Nov.02.11 by 管理人
この部屋の管理者、世間でいうところの中間管理職、桑原と言う名の生物がその正体だった。容姿端麗という言葉を、男に使うのもどうかと思うが、男からみても魅力のある風貌だ。すらりと背の高い愁眉に甘く放たれる目線に、たいていの女はころっとなってしまうだろう。もうとっくに四十の声を聞いているというが、近しい者ですらその正確な年齢は知らないという。だいたいならもう閑古鳥が鳴くはずなのだが、未だに浮き名を流しているという噂だけは絶えない。このくそ忙しい仕事で、どうやってそんな時間がとれるのかは未だに謎である。今もデスクで、「香坂くん、今日もきれいだねえ、お茶持ってきてくれる」などとニコニコしながらほざいている。 言われた香坂も、「はい、すぐに持ってきます」といって瞳を輝かせていたりなんかするのだが、見た目に騙されてはいけない。奴の視線は常に君の制服の下を想像しているのだから。
小説 | comments (x) | trackback (x)
|
RECOMMEND ITEM
NEW ENTRIES
CATEGORIES
CALENDAR
LOGIN
Mode: ゲストモード
SEARCH BOX
|