「なら…私が、青山素子でいる限り抱いてもらえないなら…」
「浦島…私を、なる先輩の代わりとして抱いて欲しい。」
「…!?…素子ちゃん…」
あまりに唐突な素子ちゃんの言葉に俺は、一瞬、意味がわからなかった。
ぽろぽろと大粒の涙を流しながら俺に必死に縋ってくる素子ちゃん。
俺に抱いて欲しい思いから、自分自身を否定するような言葉すらも飛び出した。
それを聞いて俺はとても悲しくなった。そして、どうすればいいのかわからなくなった。
このまま、俺が素子ちゃんを抱きしめなければ、素子ちゃんは自分の存在を否定してでも俺に抱かれようとするかもしれない。
かといって、俺の素子ちゃんか成瀬川…どっちの方が好きなのかうやむやなまま、
素子ちゃんを抱いてしまえば、二人とも不幸になってしまうかもしれない。
俺は、どうすればいいんだろう…
「……」
「俺は、素子ちゃんが思っているほど、いい奴なんかじゃないよ。今、素子ちゃんが告白してくれているのに俺は、
この事を成瀬川にどう言い訳しようか考えているんだよ。」
自嘲気味にいった俺の言葉に素子ちゃんは大きく首を横に振った。
そして、泣き顔で精一杯の笑顔を作って口を開く。
「それでも…私は、側にいれるだけで…」
「素子ちゃん…俺は…」
俺には、目に涙を溜めて健気に俺の側に居たいと訴える素子ちゃんを拒む事は出来なかった。
このまま素子ちゃんを放って置けるほど、俺の成瀬川への想いは強くなかったみたいだ。
俺は、素子ちゃんが好きだ。だから、素子ちゃんを抱く。そして、ちゃんと素子ちゃんを愛して、そしてけじめをつけるよ。
わかってくれるよな…って俺達は、まだ、恋人関係じゃなかったんだっけ…成瀬川…ゴメン。ホント、ゴメン…
「俺も、素子ちゃんの事…好きだよ。」
「…ほ、本当か。お前のほうこそ、私でいいのか。わ、私は全然、女らしくなくて、可愛くもなくて、家事も下手で、
剣ばっかり振り回して、乱暴で、世間一般の女たちとはかけ離れた女だぞ…」
「…素子ちゃんは、ただ少し不器用なだけだよ。俺はそれらを欠点だとは思わないけど、嫌なら直せばいい。俺も手伝うよ。」
「それと、自分が誰かの代わりになる、とか言わないでよ。素子ちゃんは、素子ちゃんのままで…ね。」
「あ…う、浦島ぁ…浦島ぁ〜!」
感極まった素子ちゃんが俺をより一層強く抱き締めてきた。
俺も両腕を廻して強く素子ちゃんを抱きしめる。
ふわりと素子ちゃんの髪のいい匂いが俺の鼻腔をくすぐる。
見た目とは違って素子ちゃんの身体は華奢だ。
抱きしめている今、それはより一層はっきりとわかった。
どんなに力や気が強くても、ちゃんと心と身体は女の子なんだよな…
俺は、素子ちゃんを抱きたいと思った。
これは、下心や状況に流されての物ではなくて、本当にこころの底から愛しくて。
俺は自分に縋ってすすり泣く素子ちゃんの頭をゆっくりと優しく撫でる。
素子ちゃんは胸に埋めていた顔を起こし、俺の方を潤む目で見つめた。
「素子ちゃん…抱いて、いい?」
「うん…抱いて…抱いてほしい…浦島に」
あまり自分に女としての自信がないのか、素子ちゃんの声は消え入るように小さい。
ただ恥ずかしかっただけかもしれないが。
「素子ちゃん…」
「浦島…んっ…」
お互いの名を呼んで、二人は軽く唇を合わせる。
異性とのキスが、初めてであるので素子ちゃんは少し震えていた。
そんな素子ちゃんを、大丈夫だよ…と、しっかりと抱きしめた俺は、キスをより深いものにかえる。
閉じられた素子ちゃんの唇を割って俺の舌が素子ちゃんの口へと侵入していった。
「ん…んんっ!?」
いきなり舌を入れられ、素子ちゃんは驚いて唇を離しそうになったが、俺がしっかりと抱きしめているので動けない。
俺がキスを続けるうちに、素子ちゃんも体の力を抜いて俺を受け入れていった。
「ぷはぁ…」
しばらくキスを続けた後で、俺は素子ちゃんが着ている俺の服(たぶん)に手を掛けた。
不安そうな顔をする素子ちゃんをもう一度抱きしめてキスをする。
そのキスにいくらか不安が紛れたのか俺に身を任せるようにもたれかかった。
「脱いで…」
「ん…うん…」
始めは俺が服を脱がそうと思っていたが、それは素子ちゃんに委ねる事にした。
脱がされるよりは、自分で脱いだ方が精神的にも楽だろう。
嫌なら脱がなければいい。
「は、恥ずかしいから、あっちを向いていてくれ…」
だけど、素子ちゃんは自分で着ている服(といっても、雨に濡れて着替えがない彼女に着せてあげた俺の服だけど)を
脱ぎ始めた。一枚、羽織る感じで着ているだけだから、ボタンを外してそれを脱いだらもう下着一枚になる。
「もう…いいぞ。」
向こうを向いていた俺は、素子ちゃんの声で振り返る。
そこには顔を真っ赤にして、手で胸を隠すように押さえる素子ちゃんがいた。
「……」
「あ、あまりじっと見つめないでくれ…」
「…ああ…ごめん…つい、見とれて。」
素子ちゃんは本当に美しかった。
ほんのりと上気した、染み一つない綺麗な絹のよう、という表現がぴったりな肌。
緩やかな曲線を描く腰のライン。
「ほんとに綺麗だ・・・」
「恥ずかしい…あっ…」
恥ずかしさで胸を隠す腕に力が入り、逆にそのゆたかなふくらみが強調された。
「こっちに…手をどけて…」
俺は優しく素子ちゃんを後ろから抱き寄せると、胸に当てていた腕を降ろさせた。
俺の目の前に素子ちゃんの豊かな乳房がさらされる。
「触るよ…」
「……ん…」
俺は、柔らかそうな胸に手を伸ばして優しく揉んだ。
ゆっくりと慎重にその温かさを感じながら。
「柔らかくて、温かい…」
「浦島の手…あっ…んん…」
耳元で甘く呟きながら俺は、愛撫の勢いを強めて行った。
素子ちゃんの身体は、きちんと成熟している。
きちんとした愛撫を行えば、身体もそれに反応してくるだろう。
「ふ…んん、う…」
円を描くように揉んで行き、最後は乳首に達する。
それも勢いに変化をつけて、強くしたり弱くしたり…
時おり荒い息を吐いて素子ちゃんは俺の愛撫に反応する。
その声はとっても色っぽく、俺を興奮させた。
「…どう?気持ちいい?」
「ふぅ…んん…わ、わからないけど…嫌じゃないな。浦島の手が優しいから。」
「なら、これは?」
「きゃう!?…こ、こら…調子に乗るな…」
俺がいきなり素子ちゃんのうなじに舌を這わせると、素子ちゃんは驚いて可愛い声を上げた。
そして、身体をくねらせて俺へ非難してくる。
「これは…嫌?それとも、俺の舌だから嫌じゃない?」
「な、何を…んんっ…」
胸の愛撫と合わせて責める俺。
「ねえ。どっち?」
「う…い、嫌…じゃない…」
「それは、よかった。」
俺は、舌攻めをやめて再び胸の愛撫に専念し始める。
「素子ちゃんの胸は良すぎていつまでもこうしていたいくらいだよ。」
「浦島の、手も優しくて私も、ずっと触っていてほしいくらいだ。」
しばらく愛撫を続け、頃合を見計らって俺は胸を揉んでいた手を下腹部へと移動させる。
素子ちゃんは俺の行動に抵抗せずに力を抜いて受け入れてくれた。
「素子ちゃんのあそこ…」
「恥ずかしい…」
下着の中に手を入れて秘部周辺を弄る。
もちろん、痛みなどを与えないように注意して、だ。
恥毛を掻き分けながら、核心の部分に近付いて行く。
「ひあっ!?」
「あっ…痛かった?」
クリトリスを指で突くと素子ちゃんは、驚きの声を上げた。
強くしすぎたかな…
「…いや。少し驚いただけだ…」
「それならいいけど、痛かったら無理せずに言ってよ。」
「うん…ありがとう。浦島。」
俺はクリトリスを突くのをやめて、くすぐるように優しい愛撫をした。
素子ちゃんの身体も俺の愛撫にしっかり反応してくれる。
俺がそれを続けていると、しっとりと素子ちゃんのあそこが潤ってきたのがわかる。
「ん…ふぅ…ん…」
素子ちゃんも、ちゃんと感じているようだ。
(もう…いいかな?)
「あ…えっ…どうして…?」
愛撫していた手を止めて俺は、素子ちゃんから離れた。
そんな俺の行動に素子ちゃんは不安げな顔でこちらを見ていた。
その顔は、私を捨てないでくれ。と言いたげな悲しい表情だった。
…そんな顔しなくても俺は素子ちゃんを捨てたりなんてしないよ。
「素子ちゃんが裸なんだから俺も脱がなきゃね…」
「あ…」
そう言って素子ちゃんの頭を軽く撫でると、素子ちゃんの不安げな表情が明るくなった。
「では…私は向こうを向いて…」
「いや…見ていて欲しいな。素子ちゃんに俺の全てを。」
「えっ…だが、それは、その…」
顔を赤くしてうろたえる素子ちゃんの前で俺は服を脱ぎ始めた。
まずは上着…そして、下着。
俺の体が少しずつ露になればなるほど素子ちゃんは慌てて、視線を逸らそうとする。
俺はそんな素子ちゃんを可愛いと思いながらも、「ちゃんと見ていて欲しい。」と素子ちゃんの視線を先に移動した。
「わ、わかった…見るから…」
素子ちゃんは、恐る恐る顔を見上げて俺の方をみた。
トランクス一枚になっていた俺の股間を見つめる。
なんだかんだいってもやはり気になるらしい。
…やっぱり勃起しているからか?
トランクスを押し上げるようにして自己主張をする俺のモノ。
それに、恥ずかしそうにしながらも魅入る素子ちゃん。
俺はトランクスに手をかけて、遂に素っ裸になった。
日本人の平均より立派な俺のモノが素子ちゃんの視線にさらされる。
…いっておくが、俺は包茎じゃないよ。
「はは…どう?素子ちゃん…見るのは初めて?」
「ば、バカ者…女の子にそんな事聞くな…」
「ご、ゴメン…」
俺のソレを見ていた素子ちゃんに話し掛けると、素子ちゃんは、はっとして俯いてしまった。
…う〜ん…ちょっと台詞がおやじっぽかったかな?でも何て言ったら良いか、わかんなかったしなあ。
「…素子ちゃん…もう入れて良いかな…」
「あ…うん。私も浦島のがほ、ほ…」
そう言いかけて、言葉に詰まってしまう素子ちゃん。
…本当に、うぶだよな。こういう事にまったく免疫が無いんだろうな。
俺は、素子ちゃんを軽く抱きしめて頬にキスをした。
「ありがとう…じゃあ俺の方に来て。」
そう言って俺は挿入の体制を整える。
俺の希望を言うと出来るだけ素子ちゃんを感じながら一つになりたい。
そこで、俺はあぐらをかいて座り、その上に素子ちゃんを座らせるようにして挿入する事にした。
初めてで、この体位はきついかなと思ったが素子ちゃんも俺を精一杯感じながらの方が良いだろうし。
「うん…で私はどうすればいい?」
「俺の上に座るようにして、入れていって欲しいんだ。」
「う…この上にか…」
天を突かんとばかりに勃起している俺のモノを見て、不安げにそういう。
やはり、恐いんだろう。
「大丈夫…こうした方が抱き合いながら、出来るから…痛ければ俺を抱きしめて。」
「…うん…では、いくぞ…」
俺をぎゅっと抱きしめながら、ゆっくりと腰を降ろしていく素子ちゃん。
「くっ…う…あ…浦島…」
俺のモノの先端が素子ちゃんのあそこにあたり、徐々に入って行く。
素子ちゃんは俺の愛撫により、多少濡れていはいたものの、やはり痛みを感じるのか辛そうな呻き声を出し、
俺の背中に廻した手に力を入れて耐えている。
「くうぅ…入った…」
やがて俺のモノを全て受け入れた素子は俺の胸に顔を埋めた。
俺は辛そうな素子ちゃんをしっかりと抱きしめ、頭を優しく撫でる。
「大丈夫?」
その俺の声にいくらか安心したのか、素子ちゃんは少しからだの力を抜いた。
素子ちゃんの中はとても暖かな…安心できるような、そんな感じがした。
一つになれたという安心感から来ている感情なのかも知れないが。
「うん…私は大丈夫。浦島こそ大丈夫か?」
「俺?俺は大丈夫だよ。」
本当に素子ちゃんはこういう事に疎いらしい。
初めてのセックスでも男は、女ほどは辛くない(包茎君を除けば。)…というか初めてでもいきなり気持ちいい。
素子ちゃんはきっと大きな痛みをがまんしているだろう。
それなのに自分の事より俺のことを心配してくれるなんて…
「素子ちゃんの中…あったかくて…とってもいいよ。」
初めて男を受け入れる素子ちゃんのそこは俺のモノをきつく締めて来る。
気持ちよさを感じる俺とは裏腹に素子ちゃんは苦しそうだ。
それでも俺が思っていたよりは辛くないみたいで少し安心した。
俺は、初めては泣くぐらい痛い物だと思っていたから少し意外だった。
体の発育が良かったのか素子ちゃんが我慢しているだけなのか。
なんにせよ、俺達二人は一つになれたんだ。
俺はふと思いついて素子の中に埋没しているモノをビクビクと動かしてみた。
「あっ…浦島の…が私の中で…」
そう言って素子ちゃんは苦しげな声を上げながら潤んだ目で俺を見上げてきた。
…可愛い。
俺は素子ちゃんの身体を思わず抱きしめた。
すると、素子ちゃんも細い腕で抱き返してくる。
「…好きだよ。」
「…私も。」
「んん…」
軽くキスを交わして俺は、腰を動かし始めた。
素子ちゃんが少し顔を歪める。
「う…浦島…」
動き始めた俺を潤んだ目で見つめてくる素子ちゃん。
「痛い?素子ちゃん?」
「大丈夫…っ…んはっ…ふあっ!?…」
痛みを紛らわそうと俺は素子ちゃんの耳の裏側に舌を這わせた。
…確か素子ちゃんはココが感じるんだったよな。
何とか素子ちゃんの痛みを和らげる努力をしながらも俺は下から突き上げるように…
といっても、もちろん手加減をしてだが腰を動かしつづけた。
素子ちゃんも、始めは辛そうに俺に抱きついていただけだったが、
そのうちに痛みになれて来たのか控えめながら彼女も腰を降り始めた。
「ふっ…んっ…あ…」
「あっ…ふ…浦島ぁ…何か…あんっ…」
素子ちゃんは俺の愛撫と腰の突き上げにまだ少しだけれど感じ始めたようだ。
先ほどまで締め付けるばかりだった彼女の中も少しほぐれて来たのか、俺のモノを包み込むようだ。
「素子ちゃん…もっと動くよ。…いい?」
「うん…もっと動いて…私も、もっと浦島を感じたい…」
もっと気持ちよくなって欲しい。もっと俺を感じて欲しい…
俺も素子ちゃんを感じてもっと気持ちよくなりたい。
「あ…あうっ!はあっ…!んっ!」
俺がより一層激しく腰を突き動かすと素子ちゃんは、さっきの声とは違う声を上げ始めた。
痛みに耐える呻くような声ではなく、短く高い声。
「はあっ…!ふぅ…ん…!」
「気持ちいい?」
「はあっ…う…うん…あっ…浦島ぁ…」
ジュプジュプジュプ…
結合部からお互いの肉が擦れあう音が響く。
「素子ちゃんの中…気持ちいい…」
「私も…あっ…う…!はあ…浦島の…気持ちいい…」
俺達は、時おりディープキスを織り交ぜながら、激しくお互いを求め合った。
その激しい動きに俺には限界が近付いていた。
「ああ…はあ…だめだ…もう…」
もうだめだ。もっと…果てるまで彼女を感じていたいけど、それをすると膣内射精になってしまう。
いきなり、はじめての娘にそんな事をするわけも行かないので俺は限界を素子ちゃんに告げる。
「う…素子ちゃん…俺…もうだめだよ。」
「浦島…嫌…私から離れないでくれ…」
彼女の中からモノを引き抜こうとした俺を素子ちゃんは必死で抱きとめるように制止する。
「で、でも…!」
「いい…このままで…中で…」
「…素子ちゃん…わかったよ。」
「はあっ…ああ…!」
素子ちゃんの必死な気持ちが痛いほど俺に伝わってくる。
…俺が膣内射精して子供が出来たとしても育てればいい。
…二人で育てればいいだけだ。俺と素子ちゃんで。
俺はそう覚悟を決めて、素子ちゃんを強く抱きしめると腰の突き上げを激しくさせた。
果てる瞬間まで精一杯素子ちゃんを感じるんだ。
素子ちゃんも俺のモノを一層激しく締め付け、絡み付いて来る
「はあ…う、浦島…一緒に…」
「う、…素子ちゃん…」
「んっ…あはあああぁ…!!」
俺と素子ちゃんは共に絶頂を迎えた。
彼女の膣壁が俺のモノを強く締め上げる。
限界を超えた俺はドクドクと彼女の中に精を放った。
素子ちゃんへの想いをありったけ込めて。
「はあ…ああ…浦島のが…」
「ん…素子ちゃんのが俺のに絡みついて…」
恍惚とした表情で素子ちゃんが中で感じる俺の精に声を漏らす。
俺も素子ちゃんの中の搾り取るような動きに声を漏らした。
「はあ…はあ…」
「はあ…はあ…」
行為が終わった後も二人はしばらく裸で抱きあってお互いの体の温もりを感じあっていた。
「浦島…」
俺の傍らで生まれたままの姿の素子ちゃんが俺の胸に顔を寄せて、言う。
彼女の長くて綺麗な髪が俺の肌にあたり、こそばゆい。
俺は彼女の肩に手を伸ばして、彼女の言葉に耳を傾けた。
「ん…?」
「私と、なる先輩…どっちが好き?」
「そんな事、言わなくてもわかっているだろう。」
素子ちゃんの問に俺は苦笑いを浮かべる。どうも女の子というのはこういう事が、どうしても気になるらしい。
もう、素子ちゃんに心を決めた俺は、言うまでもない、といった風に答える。
「…それでも、構わない。元々、二人の間に割り込んだのは私だからな。お前の側にいられるだけで。」
だが、それを素子ちゃんは違う風に解釈したらしい。素子が悲しげにそう呟いた。
それにしても、何とも健気な事を言ってくれる。
こんな事を言われたらますます俺は、素子ちゃんを手放せなくなるじゃないか。
何にせよ。素子ちゃんにはっきりと言わなくちゃな。うやむやにならない内に。
瞑っていた目を開けて、俺は彼女に語りかけるように言った。
「…そんな事、言わないでよ。俺は素子ちゃんの事、本当に好きだよ。成瀬川より、誰よりも。」
「…ありがとう…」
素子ちゃんは、そう言って本当に嬉しそうな幸せそうな笑顔を見せる。
しばらく、そのまま見つめ合っていたが、そのうちに…
「Z…Z…Z…」
素子ちゃんは、俺の胸の中で、安らかな寝息を立てていた。
彼女の寝顔を見つめる。
安心しきって眠っている子供のような可愛い寝顔。
「……」
そんな顔を見ていたらこっちまで眠たくなってきた。
ふぁ〜あ…とあくびが漏れる。
「俺も寝ようかな。」
もう一度、素子ちゃんを抱き寄せると俺も安らかな眠りの世界に入っていった。
[エピローグ]
数日後、俺と素子ちゃんは京都を訪れていた。
だが、その手には「ひな」は握られていない。
戦いに行くのではないから。
素子ちゃんのお姉さんに報告に行くのだから。
俺と素子ちゃんの祝言の。
「……」
「モトコはん…あんたは、剣を捨てるんやな」
「はい。姉上。私は、女として生きます。」
「…そうか。それも、もう一つの選択肢やな…あんたがそう言うんやったらウチは止めまへんよ。」
「…浦島はん。モトコをよろしゅう頼みます。知ってる思いますが、この子は小さい頃から剣、剣、で生きてきたさかい、
得られなかった物が仰山あるんです。女としての生き方、喜び、そういったもんも含めて…浦島はん…
あんたなら、この子の失ったモン…取り戻せる、思います…よろしゅうたのんます…」
「お姉さん…」
「モトコはん。浦島はんとじっくり時間をかけて幸せを取り戻し。
浦島はんなら、きっとモトコはんの事、幸せにしてくれるさかい…」
「姉上…」
「さあ!そうと決まったら、祝言の用意をせないけまへんなぁ…二人とも、何しとりますんや。挨拶回りに、式場探しに、
日取りの決定…やらないかん事は、山ほどありおすよ」
「…はい!」
そして、物語はもう一つの結末を迎える。
FIN
[あとがき]
ラブひな純愛SS、景太郎×素子でしたぁ〜!いかがでしたでしょう?
純愛ものは書き慣れてないので、凄く疲れました…(特にHシ〜ン)
没SSを無理やり修正したから、話の展開が無理やりだし…あいかわらず捻りもなんもないありきたりな純愛H…
ん〜なんかイマイチな出来。私には、純愛は向いてないのかも。
それに、景太郎がなんだか男らしすぎるかも。素子も積極的過ぎたし…。素子がいつものように凛としてないのは、
女の子は好きな男の前では、絶対にしおらしくなる。という作者の偏見からわざと女っぽくしているわけです。
コミックスでも、ここらへんのシーンでは女っぽかったし。
…まあ、それらも、もし?ってことで許して欲しいです。
スランプ中に書いた物なのでなんか文章とかがへぼいかも…許してね。
あと、素子姉の口調は適当です。あんなもんじゃないっすかね?
以前、考えていたのは成瀬川が死んで、景太郎と素子が結ばれるっていう内容だったんですが、
話がヘビーになって来たのと、イマイチまとまりがつかなかったので没にしました。
その没になった話を読みたいという変わったお方がおりましたらいさりんまで連絡していただければ、
そのSSを手直しして、皆様の目に届く様にさせていただきます。
ビバ、素子。
では〜〜。
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