「……あんた、鼻息荒いわよ。で、副長とどうしたの?聞こえないよ、え、耳かしなさいって?はいはい」
「小さな声で一回しか言わないよ。……一緒にシャワー、浴びてしまった」
「?!?!!!? お、お、お、落としたの?落とせたの?……それってかなり信じられなことなんだけど」
「やだっもうっっ、そんなのじゃないって!!」
「ちょっと叩かないでよ、ぐほっ痛いっ、自分の馬鹿力を考えなっ」
「やだなぁ、もう。あのさ、、私が第一小隊のシャワールームで汗流してたらさぁ、副長がぁ、偶然入って来たんだよぉ」
「………は、裸で?って当たり前か」
「たまに私がいることに気づかずにシャワールーム入ってくるヤツいるからさ、湯気でよく見えなかったし、最初はてっきりそうだと思ってそのままザーザー浴びてたわけ」
「ってあんた、どこも隠さずに?」
「そぉだよぉ!で普段だったら入ってきたヤツはきゃーとかいって逃げ出すのに、平気でシャワー浴びだしからさ、なんだよコイツって思ったら」
「……あんたの愛しの副長さんだったわけね」
「もう死ぬかと思ったー。びぃっくりしてそのまま固まってたら、副長の顔がこっち向くじゃないー」
「って?それで?それから?それからどうしたのっ」
「こっち見てー、そんでもってー、『貴様か』って」
「…………で?」
「で、またシャワー浴びだしたんだー。少し上向き加減で、額から流れ落ちる水が形のいい鼻を伝って顎から首筋に流れて……肩とかぁ、背中とかぁ、胸とかぁ、ふ、腹筋のくぼみとかぁ、そ、そ、それから、そそそそそそそ」
「わかった落ち着け!皆まで言うな!ここは平日の真昼間のカフェだからっ、続きは夜更けのパブでじぃっくり聞くから……でそれから?」
「フツーに頭洗って体洗って出ていった」
「……フツーに?」
「うん。フツーに。……見ちゃった……私、副長の全てを見ちゃったよー。やーんどーしよー」
「………………」
「も、もう姿見るたびにドキドキするよー。副長ってばぜんぜん普通なのに、きゃー」
「……副長さんは、その後あんたを見ても普段と変わらないわけ?」
「うん、そう、あの人っていつも冷静だから。どんな事でも動じないんだっ、ああ素敵!!」
「………………」
「あーん最高!!」
「………………」
「きゃーん!」
『……フランシスカ。あんた絶対、女扱いされてないよ』