先輩、私の事好きですか?
私は、先輩の事好きです。何よりも、誰よりも。
こんな私の想い、アナタに通じますか?
私は、今日も夢を見ます。
月に願いを。
そんな夢を。
1)工作がばれたら終わり……なら、ここはあともう一押し
「でも……!」
「ん?」
静かに目をつぶっていた先輩が、声を荒げた私の方を見やる。
「私、見ちゃったんです!成瀬川先輩と、瀬田さんが、その……している所を……」
「……!?」
先輩が、私の言葉を聞いた瞬間に顔色を変えた。
「……それは、何かの見間違いじゃないのかな……」
「いえ。はっきりと見ました。」
努めて平静を保とうとする先輩。
私は、胸を締め付けられる思いで、先輩に真実を述べる。
さらに、ビデオをデッキに突っ込んで再生ボタンを押す。
画面に映るのは、瀬田さんに背後から突かれて乱れる成瀬川先輩の姿。
色っぽい嬌声が、部屋に響く。
生々しいあえぎ声。
「何で……。成瀬川……そんな……!」
先輩は、画面を食い入るように見つめて絶望の言葉を吐く
「成瀬川……!俺はお前を信じていたのに!お前が好きだったのに!」
「……」
私は声が出なかった。
先輩の怒り様は、それほどものすごかった。
テレビ画面を睨みつけて、床を素手で殴った。
ドンドンという音がけたたましく響く。
怖い。
私は、優しい先輩の触れてはいけない部分に触れたようだった。
「俺が、お前の事思っている間も、瀬田さんと……こんな事していたのか……!」
「人を馬鹿にするのもいいかげんにしろよ!」
「お前が、そういう態度を取るんなら……!」
「せ、先輩……?」
私は追い詰められた小動物の様に身動きが取れなくなった。
先輩が、怒りに我を忘れた先輩が、私を睨みつけている。
私は、悪寒がした。
怖い。
「先輩!」
私はようやくそう叫んだ。
「しのぶちゃん、しのぶちゃんは俺の事、好きだよね」
「いや……」
じりじりと先輩が、私の方に歩みよった。
私は、後ずさりをする。
確かに私は、先輩と結ばれたくて、
成瀬川先輩の情事をネタに別れさせたけど!
こんな!こんな形で結ばれるなんて……!
「俺も好きだよ。」
「止めてください……」
先輩は、私を捕まえた。
脇腹を両手でしっかりと押えられた。
「んぶっ……」
先輩の唇が乱暴に私の唇に押し当てられる。
そして、私の口内を舌が蹂躙していく。
暴れまわる舌は私の舌に絡まろうと動きまわる。
いや……こんなの……
私は、両の手で先輩の胸を思い切り押して先輩を突き飛ばした。
「はあ……はあ……」
わ、私……こんなの嫌。
もっと、幸せで愛のあふれるような、とろけてしまう様な結ばれ方がしたかったのに。
こんな、レイプまがい……
「痛ぅ……しのぶちゃんもか!?俺の事を好きだとか言っておいて!」
「好きだけど、こんなのは止めて下さい!嫌です!」
「きゃあ!」
嫌がる私の態度に腹が立ったのか、先輩は、私に歩み寄り、私の胸倉をつかみ上げた。
「ごちゃごちゃ煩い!好きなんだろ!だったらやらせろ!」
「先輩……」
私は、涙をボロボロと流した。
鬼気迫る先輩に対する恐怖もあったが、
何より先輩に乱暴される事がつらかった。
他の誰かなら乱暴されてもここまで悲しくなかった。
心底、本当に好きな人からこれから乱暴をうける。
それが悲しかった。
「いやぁーー!!」
先輩は、つかんだ胸倉をそのまま引きちぎった。
抵抗もむなしくビリビリという音を立てて、私は少しずつ裸にされていく。
「はあ、はあ……」
すっかり裸に剥かれてしまった私は、先輩の獣の視線にさらされる。
先輩は、舐めるように私の身体を上から下まで見つめる。
「っ!」
先輩が私の控えめな胸を鷲掴みにしてそのままグリグリと押しつぶすようにも揉みしだいだ。
少しシコリの残る乳房が痛みを訴える。
「う……痛いよ……」
先輩が両手を使って私の胸を揉む。
乱暴で力が強すぎるその揉み方は痛みしか生まない。
「ふう……ふう……」
先輩は、私の胸を掴んだまま、片方の手をアソコへと滑らせた。
そのままグリグリと掻き回す。
「きゃああ!」
思わず飛び上がるような痛みが私に襲いかかる。
乱暴に掻き回した手が敏感な部分やデリケートな部分もお構いなしに
引っかいたのだ。
そのまま、先輩は、私を押し倒した。
「痛っ……!止めて下さい!」
先輩は、私の動きを両手を押さえつけて封じる。
のしかかるように体重をかけて、ソレを入れてきた。
むしろ、入れるというよりは、ねじ込むと言った方が正しいような乱暴な挿入だった。
「いぎ……!痛ぁ……」
濡れてもいないアソコにソレを無理やり突っ込んでいく。
無理やりに体重をかける先輩のソレが私の膣口をねじ切るような痛みを生む。
「ほ、本当に痛いんです……ん……ぎぃ……うぐっ……」
「はあ、はあ……」
「や、止めて下さい。」
息も絶え絶えに先輩に懇願しても先輩は聞いてはくれない。
むしろ、さっきより力を加えてきたくらいだった。
「んぎゃ!」
カエルを押しつぶしたような変な音が私の口から漏れる。
なかなか挿入仕切れない事に苛ついた先輩が全力でソレを私の中に押し込めたからだ。
「い、痛いよ……」
私は、泣く事しかできなかった。
その燃えるように強烈な痛みで、アソコがどうなっているのか良く分からない。
多分皮膚がさけて出血しているのはわかったがどの程度の傷なのかは分からない。
「はあ、はあ……」
「……ひっ!?」
燃えるような痛みが燃え上がった。
アソコの周辺を焼きつくす痛みが広がる。
先輩の身体の動きで、腰を動かし始めただと気づいた。
「し、死んじゃう!」
例えではなく本気で死にそうな痛みに声が出る。
先輩は、何も言わず私を犯すのみだ。
「いやあ……痛いよ……」
両手で身体を押さえつけられては、本当に何も出来なかった。
痛みを訴えて、泣いてみても先輩は、情け容赦ない。
じゅぷ、じゅぷっ
膣の浅いところまで、抜いて、再び深いところまで挿す。
そのたびに、燃えるような痛みが襲う。
さっきちらりと接合部が見えたが、赤黒い液体が先輩のソレにこびれついていた。
多分私の破瓜の血と出血が混じったのだ。
ねっとりを糸を引くような粘性を持ったその液体は、かすかに私の苦痛を和らげてくれているのかもしれない。
先輩の抽挿が早くなるにつれ、私は意識が朦朧としてきた。
あげ続けていた悲鳴や、懇願も無駄だと知った。
時折、生理的にもれる空気音や、呼吸の音以外は私は、声を出さない。
「はあ、はあ……」
先輩は、呼吸だけを荒げている。
まるで獣のようなセックスだった。
オスもメスもただ呼吸しかしない。
愛してるよ、の声も。
大丈夫かい?の声も。
優しい抱擁も、何もない。
あこがれていた初体験からはかけ離れたセックス。
「うっ……」
「?」
先輩が身体をビクビクとふるわせた。
私が不思議そうな顔をしていると、数秒後その意味がわかった。
「あ……」
私の膣に先輩の精液が流れ込んできた。
どくどくと勢い良く発射された精液は私の小さな膣を満たし、子宮へと届く。
先輩は、弛緩して緩んだ表情を見せる。
気持ちいいのかな?
中に出された重大性を認識しないまま、
そう思った。
「……」
先輩は、無言でソレを私の膣から引き抜いた。
私は、だらん、と身体の力を抜く。
終わったの……?
仰向けで寝転んだまま、天井を見る。
意味もなく手を電灯に掲げてみた。
「はあ、はあ……」
一方先輩は、わたしからソレを抜き取った後、
その場に座り込んでいた。
私は先輩を見て、そのまま下腹部に手を伸ばした。
先輩の出した精液が、私の膣内に残留しているのが分かる。
先輩は、座り込んだまま震えている。
射精後の快感に震えている?
他者を蹂躙した快感に震えている?
「ごめん……しのぶちゃん……ごめん」
先輩は、罪の意識に震えていた。
きっと行為を終えて冷静さが戻ってきたのだろう。
「俺は何てことを……」
震えながら、畳に頭を擦り付けた。
私はそっと立ち上がった。
身体のあちこちがズキズキ痛む。
乱暴に扱われたその名残の痛み。
「先輩……頭を上げてください……」
私は、畳から先輩の頭を持ち上げると自分の太ももの上に乗せた。
そのまま先輩の頭を優しく撫でる。
「しのぶちゃん……」
「今日は、いろんな事がありすぎましたから……。先輩も疲れていたんでしょう」
「……」
先輩が膝の上で震えた。
暖かい雫が膝の上に落ちる。
涙を流していた。
私は、何も言わず、頭を撫でた。
私は目をつぶる。
先輩は、悲しくって混乱しただけですよね。
私は、先輩に犯された。
それはとても悲しくつらい事だった。
でも、きっと先輩も悲しいんだろう。
本当に好きだった人に裏切られて。
それで、きっと悲しすぎて、悲しすぎて。
他人の事を考えられなくなってしまったんだろう。
私も悲しいけど、先輩も悲しいんだ。
それに、悲しませたのは私が謀略をしかけたから。
だから、私が、先輩を暖めてあげなきゃいけない。
先輩……。
私は、眠ってしまった先輩をきゅっと抱き寄せた。
その顔には涙が伝った後がある。
先輩、私の胸の中で良かったら、ゆっくり休んでください。
先輩は、私の腕の中、控えめな胸のふくらみの中で安らかに寝息を立てていた。
私の身体に刻まれた傷や痛みは、先輩と私の絆のように私は思えた。
そう思うと、ふっと楽な気分になった。
月明かりが、やさしく二人を照らしていた。
終わり。
[あとがき]
しのぶ小説エンディングナンバー1
結果オーライエンディング。
実はこれが一番幸せな終わり方かもしれない。
失う物が少なく、得る物が多かったから。
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