「陛下。御目を通して頂きたい書状は…これで最後です」



エドガーに手渡された書状に目を通しサインをする。



「今日は…これで終わりかな?」
「御意」
「エドガー、皆も御苦労様。明日の休日は、ゆっくり休んで下さい」
「ありがとうございます…それでは」




エドガー達が退出したのを確認し。
……ホッと息を吐き出す。





「はぁ……」




…いつもなら。



姉上が傍に居てくれるのだけれど。




今日は別件で。

王女としての公務の為、出掛けていた。




「姉上…まだ帰っていないのかな?」




姉上の事が気になり。
僕は執務室を後にした。




…だけど部屋には。
姉上の姿は無くて…




「そうだよね……帰って来たら…」




…直ぐに僕の所に…来てくれるはずだもの……




思いの外、深い溜息が零れた。




「…ん?」



鏡台の上に。
見覚えのある一冊の絵本。




……これは。




まだ…僕が王子の頃。

姉上と視察に行ったマロリーの丘で。

怪我をした子供が持っていた絵本だ。



その子供は。

姉上に絵本を手渡し。

赤い顔のまま…

…走って行ってしまったっけ……





「懐かしいな」



そっと絵本を手に取りページを捲る。



あの後、姉上は。

優しい声で…

絵本を読んで聞かせてくれた。




「幸せな…王子と姫の物語……」




クスッ…


あの時の僕は。

凄く…この王子が羨ましかったっけ……



…でも、今は。




「カイン!」
「あ…?姉上っ!お帰りなさい」



振り向くと。

姉上が驚いた顔をして立っていた。


多分、先に僕の部屋へ行ってくれたんだろう。




悪い事をしたと思いながらも。

嬉しくて…



口元が綻ぶのを…隠せそうも無い……




両手を広げて姉上を見つめると。



はにかみながらも…

…僕の腕の中に

飛び込んで来てくれる。



「お帰り…姉上」
「…ただいま、カイン」



姉上の温もりを腕にして……僕は思う。





…そうだ。




今の僕は。

あの絵本の王子に負けないくらいの幸せ者だ。





姉上と…



愛する姉上と…

…結ばれたのだから……!









僕の想いを…



受け入れてくれた姉上…



絶対に離さない。



やっと手に入れた…

僕の宝物なのだから……





「明日は久しぶりに…マロリーの丘に行こうか?」
「…ええ、良いわね。今なら真っ白で綺麗な花が見れると思うわ」
「クスッ…」
「なあに?」



笑った僕の顔を。
不思議そうに見上げてくる。



「僕は毎日、綺麗な花を見ているよ?」
「え?」
「その真っ白な花に…いつも僕の痕を残してる……」
「!!」



一瞬で。
真っ赤になった姉上に。

笑いながら僕は……口づけをした。



貴女への…
溢れる想いを唇に寄せて……














・・・何か・・・何か凄く恥ずかしいぃ〜〜〜っ!!
エロいイラ描くより恥ずかしい〜〜〜っ!
ひぃ〜〜〜〜っ!!

はぁはぁはぁ・・・ダメだ。
甘い話って向いてないのかも・・・(涙)

えっと・・・この小話は「本」の続きです。
見えないかも知れませんが・・・一応、甘い話と言う事にしておいて頂けたらなぁ〜と(汗)

アンケートの「甘い」に票を入れて下さったお客様へ…管理人から感謝を込めてvv











BACK





テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル