「最終兵器彼女」について
べんきょーの合間に漫画喫茶に逝って「最終兵器彼女」を最後まで読んできました。
ちゅーか、マジで吐き気がしたんですけど。レトリックではなく、リアル吐き気です。なんでこんなキショイ漫画が書けるんでしょうかこの人。以下雑想。
エンディングを軽くネタバラシすると、要するに世界は滅びてもボクタチ二人は一緒なんだジョーという、作者の側から見れば「真実の愛の形を描いてやったぞ!」という感じなんですけど、これが気持ち悪い。なんというか、このエンディングを真の愛とか言える人間は素で異常だと思います。カウンセリング受けた方が良いです、マジで。
この結末は要するに、傍らで世界が滅びているさなか、自分らだけ助かって、「二人で生きていこう」とか言ってるわけです。親とか友人とかが死んでいる最中ですよ。神経疑います。
最高に気持ち悪いと思ったのは、作者がこういうシチュエーションを讃美してやまない心理がひしひしと伝わってくるところ。
核戦争で世界が滅びます。あなたは恋人と二人、核シェルターに逃げ込むことが出来ます。そこにはあなたと恋人が死ぬまで生きるに十分の食料があります。娯楽もあります。さて、どうしますか。
恐らく作者はこういうシチュエーションになったら、シェルターに入るを選ぶでしょう。私は選ばないと思います。少なくとも、友人や家族が全滅していく中、残ろうとは思いません。もしシェルターに入っても、罪悪感と孤独感で精神が崩壊してしまうでしょう。
私は人がたくさん死ぬ話が大好きです。死と言うテーマについて考えることが出来るし、なにより物語が起伏に富んでいて面白いから。「漂流教室」、「バトル・ロワイヤル」、「不夜城」、「シャイニング」……ホラーからノワール、ミステリまで、全て敬愛しています。
にもかかわらず、この駄作のような気持ち悪さを味わったことはありませんでした。何故か。
思うに、私の敬愛する作家たちは、確固たる常識を持っていたからなのでしょう。常識に基づいた上で、非・常識の世界を描いてきた。故に、作品世界は非・常識的であっても、根底に流れる思想は極めて常識的なものだったわけです。
「最終兵器彼女」は違います。全く逆です。作品は一見、常識的。高校生同士のピュアな恋愛の世界。しかし、根底に流れる作者の思想は、極めていびつで、異常なものなのです。故に、この結末がこんなにも気持ち悪いというわけ。
以上、「最終兵器彼女」レビューしゅうりょー。腐れオタクは死ね。
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