静かに雨が降る…。
暗い闇。光もない。
雷の音、光に瞬間、照らされる。
白い裸体に散る紅い痕。
目元に巻かれた布。
両手首、足首に付けられている枷。
枷から延びる鎖は壁に固定されていた。
羽根をもぎ取られたような傷跡が背中に痛々しく残る。
彼は、天使だったのだろうか…?
−NO WINGS ANGEL…−
カタカタ、と身体が震える。
「ヒューズっ…」
目元の布が涙で濡れている。
誰もいないことの恐怖。
だが、肉体は快楽を求めているのか、欲を表す場所が勃ち上がってきていた。
呼吸を乱し、何度も名を呼ぶ。
「ヒューズ、ひゅーず…っ」
その声音が色づく。
艶めかしく、淫らに…。
「あ〜あ。もう、薬が欲しいのか…?」
聞き慣れた声が聞こえ、宙に手を延ばす。
「はやくぅ…」
マースは、そんな青年を見て、白い腕に注射器の針を刺し、中身を注入する。
その後、唇を重ねた。
「この薬の条件、憶えているよなぁ…?」
少し笑って問うと、胸元の尖った突起を摘み上げる。
「あぁ…っ、まぁ…すっ」
声を発し、身体は欲望を露わにする。
乳首を指で刺激させながら、下半身へと触れる。
「ロイ、やらしい。ベトベトになってる…」
先走りに濡れた自身を軽く扱きながら、口にすれば、コプンとまた溢れた。
「あぅ…んっ、やぁ…っ」
顔を赤く染め、嫌々と首を振るが、マースの手の動きに合わせ、腰を揺らしていた。
「後ろもヒクついてるな…。ロイ、どうしてほしい?」
指先で突っつけば、それを飲み込もうと内膜が律動する。
そうして、少しずつであるが指を中に飲み込んでいく。
「ほし…ぃ、まぁ…すっ」
口端から涎を垂らしながら、訴える。
指を遠ざけ、成長しきったモノで最奥まで貫いた。
「ひぃ…っ!」
痛みが走るが、それは一瞬の事。
マースが動き始めれば、痛みは消え、純粋な快感が駆け抜けていく。
二、三度突かれ、ロイは果ててしまう。
「ぁあ…っ! ひぁ…ぅ」
だが、彼の動きは止まらず、イッた後の敏感な身体を攻められ、ロイ自身は熱を帯びていく。
「はあ…っ、もっと…ぉ」
濡れた音をたたせながら、内部、前立腺を突かれ、擦られ、喘ぐ声しか出ていかない。
激しくなっていく動きに、鎖がジャラジャラと音を立てる。
「ひぁあっ!」
抉るかのように突かれ、二度目の絶頂を迎えた。
意識を無くしたロイの中に欲を吐き出すと、マースは己を引き抜いた。
「これで、また六時間後だな…」
時計を見て、呟くと部屋を後にした。
薬は遅効性の催淫剤。
自我も理性も崩され、ただ抱かれる快感を求める…。
闇に堕ちた天使。
二度と光には、帰れない…。
−END−