食
今日。
あいつが昼メシを差し入れしてくれた。
なんでも自分で作ったらしい。
そして、オレの感想は…
スゲェ美味かった!
……でも、不思議なんだよな?
あいつは姫さん…って言うか。
王女なんてやってるのに。
…料理なんて出来たんだな?
「さすが!カインの姉ちゃんだ!」
「ロデル?」
妙な感心をしていたら。
あいつがキョトンと。
オレを見ていた。
「あっ!…いや、こっちの話」
「…そう?」
イマイチ納得していないみたいだったけど。
何とか誤魔化す事が出来たみたいだ。
あいつは、やっぱ王女だけあって。
人を疑う事を知らない。
…だから。
オレの下手な嘘でも。
信じてくれるんだよな。
一人で。
あれこれ考えていたら。
あいつがクスクスと笑いだした。
「…なんだよ?」
「ロデル。少し、じっとしててね?」
「あ?………!!」
………………
………………ビックリした。
あいつがオレに。
笑いながら。
顔を寄せて来て…!
「なっ…!?」
「あっ!まだ、じっとしてて!」
「!!」
スッと。
あいつの白い手が。
オレの頬に延びて来る…!!
「……あ?」
「はい。綺麗になったわ」
よく見ると。
あいつの手には。
ハンカチが握られていて。
オレの汚れた口元は。
綺麗に拭われていた……。
「は…はは。…な…んだ…。…そういう…事かよ…」
「? どうしたの? ロデル」
「!! あっ! いやっ何でも無いっ!」
「?」
バッと思い切り。
あいつから離れ…
…口を拭う振りをしながら。
赤くなった顔を……隠した。
ヤバイ…!
オレ…今…
…何…期待してたんだ…?
オレ…むちゃくちゃ……
……………………
カッコ悪ぃ…じゃん…
…………………………………
……………………
そ、そりゃあ!
オレ達!
お互い気持ちを打ち明けて!
それも!
両想いで!!
…だから!
別に……
あいつと…そう成りたいって思っても。
…変じゃ…無い…よな…?
………うん。
…でもな。
あいつは女だから。
オレと違って…考えも違うだろうし。
無理矢理って…ワケにも…いかねぇし……
…………………
…………………
……って!?
「何を考えてるんだぁ〜〜〜っ!オレはぁ〜〜〜っ?!」
「きゃっ!」
「うわっ!?」
「…ロデル? 大丈夫?」
「うっ!!」
マズイ……
変な考えに没頭していたオレは。
あいつが傍にいた事も忘れちまってたらしい…!
心配げな顔をして。
あいつがオレの顔を覗き込んで来る。
…益々、近づいてるじゃねぇかよぉ〜〜〜〜っ!!!(泣)
その時。
あいつから。
…凄く。
……………良い匂いが………したんだ……………
何かが。
オレの中で。
プツッっと…切れた。
「…っ!! ロ…デル?」
「!!」
気が付くと。
オレの腕の中に…あいつが居た。
ふわふわとした感触が。
オレの腕を…侵食していく。
「………………柔らけえ」
「…え?」
「おまえって…すっげえ柔らかい…のな?」
「あっ…!」
オレの言った言葉に。
顔を真っ赤にすると…
隠すように…オレの胸に顔を埋めた。
「ヘヘッ…可愛いヤツ!」
「!…もう……っ! ロデルっ?!」
「アハハッ!」
オレは嬉しくなって…
ギュッっと!
あいつを抱きしめた。
「もう…放してやんねえ…から…な?」
「……うん」
そのままオレは。
いつまでも…
あいつを腕に閉じ込めていた。
オレの腕が。
あいつの柔らかさを…
……覚えるまで……
そして。
この腕を通して。
あいつにも…オレが。
…侵食していけばいい…と……思ったんだ……
管理人が一番に落としたロデルくん。
何気に、お気に入りキャラではあるんですが。
どう言う訳かマトモなイラが1枚も無い事に気付きまして。
4コマなら、あるんですけどね(苦笑)
そろそろ1枚描こうかと描き出したら、あら?不思議?
小話まで出来ちゃいました(笑)
まぁ今まで放っておいた、お詫びも兼ねて。
甘い話を!・・・と頑張っては、みたんです・・・が。
相変わらずのヤマ無しオチ無し小話に・・・トホホ(涙)
何はともあれ・・・
アンケートに票を入れて下さった、お客様に捧げます・・・ってか捧げさせて下さい〜
少しでも、お気に召して頂けたなら幸いです(ペコリ)