忘
可愛い……
可愛い……
……お姫様。
私を……
……俺を
男に……
………………戻した。
ずっと……
忘れていた感覚。
それを……
……呼び覚まされてしまった。
「二百年……ずっと…忘れていたのに……な」
親友のジークが、秘薬を飲むと言った時。
俺は止めなかった。
いや…
止められなかったんだ。
……ジークは優しい奴だから。
病気で苦しむ人を見てはいられなかったんだろう。
一人でも多くの人を助けようと必死だった。
しかし思うように研究は進まず、行き詰まり……悩んでいた。
そんな時。
ジークが実家で見つけた小さな小瓶。
それは俺達を……
俺達の人生を……
変えてしまえる程の薬だったんだ。
それからの俺は……女装をするようになった。
男だった頃の俺だと、色々とマズかったから……
別人にならなきゃダメだと思ったんだ。
……そう。
名前もそうだが、性別も分からないようにして。
意識的に女性の言葉も使うようになった。
……そうすれば。
女の目からも男の目からも逃れられると思ったから。
誰も変な男に近づこうなんて……思わないだろう?
後は一緒に居るとマズイと思い、ジークとは離れた。
ジークにはジークの思う道があったし、俺には俺の……。
そうして長い時を放浪し、会うことも無かった二人が再会してしまった。
「クスッ。……そう。お姫様も知っての通り……この城で」
弾かれたように……彼女は顔を上げた。
貴女とカイン様と初めて会った日。
……怪我をした俺に声が掛けられた。
それが……ジークだったんだ。
「長い事、会わなかったっていうのに……直ぐに分かったよ」
なにせ親友だし……。
危ない薬も一緒に飲んだ仲だしね。
……忘れようったってムリな話さ。
「後、思い出したのは……胸の奥が疼く事……かな?」
すっかり忘れていたんだ。
……忘れていられると思ってた。
「人が……女の子が……こんなに可愛いって事を……」
手を伸ばし。
……彼女の頬に触れてみる。
「あっ……」
「フッ……温かいね」
震える瞳が……俺を捕らえる……
「フラン…シスカ……」
「…フラン…でいい。フランって…呼んで?」
「…フ…ラン……」
「そう。フランシス……それが俺の…本当の名前だから……」
昔の……
男でいられた頃の……
俺の名前……
「柔らかいな……」
「あ……っ!」
不意に彼女を抱きしめると。
小さな声が……彼女から上がった。
「良い?……貴女を貰っても?」
「!……は……い……」
「ふふっ…嬉しいな。……ありがとう」
過去の俺を取り戻させてしまった貴女。
……この先。
俺は何年生きるか、分からないけれど……
それでも、今は。
「貴女を……離せそうもないな……」
例え、貴女が。
……俺を置いて。
先に逝くと分かっていても……
貴女を失くした俺に……
絶望が……訪れたとしても……
ヴィンセントのパラレルを書いていたはずなのに・・・
フランシスカになってしまいました。
何故?
久しぶりの更新がフランシスカ・・・
まぁ、良いか(笑)
お客様に「お断りも無しにサイト閉鎖はしません!」・・・たらエラソーに書いていて
何故にサイトを放置状態だったかと言いますと・・・PCがブッ壊れたからなんです(涙)
壊れたから買い替えりゃ良いや・・・ってな訳にも、いきませんで。
アレやコレやと修復してはみたものの結局、直りゃぁしませんでした(泣)
アハハのハー!(ヤケ)
おいそれと新品を買える身分でも無く、やっと先日、購入出来たと思ったら・・・
こんなに月日が経っておりました。
やれやれ・・・(疲)
あ!
肝心な事を忘れてました。
王宮ファンの皆様には、お分かりだと思いますが念のため・・・
この話に出てくるフランシスカの名前ですが勿論、捏造です。
まさか昔からフランシスカなワケじゃないだろーと思ったもので。
ジークはフランと呼んでますし「余り変えないようにしなきゃ!」
・・・と考えたら、こうなっちゃいました。
それなら「フラン」のままで良かったのか・・・(汗)
そしてフランの一人称は管理人の好みで「俺」になってます♪
カインは「僕」でないとダメなのにね(苦笑)
アンケートも、やってます。
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