天使の気遣い、人間の拒否


僕は空を飛んでいる。
僕の背には白く広がる翼。


――ねえ、君も一緒に飛ばないかい?


僕はしばしば地上に降りると人々にそう声をかけている。
けれども人は僕を見て苦笑するとすぐに僕の前から姿を消す。


なぜだろう?
確かに彼らには翼はないけれども、僕がしっかりと掴んでいれば大丈夫なのに……


寂しくって、悲しい。
きっと僕が翼を持っているから誰も僕の話を聞いてくれないんだ。
僕は人とは違うから……
人は自分達と違うものを拒否したがる。
たとえ人であっても、大多数から阻害される。


そんな人を見ていると、悲しくなってくる。
僕は君達の手助けがしたいと思っているのに。


人は弱い。
自然の力によっていとも簡単に消え去る。
でもそれが分かっていないんだ。


僕が空からこの星の力を見せてあげれば、人の考えも変わるかもしれない……
そう思っているけれども、やはり、駄目なのかもしれないね。



おわり

20070904


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