[第十八話〜成就の時〜]
「はっ……んっ……しょっぱい……」
素子は、赤く上気した表情のまま、丁寧に肉棒に舌を這わせていく。
「んっ……ちゅっ、れろ……れろ」
まるでピンク色のなめくじが肉棒を這っているかのような感触が景太郎の体を震わせる。
生暖かい舌が這い回る感覚に、顔をしかめる景太郎。
「うぅっ……!」
「んっ……ここが……いいのか……?」
「あっ……そこっ……あぅっ!」
そんな景太郎を見ながら、素子は、景太郎が一番と反応を返した場所、カリ首の裏を舌で突付いたり、ねっとりと舐りまわす。
「あっ……先っぽからヌルヌルが……出てきたぞ……んっ、ちゅっ……苦い……な……」
素子は、肉棒の先端から溢れてくるカウパー腺液を舌ですくいとり、そのまま口内で転がす。
男くさい匂いが口内に広がるが、景太郎の物だと思うと素子に嫌悪感はない。
むしろ、自分が景太郎に快楽を与えている事がわかるので、嬉しいくらいだった。
「も、素子ちゃん……汚いから……吸っちゃ駄目だよ……」
「汚いわけがない……例え汚くても……んちゅぶっ……お前のなら……んちゅっ……」
亀頭の先端にキスをするように唇を付けた素子は、そのまま、ちゅうちゅうと音を立てて吸いたてる。
「もっと気持ちよくしてやる……ちゅぅぅっ」
そういうと、肉棒を口内へとくわえ込んでいく。
素子の柔らかくぷにぷにとした唇に擦られた上、口内に迎えられた肉棒は舌によって濃厚に絡みつく歓迎を受ける。
蕩けてしまうような感覚が、股間から広がって身体中を侵していくような錯覚が景太郎を襲う。
「あひ……す、すごい……すごく気持ちいい……」
「……出したくなったら……好きに出していいぞ……んふっ、はぶっ……ンレロ……」
初めてのフェラチオに……それも素子の巧みな舌使いに、景太郎の腰はガクガクと震えが止まらない。
「んっ……ひゅぶっ……あむっ、あむむ……」
肉棒をほぼ口内に飲み込んだところで、素子があむあむと歯と舌を使って、肉棒を軽く噛むように動かす。
その瞬間、股間から脳へと刺す様に快感が走り抜ける。
「くあぁぁ!? か、噛んじゃ……あうぅ」
「ちゅっ……あむ……噛んら……ひもひいい?」
肉棒全体を甘噛みしながら、素子は、景太郎の顔を見上げる。
「あ……ふっ……も、もう……」
「……んちゅぅぅっ!」
何かを我慢するように顔を歪ませた景太郎を見て、素子が、ひときわ強く、肉棒を吸いたてながら、舌でカリ首の周辺を撫で回した。
「で、出るっ……!」
「んぶっ!?」
口内で肉棒がぷっくりと膨張したかと思えば、そのままビクビクと痙攣をしながら、先端から精液を素子の口内に放出した。
「あぶっ、すごい……いっぱい……んっ、こくっ……はぁっ、飲みきれ……んぶっ」
「はぁ〜っ、はぁ〜っ……」
息を荒げて、精液を放出する快感に浸る景太郎。
素子は次々にあふれ出る精液を必死で飲み込もうとする。
「んぐっ……んっ、コクッ……はぁ……はぁ……凄く……出たな」
何度か喉を鳴らした後、素子はようやく一息つく。
呼吸を整えながら、口の中が精液でヌルヌルするのを舌でかき回すようにして楽しむ。
「ほら……口の中が、浦島の精液だらけだ……」
「……っ」
精液に咽かけて潤んだ瞳でにっこりと微笑みながら口内を景太郎に見せる。
精液の残滓が歯茎に付着して、それをかき集めるように素子の舌が動いている。
そのあまりに官能的な光景に景太郎は言葉もでない。
「さぁ、浦島……次は一つに……」
「あ……う」
言葉の話せない稚児のようになった景太郎を素子は、抱き寄せ、その顔を胸に埋めさせる。
しばらく抱擁を楽しんでから、ゆっくりと景太郎の身体を布団に横たえる。
そして、景太郎の腰にのしかかる。
「まずは……大きく……しないと」
浦島に妖艶な笑みを浴びせながら、後ろ手に景太郎の肉棒を鷲づかみにする。
「あぐぅっ……痛っ!?」
射精後で敏感になっていた肉棒を襲った感触に景太郎の身体が跳ねる。
「あ、すまない……んっ……こうで……いいか……?」
そんな景太郎の様子を見ながら、今度はゆっくりと手に握った肉棒を揉み解すように動かす。
「あぅっ……素子ちゃんの指が……いぅっ、気持ちいい……!」
根元からもみ上げ、亀頭のくびれの辺りを指先でグリグリと刺激する。
細くて綺麗な指がしばらく肉棒を弄んでいると景太郎の肉棒はあっという間に勢いを取り戻す。
「……では……いくぞ」
素子がすっかりと愛液で濡れそぼっている秘所に、肉棒をあてがう。
少しだけ躊躇するが、素子は思い切って腰を落とした。
「ん……んふっ……」
素子の膣口が引くつくように歪みながら景太郎の肉棒を受け入れていく。
肉棒が膣へと埋没する度に、肉が裂かれるような痛みが素子を襲う。
「一気に……あぐぅぅっっ!!?」
痛みを長引かせないように、一気に腰を落とした素子。
ぶつ、という音を立てて、肉棒が完全に膣にくわえ込まれる。
痛みからか、素子の膣は、くわえ込んだ肉棒をじっくりと擦るようにゆっくりといた収縮を繰り返している。
「うぁっ……素子ちゃんの中……暖かくてぬるぬるで……凄くいい」
「嬉しい……でも、もっと……んんっ!」
痛みに顔を歪ませながらも、素子はゆっくりと腰を浮かせて、また腰を落とす。
「っ!? も、素子ちゃ……!? はぐっ!?」
密着した膣壁が、肉棒を擦りあげては包み込む。
痛みからくる体の震えもその刺激に混じって、景太郎は、頭の中が真っ白になるような快感に直撃される。
「ふっ、んっ、くぅっ……! ど、どうだ……っ? 私……のはっ……き、気持ちいいか?」
「いいっ……! 物凄く気持ちいい!」
じゅぷじゅぷと派手な水音を立てて、結合部が動く。
もはや暴力的といってもいいくらいの快感に、景太郎は絞るように声を出して絶叫する。
肉棒を擦りたて、吸い付いてくる膣壁は、その動きの度に景太郎の股間にビリビリとしびれのような物を産む。
「も、素子ちゃんのが、締め付けながら擦ってきて……はぁっ、はっ……」
「……もっと、もっとよく……んんんっっ、ぅんっ!」
快楽に息を荒げる景太郎をさらなる快楽へ誘おうと、素子は、腰を一段を深く落として、そのまま円を描くように身体を動かした。
「うぁぁっ!?」
グリグリッという音と共に景太郎は、視界に電撃が走った気がした。
肉棒の根元から、乱暴に動かされたのだ、性行為が始めての景太郎にとって、その刺激の強さは想像を絶するものがあった。
しかし、それでいてその刺激は、柔らかい膣壁によって、痛みではなく、快感となって脳へなだれ込んでくるのだ。
「はぐっ、あぅぅ……」
「はぁっ、はぁっ……う、動く度に……ひぅっ、う、浦島のが……ビクビク動いて……ふぁっ!?」
肉棒を膣奥へと擦りつけながら、素子はある場所に肉棒が擦れると電流が流れたように身体を震わせた。
景太郎からは少しザラザラしていると感じられたソコは、素子本人も知らなかった快感のポイントだった。
「は……あぅっ……き、気持ちいいぃ……ここ擦れると身体がビクビクするっ……」
「も、素子ちゃん……凄い……凄いぃぃ」
歪んだ笑みを浮かべながら、素子が幾度もその場所を肉棒で擦るように動く。
そして擦れる度、膣肉は肉棒に絡みつくように収縮するのだ。
うわごとのように呟く景太郎は、下半身からせりあがる感覚が射精感であることにようやく気づいた。
強すぎる刺激で気づけなかったそれは、自覚した時点でもはや押さえきれないほど膨張してしまっていた。
「も、もも、もう出る……!」
「だ、出して……んんっ、ふあぁっ、膣に! 私の膣に思い切り出してくれぇ!」
素子が一際大きく腰を景太郎の腰に落とす。
肉棒全体をくまなく素子の柔らかな膣肉によって、咀嚼される。
少しでも奥に肉棒を受け入れようとするその動きは、射精寸前の景太郎に止めを刺した。
「出る、出る出るぅ……」
「ひぅっ、で、出てるぅぅ……な、膣でビクビク……凄いぃ……」
膣内の肉棒が、痙攣しながら、膣奥に精液を撒き散らす。
一度射精した後だというのに、勢いは少しも衰えておらず、亀頭を震わせながら、尿道から精液を送り出し続ける。
「う、浦島の精液が……私の膣に出てる……嬉しいぃぃ……もっと私に出してぇ……」
子宮口にびちゃびちゃと浴びせられる精液にうっとりとして、素子は呂律の回らない言葉を紡ぐ。
景太郎の精液を受け止めている。それが素子には嬉しかった。
好きな男の精を受ける。女としてこれほど嬉しい事はないと思った。
「さ、最後の一滴まで……んんっっ」
「あくぅっ……し、絞られ……くぁぁ」
素子にとって至福の時間は過ぎさり、射精が収まると、尿道に残った精液を搾り取るように膣が蠢いた。
文字通り、素子の膣は景太郎の精液を搾り取ったのだった。
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「はぁっ、はぁっ……」
「はっ……はっ……」
息を荒げる素子と景太郎の呼吸が重なる。
二人の間に会話はない。
いや、会話は必要なかった。
二人は自然に手を握りあい、絡ませあう。
素子の告白は、景太郎に受け入れられたのだ。
(私は……勝ったのか)
(私は……浦島を独占できるのか?)
ちらちらと素子の意識が成瀬川を脳裏に映し出す。
あの忌々しい女から最愛の人を守って振り向かせる事が出来た。
素子はこの上ない満足感と安心感の中で瞳を閉じる。
性行為の後の心地よい疲労感。
素子は、生まれてから一番最高の眠りを迎えたのだった。
――敗者として地獄を味わう成瀬川の姿を想像しながら――
続く。
[あとがき]
物凄く久しぶりに書いたら、何か書き方忘れていました……。
うぅぅ〜ん……。
さて、次は、敗者成瀬川っていつまで続くんでしょう、これ……。
何かもう収拾つかないので、サラやスゥやむつみさんは絡ませない方向で行こうと思います
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