王宮のテラスを通り掛ると。

庭にカインと…あいつがいた。




「フ……また一緒にいるのか…」




あの事故があってから。

あいつはカインの傍を離れようとはしない。



記憶を失くしたカインは。

赤子のようになってしまっていた……




「無理も…ないかもしれん……な」




……だが。

何故だろう…?

あの二人を見ていると…

……胸の奥がざわめくのは?




「…フ……ン…」




踵を返し部屋に戻ろうとした俺の視界に。
テラスで話す女達が飛び込んで来た。


そして。

その話す内容も……




「エドガー様のお相手って…どうしていつも栗色の髪の女性なのかしら?」



…な……に…?




「他の殿方は私の髪を褒めて下さるのにエドガー様だけは……金髪がお嫌いなのかしら?」



……はっ…!



バカバカしい!
何を言い出すかと思えば…!


俺が相手にしないからと言って下らん事を!



「フン!金髪など…!俺以上の髪の女など…見た事が無いわ!」



そうだ。

俺が金髪女を相手にしないのは…俺自身が金髪だからだ。
金髪など子供の頃から見飽きている。



唯、それだけだ。



浅はかな女の考えに呆れ、あの女とは二度と顔を合わす事は無いだろうと
再び部屋に戻ろうとした俺に。


もう一人の女の声が…

俺の足を止めさせた。




「そう言えば…黒髪の女性も……エドガー様は、お相手にされないわね?」




………!!


な…ん…だと……?



…俺が?

黒髪の女も…

相手に…しない……だと?





「貴女もそう思う?エドガー様って、きっと栗色の髪がお好きなのよ!
私…栗色に染めようかしら?」





…俺が…?


栗色の…髪が…


…好き……だ…と?






俺の脳裏に浮かんだのは。

一人の…女だった。




そう……

それは……


今まさに。

カインに。

微笑み掛けている…女。




…姫…だった……




「……あ…いつ…を…?」



俺が…姫…を……?




……ハ!




こんな気持ちに…

今頃……気付かされる…とは…な……



この俺が…

あいつを求めていたなんて……な。




「フ…フフッ…愚かな…事だ…」




…あいつの…代わりに?

栗色の女ばかりを…

相手に…してきたと…いうのか…?

この…俺が?




「フフフ…ハハハッ…大笑いだな!」




このエドガー=ジペルディが…!

姫に懸想した挙句、他の女にか…!




「…愚か過ぎる…行為…だな」






一陣の風が庭園の花を巻き上げる。



そして。

日の光りを浴びた

あいつの…

栗色の髪をも…




あいつの…

姫の髪に……

触れられるのは……





「…いつになるのだろう…な?」





 





・・・って7月9日には触れるんじゃないの?(汗)
何となくなんですが。
あれだけの金髪保持者なら他の金髪じゃ太刀打ち出来ないような気がしたので。
でも惚れた相手の髪なら何色でもOKかも?(笑)




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