「殺人リハーサル」(VS 小林念侍)



古畑モノの犯人は、たいてい周囲との人間との関係性が存在しないか周囲の人間に嫌われているので、純粋に古畑と一対一で対峙することが多い。動機も恋愛のもつれやエゴや、手前勝手なものが多い。だからこそ古畑は安心して犯罪を暴き、犯人を捕縛することができるし、我々も安心してそれを眺めていることができる。

しかし、今回の犯人は違うわけです。
動機は半分以上が他人のため、周囲の人間にも慕われているし、実際素晴らしい人格。こうした犯人に対し、古畑がどういうスタンスで相対するのかと興味深く見ていたのですが、なんのことはない、いつもと一緒でしたね(笑) 古畑はいつも通り犯罪を暴き、良心の呵責に苛まれることなく犯人を逮捕した。
これ、従来の人情刑事モノだったら、犯罪を見て見ぬ振りして無罪放免か、それでも捕まえなければいけないんだー! みたいにお涙頂戴で盛り上がるかしてるところですよ。しかし古畑はいつもと同じように淡々とロジックを説明し、犯人を自白に導いた。このスタンスに嬉しくなっちゃいました本当に。


ただ、ミステリとしてはどうということはないです。
特に、メインの謎にあたる

「どうして舞台セットの月が天井の上にあげられていたのか?」

の回答は陳腐の一言。私は一瞬で思い浮かんだ回答を、「まさかこんな簡単じゃないだろう」と思って放置していたのですが、実はそれが正解だったので椅子から落ちそうになりました。あと犯人も自白が早すぎる。こんなんで罪状認めるなよ! あそこに写真が落ちてるのも不自然だし(処分しろっての)、ミステリとしての出来はシリーズ中でも最低に近いんじゃないですか。


今作の見所は、どんなにいい犯人であっても躊躇なく捕まえるという古畑のスタンスと、真剣白刃取りくらいですかね(笑) 白刃取りのあと、小林念侍が竹を真っ二つにするシーンの古畑の表情は本当に笑える。


2003年7月17日



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