今日、迷子を拾った。
ムチャクチャ可愛い女の子だ。
一生懸命、自分の事を話そうとするんだけど。
泣きそうになって。
あやしてやろうと抱き上げたら。
……良い香りがした。
迷える者に愛の手を
スゲェ……焦った。
着てる服が高そうだから。
何となく金持ちの子供なのは分かってたんだけど……
「何で子供なのに……あんな良い匂いがするんだ?」
香水かな?
オフクロが、たま〜に出掛ける時に付けてるけど。
それより、高級そうだ。
……それに。
なんだか抱き心地が良いって言うか……って!
「なに考えてんだ、オレっ?!」
焦って叫んだオレに、小さな身体がビクンと震えた。
「あっ…!悪ぃ…驚かせちまったな」
大きな瞳がキョトンとした後。
ニッコリ笑って首を振った。
「ううん…大丈夫」
「そ、そっか」
……ヘンだ、オレ。
小さな子なんて慣れていたハズなのに……
何だか、この子だと……
……調子が狂う。
抱き上げたコトだって何度もあるのに……
なんでだ?
そんな自分に戸惑いながら。
ゆっくりと何処の家の子供なのか訊いてみる。
その子も落ち着いてきたのか、訥々と話し出した。
そして訊いて驚いた。
……けど、納得もした。
マクリール家の子供だったんだ。
オレがいつも相手にしているガキ共と違うワケだ。
……それじゃあ。
オレの調子が狂っても可笑しくねぇよな?
「オレはロデル」
「ロデル…さん?」
「プッ…!ははっ!ロデルで良いって!さっ!言ってみな?」
「ロ…ロデル…」
「お、おうっ!」
恥ずかしそうに言われると……妙な気分になるだろう〜///
そんな気持ちを知られたくなくて。
慌てて平静を装うオレ。
……なにやってんだか。
「ま、この街はオレの庭みたいなもんだからよ。おまえの家だって知ってっから安心しろ」
「……え?お庭なの?すごーい!」
マクリール家と言えば、この街では有名だ。
知らないヤツなんていない。
ヘンなトコで感心されちまったけど。
ま!悪い気はしねぇな♪
「んじゃ、行くか!」
「うんっ!」
マクリール家に送りがてら。
ブラブラと店を見て歩く。
その度に。
可愛い歓声を上げてはギュッとオレの手を握る。
その仕草が。
……オレの胸を擽る。
……なんだ、コレ?
この子の行動、一つ一つが。
可愛くて……目が離せない。
ホント……ヘンだ…オレ……
迷ってた、あの子に手を差し出したのはオレ。
……だけど。
今度、会う時は……
あの子から……オレに手を差し出して欲しい。
……なんて。
そんな事を考えるオレって……
結構、ヤバイ……?(汗)
でもさ。
あの子の笑った顔を見たら。
誰だって、そう思うぜ?
ホント、スゲェ可愛かったんだ。
家に送った後、小首を傾げて。
「ありがとう、ロデル」って……
その時の笑顔は。
5歳の子供には見えなくて……マジ、ドキッとした。
……心臓に悪ぃ。
帰り道。
なんでオレは18なんだ!……って。
バカみたいなコト考えて……ヘコんだり。
そして明日。
改めてオレに礼を言いに来てくれるらしい。
別れ際。
小さな小指を立てて、恥ずかしそうに笑った。
「また遊んでね。……約束」
「……ああ。約束な」
それを見た、あの子の両親が。
礼を言いに来るのに、あの子も連れて来ると言う。
迷子になった場所に……
そう何度も連れて来たくないだろうに。
「優しい…良い両親だよな。愛されてんだな……あいつ」
この時のオレは、あの子にまた会えるコトに舞い上がっていて。
肝心なコトが頭から抜け落ちていた。
あの子には。
ちっこいナイトが……
カインと言うナイトが付いているコトを……
迷子になっていたのは、あの子。
……迷っているのは、オレ。
ああ……
迷えるオレに、愛の手を……!
久しぶりのパラレル。
ロデルの年齢設定を、どうしようかと悩みました。
カイン達と3人、コロコロと子犬みたいに駆け回るのも可愛いかな〜と思ったりしたんです・・・が。
下町の頼りになる「お兄ちゃん」設定も良いかも?と思い直しまして、こうなりました(笑)
・・・でも。
これでまたロリコンが増えたって事でしょうか?(汗)
アンケートにお答え頂いたお客様、ありがとうございます!
票を入れて頂くと本当に嬉しいですvv
更新の遅い管理人ですが頑張ろう!って気になりますから(苦笑)
お好きなキャラや話では無いかも知れませんが(滝汗)楽しんでいって下さいませ〜
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