今日も僕は夢を見る。


 

 

…それは。


初めて、この手で……


…人を殺めた…時の夢……











「ふ……またか……」





冷たい汗が……首筋から流れてくる。





「……嫌な……汗だ…」





のろのろと起き上がりクローゼットから着替えを取り出す。





「……気持ち悪いな」



 

 

 



最近の僕は……どうかしている。


そう。




……彼女を抱いた…あの夜から……











カイン様の。

……暗殺と引き換えに。




僕は……姫を抱いた。



姫はカイン様を守る為。





……僕と……取引をしたんだ。












暗殺を生業としている僕が。

唯一……躊躇った獲物。

それは彼女に残された……唯一人の家族。




彼の命と引き換えに彼女は……





……僕に……抱かれたんだ…………








毎晩、夢に見るのは過去の自分。


初めて長から命じられ……人を殺めた。




その時の感触が今。

手に……蘇ってくる……








「……バカバカしい!……つい最近も…依頼をこなしたばかりじゃないか」







そうだ。

あの…冷たく凍る月の下……

……姫に目撃された…あの夜。


……僕は。






任務を遂行させていた。





「……今更っ……!」





何を恐れる事がある?








「それ…なのに……」





今の僕は…

人を殺す事に

嫌悪さえ…感じている……





初めて。

人を殺めた時の気持ち悪さが…

僕を捕らえて…放さない







死ねば、ただの肉の塊。

そして。

 

…………土に還るだけ…………

 

今までずっと……そう思ってきたのに……






それなのに。



今の僕は……




何を考えている?











たった一人で。
カイン様を護っていた彼女……








そんな彼女を見て。

……僕も



……護りたいと思った……








人の。

命を奪うだけの僕が……




…僕に抱かれてまで

カイン様を…

護ろうとする彼女を……




……護りたいと……





思ってしまったんだ………









一族を…


…裏切る



……事だとしても……







例え。

…僕の




……命を懸けても……!











「……姫……」







僕の中で。

相反する心が二つ。






「…僕は…」



 

一体…どうすれば…


良いんだろう…?




 

…そして僕は……



 

「どう…したい…んだ…ろう……?」








身体を流れる汗だけが。


僕の真意を…


……語っていた……



















悩めるリオウです。
王女と一族との板ばさみ。
リオウルートを辿ると彼は「姫=命」になってくれますが。
そこへ辿り着く迄はリオウ、悩んだろうなぁ〜・・・と。
・・・それにしても。
血糊が付いてるリオウしか描けないのかよ?
小話も暗いのばっかだし・・・(汗)



 



BACK





PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル