「インディペンデンス・デイ」思い出レビュー
「インディペンデンス・デイ」は、アメリカのオナニー映画です。
そもそもアメリカ人っていうのは、自国民第一主義というか、ナショナリズム万歳というか、戦争をしてないと不安になってしまうとか、そういう思想が国中を占めていて、不況が長引いてくるとどうしてもこんな映画が登場してしまうのであってブツブツブツブツ………………
全てをわかったような口調で、上記のことを抜かす人間を何人も見てきましたが、あんたは何もわかっちゃいないんだ!!(←いきなりマジギレ)
これほどハリウッド映画らしいハリウッド映画はめったにありません。これをハリウッド映画と呼ばないで何がハリウッドかっ!
凄まじいまでの宇宙船のCG。
勧善懲悪のわかりやすすぎる世界観。
見終わったあとはサッパリアッパレ何も残らず。
文明批評だの、人間の真の姿などくそくらえ!! 我々はこういうものをハリウッド映画と呼んでたんじゃないのか!!!
とまあ、それは大袈裟ですが、ハリウッド映画の歴史には、小難しい理屈は抜きにしてとにかく楽しめ! 俺が2時間楽しませてやる! みたいな作品の系譜があることは確かです。「スター・ウォーズ」なんてのがまさにそれですし、エンタに徹している時のスピルバーグ映画なんてのはモロこれに当てはまります。
そう、「インディペンデンス・デイ」を見るにあたって、小難しい理屈なんぞいらないんです。むしろ邪魔です。
「なんでアメリカの独立記念日に、世界が手を挙げて戦わなきゃいけないんでしゅかー?」
とか抜かしてはいけません。なぜか、なんてわかりきってます。これがハリウッド映画だから。それ以外に理由は必要ありません。
先に挙げた独立記念日のエピソードもそうなのですが、この映画は「アメリカ万歳」を言いたいがあまり、ストーリーの爽快さを追求したいがあまり、リアリティがメチャメチャになってます。そうした部分を全て許し、むしろツッコミを入れながら見ると面白さ倍増です。
例えば、エイリアンの宇宙船に乗り込んで、宇宙船のバリアを破るためにコンピュータ・ウィルスを仕掛けるという場面があるのですが、ハッキングに使われるパソコンがなんとマッキントッシュ。宇宙人もTCP/IP使ってんのかよ! ゲラゲラ笑いました。
そして、最大の見せ場はその後。
人類の独立を宣言したアメリカ大統領が突然、ヘルメットを持って参上。ま、まさかこの展開は……!!
と思う間もなく、戦闘機に飛び乗って出撃!!
「俺が先頭だ! ついてこい!!」
と叫んで宇宙船に向かってミサイルを打ちまくり!! このシーンはすごい! 映画館で見ていたにも関わらず、腹が痛くなるくらい爆笑しちゃいました。しかも、一枚の絵として死ぬほどかっこいいんで、鳥肌も立ってしまうわけです。笑いと痛快を、最高のレベルで同時に味わわせてくれる超絶シーン。ハリウッド映画史上、屈指の名場面として語られるべきでしょう。
この映画が、アメリカのナショナリズムを高揚させるためのものなんて誰にもわかります。そこを捉えて、
「こんな映画面白がるのって、ガキじゃないの?」
とか言ってる人間がたくさんいますが、その態度の方がよっぽどガキです。真の大人映画ファンたるものは、全てを理解してウンウンと頷いた上で、馬鹿な部分も凄い部分も一緒くたにして楽しむべきです。感動と笑いが一斉に込み上げてくる、これぞハリウッド映画の王道。アメリカはあまり好きくない私ですが、アメリカ万歳! と叫んでしまいたくなるのは、こういう映画を見終えた時とかです。
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