誕生日 き〜んこ〜んか〜んこ〜ん 純一「今日も終わった終わった」 音夢「兄さん、ちょっといいかしら」 純一「ん?    なんだ?」 音夢「今日のお夕食は一緒に外で食べませんか?」 純一「ん、いいよ」 音夢「やったー。    では、6時に商店街のレストランの中で待っていますね」 純一「わかったよ」 (5時少し前) 純一「それにしても音夢のやつ、何でいきなり外食をしようって言ってきたんだろう?    確かに外食もよくあるけど、それでもいちいち学校で言ってきたりしないしな……    なのに今日に限って……    ……今日?    今日は何日だ?    ……    ……そうか、そういうことか。    ……音夢のやつ、楽しみにしてたんだろうな。    だったらプレゼントのひとつくらい買っていってやらなくちゃな……」      ・      ・      ・ (6時少し前) 純一「はあ、かったる。    こんなに探し回って、こんなもんしか見つけることが出来なかったんだからな。    でも、記念にはなるし、まあいいかな。    一緒に祝うんだから。    ……    ……あ、そろそろ時間だな。    じゃあお待ちかねのお姫様の下へ参りましょうか」 音夢「あ、兄さん、ここですここです」 純一「おお、音夢。    舞ったか?」 音夢「舞ってません。    ちゃんと席に座っているでしょ」 純一「確かに回りが全然散らかされてないな」 音夢「どういう意味ですか、兄さん?」 純一「いや、なんでもない。    それよりも、待たせたか?」 音夢「ううん、そんなことないよ」 純一「そのわりにはもう料理が並んでいるように見えるんだが」 音夢「ああ、これね。    兄さんが来たらすぐにでも一緒に食べられるように、先に注文しておいたの」 純一「先に注文したって、音夢、お前、いつから来てたんだ?」 音夢「うんと、30分くらい前かな?」 純一「一人でか?」 音夢「うん」 純一「馬鹿、それだったら集合時間をもっと早くすればよかったのに」 音夢「馬鹿とはなによ、馬鹿とは。    もう……    あまり早くしちゃうと、兄さんにだって都合があるでしょ。    それに、兄さんと一緒に来ても、料理が出てくるまでに結構時間が掛かるでしょ。    兄さんを待たせるのは、なんだか心苦しくて。    それに、兄さんが来るまでの間、全然苦じゃなかったから、    こんなの待ったなんて言わないよ」 純一「そうか……ありがとうな、音夢」 音夢「ううん、いいんだよ。    ほら兄さん、座って」 純一「ここか?」 音夢「うん。    そこだよ。    ……じゃあ兄さん、誕生日おめでとう」 純一「え?    あ、そうか。    そういえば俺も今日誕生日だったな」 音夢「兄さん、忘れてたの?」 純一「ああ、すっかり忘れてた」 音夢「もう……では改めまして。    兄さん、誕生日おめでとう」 純一「お前もな、音夢」 音夢「うん。    ありがとう、兄さん。    あ、これね、兄さんへの誕生日プレゼント」 純一「え?」 音夢「え?って。    どうしたの? 兄さん?」 純一「いやな、俺が音夢に用意してきたプレゼントも、    これなんだよ」 音夢「え? 同じもの持ってきたの?」 純一「そのようだな……」 音夢「あれ? 兄さん、これ、ヒット数がかなり私のより大きいけど、    今日、あわてて用意したなんていうことないよね?」 純一「そ、そんなわけないだろ。    (その通りなんだけど)」 音夢「私は、今日のために前々から用意していたんですよ。    まあいいです。    では、2人の誕生日に、かんぱい」