大長編「ドラえもん」全作レビュー6 「のび太の宇宙小戦争」



一言で言えば完全にご都合主義の作品。当然出来はよくない。F先生どうしちゃったの? という感じ。多分飽きてたんだと思う(笑)


ご都合主義の点は多々あるが、ひとつずつ挙げてくと、まず惑星ピリカでクーデターが起きる理由というのがよくわからん。クーデターって内政が乱れた際に起こるものであって、パピ大統領はいい政治家だったんじゃないの? ドラえもんたちがパピ大統領を助けるために惑星ピリカに戦争を仕掛けるわけですが、そのための強引な展開という感じで完全にご都合主義。

ラジコンとピリカの無人戦闘機との戦いも酷い。
スネ夫が作った強化ラジコンは無人戦闘機の攻撃を全く受け付けず撃墜しまくるわけですが、その後変な船にラジコンに刺さってるアンテナを打ち抜かれて即死ですよ。何百機と飛んできてる無人戦闘機のビームは一発もアンテナに当たらなかったんかい。ご都合主義。

そしてご都合主義の最大のものが、結末でしょう。
スモールライトで小人になったまま捕らえられたドラえもんたち。ライトさえあれば……もとの大きさになればこんな奴らひとひねりなのに! と思った瞬間、巨大化をはじめるのび太の体。

「あ! ライトの効果が切れたんだ!」(byドラえもん)

おいおいおいおい、ちょっと待てこのポンコツダヌキ! そんな話これっぽっちも、爪の先ほども聞いてねーし! そんな私の声なき声を無視して巨大化を始めるドラえもん軍団。キングコングの構図で空軍を打ち落とすドラえもんのコマにはF先生のヤケッパチが感じられて面白いやら哀しいやら。でも最後にドラコルルを打ち落とした戦車のビームはどういう原理で出てるんですか?(知りません)


全編これヤッツケ仕事という感じで、個人的にはチョンボだとは思いますが、まあF先生は天才ですからそれでも一応読める作品にはなってます。私も上記のような矛盾点をガキのころから気づきつつも、それなりに楽しんでいたような気がしますし。ロコロコかわいいし。まあそんな感じ。


この作品の出来を反省したのか、次作「鉄人兵団」は驚異的なまでの完成度を誇っているわけですが、それはまた別のお話。


2003年9月18日



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