さくらのさくころ
桜の花が咲く頃
はじめて
ぼくは
あなたと出会った
すれ違った時
目があった
どきっとした
いつもこの側を通るたびに
あなたの姿を探してしまう
そんな偶然あるはずがないのに
分かっているのに
ぼくの胸はついつい高鳴ってしまう
ヒトミを閉じると
そこには
あなたがいる
ヒトミを開くと
その先には街の雑踏
あなたは、今、
どこにいますか?
幸せですか?
ぼくは俯き、溜め息をつく
分かっているのに
季節は巡り
春が再びやってくる
ぼくはそこを一人、歩く
いつもの様にあなたを探して
その時
目線が自分に向けられている事に気付いた
そちらに目を向けると
あなたがいた
ぼくは思わずあなたに近付く
桜の花が咲く頃
ふたたび
ぼくは
あなたと出会った
(20051008)