浜崎あゆみニ思フ
ミュージックステーションを見ていたわけで、浜崎あゆみが「元気が出る曲」にサザンの「マンピーのGスポット」を選んでいたのは痛快だった。同時に、浜崎のようなオナゴがイメージダウン覚悟(?)でこのような怪作を選んで来た辺りに驚きを感じた。浜崎の語るサザンへの想いに心から共感している自分にも。
私は長いこと浜崎のことが嫌いだったわけですが、ちょっと前にトーク番組をやってるのを見てからそうでもなくなってきた。
もともと浜崎嫌いだった理由はハイチュウやBOSSといった不快感を与えることを目的として作られたとしか思えないCMが原因でして、空飛ぶ絨毯の上でひたすらカメラ目線を送ってくる浜崎に対し、今すぐ放送局に乗り込んで殺したいと思うくらい怒りを覚えていたわけです。
でも、素の浜崎ってCMやプロモーションビデオに出てるようなキチ入ったパー子ちゃんではなく、面倒見のよさそうな姉御肌の女性なんですよね。実は。
以前のトークでも今日のMステでも、CMから想像も出来ないくらいしっかりした女性で、話してみないと判らないけど身近にいたら意外と友達になってそうな感じ。あんな変なCMなんかやらないで素で売っていけば、私のような偏屈な人間にも好感を持って迎えられるというのに。今、素で売れる若手芸能人なんてほとんどいないわけですし。
ではなぜCMやプロモーションビデオになるとあんなことになってしまうのかというと、多分浜崎の変身願望によるものだと思う。とにかくこの人、変身願望が強いと見た。新曲の度、新作CMの度に新しいコスプレを纏い、常に新しい「浜崎」を演出する。ハイチュウのCMでやってた「天然浜崎」も、そういったプロジェクトの一環だったのだろう。
しかし、それが全くはまっていない。「変身」した浜崎に覚えるのはただただ殺意のみである。
素で金をもらえる人間が本性を隠し、演技することでしか金を拾えない人間が「本当の私を見て」と聞いてもいない告白を始める。とかく世の中は巧く出来ていない。
2003年10月3日