あれから、どれぐらいの時間が過ぎたのだろうか…。
空から、雨が降ってきた。
それは、まるで自分の心情を映しているかのよう…。
まだ、信じられない。
認められない。
この事実だけは…。



喪失 〜lost...〜




薄暗い執務室。
電気をつけることもせず、椅子に座っていた。
また、彼から電話が来るのではないか…?
そんな淡い期待を抱いている自分がいた。
だが、そんなことはない。
二度と、起こりえないこと。

「マース…」

ポツリと口にした名前は、宙に消えた。
もう、彼は何処にもいないのだ。
どんなに呼んでも、自分の傍に戻ってきてはくれない。
家庭に戻ることもない。

ならば、彼は何処にいるのだろうか…?

そう思い、ふと顔を上げた。
人体錬成の禁忌を犯そうと考えている自分に気付かされた。

そう。彼はこの世界ではない世界に行ってしまったのだ…。
此処ではない、何処かへ…。

雨音を聞きながら、静かに息を吐く。
「愚かだ…」
自嘲し、溢れてきた涙を拭う。
失くしたものは、取り戻せない…。
「どうにもならない。この感情だけは…っ」
彼に出逢い、彼によって気付かされた気持ちは、言う事を聞かない。
どうにかして、彼を蘇らせようと思考を支配する。
そうでなければ、死んだということを認めようとはしない。
まだ“アイツ”はいると伝えてくる。
「お前がいれば…」
何も変わらなかった。
そう、何も…。


失ったものは大きく、この場に立っていることも不思議な程で…。
けど、これが現実。





―END―










[後書き]
ヒューロイ。
やっぱり、このカプが一番好きだなぁ…。
これ、夜中と朝に書いて、最終的に朝の電車の中で家のパソに送信しました。
ははは〜。

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