宮廷楽士でもない…

暗殺者でもない…

何者でもない…本当の僕を……



君は…



……愛してくれる?












蒼い月に照らされた部屋で。

君の声が…僕の心を満たしていく。



甘く奏でられる旋律は。

僕の笛など…及びもしなくて……




速くなる鼓動…

紅に染まる君…



もっと…


もっと…

君を愛したい……!





王女の衣を脱ぎ捨てて…



僕の元に……降りて来て……?






「…リ…オウ…」
「……姫……」













…僕は。


赤子の頃……

寒空の下、捨てられていた。


そんな僕を

拾い育てたのは…


……暗殺を生業としている一族だった。



生まれた時から持っていた笛。

唯、それだけが

僕の唯一の気持ちの拠り所で


……大切な物だった……






その僕が。

もう一つ、大切にしたい物が出来た。


そう、それは。



……君だ……













彼女は幼い頃。
一族に攫われた事がある。


その時、僕は。
初めて彼女と出逢った。




泣いてばかりいた小さな女の子。

その子の事が気になって……




生まれて初めて……人を助けた。






幼い頃から。
教え込まれてきた。

……人を殺める事……


その行為ですら。

当然のように思っていた僕が



…人を助けたんだ。






……だけど。

彼女の中に…その記憶は無い。




でも僕は…ずっと。

幼いながらも彼女の事が…

……忘れられなかった……






例え。
彼女にとって必要のない記憶でも。

僕にとっては大切な…

忘れられない記憶……だったんだ。







あれから何年経ったろう?

僕は新たな任務に着いた。

依頼の内容は………


………王族の暗殺だった。







そこで僕は。

彼女に再会した。


ローデンクランツの…

………王女としての君に。




そして僕は。

偽りの宮廷楽士となって………

君の前に…現れたんだ。








ひと目で分かったよ。

あの女の子だと。



僕にとって君は

……特別だったんだ……






たった一人で。
運命に立ち向かおうとしている君に。

………とても惹かれた。


目が離せなくなった。




そんな君をみて僕は。

一族の………

暗殺者の僕を……捨てようと思った。




……全てを捨てても君を。


守りたいと……思ったんだ。





その時、僕は。

運命の……歯車の音を聞いた。


君の運命と…

…重なり合う音を。



君と僕が出逢ったのは運命。


再会したのも運命なら


……君を愛するのも運命だったんだ。







「君が好きだよ」
「リ…オウ…」
「君も……僕を…好き?」
「ええ…大好きよ…」
「……っ…!」
「あっ…!…」
「…ひ…め……!」
「…!…リオウ…」





誰かに抱きしめてもらったことも
無かった僕を……

……君は
抱きしめてくれるんだね?




今までの僕は。

人を愛した事も…

愛された事も無かった。



だけど今は……


君を愛する喜びも

君に愛される喜びも知っている。




ああ…!

なんて幸せなんだろうね、僕は……!







そして今。

僕の腕の中に……君がいる。


僕の……痕を

その身に記して……






何よりも大切な君…




「……愛してるよ…」









あの夜。


冷たく凍えていた月が…


今では暖かく感じる…






それは…






「…君と一緒……だからかな?」






眠っている君に口づけて…


……僕も眠るよ


君の温もりを感じながら……

















え〜っと・・・甘いですか?(汗)
・・・ヤバイなぁ。
それっぽいニュアンス書くのって凄〜く恥ずかしいです。
どうしたもんか・・・ってコレ甘いのか?(謎)






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