■ 今は。これからもずっと… 後編 ■ |
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[あとがき] |
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街の一角にある古びた廃ビル。
バブルの建設ラッシュに乗じて建設され、その後の不況で持ち主のいないビルだ。
そこに、先程捕らえたばかりの蒲乃菜と例の男を連れ込む。
ふたりとも意識はない。
冷たい鋼鉄の柱。
そこに蒲乃菜を縛り付け、その正面には男を縛り付ける。
準備と役者は揃った。
これから、絶望という名の演劇が上映される。
あとは上演を待つばかりだ。
「……ん…」
「……あ…」
椅子に座していた所、しばらくも経たぬうちに二人は目を覚ます。
「…やあ。ひさしぶりだな。いつぞやの時以来か。」
「…っ!?ど、どうして…」
「お、お前は…」
俺の顔を見るなり二人に驚きと恐怖が浮かぶ。
…いいぞ。俺のもっとも好きな表情だ。
「どうやら二人とも俺を覚えていたみたいだね。光栄な事だよ。」
どうも蒲乃菜と話すと以前の自分が出てくるみたいだ。
「ああ…蒲乃菜…僕が大好きだった女の子。でも、君は僕を拒絶してあざ笑ったよね。
僕は君がとても憎い。だから、絶望と苦痛を味わって苦しんでよ。それで僕が癒されるんだ。」
狂おしい笑顔を浮かべて蒲乃菜を見つめる。
俺から目をそむける蒲乃菜に俺を睨みつける男。
「さて…どうしてやろうか…蒲乃菜。」
顔をそむける蒲乃菜の顎先を持ち、こちらを向かせる。
きらきらと澄んだ純な瞳。
それを見ると虫酸がはしり俺は思わず顔をしかめた。
「…嫌な目をしている。今からそれを俺の色で埋めつくてやろう。」
「お前ぇ!蒲乃菜に触るなぁ!」
嫌がる蒲乃菜にキスをしようとした俺の背後から男の罵声が飛ぶ。
…やりかけていたキスを中断して、男の方に振り向いてやる。
「ならば、お前が助けてやったらどうだ? それとも、お前は吠えることしか出来ない犬なのか。
はははっは…!王子様を気取っておいてこの有様か。」
「くっ…!くそぅ…蒲乃菜…」
「さあ…蒲乃菜…」
「い、嫌ぁ…」
俺との口付けを拒んで、蒲乃菜はブンブンと顔を振る。
「嫌か。」
つかつかと俺は蒲乃菜から離れて俺は男の首に鋭く尖った爪を押し当てた。
「っ!?くっ…」
「さて…この男はどんな声を上げて死ぬだろうか。」
「や、やめてぇ!言うことを聞くから…」
押し当てた爪に力を入れると男の首筋から血が垂れる。
「くっ!蒲乃菜…俺に構うな…そいつの自由にさせるな。」
「お願い!何でもするから殺さないで。その人だけは…」
今時、二流ドラマでもやらないようなこの陳腐なやり取り。
その滑稽さに思わず笑いがこみ上げて来る。
「ふ、ふははは…お前らの恋愛ごっこは見ていて反吐が出るぜ。」
「…いいだろう。この男は殺さないでおいてやろう。」
「言っておくが、俺から顔を背けたりするなよ。それはお前らの死を意味するぞ。
もちろんこの男にも俺たちの行為はすべて見て貰う。目の前で犯される恋人の姿を。」
「さあ…」
再び俺は蒲乃菜にキスを強要する。
その柔らかい唇に俺の唇を押し当てる。
目の前には、蒲乃菜の綺麗な顔。
蒲乃菜の匂いが漂ってきては俺の鼻腔をくすぐる。
「ん…ふ…」
しばらく押し付けていた唇を離し、今度は舌をそこに這わせる。
「や、やぁ…」
ぬめぬめとした俺の舌が自分の唇を這う気持ち悪さに弱々しく拒む。
しかし、俺の行為を拒む事は許されない。
「口を開けて舌を出せ。」
「う…うっ…」
震えながら口を開けると蒲乃菜はゆっくりと舌を俺の前に差し出す。
俺は、その鮮やかなピンク色の舌を嘗め回す。
俺の舌に伝わる蒲乃菜の甘い唾液。
ぺちょ…くちゅ…ぴちゃ…
俺は、貪るように嘗め回した後、口内へと舌を進めていく。
そこも丹念に蹂躙していく。
蒲乃菜の白い歯。
赤く健康的な歯ぐき。
喉からぶら下がるる小さな突起物。
収まり切れない唾液がお互いの顔を濡らすまでそれらすべてを嘗め尽くす。
地面には、どちらの物ともつかぬ唾液の染みが出来た。
「ぷはっ…なかなか美味だったぞ…お前もよかっただろう。」
「う…く…」
「…質問には答えろ。」
「…はい…とっても美味しかったです…ううっ…」
「ふははは…そうか。それはよかった。では次に何をして欲しいのか言ってみろ。望むなら、またキスをしてやってもいいし、
胸も揉んでもいい。あそこも舐めてやる。なんならアナルを舐めてやっても良いぞ。どうするんだ?」
「………」
そのまま蒲乃菜は黙ってしまう。
…このまま俺が蒲乃菜をしたい様にするだけでは面白くないのだ。
…問題なのは俺が満足する事ではなくて、蒲乃菜が絶望する事だ。
…そのために俺の次の行動を蒲乃菜に決めさせるのだ。
自分自身で選ぶともなれば、その苦しみはより強くなるだろう。
もちろん選ばせるといっても、救いの選択肢などはないが。
「さあ…早く言え。」
俺は、ただ目を瞑って耐えていればいい、という事は許さない。
「ほら。早く言え。」
「む、胸を…」
そこまで言って次の言葉を紡げなくなる蒲乃菜。
俺はそんな蒲乃菜を睨みつけると脅しの言葉を吐く。
「…胸だと…?蒲乃菜…自分の立場がまだわかってないのか。」
「う…ごめんなさい・…あそこを…」
「…何だ?何をすればいいんだ?」
「な…舐めてください!う、ううっ…。」
蒲乃菜は、やっとの事でそう言い切ると恥ずかしさと強制されたとは言えども、
恋人の前で自分から男を誘ってしまった罪悪感に嗚咽を漏らす。
「そうか。そんな純情そうな顔をしながら、恋人の目の前で他の男に
そんな事を懇願するなんてお前は、最低な雌犬だな。」
「ひ、ひどい!酷すぎる…」
などと俯いたまま蒲乃菜は漏らした。
その言葉は、俺の心に響き、俺の中の人間の頃の記憶を呼び覚ます。
…「くすくす…そうですね…魔物から私を守ってくれる王子様」
…僕は…蒲乃菜にとって王子様なんかじゃないんだ…
…魔物。蒲乃菜が口にした僕に対する言葉…
…そう。僕は魔物なんだ。蒲乃菜にとって。恐怖の対象なんだ。
…なら、いいよ。僕は魔物になるよ。蒲乃菜にとって恐怖の存在になる。
…蒲乃菜が僕の事をそう思うのなら…
身体の中から俺の身を焦がすような悲しみと怒りの炎が湧いて来る。
そして激情にまかせて蒲乃菜の髪を握りしめる。
「酷いだと!?ならばお前のした事はどうなんだ!」
「えっ…きゃあ!い、痛いやめて!」
髪を握りしめて振り回す俺に蒲乃菜は痛みの声を上げる。
「言ってみろ!お前が俺の純情をそこの男と一緒にあざ笑って踏みにじったのは 酷くないというのか!
自殺にまで追い詰められた俺の気持ちがわかって堪るかぁ!」
「わ、私…嘲笑ってなんか…いません…」
生真面目な蒲乃菜ゆえにそれを否定するが、それは火に油を注ぐ結果となる。
「黙れ!黙らないとこの男ともどもぶち殺してやるぞ!」
「ご、ごめんなさい……」
男の名を出されたとたん蒲乃菜は従順になった。
しかし、それは俺にとって不愉快な事でしかなかった。
…それは、蒲乃菜がその男のことを大切に想っている証だから。
俺は、怒りに歪ませた顔のまま蒲乃菜の耳元で呟く。
「…お前の気持ちは良く分かった。ではこの男と一緒に殺してやろう。」
「…っ!そ、それだけはやめて!何でもしますから…」
蒲乃菜にとってその男は命よりも大切らしい。
必死に俺に懇願して来る蒲乃菜。
「………」
「お願い…します。」
俺はどこまで蒲乃菜が俺の責めに耐えられるのかを試してみたくなった。
…それは、俺を傷つける結果になる事は明らかだったのに。
かちゃかちゃとベルトを外してズボンを降ろす。
そして傍らに置いておいた椅子に腰掛ける。
「舐めろ。」
「えっ…はい…」
戸惑う蒲乃菜を俺の前に跪かせて俺のペニスの前へ誘導する。
赤黒くグロテスクな俺のペニスに蒲乃菜は顔を背けそうになるが、
俺が蒲乃菜の顔を押さえてそれを許さない。
「…ん…ふ…く…」
ぺちゃ…くちゃ…
そして俺の言った通り蒲乃菜はそれに舌を這わせ始める。
ぺろぺろと鮮やかなピンク色をした舌でペニスを舐めあげていく。
ちろちろとした弱い快感だったが、その遠慮がちな刺激が逆に俺を満足させた。
温度の高い蒲乃菜の舌が冷たい俺のモノを暖めていく。
「よし、いいぞ。そのままだ…」
俺の股の間で顔を動かして舐めつづける蒲乃菜。
それを睨むように見ているしか出来ないあの男。
「…どうだ。いい眺めだろう。自分の恋人が他の男のモノをしゃぶっているってのは。
ふはは…こいつはなかなか上手いぞ。蒲乃菜は実は他の男と練習してたんじゃないのか。」
「ち…違います!」
フェラチオを中断して蒲乃菜がその言葉を強い口調で否定する。
「やめるな。続けろ。」
「は、はい…」
蒲乃菜は再び俺のモノに舌を這わせる。
蒲乃菜の柔らかい舌から垂れた唾液が俺の先走りと混じり、床を濡らしていく。
俺は再び男に視線を戻した。
「どうだ?感想を聞かせてみろよ。」
「…も、もうやめろぉ!蒲乃菜に触るな!この悪魔め!」
「ほう。俺が悪魔か。そのとおりだ。しかしそれはお前もじゃないのか。 いや、お前だけじゃない。
この世の男は全部そうじゃないのか。」
「俺はお前のように振られたからといってお前のような事はしない!お前みたいな負け犬の最低野郎と一緒にするなぁ!。」
「ならお前はなぜ犯される恋人を見て、股間を膨らませてるんだ?」
「…っ!?くっ…蒲乃菜…」
俺は叫ぶ男に真理と言うものを教えてやった。
図星を指され絶句する男。
「ふん。情欲に負けたお前も俺も同罪だ。」
「知ってるか。こういうレイプ事件てのはその場所にいるだけで同罪なんだぜ。」
「くそがぁ!絶対に!お前を殺してやる!絶対に殺してやる!」
怒りを露にして俺を睨みつけ、縛り付けられたまま暴れるその男。
俺はそんな滑稽な場面を見て思わず顔がにやけた。
「いい顔だ。お前が俺を憎み殺そうとすればするほど、俺は嬉しいぞ。ふははは…」
「殺してやる!殺してやる!殺してやる!」
恨み言を吐き出しつづける男に笑いかけて俺は言う。
「ふはははは…なら、愛の力とやらで俺を殺してみろよ。蒲乃菜を助けてやれよ。ふん。滑稽だな。
恋人を見て股間を膨らますお前を見ればよくわかる…恋だの愛だの言ってはいるが、結局目的は生殖なんだよ。
本能なんだよ。気持ち悪い恋だの愛だのなどは、まやかしに過ぎん。」
「黙れぇ!屈折した物の見方しかしない奴に愛情は理解など出来ないんだぁ!」
「愛情の延長上にセックスがあるんじゃない。セックスの延長上に愛情という幻想があるだけだ。」
「違うか…?」
「…もう…やめろ……」
男は、そう呟いて目を瞑って俯いてしまった。
そんな男は放っておき、俺はフェラチオを続ける蒲乃菜の美しい髪を撫でた。
「ん…ふ…む…あ…」
ぺちょ…くちょ…
さらさらとした綺麗な髪。
シャンプーのいい甘い香り。
時おり、蒲乃菜から洩れる甘い吐息。
「よし。咥えるんだ。どうすればいいかは自分で考えろよ。」
「…はい…」
蒲乃菜は大きく口を開けると俺のモノを包み込んでいく。
生暖かく、柔らかい口内の感触が俺に伝わる。
すべてを咥え終わると蒲乃菜は舌を亀頭部分にちろちろと転がす。
と同時に、口を窄めて俺のモノを吸いあげてくる。
根元に添えた細い指は、俺の袋を優しく揉んで、撫で擦る
すべてが最高の快楽だった。
それら快楽のオーケストラが俺の射精感を徐々に高めていく。
「ふ…ん…あむ…はむ…」
蒲乃菜は顔を歪めながらも必死に俺への奉仕をする。
「ぐ…いくぞ…飲め。」
重い呻き声をあげて俺は欲望の塊を蒲乃菜の口に放出する。
「…っ!?ぅ…むご…うえ…」
蒲乃菜はどくどくと注ぎ込まれる精液にむせて苦しげな顔をする。
だが吐き出す事はなく、それらをこくんと飲み込んでいく。
「まだだ。尿道に残っているのも全部吸い出せ。」
「う…え…は…う…」
苦しみながらも俺の精液を全て吸い出して飲み干す。
全てを飲み終えた蒲乃菜は苦しげに呻くながら荒い呼吸をする。
「さて、では挿れてやろう。生真面目なお前の事だ。まだ処女だろう。初めての男が俺でよかったな…」
「う…え…えぐ…やあ……」
弱々しく被りを振り、蒲乃菜は無意味な抵抗をする。
俺は、そんな蒲乃菜を無理やりを四つん這いにさせて、後ろから肉棒を突き立てる。
そして、ゆっくりと腰を前に突き出していく。
狭い肉を掻き分けてずぶずぶと中に肉棒が入っていく。
「…きゃあ…う…ぐう…い、痛い…やめてぇ。」
まさに身を裂かれるような、あそこからの激痛に襲われ、蒲乃菜が苦悶の声を上げる。
その表情も、苦しみに満ちており、素晴らしく美しいものだった。
「痛いか?そうか。それは良かった。」
「ひ、ひぎゃあ、お願い、抜いて…何でもするから。お願い、ああ…。」
蒲乃菜がさらに、奥深く侵入していく肉棒に身を捩りながら掠れた声で哀願する。
俺は蒲乃菜の綺麗な髪の顔を埋めた。
…とてもいい香りがする…
「いい匂いだ。」
「…う、やめて…痛い…」
「やめてやってもいいぞ…あの男の命と引き換えにな。」
「そ、そんな…出来ません。」
「じゃあ、ダメだな。」
「ひ…ぎぃ…い、たい…」
「んっ?処女膜か。」
ふと肉棒が微かな抵抗を受ける、これはたぶん処女膜だろう。
これから処女を奪ってやると思うと俺の顔が自然と歪む。
「ふ…一気に行ってやろう。」
半分程度まで入っていた肉棒を一旦引き抜いていく。
「え…あ…やあぁ!!止めてぇ!」
そして、肉棒が亀頭の部分まで引き抜かれた瞬間。
「それっ。」
引き抜かれかけていた肉棒を処女膜もろとも一気に奥まで蒲乃菜を貫かせる。
こつん、と奥の子宮に肉棒の先が当たった。
「ひ…ぎゃああぁぁぁぁぁ!っんがぁぎぃぎゃー!」
蒲乃菜がこの世のものとは思えないような悲鳴をあげ、頭をふり、身を捩じらせて、痛みを表現する。
蒲乃菜のあげる絶望の悲鳴が俺を満たし、それは喜悦へと変化する。
…ああ、蒲乃菜。君が苦しんでくれて僕は嬉しいよ。
…僕は、君にとって、君を苦しめる魔物なのだろう?
…だから、僕は君が苦しむと嬉しいいんだ。
…蒲乃菜の中に存在できる事が。
「はあ、はあ、いい。いいぞ。蒲乃菜ぁ!!」
「あぐう…んぎ…が…」
蒲乃菜の痛いほどに俺のモノを締め付けてくる狭い膣。
処女だからか、俺のモノにぴったりと吸い付いてくる肉壁。
全てが一つになり、俺に至上の快楽をもたらす。
「はははは、わはははははは、これだ。これだ。この声。その顔。」
「はぐぅ…いやあああああ、痛いーーーーー、あぐぅ…やめてぇ…」
顔に喜悦の表情を浮かべて俺は、痛がる蒲乃菜に構わず抽挿を繰り返す。
「ひぎぎゃあああ…う…ああああああっ!」
「そうだ、もっと苦しめ、俺を満足させろ。」
俺は、狂ったように蒲乃菜を突き続ける、
あまりの負荷に蒲乃菜のまOこは、限界まで押し広げられて、破瓜の血で赤く染まっている。
もの凄い力で肉棒を締め付ける肉壁に俺の射精感が一気に昂ぶった。
「ぐっ…まだだ。」
「ぐぎいい…痛い…はあはあ。」
俺が腰の動きを止めると少し苦痛が和らぐのか、
蒲乃菜は肩で呼吸をして、引き攣った表情を少しだけ和らげた。
「も、もういや…どうしてこんな事をするの。私は…」
「黙れ。俺は復讐しているだけだ。俺を絶望の淵に叩き落したお前にな。」
そう言い放ち、まだ膨らみきらない乳房に片手を這わせる。
指で乳首を刺激し、さらに、残りの手でクリトリスを愛撫する。
「あう…ひっ…そ…そこは…」
「何だ、恋人の見ている前で犯されていると言うのにお前は感じているのか?…この変態め。」
「そんな…感じてなんか……」
「嘘をつけ。」
紳一が再び肉棒を動かし始め、蒲乃菜もまた苦痛に喘ぎ出す。
しかし、その声には苦痛だけでなく、かすかだが快楽による喘ぎもまじっていた。
だがそんな事は関係ない。
いや、むしろ快楽など感じて欲しくない。
「あぐう…うんっ、うああ…ひぐう。」
紳一が肉棒を膣に送り込むたびに、短い悲鳴をあげて苦痛に蒲乃菜が苦しむ。
「どうだ、痛いか?だがな…俺の心はもっと痛かった。」
蒲乃菜を突きたてながら、俺は首筋に舌を這わせ、
乳首とクリトリスへのを刺激を続ける。
「ひんっ、そこは…だめぇ…や、やめ…んっ…はあはあ…」
蒲乃菜の身体を弄るたびに膣が収縮し、俺の射精感を高めていく。
「くっ、もう持たないか…膣に出してやる。」
「いやあああ…やめて…外に、外に、膣はだめぇーー!」
「うっ…」
「う、あ、ああ…あああ…や…いやあああ……!!!」
ビクンと蒲乃菜の身体が痙攣し、膣壁が収縮して肉棒を締め上げる。
蒲乃菜の膣に精液が注ぎ込まれ、膣口から収まりきらない精液が溢れ出た。
射精を終えて俺は、ぐったりと動かない蒲乃菜を引き剥がして地面に転がす。
「や…いや…妊娠しちゃうよ…できちゃう…赤ちゃん…」
「よかったな。恋人の前で身篭れて。元気な子を産めよ。」
「や…そんな…い、や…赤ちゃん…」
「俺とお前の子だ。きっと可愛いぞ。ふははははは……」
「あ…う…や、や…?ふ、ふふふ…きゃははは…」
力なく床に転がっている蒲乃菜が虚ろな目を虚空に漂わせて、無邪気に笑い出す。
ついに蒲乃菜は壊れたのだ。
いや、俺が壊してやったのだ。
だが、まだだ。まだ終ってはいない。
俺は、男に歩み寄り大きく腕を振り上げる。
「死ね。」
ズシャ…グチャ…
骨が砕け肉がつぶれる音。
そして男は肉の塊になる。
その光景を見て蒲乃菜の壊れた瞳に光が戻る。
…絶望の。
「…え…いや…うそ…そんな…」
蒲乃菜は眼を絶望で染めてふるふると震えながら呟く。
「うそでもなんでもない。現実だ。」
俺は独り言のようにいう蒲乃菜に止めを刺す。
すう…と静かに息を吸い込む蒲乃菜。
「い…やあああぁぁぁぁ!!!!!!」
正に魂の叫びを蒲乃菜はあげる。
それは俺の心を満たし満足させる。
「もういやぁ!こんな事…!」
「死にたいか?死にたいだろう。これがあの時の俺の気持ちだ。」
「あっ…ああ…う…」
「ふふ…どうだ…?絶望…という形容がふさわしいだろう。」
「もう、いやぁ…嫌ぁ…死にたい…お願い…私を殺して…」
「だめだよ。殺してあげないよ。死…なんていう救いは与えないよ。」
俺は、耳元で優しく呟いた。
蒲乃菜は絶望に染まった瞳を大きく開けて涙を流す。
「う、うう…いや…もういや…」
「ふはははは…救いなんかない。この苦しみは永遠だ…。」
「…って言いたい所だけどね。殺してあげる。僕は蒲乃菜が好きだから救いをあげる。
でも、あの男のもとへは行かせないよ。ずっと僕と一緒にいようね。」
ぐしゃあ…
蒲乃菜は物言わぬ肉の塊と化す。俺は、その塊を愛しげに抱き寄せる。
「………」
すでに事切れた蒲乃菜はピクリとも動かない。
俺は、蒲乃菜が眠る俺の腕を高く掲げる。
「ふ、ふははははは………」
「全てを壊してやった。終らせてやった。」
「ふは、ふはは、ふ…ひゃひゃひゃあ!!!1」
全てを終えて、絶叫する俺を、眩い光が包み込む。
俺は為す術もなくそれに飲み込まれていった。
白い白い世界。
光が溢れて俺の心を照らす。
ふと、俺は、何者かの気配を感じた。
「悲しみに心奪われ、絶望に心を焼かれ、自らの獣の慟哭に身を任せてしまった哀れな者よ。」
「お前は誰だ?神…と言う奴か?」
「私は…誰でもない。見る人によって姿は変わるのです。」
「で…なんの用なんだ…」
「お前はなぜそうも愛を嫌うのです。」
「愛があるせいで人は悲しむ。愛があるせいで争いが在る。だから俺は愛を壊し、否定する。愛の陰に、悲しむものがいる限り。」
「…」
「あなたが今、蒲乃菜にした事は言わば愛の屈折した形。あなたのやっていた事は愛情の裏返しです。
結局。あなたは愛を否定しながら愛を求めて叫んでいたのです。」
「うるさい!違う!もう俺は愛など!」
「さあ…。罪を認め、償うのです。」
「黙れぇー!!」
ジャーーーーーーーーーーーーーーーーーー
放送の終った後のテレビのように俺の眼は像を結ばなくなる。
そして、俺の身体もばらばらになって消えていくような感覚を受ける。
別に苦はなかった。
そして俺の身体は無へと返されていく。
そして――。
俺の心は、いつか望んだ永遠の世界へと進んでいく。
どこまでも続く地平線。
どっぷりと暮れた夕陽のなか。
静かに蒲乃菜を見つめる僕。
そんな僕に脅える蒲乃菜。
ここは、ふたりだけしかいない。
僕は蒲乃菜に向かって愛を叫びつづけた。
喉が枯れて、声が出なくなっても。
喉が破れて、血が出ても。
ただの肉の塊と果ててしまっても。
…僕は求めていたんだ。
…愛を。
…決して得られる事のない愛。
…だから壊そうとしたんだ。
…奪いたかったわけじゃない。
…他の奴にくれてやるのが嫌で壊してやったんだ。
…誰よりも、何よりも、大切な宝物。
…蒲乃菜を。
…この手で。
僕は、叫び、求めつづける
蒲乃菜は僕に脅えつづける。
でも僕は叫びつづけるんだ。
僕には、それしか出来ないから。
今は。そして、これからもずっと…
This Story is Endless…
[あとがき]
ども。覇王です。どうでしたか?
今、あなたが思ってることを掲示板に書いてくれたらいいな。なんて思ってます。まあ、書くまでもないね。っていうのなら別ですけど。
では。
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