「その手袋がなかったら、焔を使えないんすか?」
「…そういうわけではないが、何故そんなことを聞くのだ?」
昼間の執務室。
不機嫌そうな大佐の前に少尉はいた。
「気になっただけなんすけど…」
苦笑しながら言えば、ロイの目が光る。
「なんなら、此処で炭にしてやっても…」
「やや…っ。遠慮しますっ!」
パチンと指を鳴らそうとする大佐に慌てて言うと、部屋を飛び出した。
それを見て、思わず笑った。
「冗談に決まってるだろうに…」
「へぇ〜、随分、意地悪いんだな」
呟くように言った言葉に心外な事を言われ、驚き、声の主を見た。
「鋼のっ!いつから、そこに…」
問い掛けるロイの唇をふさぐ。
「少尉が出て行ったときに入って来ただけ」
ニッと笑って言うと、離れた。
ひらひらと手を振りながら、部屋から出ていく。
「音も姿もなしに燃やせる方法はないかね…」
皮肉めいた声音で言った。
今日も軍部は平和である。
―END―
[後書き]
ハボロイ、エドロイ風味。
ギャグっぽい話でした。
一応、カップリングのつもりなんですけど…。
大丈夫ですかね?
まぁ、いいか…。