*Attention 角プレイはお好きですか?
楽しいことが好きだという。もっといえば自分が楽しければ何でもいい、何でもやる。
だから性交だろうがなんだろうが興味が湧けば即実行に移せる。例え相手が人間だろうと、男だろうと、自らが女役だろうと。
「楽しそうだから」の一言で始めた戯れは、両手じゃ足りぬほど回数を重ねていた。尤も、手を出したのはこちらのほうだったが。
「ン……」
今日も例に漏れず俺からの手出し。
本来は武器だという鈍い金の色をしたそれに舌を這わす。年輪なのだろうか、でこぼこした感触を舌で感じながら、先端に行き着いたところで口に含む。
味はない。強いて言えばたまにかじる爪の風味だろうか。唾液を絡ませて吸うとひくりと揺れる。生涯伸び続けているらしいが、普段は引っ込めているせいでいまいち伸びたの縮んだのと認識は出来ない角。
周りの皮膚と共に根元を揉む。そこだけ生まれたてのように柔らかい。包み込み、掻き分けている手を梳かせて、手触りの良さにうっとりする。音を立てて角から口を離し、くるくると跳ねたがる銀髪を撫で付けて頬に手を添える。顎のラインに指を沿わせて、命じずとも開かれていく唇へ唇を落とした。
「あ、ふ……」
吸って吐いた息は熱い。
舌を入れて犬歯をなぞる。常より伸びたそれに、本性を隠せなくなってきた事実を知って目を細めた。噛み千切られないように舌を絡めるそのスリル感に鳥肌が立つ。
「角って感じるのか?」
愛おしく頬を撫でながら、先はいじっていない反対の角に手を伸ばす。
問われてうっすら開いた目は墨色だった。興奮は興奮でも戦闘に関するたぎりではないからだろう、血の色ではない。濡れた闇が閉じられ、ドンと胸を拳で叩かれる。
「アンタが……」
「ん?」
「アンタが、そうさせたんだろうが……」
痛みを敏感に感じ取っては武器として不便だろう、しかしこういう目的の上で触れるとこちらの予想以上に反応してくれる。それが不思議で、前々から聞いてみたかったのだが。
いびつな円錐にかじりと軽く歯を立てると、くぐもった声が漏れ、腰が揺れた。
これが楽しいということなんだろう。喜怒哀楽、鬼と人も同じことを思える。
腕っぷしも年のかさも人なんかより上の鬼をなかせている事実に、たまらなく欲情した。