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2-7
「企画ってどうよ?」
 唐突にそう聞かれると返答に困った。どうよと聞かれて<そうよ>とも言えない。
「今の社長さ、あの人はもともと企画という仕事を信頼してないんだよな。もともと営業畑出身だったから、企画とは考え方も正反対だし、目の上のたんこぶだったんだろう。昔こっぴどく企画に叩かれたっていってたし」
 あごに手を当て昔を思い出すように話す。おそらく桑原は社長の下で働いていたのだろう。
「要するに昔の遺恨だな。社長は現場で仕事をとってくる営業こそが戦力だと考えているふしがあったし。それに比べ、企画は机上の空論を展開しているだけのお荷物でしかなかったわけだ。企画などくその役にも立たない、放っておけばプロジェクトを遂行できるだけの人員はいないわ、そうなれば上から叩かれるわで、近いうちに移動願いなり辞職届けでも出すと思ったんだろう。そうなれば会社としてはいくらか存亡の危機の乗り切ることができるからな」
 桑原は両手を広げて、半ば嘲笑ぎみに言った。

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