ただ一人、大事な人がいる。
部下は大切だし、失いたくない。
けど、それよりも大事で失くしたくない人がいる。
「いい加減にしろっ!」
乱暴に電話の受話器を置き、溜め息をはいた。
「大佐、電話はお静かに…」
「解ってる」
中尉からの言葉に、そう答え、窓から外を見る。
そうして、少し笑った。
なんだかんだ言いつつも、彼から来る電話は嬉しいものだ。
今は離れた場所にいることもあり、尚更だった。
「なぁ、中尉。あいつがいなくなったとき、私はどうなるのだろうな…?」
問い掛けるように言った言葉に、彼女は何も言わなかった。
失えない、一つのもの。
それは…。
−END−
[後書き]
はい。凄く短いです。
明らかに、これの後に続きそうな話があるんですけど…(苦笑)
実質、十分もかからずに打ち込み終わった気がすます。
ははは〜。